超小型デスクトップの、ThinkCentre Neo Tinyです。今まであったTinyシリーズと似たような機種ですが、若干スペックが下がった低価格モデルになります。
ビジネス用途でも十分使えるほどの性能で、最新スペックにこだわらない人は満足がいくと思います。
当サイトの評価は、このようになりました。
スペック | [usr 3.8] |
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コスパ | [usr 3.9] |
総合評価 | [usr 3.8] |
Contents
ThinkCentre neo 50q Tiny Gen 4のスペック
CPU | Core i3-1215U Core i5-13420H |
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メモリ | 最大32GB |
ストレージ | SSD+HDD |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス |
OS | Windows 11 Home/Pro |
通信 | 1ギガビットイーサネット、Wi-Fi 6 |
オーディオ | インテルハイディフィニション |
寸法(幅×奥行×高さ) | 36.5 × 182.9 × 179mm |
重さ | 1.11㎏ |
電源 | 65W |
標準保証 | 1年間 |
価格 | 5.9万円~ |
<性能評価>
パソコンの頭脳であるCPUはCore i3はなぜだか第12世代、Core i5は最新の13世代で、ハイパフォーマンスモデルのHシリーズが搭載です。ノートパソコン用のCPUになっておりデスクトップ版よりも発熱が低く省電力ですが、性能もその分劣ります。ただし、CPU Markスコアは約2万ほどあるので、動画編集や3DCADなどの高いグラフィック性能が必要な作業以外は、十分にできます。
メモリはDDR4-3200MHzが搭載で、最大32GBと十分な容量です。デスクトップにしては小さいですが、筐体も小さいので妥当なところだと思います。
ストレージは高速データ転送速度があるSSDが搭載で、HDDの増設も可能です。
その他のスペックは、OSはWindows 11 HomeかProがあり、無線はWi-Fi 6に対応、1ギガビットイーサネットもあるので有線接続も可能です。また、意外にも内蔵スピーカー搭載なので、音楽を聴いたりもできますが、Web会議などをする人は、マイクとカメラを購入する必要があります。
電源はノートパソコンと同じ65Wです。
インターフェイスはそこそこ豊富で、HDMIとDisplayPortは標準搭載、USB Type-Aは5つ、USB Type-Cが1つあります。
自宅と会社で同じPCを使って作業をしたい人や、タワー型デスクトップは場所を取りすぎるので敬遠している人、もしくは事務所に小型PCが必要な人に合いますね。
マウスとキーボードもセットなので、モニターさえあればすぐに使い始めることができます。
旧モデルとの比較
旧モデルはありませんが、ThinkCentreにTinyシリーズがあります。同じ筐体サイズで、スペックと外観が若干違います。Neoシリーズはバリューモデルで、「Neo」が付いていないThinkCentreは上位モデルになります。
ThinkCentre neo 50q Tiny Gen 4の特徴
お弁当箱大サイズの筐体で、約1Lになります。小さいですね~。持ち運びができるデスクトップは、貴重だと思います。
小さいからと言ってインターフェイスが少ないわけじゃなく、USB-Aが5つ(うち3つはデータ転送速度が10Gbps!)、USB Type-Cは1つ、そしてHDMIやDisplayPortもあります。
2台のモニターを使用でき、公式サイトによると最大3台の4Kモニターを使用可能とのことなので、ゆくゆくカスタマイズモデルが出たら、何かしらのポートを追加できるのかもしれません。
また、デスクトップは通常スピーカーが内蔵されていないですが、持ち運びを意識した本機はスピーカーも搭載しています。
横置きの場合、寸法は高さ36.5㎜、奥行き182.9㎜、幅179㎜となっています。高さは千円札の短辺の半分ほど(3.8㎝)、幅と奥行きは名刺の長辺2枚分(18.2㎝)とほぼ同じ寸法です。
かばんにすっぽり入るので、ノートパソコンよりも持ち運びが楽です。
側面に排気口はなく、前面カバーの後ろに通気孔があり、背面に排気口があります。
ストレージの増設/交換はツールレスでできるので、わずらわしさが減ります。
メモリは2スロットあり、最大32GBまで対応しているので、こちらも増設/換装が可能です。
これはNeoじゃないThinkCentre Tinyですが、Tiny in Oneモニターにこのように接続できるので、来客用やコールセンターなどの従業員用にも使いやすいです。と言うのも、こうすることによってなかなかPCを触ることができないので、セキュリティとしても安心感があります。
CPU
Core i3-1215U | Core i5-13420H | |
Pコア | 2 | 4 |
Eコア | 4 | 4 |
スレッド | 8 | 12 |
キャッシュ | 10MB | 12MB |
ターボブースト | 4.4GHz | 4.6GHz |
Pコア最大周波数 | 4.4GHz | 4.6GHz |
Eコア最大周波数 | 3.3GHz | 3.4GHz |
GPU実行ユニット | 64EU | 42EU |
ベースパワー | 15W | 45W |
マックスパワー | 55W | 95W |
CPUはPコア(Performance Core)とEコア(Efficient Core)の2つを搭載しており、高負荷な作業はPコアで処理を、低負荷な事はEコアで処理することによって、パワフルでも省電力性を兼ね揃えたCPUになっています。
また、Intel Thread Directorというハードコアが、命令をより効率よくPコアとEコアに割り当てて実行できるので、性能もかなり上がっています。
こちらはCPUの性能を測るCPU Markスコアです。Core i3でも11世代Core i7並の性能があり、Core i5は2万近いスコアです。
スコアの目安
- 7000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 10000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 15000~・ハイエンドPCに搭載される
- 18000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i5-1340P | |
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Core i5-13420H | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Core i7-1355U | |
Core i3-1315U | |
Core i3-1215U | |
Core i7-1165G7 |
グラフィックス
グラフィック性能が高いと、Officeを使った作業や複数画面での作業などがしやすくなります。Core i3は2258と平均的な性能で、一般的な使い方であれば困ることはないです。
3D Graphics Mark
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1260P | |
---|---|
Core i5-1135G7 | |
Core i5-1240P | |
Core i3-1215U | |
Ryzen 7 5700U | |
Core i5-1235U | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 3 5425U | |
Ryzen 3 5300U |
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
搭載メモリはDDR4-3200MHzで、1つのスロットに8GBか16GBが搭載、もう一つは空きスロットです。
最大32GBまで対応しているので、増設換装も可能です。CPUはDDR5に対応していますが、PCがDDR4までしか対応していないのでご注意を。メモリはノートパソコン用の、DDR4-3200MHz SODIMMになり、4000円ちょっとから16GBメモリが販売されています。
ストレージ
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
ストレージは高速データ転送速度があるM.2 SSDが搭載で、2.5インチHDDの増設も可能です。
こちらはシーケンシャル速度の、おおよその速度です。
シーケンシャル速度
オレンジ色・・・リード 青・・・ライト
PCIe 3.0×4 | |
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HDD SATA |
セキュリティ
ThinkPadは、全方位から備えるサイバーセキュリティのThinkShieldによって守られており、堅牢性が高い機種になっています。
一般的なノートパソコンよりは強固ですが、セキュリティソフトをお考えの場合は「Lenovoパソコンにおすすめのセキュリティソフト」も併せて読んでみてください。
イーサネット+Wi-Fi 6に対応
対応周波数 | 速度 | |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
次世代通信規格のWi-Fi 6に対応しており、現在主流のWi-Fi5より約40%最大通信速度が上がっています。また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
また、1ギガビットイーサネット搭載で、有線接続も可能です。
電源
電源はノートパソコンと同じ65Wです。スペック自体がノートパソコンのものなので、妥当な電源だと思います。
インターフェイス
インターフェイスはそこそこの数があり、USBのデータ転送速度も速いものがあるので、使いやすいと思います。
前面にはUSB 3.2 Gen 2と3.2 Gen 2 Type-C、そしてマイク/ヘッドフォンジャックがあります。
背面には電源コネクタ(黄色のもの)、DisplayPort、USB 3.2 Gen 2、HDMI、USB 2.0が2つ、USB 3.2 Gen 2、そしてRJ45とセキュリティスロットがあります。
HDMIの右横のUSB 2.0にキーボードを接続すると、「Alt+P」でパソコンの起動ができます。この機能があるので、パソコンをどこに設置しても、電源を入れるわずらわしさはないです。
モニター
モニターの購入をお考えの場合は、こちらのおすすめモニターもどうぞ。
サポート・保証
執筆時現在、標準で1年間の「オンサイト修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長5年まで延長できます。また、プレミアサポートと言うサポートにアップグレードができ、こちらは24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)
オンサイト修理、翌営業日オンサイト修理の2種類があります。
- オンサイト修理・・・事務所や自宅にエンジニアが来て修理
- 翌営業日オンサイト修理・・・翌営業日(土日祝日以外)にエンジニアが来て修理
ライバル機種
ThinkCentre M75q Tiny Gen 2
旧モデルですが、上位モデルです。高性能Ryzen 5000シリーズのCPU搭載で、メモリも最大64GB搭載可能です。Tinyの中では群を抜いて高い性能になっていて、Intelの同等モデルよりも低価格です。
CPUにはビジネスモデルのPROシリーズと、通常版がありますが、性能的には同じくらいです。PROはインテルのvProにあたるDASHという管理機能が使えます。
CPU | Ryzen 5 5650GE Ryzen 7 5750GE |
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メモリ | 最大64GB |
ストレージ | HDD 最大1TB+SSD 最大1TB |
光学ドライブ | 無し ウルトラスリムDVD-ROM ウルトラスリムDVDスーパーマルチドライブ |
無線LAN | 無し、AC 9260(WiFi5)、WiFi6 |
有線LAN | イーサネット(RJ45) |
付属 | マウス、キーボード(付属無し可能) |
寸法 | 36.5×182.9×179㎜ |
重さ | 最大構成時 1.25㎏ |
価格 | 5.7万円~ |
Ideacentre Mini Gen 8
手のひら大サイズのデスクトップで、意外にハイスペックです。と言うか、何でこんなにスペック高いの?と思うくらい、普段使い用PCとしては最高峰じゃないかなと思います。価格が上がる分、本機Neoよりも高性能です
CPU | Core i5-13500H Core i7-13700H |
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メモリ | 最大32GB |
ストレージ | SSD 最大512GB(空きスロット1つあり) |
通信 | 1ギガ/2.5ギガビットイーサネット、Wi-Fi 6 |
重さ | 約1.8㎏ |
価格 | 6.9万円~ |
まとめ
良い点
・超小型軽量で、デスクトップなのに持ち運びがしやすい
・メモリとストレージの増設が可能
・スピーカー内蔵
・安い!
残念な点
・この価格なので、特になし
総合評価
そこそこ高い性能を持ち、コスト削減のために旧パーツも使っていて、一般的な作業には問題なく使えるよううまくまとめられた機種と言った感じです。
筐体も今までのThinkCentre Tinyを原型としており、真新しいものがない分、開発コストを抑えることができたので、ギリギリ5万円台から販売できたと思います。
Tinyシリーズは特殊で、どうしても小さなデスクトップが欲しいという人や、デスクトップを持ち運びたい人、来客用のPCとして使ったりなど、特別な事情がある人に向いた機種です。