最近、仕事用の机を大きなものにしたのでディスプレイを探していたのですが、4Kディスプレイなのに4万円ほどで購入できるモニターを見つけたので早速購入しました。
28型の4Kディスプレイで高解像度、輝度も高くコントラスト比もそこそこ高いモニターです。比較的スリムなボディで、5.2㎏と軽量です。
色域も広く、色深度は10bitで10.7億色の色が表現できるので、画像編集や動画編集をするノンプロにも向いています。(プロにおすすめしない理由は後述しています)
個人的には「若干失敗した」ところもありますが、おおむね満足しています。
2024年2月追記)後継モデルのL28U-35を購入しました。価格は安くなり、性能は上がりました。こちらのレビューもどうぞ。
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Lenovo L28u-30 モニターのスペック
<真ん中のモニターが今回購入したもので、左は14型のThinkVision M14、右はThinkBook 13s Gen 2>
サイズ | 28インチ |
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解像度 | UHD 3840 x 2160 |
液晶 | TN液晶 光沢なし |
コントラスト比 | 1000:1 |
色域 | sRGB 99%以上(実測カバー率99.6%)、DCI-P3 90%以上(実測カバー率85.4%) |
色深度 | 10bit |
最大発色数 | 10.7億色 |
輝度 | 最大300cd/㎡ |
視野角 | 178度 |
応答速度 | 4ms |
インターフェイス | HDMI 2.0、Display Port 1.2、オーディオポート |
その他 | ブルーライトカット、フリッカーフリー、オーバードライブ、AMD Radeon FreeSyncテクノロジー対応 |
チルトスタンド | 前5°、後22° |
寸法 | 横636.94㎜ x 高さ450.82㎜(スタンド付き) x 幅49.2㎜(最厚部) |
重さ | 5.2㎏ |
保証 | 3年間 |
付属 | HDMIケーブル |
注意点 | ファクトリーカラーキャリブレーションなし、スピーカーなし |
価格 | 3万9840円 |
実は購入した後に「あれ?何か思ったよりも色彩が豊かじゃないな?」と思って調べていたら、液晶が高品質のIPSじゃなく「高視野角液晶」と書かれていました。これって、TN液晶なんですね。TN液晶は安いモニターや安いノートパソコンに使用されることが多く、もしくは、反応速度が速いのでゲーミングPC用のモニターにも使用される液晶なんです。(ただし本モニターはゲーミング非対応)
使い方によっては問題ないですが、今使っている13型ノートパソコンの液晶も質が良いので「差があまりなかった」ので若干落ち込んでいますが、28型と13型は4倍近い面積に違いがあるので、こんなもんかなと思っています。
まぁ、4K画質で10bit・10.7億色も表示可能なので、きれいなのはきれいです。
Lenovo L28u-30 モニターの特徴
上と左右のベゼル(画面の黒い枠)はめちゃくちゃ細く、実寸で上8.1㎜、下23.4㎜、左右7.9㎜でした(純粋な枠のみ計測時は上左右2㎜)。
横幅は636.94㎜、幅49.2㎜(最厚部)、スタンド付きの高さ450.82㎜(モニターのみの高さは373.68㎜)で、重さは5.2㎏(モニターのみ4.58㎏)になります。28型なので、大きいですね。
背面にはマウント用の4つのねじ穴が開いていますね。これは、100㎜x100㎜のVESAマウントに対応しており、壁掛けにしたり、小型デスクトップのTinyシリーズを搭載するマウントが設置できます。
モニターは前に最大5度傾き、後ろに最大22度傾くので、見やすい角度に変更できます。高さ調整が必要なことはほぼないと思いますが、調整はできません。
モニター右下のボタンで、「明るさ」、「コントラスト」、「ディスプレイモード」、「オーバードライブ」の設定ができます。
ディスプレイモードはStandard、Game、Web、Movie、Pictureの5種類があり、それぞれの用途に適した設定がしてあります。
画像編集や動画編集をするクリエイターにも使いやすい設定です。
色域
色域は「どれだけの色を再現(表現)できるか」の規格で、色域が広いとより鮮やかな色彩が表現できます。
上の規格はモニターに使われる主な規格で、
- DCI-P3・・・映像編集向け
- Adobe RGB・・・製版・印刷用の画像編集向け
- sRGB・・・Web用画像編集向け
- NTSC 45%・・・一般的なノートパソコンのモニターに使用される色域
になります。
色域が広いと「より正確な色(目で見た色に近い色)」を表現できるので、画像・動画編集をする人は色域が広いモニターを選びます。
本機種は公称でsRGB 99%以上、DCI-P3 90%以上となっており、(色域だけを見た場合は)Web用画像編集をするプロ、もしくは動画・映像編集をするセミプロにも向いています。
X-rite i1 Display Proで実際に計測したので、結果をご紹介します。
ピンクがAdobe RGBで、赤がDCI-P3、黄色に塗られた部分が本機種の色域で、見にくいですがその下にsRGBの三角形があります。
- DCI-P3カバー率・・・85.4%/ DCI-P3比・・・86.3%
- Adobe RGBカバー率・・・80.7% / Adobe RGB比・・・86.7%
- sRGBカバー率・・・99.6% / sRGB比・・・117%
でした。DCI-P3は公称90%以上でしたが、私の測り方が悪いのか若干下回っていますね。輝度も最大291cd/㎡(nit)で公称値より若干小さいですが、問題ないくらいに明るいです。
また、色深度は10bitで、最大発色数は10.7億色になっています!普通のモニターは約1677万色なので、約70倍も多くなっています。
下の画像は一眼カメラで撮影した写真を並べたもので、左が本モニター、右がFHD IPS液晶でsRGB 100%、8bitのディスプレイです。
モニターは4Kで広色域ですが、TN液晶なので若干青みがかっていますね。
やはり10bitなので発色が良く色がより鮮やかです。
視野角が広い
視野角はかなり広く、178°です。ほぼ真横から見える角度ですね。正面から見た時も画面全て薄暗くならず、見やすいですね。
モニターは非光沢なので、映り込みが少なく見やすいですね。
輝度が高い
輝度は公称で300nitとなっています。ただし、左の14型モニターの輝度が300nitで、右のノートパソコンの輝度は350nitほどなので、本モニターも余裕で300nit以上ありますね。明るいです
その他の機能
モニターには以下の機能が付いています。
- ブルーライトカット・・・目に悪いと言われるブルーライト(波長が強い可視光線)をカットできる(ブルーライトが悪いかどうかは諸説あり)
- フリッカーフリー・・・フリッカー(画面のちらつき)がない
- オーバードライブ・・・応答速度を高速化し、映像の残像を減らす技術。主にゲーミングモニターについている機能
- AMD Radeon FreeSyncテクノロジー・・・ティアリングやカクツキが無い滑らかな映像を描写する技術
ゲーミングモニターや動画編集用のモニターについているような機能が多いですね。
インターフェース
インターフェースはHDMI 2.0、Display Port 1.2、オーディオポートがあります。普通です。
保証
保証は3年間の長期保証なので、安心ですね。それだけ品質に自信があると思います。
まとめ
4K画質で10bit・10.7億色の発色が可能なので、色も鮮やかで見やすいモニターです。ベゼルも細いので、28型の大画面がより大きく見えますね。
広色域なので見やすく色も鮮やかですが、TN液晶を使用しているためプロにはお勧めしません。プロ向けをお探しの場合は、ThinkVision T27p-10 (27インチ)が良いと思います。
普段使い用であれば、動画を見たりWeb閲覧などに活躍すると思います。また、画面が大きいので、複数画面を表示して作業もしやすいです。