普段使い用とは思えないスペックをした超コンパクトデスクトップで、手のひらよりちょっと大きなサイズになります。
価格は6万円台からと安いのに、スペックが高すぎるんじゃないかと思うほどの機種です。
リビングにも合うおしゃれなデザインで、置き場所を選ばないと思います。
レビュー機はメーカーからお借りしており、Core i5-13420H、メモリ16GB、SSD 512GBになります。
・新着セール情報
Contents
IdeaCentre Mini Gen 8のスペック
CPU | Core i5-13420H Core i7-13620H |
---|---|
メモリ | DDR4 最大32GB |
ストレージ | SSD 最大512GB(空きスロット1つあり) |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス |
OS | Windows 11 Home |
通信 | 1ギガ/2.5ギガビットイーサネット、Wi-Fi 6 |
オーディオ | Intel Definition(スピーカー無し) |
寸法(幅×奥行×高さ) | 195 × 191 × 39㎜ |
重さ | 約1.8㎏ |
電源 | 150W 80PLUS Platinum |
標準保証 | 1年間 |
価格 | 6.4万円~ |
<性能評価>
パソコンの頭脳であるCPUはノートパソコン向けのCPUが搭載で、インテル第13世代ハイパフォーマンスシリーズになります。一般的にモバイル用CPUはデスクトップ版よりも性能が低いですが、本機搭載Core i5は約1.7万、Core i7は約2.4万のCPU Markスコアがあります。
一般的に1万を超えたらビジネス用途でも快適に使えるほどなので、ノートパソコン用と言っても十二分の性能があります。
メモリはDDR4-3200MHzが搭載で、販売モデルは最大16GBになります。ただし、メモリスロットが2つあり、最大32GBまで対応しているので、増設/換装も可能です。
ストレージは意外にも最新のSSD PCIe 4.0が搭載で、こちらもスロットが2つあり、増設が可能です。販売モデルは最大512GBなので、もし足りないという場合は自分で増設可能です。
ここ最近SSDの価格が下がっているので、格安に増設できます。
通信もハイスペックで、無線はWi-Fi 6に対応、有線はワークステーションなどに搭載される2.5ギガビットイーサネットに対応です。一般家庭で2.5ギガビットもの速度が必要なことはないと思いますが、ギガ回線を契約している人ならメリットが少しはあるかもしれません。
コンパクトな筐体で重さはノートパソコン並の1.8㎏、電源はデスクトップにしては小さいですが、ノートパソコンとしては(スペックがノートパソコンなので)かなり大きな150Wになります。
しかも電力変換効率が上から2番目に高い80PLUS Platinumと、高品質です。
インターフェイスも豊富で高品質なので、困ることはないと思います。
6万円台のPCでは、最高峰のスペックだと思います。
旧モデルとの比較
旧モデルのIdeaCentre Mini 550iとの比較です。2年ほど更新されていなかったので、こんな機種があったなんて、すっかり忘れてました。(表のメモリ・SSD・バッテリーは最大値)
本機種 | 旧モデル | |
CPU | Core i5-13420H Core i7-13620H |
Core i5-10400T Core i7-10700T |
メモリ | DDR4-3200 32GB | DDR4-2666 32GB |
ストレージ | SSD×2 | SSD+HDD |
通信 | Wi-Fi 6、2.5Gbe | Wi-Fi 5、1Gbe |
電源 | 150W | 90/130W |
重量 | 1.8㎏ | 1.5㎏ |
寸法 | 195 × 191 × 39㎜ | 194 × 182 × 40㎜ |
3年ぶりに更新された機種なので、中身も外観も全然違いますが、大きく、重くなっています。それでも、コンパクト筐体には変わりないので、置き場所に困ることはありません。
CPUは、今回はノートパソコン用のハイパフォーマンスモデルが搭載していますが、旧モデルは省電力モデルのデスクトップ版でした。
以前のCPU Markスコアは1万~1.2万で、今だにそこそこの性能ですが、新機種は2.5万~3万ほどと桁違いの性能になっています。
ちょっと大きめのミニPC
手のひらよりも若干大きなサイズで、持ち運びもできるほどコンパクトです。
ビジネスPCのThinkCentreにもTinyと言う手のひらサイズのデスクトップがありますが、本機はTinyよりも一回り大きいです。公式サイトの写真を見るとTinyくらいのサイズで作られていますが、実物は全然大きいので、最初は驚きました。
寸法は、
・幅 195㎜
・奥行 191㎜
・高さ 39㎜
で、身近なもので例えると、500mlペットボトルが210㎜なので、幅と奥行きはペットボトルよりちょっと小さいサイズ、高さは1円玉2枚分(40㎜)とほぼ同じです。
公称値は1.8㎏で、実測1753グラムでした。16インチのノートパソコン並みの重さです。めちゃくちゃ軽いわけじゃないですが、自宅と会社など持ち運ぶ人にも使えると思います。
また、おしゃれなデザインなので、リビングにおいても違和感ないと思います。
真っ白で清潔感がある筐体です。
底面には長いゴム足と、大きな通気口があります。ゴム足がこれだけ長いので、安定しています。
レビュー機にはバーティカルスタンドが付いていましたが、公式サイトのどこを見ても何もスタンドについて記載されていません(写真があるのみ)。付属かどうかわかりません。
まぁ、これが無くても縦置きできるので、そんなに困らないですが、あった方が倒れる心配がないですね。
小さいからと言ってインターフェイスが少ないわけじゃなく、USB-Aが5つ(前面に1つ)にUSB Type-Cが2つ(前面に1つ)あり、HDMIにDisplay Port、イーサネットも完備です。ってこれ、普段使い用のスペックじゃないですね。完全にハイエンドビジネスPCのスペックです。
USBの速度もマウスやキーボード用のUSB 2.0 1つを除いては、データ転送速度は10Gbpsで、Thunderbolt 4は40Gbpsと最高速度です。モニターも2つ使えるので、仕事用としても使いやすいですね。
Thunderbolt 4には、こういった機能・性能があります。
- Power delivery対応、DisplayPort出力機能付き、DC-in機能付き
- 最大データ転送速度40GB/秒が2mのケーブルでも出る(以前は0.8mまで)
- PCIeの転送速度は32GB、ストレージ転送速度は最大3000Mbps
- 4Kディスプレイ2台同時に出力可能
- 8K出力にも対応
また、万が一ポートが足りないなんて思う人がいたら、Thunderbolt ドックを購入したら十分だと思います。
ちなみに、オーディオ機能はありますが、スピーカーはないので別途用意する必要があります。
メモリとSSDの増設が可能
普段使いモデルでこんなに小さいのに、メモリスロットが2つ、SSD用のM.2スロットが2つあり、増設換装も可能です。
これ、ほんとに普段使いモデルで、6万円台のPCですかね?
筐体内部にアクセスするにはまず、天面カバーを外します。
天面カバーを外すにはこの辺を押し上げます。
次にネジ4つを外します。
この赤丸2か所はPUSHと書かれており、これを2つ同時に押し込みます。
すると、なんと底面カバーが外れます(笑)。
えっ?!ってなりますよね。今までの作業は底面カバーを外すためでした。上の写真は底面側です。今まで作業をしていた天面側じゃありません。
奥にカバーが2つ見えるでしょ?1つが天面でもう1つが底面カバーです。
面倒くさい造りですよね。でも、これで終わりじゃないですよ。
CPUクーラーを外すとメモリスロットが出てきます。今回はネジで留まってないので、すぐにアクセスできます。
メモリはDDR4-3200MHzで、最大32GBにできます。
SSDは左側にある電源ユニットを固定するレバーを上げ、電源をそっと外すと出てきます。右は最初から入っていたもので、左に増設できます。ここまでアクセスしにくい報酬なのか、SSDはヒートシンクもありますね。
モニターやキーボード、マウスは付属じゃないので、持っていない場合は、下記の記事を参考にどうぞ。
ハイパフォーマンスCPU搭載
Core i5-13420H | Core i7-13620H | |
製造プロセス | 10nm | |
Pコア | 4 | 6 |
Eコア | 4 | 4 |
スレッド | 12 | 16 |
キャッシュ | 12MB | 24MB |
ターボブースト | 4.6GHz | 4.9GHz |
Pコア最大周波数 | 4.6GHz | 4.9GHz |
Eコア最大周波数 | 3.4GHz | 3.6GHz |
GPU実行ユニット | 48EU | 64EU |
ベースパワー | 45W | |
マックスパワー | 115W | 115W |
CPUはPコア(Performance Core)とEコア(Efficient Core)の2つを搭載しており、高負荷な作業はPコアで処理を、低負荷な事はEコアで処理することによって、パワフルでも省電力性を兼ね揃えたCPUになっています。
また、Intel Thread Directorというハードコアが、命令をより効率よくPコアとEコアに割り当てて実行できるので、性能もかなり上がっています。
先述したようにCPUはデスクトップ向けじゃなくモバイル版のCPUです。
こちらはCPUの性能を測るPassmarkスコアで、Core i5-13420Hは19556と高いスコアでした。モバイル版とは言え末尾がHのハイパフォーマンスモデルは性能が高いですね。
スコアの比較です。Core i7-13620HはPassマーク社公表の平均値です。
スコアの目安
- 7000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 10000~・ストレスを感じることはほぼ無い
- 15000~・ビジネス用途でもがっつり使える
- 18000~・ゲーミングPCなどのハイスペックPCに搭載される
- 20000~・専門的な機種に搭載されることが多い
Passmarkスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-13700H | |
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Core i9-12900H | |
Core i7-12700H | |
Core i5-13500H | |
Ryzen 9 6900HS | |
Core i7-13620H | |
Ryzen 7 6800H | |
Core i5-12500H | |
Core i7-1280P | |
Ryzen 7 5800H | |
Core i7-11800H | |
Core i7-1270P | |
Core i7-13420H | |
Core i7-1260P | |
Core i7-1165G7 |
当サイトでは、ビジネス用途で快適に使う目安はスコア1.5万以上にしていますが、余裕で超えています。
Cinebench 2024のスコアで、Cinema 4DのデフォルトレンダリングエンジンであるRedshiftのパワーを利用して、CPUとGPUの能力を計測します。計測結果はマルチコア583、シングルコア102となかなか良い性能でした。
他のCPUとの比較です。
マルチコア性能
オレンジ/本機 青/その他 赤/別機種
Ryzen AI 9 HX 370 | |
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Ryzen AI 9 HX 375 | |
Ryzen AI 9 365 | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Ryzen 7 8845HS | |
Apple M1 Max | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Core Ultra 5 125H | |
Core i5-13420H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 5 8640U | |
Apple M1 | |
Core i7-1280P |
シングルコア性能
オレンジ/本機 青/その他 赤/別機種
Core Ultra 7 258V | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Ryzen AI 9 HX 375 | |
Ryzen AI 9 365 | |
Apple M1 Max | |
Apple M1 | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Core i5-13420H | |
Ryzen 3 8300GE | |
Ryzen 7 8845HS | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640U | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core i7-1280P |
こちらはPCMark10の計測結果で、Essentialは「通常用途(Web検索やビデオ会議、アプリの起動など)の性能」、Productivityは「Microsoft Office(事務系のアプリ)使用時の性能」、Digital Content Creationは「コンテンツ作成(画像・動画編集など)のしやすさ」を表しています。
総合性能の目安は以下になります。
・9000以上・・・超ハイスペック(主にグラボ搭載機種)
・7500以上・・・ハイスペック
・5000以上・・・ミドルクラス
・2500以下・・・エントリ―クラス
本機種のスコアです。
- 総合性能は5753→ミドルクラス
- Essentialは10729→通常用途やビデオ会議などはかなり快適にでできる
- Productivityは7780→快適に使える
- Digital content creationは6193→悪くない性能
Essential
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 375 | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core i5-13420H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 7 7735HS | |
Ryzen 5 8640U | |
Core Ultra 5 125U | |
Core Ultra 5 125H | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Core Ultra 7 155U | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 3 5425U | |
Ryzen 3 7335U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Ryzen 5 5500U |
Productivity
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 375 | |
Ryzen 5 8640U | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 7 155U | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 7 7735HS | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125U | |
Ryzen 3 5425U | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Core Ultra 5 125H | |
Core i5-13420H | |
Ryzen 3 7335U | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Core i5-1235U |
Digital Content Creation
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 375 | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 7 7735HS | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 5 8640U | |
Core Ultra 5 125U | |
Ryzen 7 7735U | |
Core Ultra 7 155U | |
Core i7-1260P | |
Core i5-13420H | |
Core i5-1240P | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 3 7335U | |
Core i5-1235U | |
Ryzen 3 5425U |
その他の特徴
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
メモリはDDR4-3200MHzで、メモリスロットが2つ・最大32GBにできます。
レビュー機は8GB×2枚の16GBで、メモリマークのスコアは3198とかなり良いスコアでした。
公式サイトでは32GBモデルは販売されていないので、自分で増設することになります。メモリは、ノートパソコン用のSODIMMになります。デスクトップ用じゃありません。
Memory Mark
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
LPDDR5X平均 | |
---|---|
本機種DDR4 | |
DDR5平均 | |
LPDDR5平均 | |
LPDDR4X-4266MHz平均 | |
DDR4-3200MHz平均 |
ストレージ
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
SSDは最新のPCIe 4.0が搭載で、最大512GBが販売されています。M.2スロットがもう一つあるので、増設も可能です。仕様書には最大1TBと記載されているので、1TB以下にした方が良さそうです。
シーケンシャル速度を計測したらリードは6126MB/秒、ライトは4779MB/秒とどちらもかなり速いです。
こちらはシーケンシャル速度の、おおよその速度です。
シーケンシャル速度
オレンジ色・・・リード 青・・・ライト
PCIe 4.0×4 | |
---|---|
PCIe 3.0×4 | |
HDD |
セキュリティ
セキュリティソフトをお考えの場合は「Lenovoパソコンにおすすめのセキュリティソフト」も併せて読んでみてください。
Wi-Fi 6と2.5ギガビットイーサネットに対応
対応周波数 | 速度 | |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
次世代通信規格のWi-Fi 6に対応しており、現在主流のWi-Fi5より約40%最大通信速度が上がっています。また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
有線は一般的なと言うか、ビジネスモデルでもほとんどが1ギガビットイーサネットまでの対応ですが、本機は2.5ギガビットイーサネットが搭載です。ギガ契約をしていたら、恩恵を受けると思います。
電源
電源は150Wと、ノートPCとして見たら大きいです。しかも、搭載電源は80PLUS Platinumと高品質で、電力変換効率が高いです。
- 80PLUS BRONZE・・・82%~85%
- 80PLUS Silver・・・85~88%
- 80PLUS GOLD・・・87%~90%
- 80PLUS Platinum・・・90~92%
- 80PLUS Titanium・・・92~94%
サポート・保証
標準で1年間の「引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長4年まで延長できます。また、Premium Care Plus/プレミアムケアと言うサポートにアップグレードができ、こちらは24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)
まとめ
良い点
・小型でおしゃれ。置き場所に困らない
・全体的な性能が高く、ビジネスPCみたいなスペック
・CPUとメモリ、ストレージが高性能
・2.5ギガビットイーサネットに対応
・増設可能
残念な点
・ミニPCと呼ぶには意外に大きい
総合評価
おしゃれでコンパクトな筐体で、リビングに置いても雰囲気を壊さないおしゃれなデザインです。外観だけでなく、スペックがかなり高く、普段使い用としては十分以上な性能です。
ビジネス用途でも十分使える性能があるので、グラフィックボードが必要ない作業であれば、用途も選ばずに使えると思います。