Ryzen 5000シリーズのリフレッシュ版プロセッサーで、Zen 3アーキテクチャになります。
見たところ、ハイエンドPCにはRyzen 6000シリーズが搭載していることが多く、中価格帯以下のモデルにはRyzen 3 5425UやRyzen 5 5625U、そしてRyzen 7 5825Uが搭載されることが多いです。
リフレッシュ版の特徴として、最大発熱量が10°程抑えられているのに、高い性能が出ているという点です。
今回レビューに使用した機種は、Lenovo ThinkPad E15 Gen 4になります。
レビュー機はメモリ1枚(8GB)だとシングルチャンネルメモリで動作したので、メモリを追加してデュアルチャンネルメモリ(8GB+16GB)でもベンチマークも取っています。
Contents
Ryzen 3 5425Uの仕様
Ryzen 3 5425U | Ryzen 5 5625U | Ryzen 7 5825U | |
製造プロセス | 7nm | ||
---|---|---|---|
アーキテクチャ | Zen 3 | ||
コア/スレッド | 4/8 | 6/12 | 8/16 |
L3キャッシュ | 8MB | 16MB | |
GPUコア | 6 | 7 | 8 |
基本クロック | 2.7GHz | 2.3GHz | 2.0GHz |
ブーストクロック | 4.1GHz | 4.3GHz | 4.5GHz |
TDP | 15W |
Ryzen 5000シリーズの通常版(Ryzen 5300UやRyzen 5 5500Uなど)はアーキテクチャがZen 2でしたが、上位モデルと同じZen 3アーキテクチャになっています。
Zen 2と比べ、主に以下の点が進化しました。
- コアからアクセスできるL3キャッシュが倍増(パフォーマンス向上)
- IPCが19%向上し、電力当たりのパフォーマンスが最大24%UP
- シングルスレッドの性能が最大23%UP
- マルチスレッドの性能が最大108%UP
- バッテリー効率が上がった
Passmarkスコア
メモリ1枚・8GB時は10946、メモリ2枚の24GB時は11759となりました。Ryzen 3でここまで高い性能なのは、すごいです。
スコアの目安
- 2000~・ネットサーフィンでもストレスを感じるほど
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ハイエンドPCに搭載される
- 17000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
Passmarkスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 7 5800H | |
---|---|
Ryzen 7 5800U | |
Ryzen 7 Pro 5850U | |
Ryzen 7 5825U | |
Ryzen 5 Pro 5650U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 5 5600U | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 5 5500U | |
Ryzen 3 5400U | |
Ryzen 3 5425U 24GB | |
Ryzen 3 5425U 8GB | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 | |
Ryzen 3 5300U | |
Core i3-1115G4 |
メモリを増設したら、上位モデルのRyzen 5400Uに近い性能が出ています。発熱が下がったのに、同じくらいの性能が出るというのは、すごいですね。
Cinebench R23
こちらは8GB時でマルチコアは5239、シングルコアは1300と、Ryzen 3としては高性能です。メモリ24GB時も、ほぼ同じスコアでした。
Cinebench R23は、CPUの3DCGレンダリング性能を測定します。一般的に、3Dレンダリングやエンコードはマルチコア、モデリングやCAD、編集中、ゲームはシングルコアを重視します。
マルチコアは6000ほどで高性能、8000以上でかなり高性能、シングルコアは1500以上でかなり高性能になります。
Cinebench R23 マルチコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 7 5800H | |
---|---|
Ryzen 7 5875U | |
Ryzen 7 5800U | |
Ryzen 7 5700U | |
Core i5-1240P | |
Ryzen 5 5500U | |
Ryzen 5 5600U | |
Ryzen 7 4700U | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 | |
Ryzen 3 5300U | |
Ryzen 3 5300U | |
Ryzen 3 5425U | |
Core i7-1065G7 | |
Core i3-1115G4 |
Cinebench R23 シングルコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1185G7 | |
---|---|
Core i7-11850H | |
Ryzen 7 5875U | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1240P | |
Ryzen 9 5900HX | |
Ryzen 7 5800U | |
Ryzen 5 5600U | |
Core i5-1135G7 | |
Core i3-1115G4 | |
Ryzen 3 5425U | |
Ryzen 5 5700U | |
Ryzen 7 4700U | |
Ryzen 5 5500U |
PCMark10
・Essentialは「通常用途(Web検索やビデオ会議、アプリの起動など)の性能」
・Productivityは「Microsoft Office(事務系のアプリ)使用時の性能」
・Digital Content Creationは「コンテンツ作成(画像・動画編集など)のしやすさ」
を表しています。
総合性能は、以下が目安です。
5000以上・・・超ハイスペック(グラボ搭載機種はこれ以上)
4000以上・・・ハイスペック
3000以上・・・中位モデル
2000以下・・・エントリ―クラス
<メモリ8GB時>
- 総合性能は4818
- Essentialは8743
- Productivityは8193
- Digital content creationは4240
<メモリ24GB時>
- 総合性能は5176
- Essentialは9123
- Productivityは8455
- Digital content creationは4880
Essential
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i3-1215U | |
---|---|
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 | |
Ryzen 7 4700U | |
Ryzen 3 5425U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 3 5425U 8GB | |
Core i7-1065G7 | |
Core i3-1115G4 | |
Ryzen 3 Pro 4350G | |
Core i5-1235U | |
Ryzen 5 5500U |
Productivity
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 3 5425U | |
---|---|
Ryzen 3 5425U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 7 4700U | |
Ryzen 3 Pro 4350G | |
Ryzen 5 5500U | |
Core i7-1165G7 | |
Core i3-1215U | |
Core i5-1135G7 | |
Core i3-1115G4 | |
Core i5-1235U | |
Core i7-1065G7 |
Digital Content Creation
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 7 5700U | |
---|---|
Ryzen 7 4700U | |
Core i7-1165G7 | |
Ryzen 3 5425U | |
Core i3-1215U | |
Core i5-1235U | |
Ryzen 3 Pro 4350G | |
Ryzen 5 5500U | |
Ryzen 3 5425U | |
Core i5-1135G7 | |
Core i7-1065G7 | |
Core i3-1115G4 |
実務の使いやすさで言えば、Ryzen 7 5700Uよりも使い勝手が高い場面もあり、すべての項目でRyzen 5 5500U以上になっていますね。
Geekbench 5
<8GB時>
<24GB時>
Geekbench 5はクロスプラットフォームのベンチマークで、Cinebenchの様にシングルコア性能とマルチコア性能を測定できます。
Geekbench 5 マルチコア
オレンジ色・・・計測機種 青・・・比較
Core i5-1235U | |
---|---|
Core i3-1215U | |
Ryzen 5 5500U | |
Snapdragon 8cx Gen 3 | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 3 5425U 24GB | |
Core i7-1165G7 | |
Core i7-1195G7 | |
Ryzen 7 4700U | |
Core i5-1135G7 | |
Ryzen 3 5425U 8GB | |
Core i7-10510U | |
Core i3-1115G4 |
Geekbench 5 シングルコア
オレンジ色・・・計測機種 青・・・比較
Core i3-1215U | |
---|---|
Core i7-1195G7 | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1235U | |
Ryzen 3 5425U 24GB | |
Core i5-1135G7 | |
Ryzen 3 5425U 8GB | |
Core i3-1115G4 | |
Ryzen 5 5500U | |
Snapdragon 8cx Gen 3 | |
Ryzen 7 5700U | |
Core i7-10510U | |
Ryzen 7 4700U |
グラフィック性能
グラフィック性能は低い数値が出て、8GB時で1127、24GB時でも1859です。Ryzen 3はグラフィック性能が低いので、この点に関してはRyzen 5以上がよさそうです。
他機種との比較です。
Video Card Benchmarks
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 7 PRO 6850U | |
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MX550 | |
MX450 | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 | |
Ryzen 7 5800U | |
Ryzen 5 5500U | |
Core i3-1215U | |
Ryzen 7 5700U | |
Core i5-1235U | |
Core i3-1115G4 | |
Ryzen 5 5600U | |
Ryzen 7 4700U | |
Ryzen 3 5425U メモリ2枚 | |
Ryzen 5 4500U | |
Ryzen 3 5400U | |
Ryzen 3 5300U | |
Ryzen 3 4300U | |
Ryzen 3 5425U メモリ1枚 |
ゲームのベンチマーク
メモリ1枚のシングルチャンネルではグラフィック性能が低すぎたので、メモリ2枚時のみベンチマークを取りました。
まずはドラゴンクエストXです。
標準品質・HD画質では14884で、すごく快適になりました。
次は、標準品質・FHD画質で、とても快適でした。
こちらはFFXIV ENDWALKER 暁月のフィナーレで、高品質・ノートパソコンで3063と、設定変更を推奨と出ました。
こちらでは設定を標準品質・ノートパソコンに変更したら、4082で普通でした。
他のCPUとの比較です。
ドラクエX FHD画質
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1165G7 | |
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Ryzen 5 5500U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 3 5425U | |
Core i3-1115G4 | |
Core i3-1215U | |
Core i5-1235U |
FFXIV 標準品質
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i3-1215U | |
---|---|
Core i7-1165G7 | |
Ryzen 3 5425U | |
Ryzen 5 5500U | |
Ryzen 7 5700U | |
Core i5-1235U | |
Core i3-1115G4 |
Ryzen 3 5425U搭載おすすめ機種
ThinkPad E15 Gen 4(AMD)
ベンチマークに使用した機種です。メモリは最大40GBと大きく、特に大きなメモリが必要だという人に合います。生体認証もあり、FHD Webカメラも搭載可能です
CPU | Ryzen 3 5425U Ryzen 5 5625U Ryzen 7 5825U |
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メモリ | 最大40GB |
ストレージ | SSD 最大1TB |
ディスプレイ(15.6型) | FHD IPS液晶 マルチタッチあり、sRGB 100%あり FHD TN液晶 |
無線 | Wi-Fi 6/Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.2 |
有線 | 10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T |
その他 | 指紋センサー、IRカメラあり、1080p Webカメラ搭載可能 |
重さ | 1.78㎏~ |
バッテリー | 最大16.7時間 |
価格 | 8.1万円~ |
ThinkPad E14 Gen 4(AMD)
人気の14インチモデルで、バッテリー時間も長いので持ち運びが多い人にも合い、sRGB 100%のディスプレイを選べばクリエイティブワークもしやすくなります
CPU | Ryzen 3 5425U Ryzen 5 5625U Ryzen 7 5825U |
---|---|
メモリ | 最大40GB |
ストレージ | SSD 最大1TB |
ディスプレイ(14型) | FHD IPS液晶 sRGB 100%あり |
通信 | 有線LAN、Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2 |
その他 | FHD 1080p /720p、指紋センサー、IRカメラあり |
重さ | 1.64㎏ |
バッテリー | 最大16.7時間 |
価格 | 8.0万円~ |
Lenovo IdeaPad Slim 570(14型 AMD)
上位モデルのRyzen 5000シリーズが搭載でかなり性能が高く、普段使い用としては十二分の性能があります。1.39㎏と軽く、Wi-Fi 6にも対応し、バッテリー駆動時間も長めと、持ち運びがしやすい機種です
CPU | Ryzen 3 5425U Ryzen 5 5625U Ryzen 7 5825U |
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メモリ | DDR4 最大16GB |
ストレージ | SSD 最大512GB |
ディスプレイ(14型) | FHD IPS 光沢なし 300ニト |
OS | Windows 11 Home |
無線 | Wi-Fi 6 |
生体認証 | 指紋センサー |
Webカメラ | HD 720p、FHD 1080p |
重さ | 1.39㎏ |
バッテリー | 最大15.1時間 |
価格 | 6.8万円~(Ryzen 5モデル) |
最後に
全体的にRyzen 5 5500U並みの性能で、ある作業ではより高性能、ある作業では若干低い性能となっていました。
不思議だったのは、グラフィック性能は引くかったのに、グラフィック性能が必要な作業は快適にできるという点です。
総合的に見ても、Ryzen 3でこれだけの性能だったので、普段使い用途では十分以上、ビジネス用途でも使いやすいほどだと思います。
他のCPUのベンチマークも取っているので、併せてご確認ください。