カジュアルゲーマーにぴったりの機種で、あまり「ゲーミングPC」っぽくないところが人気のIdeaCentre Gamingです。
電源は380Wと若干小さいですがミドルクラスからミドルハイのスペックで、筐体も15Lと小さく、机上に置いても圧迫感が少ないです。
最大でZen 3アーキテクチャのRyzen 7 5700Gに、最新RTX 30シリーズのRTX 3060も搭載でき、ゲームタイトルによっては快適なfpsでプレイできます。
Contents
IdeaCentre Gaming560のスペックレビュー
CPU | AMD Ryzen 5 5600G AMD Ryzen 7 5700G |
---|---|
メモリ | 最大32GB |
ストレージ | SSD 最大1TB |
グラフィックス | NVIDIA GeForce GTX 1660 Super NVIDIA GeForce RTX 3060 |
有線 | 10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T |
無線 | WiFI6、Bluetooth v5.0 |
Microsoft Office | Office Home &Business 2019搭載モデルあり |
寸法(幅x奥行きx高さ) | 145 x 292 x 365㎜ |
重さ | 5.9㎏ |
電源 | 380W 80PLUS Platinum |
保証 | Legion Ultimate Support 1年間 |
付属 | キーボード、マウス |
価格 | 13.5万円~ |
パソコンの頭脳であるプロセッサーは内臓グラフィック搭載のRyzen Gシリーズで、Passmarkも2万オーバーの高性能になっています。シングルコア性能もCinebench R23で1500ほどなので、ゲームもプレイしやすいし、クリエイティブワークもしやすいと思います。
グラフィックボードはGTX 1660Sと最新のRTX 3060で、ミドルクラス~ミドルハイクラスの性能ですね。カジュアルゲーマーや、軽めのゲームをする人に向いています。
メモリはDDR4-3200MHzで、メモリスロットは2つになります。最大32GBに増設できます。ストレージはSSDが最大1TBで、3.5インチベイが1つあるので、こちらも増設が可能です。
ギガビットイーサネットにWiFi6もあるので、LANケーブルが部屋に届かないという人でも比較的使いやすく、電源は380WのPlatinumで電力変換効率が92%と高いです。
本機種は公式サイトでは販売されておらず、街の電気屋さんや楽天で販売されています。
旧モデルとの比較
<左/本機種・右/IdeaCentre Gaming 550>
旧モデルのIdeaCentre Gaming 550との比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値)
本機種 | Gaming 550 | |
CPU | Ryzen 5 5600G Ryzen 7 5700G |
Ryzen 5 3600 |
メモリ | 32GB | |
ストレージ | SSD +HDD | |
GPU | GTX 1660 Super RTX 3060 |
GTX 1660 Super |
通信 | WiFi6、ギガビットイーサネット | |
電源 | 380W | 310W |
重量 | 5.9㎏ | 5.8㎏ |
価格 | 13.5万円~ | 8万円~ |
まったく同じ筐体を使用しており、プロセッサーが変わりRTX 3060が追加された新バージョンといった感じですね。価格が大きく違うのは、本機種は量販店モデルで追加の人件費や家賃などがあるためで、旧モデルは公式サイトで販売されているので割引にもなっています。
グラフィックボードの性能を表す3Dmark Fire strikeと、プロセッサーの性能を表すPassmarkスコアです。
Fire Srike
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 3060 | |
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GTX 1660 SUPER |
Passmarkスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 7 5700G | |
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Ryzen 5 5600G | |
Ryzen 5 3600 |
ともに大きく性能が上がっていますね。
ライバル機種
<左から本機種・Legion T550・Legion T550i>
本機種と似たような機種との比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値。スマホの人は表を右にスクロールできます)
本機種 | Legion T550 | Legion T550i | |
CPU | Ryzen 5 5600G Ryzen 7 5700G |
Ryzen 5 3600 Ryzen 7 3700X |
Core i5-10400 Core i7-10700 |
メモリ | 32GB | 128GB | |
ストレージ | SSD | SSD +HDD | |
グラフィックス | GTX 1660 Super RTX 3060 |
GTX 1650S/1660S RTX 2060/3060 |
GTX 1650S/1660S RTX 2060/3060 |
通信 | WiFi6、ギガビットイーサネット | ||
電源 | 380W | 650W | |
重量 | 5.9㎏ | 14㎏ | |
価格 | 13.5万円~ | 9.3万円~ | 8.1万円~ |
本機種はカジュアルユーザー向けの機種で、ゲームもするけど普段使いや仕事用としても使いやすい機種で、Legionは100%ゲーミングPCです。
スペック的にもLegionの方が価格が高くないといけないのですが、本機種は量販店で販売されているため割高になっています。(というか、Legionも量販店で販売されていいますが、公式サイトと量販店の価格は違います)
各機種の特徴です。
・本機種・・・カジュアルユーザー向けでミドルクラスの性能だが、電源が低め
・Legion T550・・・本格派ゲーミングPCでライトニングがかっこいい
・Legion T550i・・・T550の兄弟モデルで人気のIntel製CPU搭載
Passmarkスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 7 5700G | |
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Ryzen 7 3700X | |
Ryzen 5 5600G | |
Core i7-10700 | |
Ryzen 5 3600 | |
Core i5-10400 |
単純なPassmarkだけを見たら本機種が一番高いですが、メモリ容量や電源を見ると一概に本機種が一番高い性能というわけじゃありません。
メリット・デメリット
良い点
・量販店で買えば実際に触って検討できる
・最新のRTX 3060が搭載可能
残念な点
・量販店モデルなので割高
・電源が小さい
IdeaCentre Gaming550 AMDの特徴
旧モデルから筐体は変わっておらず、カジュアルな筐体ですがBlue LEDライティングもあるので、怪しい雰囲気が出て良いですね。
<LEDライティング>
筐体は小型15Lで、
- 幅145㎜・・・千円札の長辺(150㎜)
- 奥行292㎜・・千円札の長辺x2(300㎜)
- 高さ365㎜・・一万円札(160㎜)+500mlペットボトル(20.5㎜)
と小型ですね。机上に置いても圧迫感が少ないサイズですが、小型筐体なので拡張ベイは乏しく、3.5インチベイとPCI Express x1が1つ空いているだけです。
右側面です。
左側面には排気口があり、ファンはフロントとリアに1つずつあります。
天面にも排気口はありませんが、机の下に置いた場合、足を乗せやすいですね。
天面には取っ手があるので、設置や移動が楽に行えます。
また、Radeon Softweaからオーバークロックの設定も簡単にできます。(オーバークロックは自己責任で!)
ただし、このソフトはなんか不具合が多く、一度ダウンロードして必要ないなと思ってアンインストールしたら動きがおかしくなったり、輝度が変えれなかったりと不具合が出たので個人的に入れない方がいいかなと思います。入れっぱなしにしていたら問題ないですが、「バージョンが一致しません」って警告が出て開けなくなることも多いです。
UEFI(BIOS)からオーバークロックする方がいいかもですね。
APU
Ryzen 5 5600G | Ryzen 7 5700G | |
アーキテクチャ | Zen 3 | Zen 3 |
---|---|---|
コア/スレッド | 6/12 | 8/16 |
キャッシュ | 16MB | 16MB |
GPUコア | 7 | 8 |
基本クロック | 3.9GHz | 3.8GHz |
ブーストクロック | 4.4GHz | 4.6GHz |
TDP | 65W | 45W |
CPUはRyzen 5000シリーズで最新アーキテクチャのZen 3になり、Zen 2からの大きな変更として以下があります。
- コアからアクセスできるL3キャッシュが倍増(パフォーマンス向上)
- IPCが19%向上し、電力当たりのパフォーマンスが最大24%UP
- シングルスレッドの性能が最大23%UP
- マルチスレッドの性能が最大108%UP
Zen 3になり、大きく性能が上がっていますね。
スコアの目安
- 2000~・ネットサーフィンでもストレスを感じるほど
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
Passmarkスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-11700K | |
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Ryzen 7 5700G | |
Ryzen 7 3700X | |
Ryzen 5 5600G | |
Core i7-10700 | |
Core i5-11500 | |
Ryzen 5 3600 | |
Core i5-10400 |
このクラスのPCに搭載するプロセッサーとしては(と言うか、普通に見ても)、かなり高い性能ですね。
こちらはCinebench R23でマルチコアはパソコンの総合性能、シングルコアが高いとゲームや画像・動画編集などクリエイティブワークもしやすくなります。
Cinebench R23
オレンジ色・・・マルチコア 青・・・シングルコア
Core i7-11700K | |
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Ryzen 7 5700G | |
Core i7-10700 | |
Ryzen 5 5600G | |
Core i5-11500 | |
Core i5-10400 |
Ryzen 5、Ryzen 7共に良いスコアですね。
グラフィックス
RTX 3060 | GTX 1660Super | |
GPUアーキテクチャ | Ampere | Turing |
CUDAコア | 3584 | 1408 |
RTコア | 第2世代 | – |
Tensorコア | 第3世代 | – |
ベースクロック | 1320MHz | 1530MHz |
ブーストクロック | 1780MHz | 1785MHz |
メモリタイプ | GDDR6 | GDDR6 |
メモリ容量 | 12GB | 6GB |
TDP | 170W | 125W |
RTX 3060は最新のグラボで、RTコア(レイトレーシング)とTensorコア(AI推論)が搭載しています。
「レイトレーシング」とは、光線(光)がどのように動くか追跡して表現する技術で、これを「リルタイム」でシュミレートし描写する技術です。
簡単に言うと、RTX 3060はより現実に近い描写が可能になっています。また、fpsを落とさずに画質を上げることが出来るDLSSにも対応しているので、より鮮明な映像が楽しめます。
Fire Strike Graphics
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 3090 | |
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RTX 3080 | |
RTX 3070 | |
RTX 3060 Ti | |
RTX 2080S | |
RTX 3060 | |
RTX 2070S | |
RTX 2060 | |
GTX 1660S | |
GTX 1650S | |
GTX 1650 |
グラフィックボードはエントリーモデルですがミドルクラス性能のGeForce GTX 1660 Superと、ミドルハイのRTX 3060になります。RTX 3060はかなり高い性能ですね。
ゲームのベンチマーク
ベンチマークの単位はfps(フレームレート)で、1秒間に何コマ更新できるかの目安です。60fps以上が「快適」にプレイできる目安ですが、ほとんどのゲームでは100fpsは欲しいですね。画質はFHDですが、スペックによりfpsは大きく変わるので参考値としてみてください。
まずが1660 Superです。
[visualizer id=”9579″ lazy=”no” class=””]こちらはRTX 3060です。
[visualizer id=”20655″ lazy=”no” class=””]
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
搭載メモリは最新のDDR4 3200MHzで、メモリスロットは2つになります。動作周波数が現行最高なので処理速度も速く、最大で32GBまで増設も可能です。
ストレージ
SSD(PCIe NVMe) | HDD | |
最大データ転送速度 | 最大16Gbps~32Gbps | 最大6Gbps(SATAの場合) |
起動 | 速い | 遅い |
温度 | 熱くなりにくい | 熱くなりやすい |
価格 | 高い | 安い |
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
本機種にはデータ転送速度が速いM.2 PCIe NVMe SSDが搭載なので、速いです。また、3.5インチベイが開いているので、ストレージの増設も可能です。
WiFi6
次世代通信規格のWiFi6に対応しており、現在主流のWiFi5より約40%最大通信速度が上がっています。今まで5GHzにしか対応していなかった周波数が、2.4GHzと5GHzと2バンドに対応しており、また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、家族で共用しているWiFiでも比較的速い通信速度で使えます。
LANケーブルが部屋に届かないという人も中に入ると思いますが、そういった場合でも比較的使いやすいです。
電源
電源は380Wで、電力変換効率が92%のPlatinumになります。
最大消費電力を計算してみたら、
CPU 65W+GPU 170W+メモリ14W+SSD 25W+FAN x2 6W
で、合計280Wでした。大きな電源じゃないですが、十分な電源容量があります。
インターフェイス
1. 電源ボタン 2. オーディオ/マイクコンボ 3. USB 3.0 Type-C 4. USB 3.1 5. USB 3.1 6. 3-in-1メディアカードリーダー |
7. オーディオポート 8. HDMI(動作不可) 9. VGA(動作不可) 10. イーサネットコネクター 11. USB 2.0 x 4 12. DisplayPort 13. HDMI 14. 電源コネクタ 15. セキュリティスロット |
8番と9番はグラボがないモデルのみ動作するようで、グラボ搭載モデルの場合はキャップに覆われています。その代わり、グラボには以下のインターフェースがあるので、困ることはないと思います。
- GTX 1650 Super・・・Display Port、Dual Link DVI-D、HDMI
- RTX 3060・・・Display Port x3、HDMI
サポート・保証
標準で1年間の「引き取り修理保証」と、Legion Ultimate Supportという「ゲーミングに特化した24時間サポート」が標準で付いています。このサポートの特徴は、パソコンの不具合の対処法や使い方の事だけじゃなく、最新ゲームの推奨環境やゲームを快適にプレイする上での知識・どうやったら勝てるかなども提供しています。
しかも、スタッフはゲームに精通した熟練プレイヤーなので、専門用語(ゲーム用語)やコミュニティ用語での会話が可能です!
引き取り修理とは、家などの指定住所にLenovoの指定業者がPCを引き取りに来てリペアセンターに配送、修理後、郵送してくれる保証です。保証期間内は、基本的に修理費・郵送費など無料です。
修理拠点は日本国内なので対応も速く、安心して任せることができます。
ただし、本機は量販店モデルなので購入時に各お店で確認してください。
まとめ
カジュアルゲーマーには十分な性能がある機種で、もちろん画像編集や動画編集などのクリエイティブワークもできるスペックがあります。
LegionシリーズのようにこてこてのゲーミングPCじゃないので、「ゲーミングPCの外観はちょっと・・・」というユーザーに合うと思います。ただし量販店モデルなので若干価格が高い点が気になりますが、実際に店舗で触って買うこともできるので安心かと思います。