先日Lenovo Tab M10 HD 2nd Genを義母が購入し、HD解像度で低スペックの割には意外にサクサク動いたので驚いたのですが、「それなら上位モデルのTab M10 FHD Plus(2nd Gen)はどうなんだ?」と思い、購入しました。
M10 HDとの比較も交え、ご紹介していきます。
Contents
Tab M10 FHD Plus(2nd Gen)のスペックレビュー
CPU | MediaTek Helio P22T Tab プロセッサー |
---|---|
メモリ | 4GB |
ストレージ | eMMC 64GB |
ディスプレイ(10.3型) | WUXGA(FHD相当) IPS液晶 タッチパネル |
OS | Android |
無線 | WiFi、Bluetooth v5.0、LTEあり |
オーディオ | Dolby Atmos |
生体認証 | 顔認証 |
内蔵カメラ | フロント・500万画素 背面・800万画素 |
寸法 | 244.2×153.3×8.15㎜ |
重さ | 460g |
バッテリー | 最大9時間 |
保証 | 1年間 |
付属 | 充電アダプター |
価格 | 3.1万円~ |
注)タブレットやスマホはCPUと呼ばずにSoCと言うのですが、便宜上CPU/プロセッサーと表現しています
こちらはPCMark For Androidで計測した本機種の総合評価で、5430となりました。下の画像は各項目のスコアで、カッコで横に書かれている数値は平均になります。
本機種はWork 2.0(ビジネス用途)、Web Browsing(Web閲覧)などほぼ全ての項目で平均より上で、Photo Editing(画像編集)とData Manipulation(データ取り扱い)に関しては少しだけ平均以下となっています。
スペック表の数字だけを見ると性能は高くなさそうに見えたのですが、平均以上に快適に使えます。
CPUにはMedeiTekのHelio P22Tが搭載で、タブレット向けのプロセッサーの様です。性能の数字的には低めですが、それを感じさせないくらいパワフルに動きます。
メモリは4GBとタブレットでは普通、もしくはちょっと良い方です。ストレージは64GBとクラウドを使うかどうか迷う微妙な容量ですが、ストレージの増設もできるのでご心配なく。
ディスプレイは10.3型でフルHDなので、解像度が高く鮮やかな色彩です。オーディオのドルビーアトモスと合わせることで、映画やゲームも迫力ある音と映像で楽しめます。
カメラはタブレットにしては普通、もしくは少し良い方で、フロントが500万画素、バックが800万画素になっています。カメラを使うことは少ないと思いますが、フロントカメラが500万画素と画素数が高いので、ビデオ電話時にきれいな映像が相手に表示されます。
バッテリーは最大9時間と標準的ですが、持ち運びが多い人は充電アダプターも持ち運んだ方がよさそうです。
総合的に見て、3万円からのタブレットとしてはかなり優秀だと思います。
前モデルとの比較
旧モデルのTab M10 FHDとの比較です。(バッテリーは最大値)
本機種 | Tab M10 FHD | |
CPU | MediaTek Helio P22T | Qualcomm Snapdragon 450 |
メモリ | 4GB | 2GB |
ストレージ | 64GB | 16GB |
ディスプレイ | WUXGA | WUXGA |
無線 | WiFi、LTE | WiFi、LTE |
カメラ | 500万画素/800万画素 | 200万画素/500万画素 |
バッテリー | 9時間 | ― |
重量 | 460g | 480g |
価格 | 3.1万円~ | - |
CPUの性能はそこまで変わらないようですが、UX性能(快適性)が高くなっていて、メモリは倍増、ストレージも大きくなったので結構性能はアップしています。
<Versus.comより引用>
また、ベゼル(画面の黒い枠)はかなり細くなっているので、見やすいくなったし、小型になりました。
Tab M10 FHD Plus(2nd Gen)の特徴
先述したように、旧モデルと比べてもベゼル(画面の黒い枠)がかなり細くなり、画面占有率は87%と本体のほとんどがディスプレイですね。
寸法は幅244.2㎜、奥行き153.3㎜、高さ8.15㎜となっており、比較的小型です。いくつかの機種と比較してみます。()は本機種との差・単位㎜です。
幅 | 奥行き | 高さ | 重さ | |
本機種 10.3インチ | 244.2㎜ | 153.3㎜ | 8.15㎜ | 460g |
iPad 10.2インチ | 250.6㎜ (+6.4) |
174.1㎜ (+20.8) |
7.5㎜ (-0.65) |
490g (+30g) |
Tab M10 HD Gen 2 10.1インチ | 241.54㎜ (-2.66) |
149.38㎜ (-3.92) |
8.25㎜ (+0.1) |
420g (-40g) |
IdeaPad Duet Chromebook 10.1インチ | 239.8㎜ (-4.4) |
159.8㎜ (+6.5) |
7.35㎜ (-0.8) |
450g (-10g) |
本機種は一番大きい10.3型と言うことも有りますが、ほぼ同じサイズですね。iPadはベゼル(画面の黒い枠)が太いので、若干大きいですね。
厚さは標準的な8.15㎜で、カバー付きのiPhone 7とほぼ同じサイスでした(カバーなしだとiPhoneが数ミリ薄いです)。全体的に見て、持ち運びがしやすいサイズと重量です。
ボディはオールメタルで、安っぽさは全然ありません。むしろ価格が高そうな洗練された見た目です。
460gと軽いので、持ちやすく手が疲れにくいです。
ライバル機種との比較
本機種 | Tab M10 HD 2nd Gen | IdeaPad Duet Chromebook | |
CPU | MediaTek Helio P22T | MediaTek P22T | Media Tek Helio P60T |
メモリ | 4GB | 2GB | 4GB |
ストレージ | eMMC 64GB 増設可能 |
eMMC 32GB 増設可能 |
eMMC 128GB 増設不可 |
ディスプレイ | 10.3型 WUXGA | 10.1型 HD | 10.1型 WUXGA |
無線 | WiFi、LTE | WiFi | WiFi |
バッテリー | 9時間 | 10時間 | 10時間 |
重量 | 460㎏ | 420g | 450g |
価格 | 3.1万円~ | 2万円前後 | 4万円前後 |
付属 | 充電ケーブル | 充電ケーブル | キーボード 充電ケーブル |
M10 HD Gen 2は解像度がHDと低いのですが、10型クラスだとそこまで違いは分かりません。CPUは同じですがメモリが小さいので、動画視聴やWeb検索などの低負荷な事や子供向けに良いと思います。
IdeaPad Duet Chromebookはタブレットと言うよりもタブレットPCで、キーボード付きになります。本機種とほぼ同じ性能ですが、LTEが無く、ストレージの増設もできません。キーボード付きがいいという人には、合うと思います。
メリット・デメリット
本機種のメリット、デメリットは以下になります。
メリット
・低価格だがゲームやビジネス用途でも使えるほどハイスペック
・高解像度FHD
・オーディオがすごく良い
・軽くておしゃれ
・ストレージの増設・交換も可能で、限界がない
デメリット
・?
個人的に、デメリットは一切感じませんでした。価格、使用感、快適性、外観どれをとっても、3万円のタブレットじゃないと思いました。
CPU
MediaTek Helio P22T | |
コア | 8コア |
最大クロック数 | 2.0GHz |
内蔵GPU | IMG PowerVR GE8320 |
RAM | LPDDR4x(最大1600MHz) |
LTE | CAT 4, 7, 13 |
プロセッサーは8コアと大きく、複数のアプリを同時に起動しても問題なく使えます。こちらはGeekBench 5で性能を測った結果です。
シングルコア性能は若干低く167、マルチコア性能は普段使いであれば快適に使える992となっています。コア数も多いので、タブをいくつも開けて、アプリも使ってと言うような使い方でも、遅さを感じることは少ないです。
ゲーム
ゲームを快適にできるか試してみました。結果から言うと、スペックのわりにかなり快適にゲームができました。
Project Cars Go・・・カクツキもなく、普通にプレイ可能でした。
Age of Z Origins・・・こちらも普通にできました。
PUBG Mobile・・・重いかな~と思ってやってみたら、全然普通にプレイできました。
全体的に見て、10.3型ディスプレイにFHDの高解像度で、オーディオがDolby Atmosなので迫力があり、没頭感も増しますね。
ディスプレイ
右にスライドできます↓
解像度 | 光沢 | 液晶 | 輝度 | 色域 | 視野角 |
WUXGA 1920×1200 |
あり | IPS | 330nit | NTSC 70.3% | 160° |
WUXGA | FHD相当の解像度で、高解像度 |
---|---|
光沢 | 光沢ありは発色が良い反面、自分や背景が映り込みしやすい。光沢無しは映り込みがしにくい |
IPS液晶 | コントラスト比が高く、視野角も広い |
nit | 明るさを表す単位。通常250nitが標準 |
色域 | NTSC 70.3%はsRGB 100%(NTSC 72%相当)に近い色域で、色が鮮やかに描写される |
視野角 | 上下左右のいろいろな角度から見てディスプレイがちゃんと見える最大角度 |
ディスプレイは輝度が330nitと明るいので、日中の日が当たる場所でも見やすいです。また解像度はフルHD相当の1920×1200で、10インチサイズだとかなりきれいに見えますね。ゲームも動画も迫力ある映像が楽しめます。
色域は比較的高いNTSC 70.3%で、普通のノートパソコンはNTSC 45%と考えると、かなり高い色域で、色鮮やかな描写になっています。
視野角は160°とそこまで広くないですが、普通に使う分には問題ないです。レース系のゲームをやってて傾けすぎた時に、若干暗く見えるかもってくらいです。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。本機種にはLPDDR4x 4GBが搭載です。
CPDT Benchmarkでメモリとストレージの速度を計測しました。
メモリ速度は1.4GB/秒と、悪くない速度です。
ストレージ
SSD(PCIe NVMe) | eMMC | HDD | |
最大データ転送速度 | かなり速い | 速い | 遅い |
温度 | 熱くなりにくい | 熱くなりにくい | 熱くなりやすい |
価格 | 高い | 中価格 | 安い |
本機種搭載のストレージはスマホやタブレットを中心に搭載されるeMMCで、パソコンに搭載されるHDD以上、SSD未満と言った、中間的な速度になります。
シーケンシャルリード(読み込み)は173MB/秒、シーケンシャルライトは90MB/秒です。そこまで速度は速くないですが、実際に使っていても遅いと思うことはなかったので、極端に大きなデータを扱わない限り問題ないと思います。
ストレージは64GBですが、SIMトレー兼用のMicroSDカードトレーもあるので、ここにSanDisk MicroSDカード・128GBで増設しました。
ストレージがいっぱいになったら、また新しいカードを買って入れ替えることができるので、ストレージを気にしなくていいのは助かりますね。最大256GBまで増設可能です。
ビジネス用途
意外に性能が高かったので、ビジネス用途でも使えるんじゃないかな?と思い、ZoomやChatworkでビデオ通話を試してみました。どちらも無料アプリをダウンロードして使用しましたが、普通に使えました。
また、私はMicrosoft Officeをサブスクしているのですが、もちろん本機種でログインして使用もできます。また、ThinkPad トラックポイントキーボード2と言う外付けキーボードも接続できたので、生産性も上がりますね。
カメラ
前面カメラは顔認証付きで500万画素、背面カメラは800万画素となっています。カメラは若干出っ張っていますが、置いた時もぐらついたりせず安定しています。
あまりタブレットの背面カメラを使うことは無いと思いますが、写真を撮ったので参考にどうぞ。
800万画素なので悪くないですが、スマホの方がいいかもですね。
こちらはZoom使用時に相手に表示される映像です。
1080p並みの解像度で表示されたので、驚きました。
オーディオ
オーディオはDolby Atmosです!映画館でも導入が進んでおり、Netflixなどの動画配信サイトでもドルビーアトモス用の動画が配信されています。Atmosは最大9.1.6chのサラウンディングが可能で、音がそこからもあそこからも、いろんな方向から聞こえるのが特徴です。
動画視聴やゲームなどに最適です。
LTE
MicroSDカードを入れるところと同じ場所にnanoSIMカードを入れて、通信ができます。
対応バンドは1/3/8/19で、大手3社の重要バンドほぼすべてに対応しています。
- docomo・・・1,3,19,
- au・・・1,18
- softbank・・・1,3,8
LTE用の格安SIMなら、大手のIIJmioがおすすめですよ。
今回は4G回線を契約しているSIMカードで、一番利用者が多いと思われる夜9時に通信速度を測ってみました。うちは若干山に近いところなので都心部に住んでいる人より遅いと思いますが、それでも十分な速度でした。
<通信速度を3つのWebサイトで計測しました>
- 下り(ダウンロード)14Mbps/上り(アップロード)7.8Mbps
- 下り16.35Mbps/上り9.28Mbps
- 下り7.96Mbps/上り5.52Gbps
平均下り12.77Mbps、平均上り7.53Mbps
ストレスなくWebサイトが閲覧ができると言われている目安が、下り1Mbps~10Mbpsなので余裕で使えています。上りは「ビジネス用途なら10Mbpsで十分」と言われているので、7.53Mbpsは普段使いであれば十分だと思います。
バッテリー駆動時間
バッテリー駆動時間は最大9時間と、一般的なタブレットの10時間に若干及びません。持ち運ぶ人は、使い方によっては充電アダプターの持ち運びも必要です。
インターフェイス
右側面にはボリュームボタン、電源ボタン、そしてMicro SDカードとnanoSIM兼用トレーがあります。
左側面には、スマートコネクタ専用ピンがあります。↓こういったGoogleアシスタントとつないだりする機器ですね。
ちなみにスマートコネクタは現在、単品では販売されていません。
上部にはマイクとヘッドフォンジャックがあります。
下部にはUSB-Cがあり、ここから付属の電源アダプターで充電します。このUSB-CはOTG(USB On The Go)機能があり、SDカードや外付けHDDに直接アクセスできます。
このようにUSB-C-USB-Cのケーブルを使い、HDDを繋げて読み込むことができます。
この機能があるので、PCを介さずに直接外付けのデータを扱うことができます。楽ですね。ちなみに映像出力機能はありませんでした。モニターを繋げても、画面は真っ黒なままです。
サポート・保証
標準で1年間の「片道引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポート(朝9時~夕方6時まで))があり、最長2年まで延長できます。2年にした場合は、引き取り修理にアップグレードされます。
引き取り修理とは、家などの指定住所にLenovoの指定業者がPCを引き取りに来てリペアセンターに配送、修理後、郵送してくれる保証です。保証期間内は、基本的に修理費・郵送費など無料です。(片道引き取り修理は、自費でリペアセンターに郵送)
修理拠点は日本国内なので対応も速く、安心して任せることができます。
また、アクシデントダメージプロテクションという通常保証じゃカバーしない「水濡れ・落下・火災・紛失など」にも対応した保証もあります。
Androidタブレットをサブモニターとして使用する方法
無料アプリのSpacedeskをダウンロードして、PCのサブモニターとしてタブレットも使えます。PCとタブレット両方にアプリをダウンロードしたら使えますが、詳しい方法はこちらの記事にまとめているので併せてどうぞ。
まとめ
約3万円でこの使い心地は、すごいと思います。解像度も色域も高いので迫力がある映像だし、Dolby Atmos搭載で、音質も良かったです。
キッズモードと言う「子供がどのように利用しているか」分析もできるし、安心して子供にも持たせることができるのも、特徴ですね。
スペック的にはビジネスパーソンでも使いやすいくらいで、ゲームもできるし、HDDなどのデータにも直接アクセスできるので、パソコンを使わない人にも使いやすいです。