LenovoのDuetはパソコンだけどキーボードが取り外せて、タブレットとしても使うことができるモデルです。通常、こういったパソコンは2 in 1 PCと呼ばれるのですが、本機はキーボードが取り外せるのでタブレットの様なPCですね。
OSには最新のWindows 11が搭載されており、今後Androidアプリも使用できるようになるので、ますます使い勝手が高くなり、クリエイターに人気のYogaだけあって、ディスプレイの品質もスペックも高い1台です。
Contents
Yoga Duet 760iのスペックレビュー
<取り外し可能なディスプレイ>
CPU | Core i5-1135G7 Core i7-1165G7 |
---|---|
メモリ | 最大16GB |
ストレージ | SSD 256GB(microSDカード増設可能) |
グラフィックス | Iris Xe |
ディスプレイ(13型) | 2K IPS タッチ |
画面比 | 16:10 |
OS | Windows 11 Home |
無線 | WiFi6、Bluetooth v5.0 |
カメラ | イン/アウトカメラ 500万画素 |
生体認証 | 顔認証 |
Microsoft Office | Office Home &Business 2021あり |
寸法(幅x奥行きx高さ) キーボード装着時 |
297.4 x 207.36 x 9.19㎜ 297.4 x 212.82 x 15.55㎜ |
重さ(本体) キーボード装着時 |
794g 1.17㎏ |
バッテリー | 約12時間 |
保証 | 1年間 |
付属 | Lenovoデジタルペン |
価格 | 12.5万円~ |
各動作の快適度で、◎が一番です。
Web閲覧 | Office | 動画視聴 | ビデオ電話 |
◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
画像・動画編集 | |||
〇 |
パソコンの頭脳であるCPUは、最新のインテル11世代Core i5-1135G7が搭載で、仕様書によるとCore i7-1165G7もあるようですが、執筆時現在はCore i5のみの販売になっています。
まぁ、Core i5-1135G7も性能が高いので、ほとんどの人は満足いくと思います。
メモリは標準的な容量の8GB、ストレージはデータ転送速度が速いM.2 SSD 256GBが搭載で、一般的なタブレットの様にMicroSDカードリーダーがあるので、増設も可能です。
ディスプレイは2160×1350ドット解像度で、画面の縦横比が一般的なパソコンの16:9じゃなく16:10と縦に長いので、14型なみの表示情報量があります。輝度はかなり明るめの450nitで、コントラスト比が1000:1と高く色域はsRGB 100%と、クリエイター向けの品質になっています。また、Dolby VisionのHDR(ハイダイナミックレンジ)対応なので、より深い色彩が描写されます。
13型なのでタブレットとしてみたら大きめなので、付属のペンでイラストを描いたり、動画を見たりなど使いやすいと思います。
キーボード装着時でも1.17㎏と軽く、バッテリーは最大約12時間と長いので丸1日外出する人でも安心ですね。
WiFi6にThunderbolt 4も搭載とYogaは基本スペックが高いので、ハイスタンダードなタブレットPCをお探しなら、間違いないと思います。
ライバル機種
<左から本機種・Surface Pro 8・HP Elite x2 G8>
本機種と似たような最新機種との比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値。スマホの人は表を右にスクロールできます)
本機種 | Surface Pro 8 | Elite x2 G8 | |
CPU | Core i5-1135G7 Core i7-1165G7 |
Core i5-1135G7 Core i7-1165G7 |
Core i3-1115G4 Core i5-1135G7 Core i7-1165G7 |
メモリ | 8GB | 32GB | 16GB |
ストレージ | SSD 256GB | SSD 1TB | SSD 512GB |
ディスプレイ(13型) | 2.1K Dolby Vision | 2.8K Dolby Vision | FHD相当、3K |
無線 | WiFi6 | WiFi6 | WiFi6、4G LTE |
バッテリー | 12時間 | 16時間 | 11時間 |
重量・本体 キーボード付き |
794g 1.17㎏ |
891g 1.17㎏ |
820g 1.17㎏ |
付属 | キーボード、ペン | なし | キーボード |
価格 | 12.5万円~ | 14.8万円~ | 22万円~ |
ほぼ横並びのスペックで、キーボード装着時の重量もほぼ同じですね。
各機種の特徴です。
・本機種・・・キーボードとデジタルペンもついて12.5万円と安く、タブレットのみの重さはSurfaceに比べ100gも軽い。ディスプレイの解像度は2.1Kと標準以上だが、他機種に比べ少し劣る
・Surface・・・キーボード付きの価格は16万円になるが、最大メモリ容量も大きく、バッテリー駆動時間も長い。大容量メモリが必要な人は検討していいかも
・HP Elite・・・Core i3の価格が22万円から、Core i5が24万円からと他機種に比べ価格は上がるが、HP独自のセキュリティが多く搭載しているビジネスモデル。本機のみLTE対応モデルあり
Windows 11
本機は最新OSのWindows 11が搭載しており、セキュリティが強化され、インターフェースもおしゃれに変わっています。
本機はタブレットのように使えるのでタブレットと勘違いしてしまうかもしれませんが、OSはパソコン用のOSが搭載で、タブレットではありません(Android OSではない)。
現時点ではAndroidアプリは使えませんが、2022年にはAndroidアプリが動かせるようになるので、使い勝手はかなり高くなります。
Yoga Duet 760iの特徴
<本体と付属のペン・キーボード>
本機はLenovoデジタルペンとキーボードが付属しており、本機を購入したら必要なものはすべて揃っています。ペンやキーボードが別売りが多い中、こういった「必要なものは全部セット」のものは嬉しいですよね。
また、先述しましたが、本機はパソコンになるので、Windowsで使えるアプリやソフトは当然使えます。それに付け加えAndroidアプリも使えるようになるので、今後はタブレットが必要なくなりますね。
寸法は
幅297.4㎜(≒千円札2枚分/300㎜)
奥行212.82㎜(≒500mlペットボトルの長さ/205㎜)
高さ15.55㎜(≒一円玉の直径の4分の3 /15㎜)
となり、重さはタブレットのみで794g、フォリオキーボード付きで1.17㎏になります。
タブレットとして使えるといっても、13型と大きく約800gなので、片手で持つには大きすぎますね。両手持ちになります。
背面にはキックスタンドもついているので、別途カバーを購入する必要もありません。
好みの角度に調節して動画を見たり、ネットサーフィンをしたりと、いろいろな作業ができます。
付属のLenovoデジタルペンは4096段階の筆圧感知があり、手のひらがディスプレイに当たっても検知しない機能を搭載しているので、書き込みやイラストなどもしやすいですね。同梱されている電池で、約1400時間の駆動時間と言うことです。
1Wスピーカーが2つ、デジタルアレイマイクも内蔵されており、前面カメラと背面カメラは500万画素とパソコンにしては高画素なので、Web会議などもスムーズにできます。(標準的なノートパソコンのWebカメラは92万画素です)
IRカメラも搭載しているので、顔認証でサインインも一瞬です。
本機の素材はマグネシウムとアルミニウム、背面には樹脂素材とファブリックが使用されています。
タブレットPCのキーボードとしては珍しくバックライトが付いているので、暗がりでの作業もしやすいです。
CPU
Core i7-1165G7 | Core i5-1135G7 | |
製造プロセス | 10nm SuperFin |
10nm SuperFin |
---|---|---|
コア/スレッド | 4/8 | 4/8 |
キャッシュ | 12MB | 8MB |
グラフィックス | Iris Xe | Iris Xe |
基本クロック | 2.8GHz | 2.4GHz |
ブーストクロック | 4.7GHz | 4.2GHz |
最大TDP | 28W | 28W |
執筆時現在Core i5モデルのみ販売されていますが、仕様書によるとCore i7もあるようなので、こちらも記載しておきます(販売されるか分かりません)。
プロセッサーは最新のインテル11世代CPUで、グラフィック性能は外部グラフィックボード並みのIris Xeになっています。前世代に比べより速くなり、特にクリエイティブワークがしやすくなっています。
こちらはCPUの性能を表すPassmarkスコアです。
スコアの目安
- 2000~・ネットサーフィンでもストレスを感じるほど
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
Passmarkスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1185G7 | |
---|---|
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 | |
Core i7-1065G7 | |
Core i5-1035G1 | |
Core i3-1005G1 | |
Core i7-10510U | |
Core i5-10210U | |
Core i3-10110U |
10世代CPUと比較していますが、見ての通り性能が全然違いますね。Core i5でも前世代のCore i7以上の性能です。
また、ビジネス用途での目安スコアは約7000ですが、50%ほど上回っていますね。
グラフィックス
グラフィック性能が高いと、Officeを使った作業や複数画面での作業などがしやすくなります。
Video Card Benchmarks
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
MX450 | |
---|---|
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 | |
MX250 | |
Ryzen 5 5500U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 5 5600U | |
Ryzen 7 4700U | |
Iris Plus | |
Ryzen 3 5400U | |
UHD |
インテル製CPUのグラフィック性能はかなり高く、外部グラフィックボードのNVIDIA MXシリーズと同等性能ですね。最新のRyzen 5000シリーズと比べても、かなり高い性能です。
ディスプレイ
解像度 | 光沢 | 液晶 | 輝度 |
WQHD | あり | IPS | 450nit |
コントラスト比 | 色域 | 視野角 | その他 |
1000:1 | sRGB 100% | 178° | Dolby Vision |
WQHD | ワイド・クアッド・ハイディフィニションで解像度は2160×1350ドット |
---|---|
FHD | フル・ハイディフィニション、一般的な画質で解像度は1920×1080ドット |
光沢 | 光沢ありは発色が良い反面、自分や背景が映り込みしやすい。光沢無しは映り込みがしにくい |
コントラスト比 | 最少輝度と最大輝度の差。差が大きい方が力強い描写が可能 |
IPS液晶 | コントラスト比が高く、視野角も広い |
nit | 明るさを表す単位。通常250nitが標準 |
ディスプレイの品質はパソコンとしては結構よい方で、タブレットとしてみた時はそこそこ良いです。
2.1K解像度で標準的なFHDよりも解像度が高く、コントラスト比も1000:1と高めです。また、輝度がかなり高く、450nitとなっているので、日中の日が当たる場所でも見やすいですね。一般的なディスプレイは250nit~350nitなので、本機の輝度がいかに高いか分かります。
視野角も178°と広いので、どの角度から見ても画面の隅々まで見やすく、Dolby Visionと言うDolby社のHDR(ハイダイナミックレンジ)規格対応で、色がより鮮やかに描写されます。
色域はsRGB 100%と、Web用画像編集をするクリエイター向けの色域で、より鮮やかな色が描写されます。
<左・NTSC 45%/中・sRGB 100%/右・NTSC 72%>
こちらは色域の比較ですが、真ん中のディスプレイがsRGB 100%の色域で、他のディスプレイよりもより力強く、そして多彩な色が描写されているのが分かると思います。色域が広いと単純に「きれい」なんです。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
搭載メモリはDDR4-3200MHzと現行最高のもので、8GBになります(仕様書によると最大16GBです)。
この周波数(3200MHz)が高いと、より速く処理ができるので、表示速度も速くなるんですね。現行では、ノートパソコンは3200MHzが最高なので最高峰の処理速度になります。
ストレージ
SSD(PCIe NVMe) | HDD | |
最大データ転送速度 | 最大16Gbps~32Gbps | 最大6Gbps(SATAの場合) |
平均起動時間 | 10秒~15秒 | 30秒~2分 |
温度 | 熱くなりにくい | 熱くなりやすい |
価格 | 高い | 安い |
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
搭載ストレージはM.2 PCIe NVMe SSDで、データ転送速度が速いものが搭載しています。大きなデータも扱いやすいですね。
WiFi6
次世代通信規格のWiFi6に対応しており、現在主流のWiFi5より約40%最大通信速度が上がっています。今まで5GHzにしか対応していなかった周波数が、2.4GHzと5GHzと2バンドに対応しており、また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、カフェなどの混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
バッテリー駆動時間
4セル41Whのバッテリーが搭載で、最大約12時間のバッテリー駆動時間になります。標準的なタブレットのバッテリー駆動時間は10時間が多いので、若干良い方ですね。
また、急速充電にも対応しており、約2時間で満充電になります。
インターフェイス
1. 電源ボタン
2. ボリュームボタン
3. Powered USB3.0 Type-C
4. Bluetoothキーボードスイッチ
5. Thunderbolt 4
6. マイクロホン/ヘッドホン・コンボ・ジャック
7. USB3.0 Type-C
タブレットとしてはかなり豊富なインターフェースで、パソコンとしてみたら若干物足りないですが、まぁ、この薄さなのでしょうがないですね。変換ハブやドックを使うとより充実したポートになります。
3番のUSB-Cは充電もできるし、Display Port出力機能もあるので、パススルー機能が付いたモバイルモニターを使えばポートを無駄にしません。また、Display Portの付いた外部モニターを使えば、大画面で作業もできます。
これに付け加えThunderbolt 4もあるので、ドックを持っていたらまず困ることはないですね。
<パワーパススルー機能があるモニター>
サポート・保証
標準で1年間の「引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長4年まで延長できます。また、Premium Careと言うサポートにアップグレードができ、こちらは24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)
引き取り修理とは、家などの指定住所にLenovoの指定業者がPCを引き取りに来てリペアセンターに配送、修理後、郵送してくれる保証です。保証期間内は、基本的に修理費・郵送費など無料です。
修理拠点は日本国内なので対応も速く、安心して任せることができます。
まとめ
全体的に卒なく作られた機種で、「これはいいけどここがちょっと・・・」と言うトリッキーな構成じゃないので、後々がっかりすることはないと思います。
ビジネス用途でも十分使えるスペックで、外回りが多い人などに合いますね。
最後にメリット・デメリットをどうぞ。
良い点
・キーボードが取り外しできて使い勝手が高い
・ゆくゆくはAndroidアプリも使用できる
・最新CPUで性能が高い
・画面比が16:10で、13型でも14型以上の情報が表示される
・ペン・キーボード付き
・Thunderbolt 4搭載
残念な点
個人的には文句のつけどころがないと思いますが、比較した他社製のタブレットPCはより解像度が高かったので、本機ももうちょっと解像度が高かったらパーフェクトだったと思います。それでもこの価格で広い色域に高いコントラスト比、そしてHDR対応なので、全然標準以上ですが。