低価格モデルにしてはベゼル(画面の黒い枠)も細く、速度が速いストレージが搭載で、このクラスのノートパソコンとしては悪くないと思います。
プロセッサーはRyzen 3000シリーズが搭載ですが、普段使い用であれば十分に機能する性能があり、特段、パソコンにこだわりがない人であれば、ストレスもなく使えると思います。
追記)2022年12月6日にRyzen 7000シリーズ搭載モデルが追加されたので、情報を更新しています。
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IdeaPad Slim 170 15.6型 (AMD)のスペックレビュー
CPU | Ryzen 3 7320U Ryzen 5 7520U |
---|---|
メモリ | 最大8GB |
ストレージ | SSD 最大256GB |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス |
ディスプレイ(15.6型) | FHD TN 光沢なし |
OS | Windows 11 Home |
無線 | Wi-Fi 6 |
生体認証 | なし |
寸法(幅x奥行きx高さ) | 360.2 x 236 x 17.9㎜ |
重さ | 1.58㎏ |
バッテリー | 最大約12時間 |
保証 | 1年間 |
価格 | 5.9万円~ |
本機発売当初はRyzen 3000シリーズが搭載していましたが、その後、Ryzen 5000シリーズとRyzen 7000シリーズ搭載モデルが追加されました。プロセッサー性能は高く、普段使い用としては十分異常な性能です。
メモリは最大8GBで、以前はメモリスロットもありましたが、現在はオンボードのみになります。また、Ryzen 7000シリーズには最新のLPDDR5-5500MHzが、Ryzen 5 5500UにはDDR4-3200MHzが搭載です。
ストレージは、意外にも高速モデルのPCIe 3.0×4かPCIe 4.0×4が搭載ですが、PCがPCIe 3.0×2にしか対応していないため、PCIe 4.0の速度は出ませんが、普段使い用としては十分な速度です。
ディスプレイはフルHD TN液晶で、輝度があまり高くないので屋外で使うことがある人には暗くて見にくい時があると思います。
また、15.6型にしては比較的軽い1.6㎏なので、持ち運びもしやすいと思います。
旧モデル(2021年モデル)との比較
<筐体は同じです>
2021年に発売されたモデルと、2022年のモデルを比較します。。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値)
2021年モデル | 2022年モデル | |
CPU | Athlon Gold 3150U Ryzen 3 3250U Ryzen 5 3500U |
Ryzen5 5500U |
メモリ | 8GB DDR4-2400 | 8GB DDR4-3200 |
ストレージ | SSD 256GB | SSD 256GB |
ディスプレイ | FHD TN | |
無線 | Wi-Fi5、Bluetooth | |
バッテリー | 12時間 | 12.8時間 |
重量 | 1.6㎏ | |
価格 | 5.9万円~ | 6.0万円~ |
筐体などの外観に変わりはなく、CPUがRyzen 3000からRyzen 5000に変更し、メモリがDDR4 2400MHzから3200MHzに変更になっています。メモリの周波数が高いと処理速度が上がるので、今回のアップデートで約30%ほど速くなっています。
もともと古いCPUを搭載していたので、低価格モデルだなという感じでしたが、2022年モデルは、上位モデルと同じCPUで使い勝手も高くなっています。
Passmarkスコア
オレンジ色・・・2022年 青・・・2021年
Ryzen 5 5500U | |
---|---|
Ryzen 5 3500U | |
Ryzen 3 3200U | |
Athlon Gold 3150U |
ライバル機種
<左から本機種・Slim 350 14型・Slim 550 15.6型>
本機種と似たような機種との比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値。スマホの人は表を右にスクロールできます)
本機種 | Slim 350 14 | Slim 550 | |
CPU | Athlon Gold 3150U Ryzen 3 3250U Ryzen 5 3500U Ryzen 5 5500U |
Ryzen 3 4300U Ryzen 5 4500U Ryzen 7 4700U |
Ryzen 3 5300U Ryzen 5 5500U Ryzen 7 5700U |
メモリ | 8GB | 8GB | 16GB |
ストレージ | SSD 256GB | SSD 512GB | SSD 512GB |
ディスプレイ | 15型)FHD TN | 14型)HD TN FHD TN |
15型)FHD IPS |
無線 | WiFi5 | WiFi5 | WiFi6 |
バッテリー | 10.8時間 | 9時間 | 15時間 |
重量 | 1.6㎏ | 1.5㎏ | 1.66㎏ |
価格 | 4.1万円~ | 4.8万円~ | 5.9万円~ |
全機種同じIdeaPadですが、Slim 1シリーズ、Slim 3シリーズ、Slim 5シリーズと別モデルになり、数字が大きいシリーズが上位モデルになります。
CPUもランクごとにきれいに分かれており、
- 本機・・・Ryzen 3000シリーズ(2019年発売)
- Slim 350・・・Ryzen 4000シリーズ(2020年発売)
- Slim 550・・・Ryzen 5000シリーズ(2021年発売)
になります。当然Ryzen 5000シリーズの方が高性能です。
こちらはCPUの性能を表すPassmarkスコアです。
Passmarkスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 7 5700U | |
---|---|
Ryzen 7 4700U | |
Ryzen 5 5500U | |
Ryzen 5 4500U | |
Ryzen 3 5300U | |
Ryzen 3 4300U | |
Ryzen 5 3500U | |
Ryzen 3 3200U | |
Athlon Gold 3150U |
価格を考えると、Slim 350 14型が5万円以下(Ryzen 3 4300Uモデル)でコスパも高いと思いますが、性能は気にしないから安いものが良いという人は本機がおすすめですね。
がっつりハイスペック機種を堪能したい場合は、Slim 550が合うと思います。
IdeaPad Slim 170 15.6型 (AMD)の特徴
Slim 1シリーズは低価格モデルなので、通常ベゼル(画面の黒い枠)が太めで全体的に大きめなのですが、本機種は上位モデルと同じくらいスリムベゼルになっているし、寸法もほとんど変わりません。
<左・本機種/右・Slim 550>
幅 | 奥行 | 高さ | 重さ | |
本機 | 360.2㎜ | 236㎜ | 17.9㎜ | 1.6㎏ |
Slim 550 | 356.7㎜ | 233.1㎜ | 17.9㎜ | 1.66㎏ |
上位モデルのSlim 550と比べてみると、幅は+3.5㎜、奥行きは+約3㎜、高さは同じで60g軽くなっています。
15型にしては持ち運びがしやすい機種ですね。
高さ(厚さ)は17.9㎜なので、横から見てもスリムですね。
IMR(In-mould decoration/金型のデコレーション)という加工を表面にしており、つやと光沢がある仕上がりになっています。(このYoutubeが実際の加工をしているところで、どんな仕上がりか分かります。動画で加工をしているのは、ASUSの天板です。)
天板には「LENOVO」とロゴがあるだけで、シンプルですね。
素材はすべて樹脂素材になっていますが、特にチープな感じはしません。
底面カバーは明らかにプラスチックと言った仕上がりで、若干安っぽいですが、見ることもほとんどないので気にならないと思います。
吸気口は標準的な大きさで、エアフローも悪くないと思います。
キーボード
<販売されているモデルのキーボードは日本語キーになります>
キーボードは84キーのJIS配列で、テンキー(数字のキーパッド)付き、バックライト非搭載です。
テンキー付きなので、Excelなどで数字をよく使う人には特に使いやすいです。
また、指紋センサーなどの生体認証はありません。
CPU
Ryzen 5 5500U | ||||
製造プロセス | 14nm | 7nm | ||
---|---|---|---|---|
コア/スレッド | 2/4 | 4/8 | 6/12 | |
キャッシュ | 4MB | 8MB | ||
基本クロック | 2.4GHz | 2.6GHz | 2.1GHz | 2.1GHz |
ブーストクロック | 3.3GHz | 3.5GHz | 3.7GHz | 4.0GHz |
TDP | 12~25W | 15W |
こちらは最新のRyzen 7000シリーズで、Ryzen 3と5がありますが、クロック数が違うだけであとは同じです。グラフィックも同じで、どちらもAMD Radon 610Mです。
Ryzen 3 7320U | Ryzen 5 7520U | |
製造プロセス | 6nm | |
コア/スレッド | 4/8 | |
L3キャッシュ | 4MB | |
ベースクロック | 2.4GHz | 2.8Hz |
ブーストクロック | 4.1GHz | 4.3GHz |
GPUコア | 2 | |
TDP | 15W |
最新のRyzen 7000シリーズですが、アーキテクチャはZen 2と旧モデルで、4コア8スレッドと控えめになっているので、それほど高い性能があるとは思えませんが、普段使い用であれば十分な性能になっていると思います。
Ryzen 7000シリーズについては、発売されたばかりで情報がないので、わかり次第、情報をアップデートします。
スコアの目安
- 2000~・ネットサーフィンでもストレスを感じるほど
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
Passmarkスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 7 5700U | |
---|---|
Ryzen 5 5500U | |
Ryzen 5 4500U | |
Core i7-1185G7 | |
Core i7-1165G7 | |
Ryzen 3 5300U | |
Core i7-1065G7 | |
Core i5-1035G1 | |
Ryzen 5 3500U | |
Core i3-1005G1 | |
Ryzen 3 3200U | |
Athlon Gold 3150U |
グラフィックス
グラフィック性能が高いと、Officeを使った作業や複数画面での作業などがしやすくなります。
Ryzen 7000シリーズは、実機を入手次第追記します。
Video Card Benchmarks
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
MX450 | |
---|---|
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 | |
MX250 | |
Ryzen 5 5500U | |
Ryzen 7 5700U | |
Core i3-1115G4 | |
Ryzen 7 4700U | |
Iris Plus | |
Ryzen 5 4500U | |
Ryzen 3 4300U | |
UHD |
Ryzen 5 5500Uのグラフィック性能は、そこそこ高いですね。
ディスプレイ
右にスライドできます↓
解像度 | 光沢 | 液晶 | 輝度 | コントラスト比 | 色域 | 視野角 |
HD 1366×768 |
なし | TN | 220nit | 400~500:1 | NTSC 45% | 90° |
HD | ハイディフィニション、低解像度で安い機種に使用される |
---|---|
FHD | フル・ハイディフィニション、一般的な画質 |
光沢 | 光沢ありは発色が良い反面、自分や背景が映り込みしやすい。光沢無しは映り込みがしにくい |
TN液晶 | コントラスト比が低く、視野角も狭い。若干青みがかった色 |
nit | 明るさを表す単位。通常250nitが標準 |
色域 | 色空間の企画で、NTSC 45%は標準的なディスプレイ |
コントラスト比 | 最少輝度と最大輝度の差。値が大きいと、より力強い描写が可能 |
ディスプレイは標準的な低価格モデルに搭載される品質で、過去に使ったパソコンが同じ解像度であれば気にならないと思いますが、長時間作業をする人にはお勧めしません。目が痛くなりそうですね。
また、視野角もかなり狭いので、見る角度によっては四隅が暗く見えたりしやすいです。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
搭載メモリはDDR4 2400MHzか3200MHz(Ryzen 5 5500Uモデルのみ)で、Ryzenモデルはメモリスロット1つ、Athlonはオンボードになります。Ryzenモデルは今挿さっているメモリを外して増設もできますが、保証外になるので自信のある方はどうぞ。
ストレージ
SSD(PCIe NVMe) | HDD | |
最大データ転送速度 | 最大16Gbps | 最大6Gbps(SATAの場合) |
平均起動時間 | 10秒~15秒 | 30秒~2分 |
温度 | 熱くなりにくい | 熱くなりやすい |
価格 | 高い | 安い |
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
本機種は意外なことに(意外と言っちゃ失礼ですね)、高速データ転送速度を持つPCIe 3.0×4かPCIe 4.0×4が搭載ですが、パソコンが対応しているのはPCIe 3.0×2なので、平均よりも低い数値になります。
ただし、普段使い用途であれば、十分な側です。
バッテリー駆動時間
バッテリーは3セル・42Whバッテリーが搭載で、
- Athlon・・・9.8時間
- Ryzen 3・・・12時間
- Ryzen 5・・・10.8時間
- Ryzen 5 5500U・・・12.8時間
の最大駆動時間があります。この価格の15.6型で10時間以上のバッテリー駆動時間は長い方ですね。
インターフェイス
右側面インターフェースはSDカードなどが使えるメディアカードリーダーと、USB-A 2.0になります。
左側面には電源コネクタ、USB-A 3.2 Gen 1、HDMI、USB-C 3.2 Gen 1、そしてヘッドフォン/マイクジャックがあります。
右のUSB-A 2.0はマウスやキーボードを接続する用なので、外付けHDDなどでデータ転送をしても遅いのでご注意を。左のUSBはどちらも5Gbpsの転送速度があるので、比較的速いです。
インターフェースは少ないですが、7 in 1ハブなどを購入したら、十分なインターフェースになります。
サポート・保証
標準で1年間の「引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長3年まで延長できます。また、Premium Careと言うサポートにアップグレードができ、こちらは24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)
引き取り修理とは、家などの指定住所にLenovoの指定業者がPCを引き取りに来てリペアセンターに配送、修理後、郵送してくれる保証です。保証期間内は、基本的に修理費・郵送費など無料です。
修理拠点は日本国内なので対応も速く、安心して任せることができます。
まとめ
良い点
・低価格モデルにしてはストレージが高品質
・15.6型にしては軽い
・ベゼルが細い
・Windows 11搭載
・Ryzen 5 5500UとRyzen 7000シリーズが追加
残念な点
・ディスプレイの品質が控えめ
・インターフェースが少ない
・指紋センサーなどの生体認証がない
総合評価
プロセッサーは十分以上の性能があり、メモリも標準的な8GBなので、そこそこの作業には対応できます。
15.6型のディスプレイにHD TN液晶はちょっと解像度が低く見え、気持ちよく使えるかと言うと疑問に思いますが、今現在、同じHDディスプレイを使っている人であれば気にならないと思います。それでも、毎日長時間使う人にはお勧めできない品質です。
本機はこういった要望の人であれば、特に気にならずに使えると思います。
- 安い機種が欲しい
- ディスプレイは気にしない
- 大画面で大学のレポートをしたい
- 外付けモニターを持っている
- 家計簿などをExcelでつけたい