Core Ultra 5 125HとRyzen 5 8640HS どっちが良い?ベンチマークの比較

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2024年になりAIコアが搭載したCPUが続々発売され、PCの買い替えを検討している人も多いと思います。

好きなブランドや人気機種などあると思いますが、まずIntelかAMDかどちらがいいの?という疑問が湧くと思います。

どちらも一長一短あるので決めかねている人、もしくは価格を考えてRyzenを選ぶ人も多いと思います。

今回は人気が高く同等クラスのIntel Core Ultra 5 125Hと、Ryzen 5 8640HSを比較したので、参考にどうぞ。

記事を読むのが面倒な人は、こちらの動画をどうぞ。

Core Ultra 5 125HとRyzen 5 8640HSのスペック比較

Ryzen 5 8640HS Core Ultra 5 125H
製造プロセス 4nm 7nm
アーキテクチャ Zen 4 Meteor Lake
NPU
コア 6 4/8/2(Pコア/Eコア/LPコア)
スレッド 12 18
キャッシュ 16MB 18MB
ベースクロック 3.5Hz 1.2GHz(Pコア)
ブーストクロック 4.9GHz 4.5GHz(Pコア)
GPUコア 8 7
TDP 28W(20W~30W) 28W(20W~115W)
参考価格 不明 375US$

どちらも2024年の最新モデルに搭載されるCPUで、AIコア(NPU)が搭載しています。Ryzenのほうの販売価格は非公開で不明ですが、インテルは375ドルとなっています。

例として、Lenovo 7 2-in-1 PC Gen 9という機種にAMDモデルとIntelモデルがあるので、この価格差を見てみましょう。

Lenovo Yoga AMDとIntelモデルの価格差

同等スペックのIntelモデルとAMDモデルで、インテルは15.5万円、AMDは12.4万円と約3万円の価格差があります。

いつもインテルモデルのほうが価格が高く、スペック表を見ても数点を除きIntelのほうが良さそうに見えますしね。

もう一度比較です。優っているほうを赤文字にしています。

Ryzen 5 8640HS Core Ultra 5 125H
製造プロセス 4nm 7nm
NPU 16 TOPS(Performance)
31 TOPS(Total Processor Performance)
16 TOPS(NPU Performance)
非公開
コア 6 14コア
スレッド 12 18
キャッシュ 16MB 18MB
ベースクロック 3.5Hz 1.2GHz(Pコア)
ブーストクロック 4.9GHz 4.5GHz(Pコア)
TDP 28W(20W~30W) 28W(20W~115W

インテルはNPUの性能をTOPS(1秒間に何兆回の演算を実行できるか)で公開していないので比較できませんが、コアやスレッド、キャッシュなどはインテルのほうが多いです。

また、最大TDPはインテルが115Wとめちゃくちゃ高くなっているので、その分高い性能になります。

ですが、裏を返せばインテルはここまでTDPを上げないと性能が上がらないからという見方もできます。また、TDPが高いとそれだけ発熱が高いので、筐体の排熱性能が高くないと真価を発揮できません。

発熱が高い=筐体が熱くなりやすい=パフォーマンスが落ちやすいです。

代わってAMDは最大でもたったの30Wなので、筐体が熱くなりにくいです。

TDPと価格がこれだけ違うのでスペック表通りにいけばインテルモデルが圧勝すると思いますが、AMDがどれだけインテルに対抗できるか見てみましょう。

それではベンチマークの比較です。

 

レビューに使用した機種

レビュー機はどちらも購入品で、大体同じくらいの価格・14万円ほどでした。左はLenovo IdeaPad Slim 5i Gen 9で、右はLenovo 7 Yoga 2-in-1 PC Gen 9で、IdeaPadがCore Ultra 5 125H搭載、YogaはRyzen 5 8640HSで、どちらもメモリ16GB、SSD 512GBになります。

 

 

ベンチマークの比較

以下のベンチマークのグラフはRyzenがオレンジ、インテルが赤になります。

まずはCPUの性能を図るCPU Markです。

左がRyzen 5 8640HS・21222で、右がCore Ultra 5 125H・24203で、インテルの勝ちです。

 

CPU Markスコア

オレンジ色・・・レビュー機 青・・・比較

Core Ultra 9 185H   33266
Core i9-13900H   29430
Core i7-13700H   27666
Ryzen 7 8840HS  25148
Core Ultra 7 155H  24271
Core Ultra 5 125H  24203
Core i5-13500H  23206
Core i7-1370P  23042
Ryzen 5 8640HS  21222
Core i5-1340P   20922
Ryzen 7 7730U  19034
Core i7-1260P   18691
Core i7-1355U   16378
Core i5-1335U   13220

 

Geekbench 6

こちらはGeekbench 6のスコアで、CPUの3DCGレンダリング性能を測定します。一般的に、3Dレンダリングやエンコードはマルチコア、モデリングやCAD、編集中、ゲームはシングルコアを重視します。

左がRyzen 5 8640HSでシングルコア2399で・マルチコア9998、右がCore Ultra 5 125Hでシングルコア2184・マルチコア10242です。

シングルコアはAMDが勝ち、マルチコアはほぼ同じスコアです。

マルチコアシングルコア

マルチコア性能

オレンジ色・・・本機 青・・・比較

Core Ultra 7 155H  12749
Core i9-13900H  12608
Core Ultra 7 165H  12545
Core i7-13700H  12410
Core i5-13500H  12215
Core Ultra 5 125H  10242
Core Ultra 5 135H  10239
Ryzen 5 8640HS  9998
Core Ultra 5 135U  9396
Ryzen 7 7735U  7692

シングルコア性能

オレンジ色・・・14世代 青・・・13世代

Core i9-13900H  2819
Core Ultra 9 185H  2522
Core Ultra 7 165H  2502
Core i7-13700H  2426
Ryzen 5 8640HS  2399
Core Ultra 7 155H  2294
Core Ultra 5 135H  2247
Core i5-13500H  2378
Core Ultra 5 125H  2184
Core Ultra 5 135U  2174

Cinebench R23

Cinebench R23のスコアで、CPUの3DCGレンダリング性能を測定します。一般的に、3Dレンダリングやエンコードはマルチコア、モデリングやCAD、編集中、ゲームはシングルコアを重視します。

左がRyzen 5 8640HSでシングルコア1653で・マルチコア10860、右がCore Ultra 5 125Hでシングルコア1646・マルチコア11000です。

マルチコアシングルコア

マルチコア性能

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Core i9-13900H  18874
Core Ultra 7 155H  16825
Core i7-13700H  16201
Core Ultra 5 125H  11000
Ryzen 5 8640HS  10860
Core i5-13420H  9948
Core i7-1355U  9033
Core i5-1235U  5545
Core i5-1340P  5251
Core i5-1335U  5104

シングルコア性能

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Core Ultra 7 155H  1761
Core i7-13700H  1704
Core i5-13420H  1661
Ryzen 5 8640HS  1653
Core Ultra 5 125H  1646
Core i5-1340P  1532
Core i5-1335U  1514
Core i5-1235U  1472

 

PCMark10

こちらはPCMark10の計測結果で、Essentialは「通常用途(Web検索やビデオ会議、アプリの起動など)の性能」、Productivityは「Microsoft Office(事務系のアプリ)使用時の性能」、Digital Content Creationは「コンテンツ作成(画像・動画編集など)のしやすさ」を表しています。

Ryzen 5 8640HS Core Ultra 5 125H
総合 6577 6168
Essential 10622 9781
Productivity 9349 7892
Digital Content Creation 7777 8250

動画編集などはインテルのほうが良さそうですが、その他はAMDのほうが良いですね。

 

EssentialProductivityDigital Contents

Essential

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Ryzen 5 8640HS  10622
Core Ultra 5 125H  9781
Core i7-1260P  9744
Core i5-1240P  9728
Core i3-12100  9297
Ryzen 5 5625U  9036
Ryzen 7 5700U  8951
Ryzen 3 5425U  8743
Core i7-1065G7  8661
Core i5-1235U  8197
Ryzen 5 PRO 6650U  8130
Ryzen 5 5500U  7907

Productivity

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Ryzen 5 8640HS  9349
Ryzen 5 5625U  9223
Ryzen 3 5425U  8193
Ryzen 7 5700U  8065
Ryzen 5 PRO 6650U  8026
Core Ultra 5 125H  7892
Ryzen 3 Pro 4350G  7534
Core i3-12100  7214
Ryzen 5 5500U  7209
Core i3-1215U  6570
Core i7-1260P  6187
Core i5-1240P  6167
Core i5-1235U  5542

Digital Content Creation

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Core Ultra 5 125H  8250
Ryzen 5 8640HS  7777
Ryzen 7 7735U  7159
Core i7-1260P  6406
Core i5-1240P  5875
Ryzen 5 PRO 6650U  5636
Ryzen 5 5625U   5372
Ryzen 7 5700U  5282
Core i5-1235U  4716
Ryzen 3 Pro 4350G  4555
Ryzen 5 5500U  4445
Core i3-12100  4289
Ryzen 3 5425U  4240

 

内蔵グラフィックス性能

レビュー機はグラフィックボード非搭載で、CPU内蔵グラフィックスの性能比較です。

まずは3D Graphics Markのスコアです。

左がRyzen 5 8640HSで6065、右がCore Ultra 5 125Hで5507でした。AMDのほうが高い性能ですね。

3D Graphics Mark

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Ryzen 5 8640HS  6065
Core Ultra 5 125H  5507
Ryzen 7 7735U  5098
Ryzen 5 PRO 6650U  3526
Core i7-1355U  2981
Core i5-1335U  2686
Core i5-1340P  2542
Ryzen 7 5800U  2416
Ryzen 7 PRO 5850U  2328

 

 

Fire Strikeのベンチマーク

次はDirectX 11で動作するFire Strikeのスコアです。

左がRyzen 5 8640HSで6614、右がCore Ultra 5 125Hで7888でした。

Fire Strike

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

RTX 4060  23768
Radeon RX 6600M  19910
RTX 4050  18269
RTX 3060  17853
RTX 2070 Max-Q  15624
RTX 2060 Max-Q 13876
GTX 1660 Ti 13074
RTX 3050 Ti 11768
RTX 3050 10718
GTX 1650 8033
Core Ultra 5 125H 7888
GTX 1650 Max-Q 6861
Arc A350M 6770
Ryzen 5 8640HS 6614

 

Night Raidのベンチマーク

Night RaidはCPU内蔵グラフィックス向けのDirectX 12のベンチマークです。左がRyzen 5 8640HSで24814、右がCore Ultra 5 125Hで26164でした。

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

RTX 4050  43397
RTX 3050  39341
RTX 3050 Ti  34440
GTX 1650 Ti  27333
Core Ultra 5 125H  26261
Ryzen 5 8640HS  24814
GTX 1650 Max-Q  20322

 

Wild Lifeのベンチマーク

Wild Lifeはクロスプラットフォームのベンチマークで、PCやタブレット、スマホなどとスコアの比較ができます。左がRyzen 5 8640HSで13987、右がCore Ultra 5 125Hで23037とインテルの圧勝でした。

Wild Life

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

RTX 4050  51293
RTX 3050  34590
RTX 3050  33448
RTX 3050 Ti  29016
GTX 1650 Ti  23752
Core Ultra 5 125H  23037
GTX 1650 Max-Q  16974
Ryzen 5 8640HS 13987

 

ゲームのベンチマーク

ドラゴンクエスト10とファイナルファンタジーXIV のベンチマークで、どちらも標準品質でプレイしています。

左がRyzen 5 8640HSで8954、右がCore Ultra 5 125Hで17314と、ダブルスコアに近い圧勝でした。

ドラクエX FHD画質

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Core Ultra 5 125H  17314
Ryzen 5 5625U  10747
Ryzen 7 5700U  10370
Ryzen 3 5345U  9348
Ryzen 7 7730U  9033
Ryzen 5 8640HS  8954
Ryzen 5 PRO 6650U  7949
Core i7-1260P  6272
Core i7-1355U  6213

 

 

FFXIVは今までの暁月のフィナーレがダウンロードできなくて、新バージョンの黄金のレガシーになっていたので、レビュー機のみの比較です。

左がRyzen 5 8640HSで5470、右がCore Ultra 5 125Hで7547と、40%ほども差がついています。

 

 

レンダリング

先日Lenovo Yoga 2-in-1 PC Gen 9をレビューした際にYoutube動画(1080p)にしたのですが、この10分ほどの動画のレンダリング時間を両機種で計測しました。

Ryzen 5 8640HSは14分8秒、Core Ultra 5 125Hは15分30秒でした。感覚的に言うとコア数が多いほうがレンダリング時間も短いのでインテルのほうが速いと思っていましたが、Ryzenのほうが1分22秒も早かったです。

レンダリング時間

オレンジ色・・・Ryzen 5 青・・・Core Ultra 5

Core Ultra 5 125H  15分30秒
Ryzen 5 8640HS  14分8秒

 

 

まとめ

それでは比較した全種目の勝敗です。

Ryzen 5 8640HS Core Ultra 5 125H
CPU Mark 21222 24203
Geekbench 6 2399/9998 2184/10242
Cinebench R23 10860/1653 11000/1646
PCMark10 6577 6168
3D Graphics Mark 6065 5507
Fire Strike 6614 7888
Night Raid 24814 26164
Wild Life 13987 23037
ドラクエ10 8954 17314
FF XIV 5470 7547
レンダリング 14分8秒 15分30秒
価格 +0 +3万円

ゲーム関連の性能は、今回の結果を見るとCore Ultra 5 125Hのほうが高いですね。ただし、PCMark10を見ると、ビジネス用途の実務作業はRyzenのほうが良さそうです。

また、価格が3万円も違うのでここもどちらを選ぶかの重要なポイントになると思います。

筆者の場合はで言えばですが、(今は)Ryzen 5 8640HS搭載機種をメインにしています。仕事をするときはこっちのほうが感覚的に速い気がしているからですが、ベンチマークを見ても実務作業はRyzenが良さそうですね。

 

 

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