Lenovoの3シリーズ(300番台のモデル)は5シリーズの廉価版と言う位置づけですが、本機種は見た目もおしゃれでCore i5モデルを選んだ場合は性能も高めです。
CPUには低性能のCeleronも選べ、動きが遅くてもいいからとにかくパソコンが欲しいという人にも購入しやすい価格帯で販売されています。おしゃれな筐体なので家族共用のリビング用PCとしてや、高いスペックを選べばビジネス用途でも使いやすい機種です。
また、内蔵カメラにマイク、スピーカーもあり、ワイヤレスマウスとキーボードも付属しているので、これ1台購入すればすぐに使い始めることができます。
本機は21.5インチ、23.8インチ、そして27インチの3種類がありますが、本記事は公式サイトで販売されている21.5インチをメインにレビューしています。
Contents
IdeaCentre AIO 360のスペックレビュー
APU | AMD Athlon Silver 3050U AMD Ryzen 3 3250U AMD Ryzen 5 3500U |
---|---|
メモリ | 最大8GB |
ストレージ | 最大SSD+HDD |
グラフィックス | UHD、Iris Xe |
ディスプレイ(21.5型) | FHD IPS |
無線 | WiFi5、Bluetooth v5.0 |
有線 | BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T |
光学ドライブ | ウルトラスリムDVDスーパーマルチドライブ |
付属 | マウス、キーボード |
電源 | 65W |
寸法(幅x奥行きx高さ) | 490 x 185 x 405㎜ |
重さ | 6.07㎏ |
保証 | 1年間 |
価格 | 5.2万円~ |
パソコンの頭脳であるAPUはノートパソコン用のCPUが搭載で、2世代前のRyzen 3000シリーズになっています。余ってたんでしょうか?ちょっと今更感があるプロセッサーを使っていますが、Ryzen 5はSSD搭載モデルもあるので、比較的快適に使えるスペックです。
メモリはは4GB(メモリスロット1つ)と8GB(メモリスロット2つ 4GB x2)になっています。増設できますが、最大メモリが8GBなので保証が外れると思います。
また、2021年にはちょっと不思議な構成で、Ryzen 3とAthlonはHDDのみ、Ryzen 5モデルのみSSD+HDDにできます。HDDのみだと全ての動きが遅いので、「のんびり使う人」以外はRyzen 5一択になると思います。
ディスプレイは標準的なFHD解像度で、コントラスト比が高く色域も広いIPS液晶が搭載です。一般的なディスプレイの品質なので、普通にきれいに見えます。
その他は特に目立って特徴が無い標準的なスペックですで電源がノートパソコン並みなので、性能は二の次でとりあえずパソコンが欲しいという人は本機種が合うかと思います。
インチ違いモデルとの比較
21.5インチ、23.8インチ、そして27インチの比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値)
27インチ | 23.8インチ | 21.5インチ | |
CPU | Ryzen 7 5700U | Ryzen 3 5300U Ryzen 7 5700U |
Athlon Silver 3050U Ryzen 3 3250U Ryzen 5 3500U |
メモリ | 16GB(スロット2つ) | 8GB(スロット2つ) | |
ストレージ | SSD | SSD +HDD | |
ディスプレイ | FHD IPS液晶 | ||
通信 | WiFi6、ギガビット | WiFi5、ギガビット | |
電源 | 90W | 65W | |
重量 | 8.77㎏ | 6.81㎏ | 6.07㎏ |
価格 | 約15.5万円 | 約12.4万円~ | 5.2万円~ |
21.5インチ以外は量販店モデルで、街の電気屋さんや楽天などで販売されています。21.5インチはLenovo公式サイトでの販売になります。
まずはCPUの性能比較です。
Passmarkスコア
オレンジ色(21.5型) 青(27) 赤(23.8型)
Ryzen 7 5700U | |
---|---|
Ryzen 3 5300U | |
Ryzen 5 3500U | |
Ryzen 3 3250U | |
Silver 3050U |
スペック相応の価格差になっていますが、27インチと23インチの性能が飛ぼ抜けて高く、21インチは性能が低く見えますね。とは言っても、普段使い用であればRyzen 3 3250Uでも十分だし、Ryzen 5は高めの性能です。
ストレージは、21インチはHDDとSSDが搭載可能(Ryzen 5モデルのみ)で、他の機種はストレージがSSDのみになります。
また、WiFiの規格も違いがあり、21インチ以外はWiFi6に対応なので、より安定して高速通信が可能です。
21インチ以外が高い性能だと言いましたが、まぁ、価格が2~3倍違うので当たり前と言えば当たり前ですね。
購入のポイント
高負荷な事をする予定の人は23・27インチが良いですが、普段使い用途ならば、21インチでも性能的には十分だと思います。
IdeaCentre AIO 360(21.5)の特徴
Lenovoの3シリーズ(300番台のモデル)は5シリーズの廉価版と言う位置づけなのですが、ベゼル(画面の黒い枠)もかなり細く、おしゃれですよね。
寸法は以下になります。
・幅490㎜・・・一万円札3枚分(480㎜)
・奥行き185㎜・・・一万円札1枚分(160㎜)
・高さ405㎜・・・500mlペットボトル2本分(410㎜)
ベゼルが細いので、幅が大きくないですね。
横から見ると、特にスリムなのが分かりますね。重さも6.07㎏と設置や移動もしやすく、奥行きが185㎜なので標準的なデスクに置けば見やすい距離になると思います。
配線が多い人でもこのようにまとめることができるので、デスク回りもすっきりです。
付属のマウスとキーボードはワイヤレスなので、他に何も接続しない人は配線が電源コードのみになります。
ちなみに画面上にある突起物はWebカメラで、必要ない時は下に下げることができます。見た目もシンプルになるし、セキュリティ的にも良いですね。万が一の際も、カメラを下げていればこちら側が撮影されたりすることもありません。
また、ディスプレイには3Wのスピーカーが2つ搭載、内蔵マイク、そしてDVDスーパーマルチドライブもあるので、これ1台購入したらもう他に何もいりません。
オーディオは有名なハーマンカードンなので、好きな人も多いんじゃないかなと思います。
モニターは、マイナス5度から25度までの30度動きます。
APU
Ryzen 5 3500U | Ryzen 3 3250U | Athlon Silver 3050U | |
製造プロセス | 12nm | 14nm | |
---|---|---|---|
コア/スレッド | 4/8 | 2/4 | 2/2 |
GPUコア | 8 | 3 | 2 |
キャッシュ | 4MB | ||
グラフィックス | Vega 8 | Radeon | |
基本クロック | 2.1GHz | 2.6GHz | 2.3GHz |
ブーストクロック | 3.7GHz | 3.5GHz | 3.2 |
TDP | 15W |
省電力で発熱が低いノートパソコン用プロセッサーを搭載しているので、オールインワンPCには合いますね。
スコアの目安
- 2000~・ネットサーフィンでもストレスを感じるほど
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
Passmarkスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 7 5700U | |
---|---|
Ryzen 5 5500U | |
Core i5-1135G7 | |
Core i7-1065G7 | |
Core i5-1035G1 | |
Ryzen 5 3500U | |
Ryzen 3 3250U | |
Silver 3050U |
Ryzen 5はスコア7000くらいなので性能も高く、ビジネス用途でも使えるほどです。また、Ryzen 3は普段使い用であればそこまでストレスは感じないと思いますが、HDDのみなので総合的に見ると動きは若干重いです。Athlon Silverも同じく控えめな性能ですね。
正直言うと、プロセッサーの性能は普段使いであればめちゃくちゃ悪いわけじゃないんですが、HDDのデータ転送速度が遅いから全体的に重い動きなんですね。普通にサクサク使いたいのであれば、Ryzen 5が良いともいます。
グラフィックス
グラフィック性能が高いとOfficeワークがしやすくなったり、複数画面での作業や画像編集などクリエイティブワークに強くなります。
Video Card Benchmarks
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
MX450 | |
---|---|
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 | |
MX250 | |
Core i3-1115G4 | |
Ryzen 7 4700U | |
Iris Plus | |
Vega 8 | |
UHD |
Vega 8はグラフを見ると下の方にありますが、特に悪いわけじゃありません。内蔵グラフィックスとしては十分だと思います。
ディスプレイ
右にスライドできます↓
解像度 | 光沢 | 液晶 | 輝度 | コントラスト比 | 視野角 |
FHD 1920×1080 |
なし | IPS | 250nit | 1000:1 | 178° |
FHD | フル・ハイディフィニション、一般的な画質 |
---|---|
光沢 | 光沢ありは発色が良い反面、自分や背景が映り込みしやすい。光沢無しは映り込みがしにくい |
IPS液晶 | コントラスト比が高く、視野角も広い |
nit | 明るさを表す単位。通常250nitが標準 |
コントラスト比 | 最小輝度と最大輝度の差。 |
ディスプレイは高解像度のFHDで、視野角が広くコントラスト比も高いIPS液晶が使用されています。低価格モデルはTN液晶というものが使用されることが多いですが、本機種はIPS液晶なので見やすいですね。
視野角がかなり広いので、隅々まで見やすいです。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
Ryzen 3000シリーズは2世代前のAPUで、対応メモリが2400MHzと動作周波数が低いので、処理速度も遅いです。(現行3200MHzなので、単純計算で40%以上速度差アリ)
Althlonを選んだ場合はメモリスロットが1つ、その他のAPUを選んだら2つあり、増設も可能です。
ストレージ
SSD(PCIe NVMe) | SATA | HDD | |
データ転送速度 | 平均1500~2500MB/秒 | 最大約500MB.秒 | ― |
平均起動時間 | 10秒~15秒 | 15秒前後 | 30秒~2分(新品の場合) |
温度 | 熱くなりにくい | 熱くなりにくい | 熱くなりやすい |
価格 | 高い | 中価格 | 安い |
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
本機搭載のストレージは2.5インチSATA HDDとPCIe NVMe SSDになります。基本構成がHDDのみになっており、執筆現在、Ryzen 5モデルのみSSDが搭載しているのでご注意を。
電源
電源は65Wで、電力変換効率は89%なので「80 Plus Gold相当」になると思います。本機にはノートパソコン用のパーツが使用されているので、十分だと思います。
インターフェイス
背面インターフェースには電源、HDMI、USB-A 3.1が2つ、RJ45(LANケーブルポート)、USB-A 2.0が2つあります。
右側面にDVDスーパーマルチドライブがあります。
インターフェースは、低価格モデルとしては普通ですね。
サポート・保証
標準で1年間の「引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長3年まで延長できます。また、Premium Careと言うサポートにアップグレードができ、こちらは24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)
引き取り修理とは、家などの指定住所にLenovoの指定業者がPCを引き取りに来てリペアセンターに配送、修理後、郵送してくれる保証です。保証期間内は、基本的に修理費・郵送費など無料です。
修理拠点は日本国内なので対応も速く、安心して任せることができます。
ライバル機種
<左から本機種・AIO 560i・AIO 560 AMD>
本機種と似たような最新機種との比較で、本機種以外は23.8型になります。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値。スマホの人は表を右にスクロールできます)
本機種 | AIO 560i | AIO 560 AMD | |
CPU | Athlon Silver 3050U Ryzen 3 3250U Ryzen 5 3500U |
Core i5-11400T Core i7-11700T |
Ryzen 3 5300U Ryzen 5 5500U Ryzen 7 5700U |
メモリ | 8GB | 16GB | |
ストレージ | SSD+HDD | ||
ディスプレイ | FHD IPS | ||
無線 | WiFi5 | WiFi6 | WiFi6 |
電源 | 65W | 120W | 135W |
重量 | 6.07kg | 7.23㎏ | 7.23kg |
価格 | 5.2万円~ | 8.3万円~ | 6.6万円~ |
各機種の特徴です。
- 本機種・・・低性能モデルからビジネス用途にも使えるスペックがある
- AIO 560i・・・上位モデルで電源も大きく、より性能が高い2021年のスタンダードPC
- AIO560 AMD・・・Ryzen 5000シリーズ搭載で、超高性能。画像編集などをしないのであれば、インテルモデルよりもお得
Passmarkスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 7 5700U | |
---|---|
Ryzen 5 5500U | |
Ryzen 3 5300U | |
Core i7-10700T | |
Core i5-10400T | |
Ryzen 5 3500U | |
Ryzen 3 3250U | |
Silver 3050U |
本機種はAthlonを購入するなら価格が安いのでお勧めですが、Ryzen 3モデルは6.2万円なので、AIO 560のRyzen 3モデル(6.6万円)を購入した方が断然使いやすいです。
まとめ
良い点
・性能が低いが低価格モデルもあるので購入しやすい
・Ryzen 5モデルは高性能
残念な点
・全モデルにSSDがあればよかった
総合的に見ると、ちょっとトリッキーな機種ですね。Ryzen 5は性能もほどほどでSSDも搭載なので普通に使えます。Ryzen 3やAthlonであれば比較的安いですが、2021年にHDDのみの機種を買うというのもあり得ないと思います。
「動作が遅くてもいいから」と言う場合はHDDモデルが安いので良いと思いますが、今後「普通」に使っていく場合Ryzen 5モデル一択になると思います。
その他のサイズは楽天で購入できます。