Lenovo ThinkPadのTシリーズは「筐体の寸法や重さは普通で、性能・機能は最上位モデルのXシリーズ並み」なので、サクサク快適に高負荷な作業をする人に合うシリーズです。
本機種は最新アーキテクチャ・Zen 3のRyzen Pro 5000シリーズが搭載で、かなり高い性能、そしてWiFi6やLTEにも対応しているので、機動性も高い機種です。
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ThinkPad T14 Gen 2 AMDのスペックレビュー
CPU | AMD Ryzen 3 Pro 5450U AMD Ryzen 5 5600U/Pro 5650U AMD Ryzen 7 Pro 5850U |
---|---|
メモリ | 最大48GB |
ストレージ | SSD 最大2TB |
グラフィックス | Radeonグラフィックス |
ディスプレイ(14型) | FHD IPS液晶 4K UHD IPS液晶 |
OS | Windows 10 Home、Pro |
無線 | WiFi6、Bluetooth 5.1、4G LTE |
生体認証 | 指紋センサー、顔認証(オプション) |
Microsoft Office | 搭載モデルあり |
セキュリティ | Windows Defender、TPM、ThinkShutter、セキュリティ キーホール、パワーオン パスワード、ハードディスク パスワード、スーパーバイザー パスワード、システム マネジメント パスワード |
寸法 | 329 x 227 x 17.9㎜ |
重さ | 1.47㎏ |
バッテリー | 最大16.9時間 |
保証 | 1年間 |
価格 | 9.9万円~ |
パソコンの頭脳であるCPUには最新のAMD Ryzen Pro 5000シリーズが搭載可能で、最新アーキテクチャのZen 3になっています。デスクトップ並みの高い性能なので、サクサク快適に作業ができます。
メモリはオンボード+スロットで最大48GBと大容量、ストレージは高速データ移動が可能なM.2 PCIe NVMe SSDになります。パソコンの起動やデータ移動もサクサクですね!
ディスプレイは高解像度でコントラスト比や視野角も広いIPS液晶で、FHDと4K UHDディスプレイもあるので、用途が広がりますね。
指紋センサーや顔認証、WiFi6にLTEも搭載可能、バッテリー駆動時間も比較的長い最大16.9時間なので、外出が多いビジネスパーソンにも使いやすい機種です。
総合的に見て、ハイエンド・ハイスペックモデルです。
旧モデルとの比較
<左・本機種/右・ThinkPad T14 gen 1 AMD>
旧モデルのThinkPad T14 Gen 1 AMDとの比較です。両機種は同じ筐体を使用しており、ほぼ同じ仕様です(メモリ・SSD・バッテリーは最大値)
本機種 | ThinkPad T14 Gen 1 AMD | |
CPU | Ryzen 3 Pro 5450U Ryzen 5 5600U/Pro 5650U Ryzen 7 Pro 5850U |
Ryzen 5 Pro 4650U Ryzen 7 Pro 4750U |
メモリ | 48GB(3200MHz) | 32GB(3200MHz) |
ストレージ | SSD | SSD |
ディスプレイ | FHD IPS、UHD IPS | FHD IPS |
無線 | WiFi6、LTE | WiFi6、LTE |
バッテリー | 16.9時間 | 15.9時間 |
重量 | 1.47㎏ | 1.57㎏ |
価格 | 10.6万円~ | 10.1万円~ |
大きな変更点はCPUで、あとは4Kディスプレイが追加され、筐体が100g軽くなっています。本機種は新機種と言うよりも、バージョンアップ機種の位置づけですね。
元々性能が高かったので「パーツがあまり変わっていない」のは当然かと思いますが、100gも軽くなったので持ち運びがしやすくなってますね。
こちらはCPUの性能を測る、Passmarkスコアです。通常7000以上のスコアがあれば、ビジネス用途でも快適に使えるほどです。
[visualizer id=”22702″ lazy=”no” class=””]以前も十分高い性能だったのですが、さらに高い性能になっています。
ライバル機種
<左から本機種・ThinkPad T14 Gen 2 Intel・ThinkPad E14 Gen 3>
本機種と似たような最新機種との比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値。スマホの人は表を右にスクロールできます)
本機種 | T14 Gen 2 Intel | E14 Gen 3 | |
CPU | Ryzen 3 Pro 5450U Ryzen 5 5600U/Pro 5650U Ryzen 7 Pro 5850U |
Core i5-1135G7/1145G7 Core i7-1165G7/1185G7 |
Ryzen 3 5300U Ryzen 5 5500U Ryzen 7 5700U |
メモリ | 48GB | 48GB | 24GB |
ストレージ | SSD | SSD | SSDx2 |
グラフィックス | Radeon | Iris Xe GeForce MX450 |
Radeon |
ディスプレイ | FHD/UHD | FHD/UHD | FHD IPS/TN |
無線 | WiFi6、LTE | WiFi6、LTE | WiFi |
バッテリー | 16.9時間 | 14.5時間 | 12.8時間 |
重量 | 1.47㎏ | 1.47㎏ | 1.64㎏ |
Thunderbolt 4 | 無し | 有り | 無し |
価格 | 10.6万円~ | 10.3万円~ | 7.1万円~ |
本機種とT14 Gen 2 Intelは同じ筐体を使用しており、E14 Gen 3は縦横が約5㎜ほど小さいモデルです。ただし、E14が一番重たいですね。
T14 Gen 2はインテル製プロセッサーを搭載し、グラフィック性能が高くThunderbolt 4もあるので、画像編集をしたり、大きなデータのやり取りをすることが多い人に向いています。
E15 Gen 3は同じくRyzen 5000シリーズ搭載ですが、通常モデルでアーキテクチャがZen 2です。また、インターフェースが若干少ないですね。本機種ほど高い性能や機能がいらないという場合は、E14がコスパが高いです。
下のグラフは、CPU性能を表すPassmarkスコアです。
[visualizer id=”22705″ lazy=”no” class=””]本機種はとにかく性能が高いので、サクサク快適に作業をしたい人に向いています。
メリット・デメリット
良い点
・セキュリティが高い高性能CPU搭載
・メモリが大きい!
・タイピングがしやすいキーボード
・WiFi6にLTEもあるので外出先でも安心して作業ができる
残念な点
・Thunderbolt 4があったらよかった
ThinkPad T14 Gen 2 AMDの特徴
本機種は豊富なインターフェイスに、標準的な寸法で若干軽いという特徴があります。
筐体の寸法は、
・幅329㎜は、一万円札2枚分(320㎜)
・奥行き227㎜は、千円札1.5枚分(225㎜)
・厚さ17.9㎜は、一円玉(直径20㎜)
とほぼ同じです。
厚さは一円玉より若干小さいので、持ちやすいしカバンに入れてもかさばりにくいと思います。
横から見ても厚くも薄くもないと言った印象で、重さは1.47㎏と持ち運びも困らないくらいです。
素材はPCとABS、PPSといった樹脂素材が使用されていますが、チープな感じは一切ないですね。さすがThinkPadです。キーボード面のみマグネシウムになっており、一番熱くなりやすい部分がマグネシウムなので、長期間使っても緩んだりしないし、手触りもいいですね。
底面の吸気口が多いですね。これだけ吸気口があると、エアフローも良いですね。
右側面にも空気口があります。
本機種はモダンスタンバイ機能付きで、スリープからの復帰が1秒以内、その1秒後にWiFiに接続できるようになっています。パソコンの開け閉めが多い人は、特に使いやすくなりましたね。
指紋センサーや顔認証も搭載できるので、サインインも一瞬で完了ですね。
キーボード
<ThinkPadのキーボード>
ThinkPadのキーピッチ(キーの中心から次のキーの中心までの距離)は約18.5㎜x18.5㎜で、手が大きな人でも打ちやすく、キーストローク(キーを押し込む距離)は2㎜前後と深いので、打感がいいんですよね。サクサク気持ちよくタイピングできます。
トラックポイント(真ん中の赤いボタン)があるので、ホームポジションから離れずにカーソル移動やクリックもできます。生産性も上がると思います。また、通常ThinkPadでは英語キーか日本語キーが選べます。
MILスペック
ThinkPadは「米軍の物資調達規格(MIL規格)」に準拠しており、MILスペックテストをクリアーした耐久性・堅牢性の高いパソコンになっています。落下テストや気温・気圧の変化、開閉部分の耐久テストなど、実際の使用状況に即したテストなので、耐久性の高い機種です。
有名な話ですが、ThinkPadは元々IBMのパソコン事業部門でそれをLenovoが買収したのですが、今でもThinkPadの研究開発は横浜にある大和研究所で行われています。一部のモデルは日本でも作られているし、安心の品質があります。
CPU
Ryzen 3 Pro 5450U | Ryzen 5 5600U/Pro 5650U | Ryzen 7 Pro 5850U | |
アーキテクチャ | Zen 3 | Zen 3 | Zen 3 |
---|---|---|---|
コア/スレッド | 4/8 | 6/12 | 8/16 |
キャッシュ | 8MB | 16MB | 16MB |
GPUコア | 6 | 6 | 8 |
基本クロック | 2.6GHz | 2.3GHz | 1.9GHz |
ブーストクロック | 4.0GHz | 4.2GHz | 4.4GHz |
TDP | 15W | 15W | 15W |
CPUはRyzen Pro 5000シリーズで、最新アーキテクチャのZen 3になります。Zen 2からの大きな変更として、以下があります。
- コアからアクセスできるL3キャッシュが倍増(パフォーマンス向上)
- IPCが19%向上し、電力当たりのパフォーマンスが最大24%UP
- シングルスレッドの性能が最大23%UP
- マルチスレッドの性能が最大108%UP
- バッテリー効率が上がった
また、多くのRyzen 4000シリーズは1コア当たり1スレッドでしたが、Ryzen 5000シリーズは全てが「マルチスレッディング」に対応したため、1コア当たり2スレッドになっています。このおかげで、より多くのデータを同時に処理できるようになりました。
<アプリの数は例です>
多くのタブやソフト、アプリを同時に使う人は、より快適さが上がりましたね。
ちなみにRyzen Proシリーズは通常版よりもセキュリティが強化され、メモリの暗号化などにも対応していますが、性能は通常版と同じです。
下のグラフはCPUの性能を測るPassmarkスコアになります。
スコアの目安
- 2000~・ネットサーフィンでもストレスを感じるほど
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
↓グラフをタップすると数値が表示されます↓
[visualizer id=”22729″ lazy=”no” class=””]グラフの一番上のCPUはインテルのデスクトップ用ハイエンドCPUですが、Ryzen 7 Proはほぼ同じスコアですね。
Ryzen 5でも1.7万オーバーのスコアで、「どれだけ性能が高いんだ」っていうくらい性能が高いですね。
こちらはシングルコア性能とマルチコア性能を測る、Cinebench R23です。
[visualizer id=”22734″ lazy=”no” class=””]シングルコア性能は同等モデルならIntelが高そうですが、マルチコア性能はRyzenがぶっちぎりですね。マルチコア性能はPCの総合性能なので、全体的にRyzenはより快適に作業がしやすいと思います。
グラフィックス
画像・動画編集やゲームをする上で必要なグラフィック性能です。また、性能が高いと複数画面を使った作業や、Officeワークもしやすくなります。
[visualizer id=”22742″ lazy=”no” class=””]内蔵グラフィックスとしては良い方ですが、飛びぬけて性能が高いわけでもありません。
ディスプレイ
解像度 | 光沢 | 液晶 | 輝度 | コントラスト比 | 色域 |
FHD | なし | IPS | 300nit | 700:1 | NTSC 45% |
FHD タッチ |
なし | IPS | 300nit | 700:1 | NTSC 45% |
FHD 省電力 |
なし | IPS | 400nit | 800:1 | NTSC 72% |
FHD Privacy guard タッチ |
なし | IPS | 500nit | 1000:1 | NTSC 72% |
UHD HDR |
なし | IPS | 500nit | 1500:1 | Adobe RGB 100% |
解像度 | FHDは1920×1080、UHDは3840×2160で一般的に4Kと言われる |
---|---|
光沢 | 光沢ありは発色が良い反面、自分や背景が映り込みしやすい。光沢無しは映り込みがしにくい |
液晶 | IPS液晶はコントラスト比が高く、視野角も広いが、TN液晶は若干青みがかった色で低品質 |
コントラスト比 | 最少輝度(黒色)と最大輝度(白色)の差。差が大きいとより鮮やかで、力強い描写が可能 |
輝度 | 250nitが標準的 |
Dolby Vision | Dolby独自のHDR規格。最大輝度を高め、より大きなコントラストに滑らかなグラデーション、そして高い色域を表現できる |
Privacy Guard | のぞき見を防止できる機能 |
色域 | NTSC 45%は標準的なノートパソコンに搭載、NTSC 72%はWeb用画像編集向き、Adobe RGB 100%は製版向けの色域 |
ディスプレイはいくつか種類がありますが、基本的に全て高い品質ですね。視野角も広くコントラスト比も高いIPS液晶で、最大で4K UHDも選べます。
300nitのディスプレイ以外は色域が広いので、より鮮やかな色が描写されます。
<色域の例>
上の画像は分かりやすいように加工していますが、色域が広い方がより正確な色が描写できるので、クリエイターはもちろん、編集などをしない人でも鮮やかな画面になるので使いやすいです。
また、ディスプレイ上部のWebカメラにはプライバシーシャッターもあるので、会議の離席中や休憩中、もしくは使用していないときは閉じで置くと安心ですね。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
メモリはDDR4-3200MHzで、オンボードに1つとスロットに1つ・最大で48GBにできます。現行最高の動作周波数(MHz)なので処理速度がかなり速いです。
ストレージ
SSD(PCIe NVMe) | HDD | |
最大データ転送速度 | 最大32Gbps | 最大6Gbps(SATAの場合) |
平均起動時間 | 10秒~15秒 | 30秒~2分 |
温度 | 熱くなりにくい | 熱くなりやすい |
価格 | 高い | 安い |
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
本機種はM.2 PCIe NVMeなので、高速です!
セキュリティ
さすがビジネスノートなので、セキュリティは堅牢です。
- パワーオンパスワード・・・電源を入れた時のログインパスワード
- ハードディスクパスワード・・・ハードウェアレベルでストレージにパスワードを設定
- セキュリティキ―ホール・・・ワイヤーなどを繋げて持ち運びできないようにする
- Windows Defender・・・Windows 10に搭載されているウイルスから保護するセキュリティ
- スーパーバイザーパスワード・・・BIOSなどの設定を見たり変更する時のパスワード
- TPM・・・独立して機能するセキュリティチップで、パスワードなどの情報を格納する
- OPAL・・・ストレージの暗号化
- Thinkshutter・・・前面カメラのカバー
バッテリー駆動時間
バッテリーは3セル50Whで、最大駆動時間は16.9時間です。使い方によってはバッテリーを気にせずに、丸1日外出しても大丈夫ですね。
WiFi6
次世代通信規格のWiFi6に対応しており、混雑した回線でも安定した高速通信が可能なので、カフェや社内無線LANを使う場合でも作業がやりやすくなりますね。
WiFi6は旧規格のWiFi5よりも、同時により多くのデバイスに電波を飛ばすことができ、最大通信速度もWiFi5より約40%速くなっているので、遅延も少なく、高画質のビデオ会議などにも対応できます。
- WiFi5の最大通信速度・・・6.9Gbps
- WiFi6の最大通信速度・・・9.6Gbps
LTE
LTEはnanoSIMを使って常時インターネットに接続できる機能で、4G回線のQuectel EM120R-GL 4G LTE CAT12になります。
回線速度は下り最大600Mbps、上り最大150Mbpsになります。
対応バンドは上の表になり、大手3社の4Gの重要なバンドすべて対応しています。また、eSIMにも対応しているとのことなので、楽に使い始めることができますね。
ちなみにLTE用の格安SIMなら、大手のIIJmioがおすすめですよ。
インターフェイス
右側面インターフェイスはスマートカードリーダー(オプション)、USB-A 3.2 Gen 1(データ転送速度5Gbps)、RJ-45、セキュリティー・キーホールになります。
左側面インターフェイスはUSB-C 3.2 Gen2 (電源と共用)、USB-C 3.2 Gen2(同10Gbps)、ドッキングコネクタ-(5.6.と合わせて使用)、USB-A 3.2 Gen 1、HDMI、マイク/ヘッドフォンジャックになります。
背面にはLTE用のnanoSIMスロットがあります。
14型でこれだけのポートがあり、ドッキングステーションも使えるので文句なしですね。
サポート・保証
標準で1年間の「引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長5年まで延長できます。また、プレミアムサポートにアップグレードができ、こちらは24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)
また、保証は以下の2と3にアップグレードできます。
- 引き取り修理・・・指定業者が指定場所(自宅など)にピックアップにきて、リペアセンターに配送、修理後返送してくれる。(郵送費はすべてLenovo負担)
- オンサイト修理・・・指定場所にエンジニアが来て修理
- 翌営業日オンサイト修理+プレミアサポート・・・通常、翌営業日にエンジニア指定場所に来て修理
修理拠点は日本国内なので対応も速く、安心して任せることができます。
まとめ
筐体も普通サイズでそこそこ軽く、バッテリーも最大16.9時間、WiFi6にLTEも搭載可能なので機動性は高いですね。
インターフェースが豊富なのも見過ごせないです。欲を言えばSDカードリーダーがあったら、一眼カメラを使うユーザーにとっても利便性が高かったですね。(SDカードリーダーはアマゾンで500円から販売されてますが・・・)
個人的にTシリーズは好きなシリーズで、高い性能・高い機能・機動性も高く、価格がXシリーズよりも安いのでお得感が高いんですよね。
外出先でも本格的な作業をするユーザーにおすすめしたい機種です。