ThinkBookは今までThinkPadやIdeaPadの陰に隠れて売れ筋モデルと言うわけではなかったのですが、2020年10月後半から新機種をどんどん投入してきています。
Yogaに続き、インテル第11世代のCPU搭載モデルも投入され、ディスプレイの質も上がり、クリエイター向けの機種に方向転換したのかな?と言うくらい高性能・高品質の機種が増えています。
その中でもひときわ性能が高い本機種ThinkBook 15pは、NVIDIA GeForce GTX 1650Ti搭載モデルで、本格派クリエイター向けPCになっています。
Contents
Lenovo ThinkBook 15pの評価
CPU | Intel core i7-10750H |
---|---|
メモリ | 最大32GB |
ストレージ | SSD 最大1TB |
グラフィックス | NVIDIA GeForce GTX 1650Ti Max-Q |
ディスプレイ(15.6型) | FHD IPS 光沢なし sRGB 100% UHD IPS Adobe RGB 100% |
カラーキャリブレーション | UHDのみ対応 |
OS | Windows 10 Home、Windows 10 Pro |
無線 | WiFi6、Bluetooth v5.0 |
有線 | イーサネット(RJ45) |
生体認証 | 指紋センサー |
セキュリティ | TPM、パワーオン パスワード、ハードディスク パスワード、アドミニストレーター パスワード、ユーザー パスワード、セキュリティ キーホール |
Microsoft Office | 搭載可能 |
寸法 | 359×249.5×19.9㎜ |
重さ | 1.99㎏ |
バッテリー | 約12.2時間 |
保証 | 1年間 |
価格 | 11.3万円~ |
CPUには、ハイパフォーマンスモデル・HシリーズのIntel core i7-10750H搭載です。6コア12スレッドとコア数も多く、性能を表すPassmarkスコアは1万2903とかなり高くなっています。
性能が高いCore i7-10510Uより70%ほど高性能、最新第11世代CPUのCore i7-1185G7より20%近く高い性能です。
メモリは最大32GBまで搭載できるので、快適に動画編集や画像編集、そして3Dゲームも出来ますね。
ストレージには当然、M.2 PCle-NVMe SSD搭載です。パソコンの起動もアプリ・ソフトの立ち上げ、データ移動もサクサクできます。
ディスプレイにはFHDか4K画質のUHDが選べますが、UHDを選択時は印刷用画像編集にも向いている高色域のAdobe RGB 100%、FHDでもsRGB 100%と高い色域になっています。
より正確な本来の色が描写されるので、印刷後に「これ、なんか色が違う・・・」という事もないと思います。
また、UHDはカラーキャリブレーションにも対応していて、簡単に工場出荷時の色に戻せます。今まで200~300時間ごとにやっていたキャリブレーション作業をやらなくていいなんて、夢のようですね。あれ、超大変ですもんね。
また、本機種はWiFi6対応なので高速インターネット通信が可能、室内でより高速安定通信が必要な場合は、有線接続も可能です。
また、バッテリー駆動時間は、グラボ付きにしては長い12.2時間、重さは2㎏とグラボが無い普通のパソコンに比べると軽くはないですが、グラフィックボード付きで1.99㎏なので持ち運びしやすい思います。
前モデルと比較
ThinkBook 15Pは新しいモデルで、ThinkBook初のグラボ搭載機種になるので旧モデルはありません。
ライバル機種
本機種と似たような最新機種との比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値。スマホの方は表を右にスクロールできます)
本機種 | Legion 550i 15 | ThinkPad X1 Extreme Gen 3 | |
CPU | Core i7-10750H | Core i5-10300H Core i7-10750H |
Core i5-10400H Core i7-10750H/10850H Core i9-10885H |
メモリ | 32GB | 32GB | 64GB |
ストレージ | SSD 1TB | SSD 1TB | SSD 4TB |
グラフィックス | GTX 1650 Ti Max-Q | GTX 1650 GTX 1660 Ti RTX 2060 |
GTX 1650 Ti Max-Q |
ディスプレイ | FHD、UHD | FHD | FHD、UHD |
無線 | WiFi6 | WiFi6 | WiFi6、LTE |
バッテリー | 12.2時間 | 10.8時間 | 16.7時間 |
重量 | 1.99㎏ | 2.3㎏ | 1.7㎏ |
価格 | 11.3万円~ | 9.8万円~ | 20.7万円~ |
LegionはゲーミングPCでゲームに特化した作りをしていますが、人気がある機種ですね。同じくらいの性能から、より高い性能のグラボも選べます。ただし、重たく、ごついです。
ExtremeはThinkPadでも上位のスペックで、同じグラボが搭載されていますが、より多くのCPUが選べます。ただし上位モデルなので価格も高めです。
本機種はおしゃれでグラボを搭載しているような外観じゃないのにグラボ搭載で、クリエイター向け(ゲームもできます)の機種ですね。
メリット・デメリット
メリット
・動画・画像編集もできる
・おしゃれな外観
・色域が高くクリエイター向け
・有線接続も可能
デメリット
・Thunderbolt 4があればベターだった
・グラボ付きなのでしょうがないが、若干重い
ThinkBook 15pの特徴
15.6型の大画面は作業がしやすいですよね。特にディスプレイの質・色域が高いので、より鮮やかでより正確な色合いで作業が出来ます。
寸法は幅359㎜、奥行き249.5㎜、そして厚さは19.9㎜と普通のパソコンに比べると大きいですが、グラボ付きのモデルだったらこのくらいかなと言うサイズです。
同じCPUに、同じGTX 1650搭載の、15.6型2020年モデルとの寸法比較です。
幅 | 奥行き | 厚さ | 重さ | |
ThinkBook 15p | 359㎜ | 249.5㎜ | 19.9㎜ | 1.99㎏ |
Legion 550Pi | 363.1㎜(+4.1㎜) | 259.6㎜(+10.1㎜) | 23.6㎜(+3,7㎜) | 2.3㎏ |
ThinkPad Extreme Gen 3 | 361.8㎜(+2.8㎜) | 245.7㎜(-3.8㎜) | 18.7㎜(-1.2㎜) | 1.7㎏~1.8㎏ |
全て数ミリの違いですね。グラボ付きなら、標準的なサイズです。
筐体底面にある吸気口は、比較的大きめに取られています。
右側面にも排気口があります。
テンキー(右側の数字のキー)があるので、数字入力が多い人は作業効率が断然上がりますね。Fキー列にビデオ電話の受信/終了ボタンがあるので、ZoomやChatwork、Skypeなどを良く使う人は使いやすくなっています。
ディスプレイ上部のカメラにはThinkShutterと言う物理カメラが搭載しているので、よりプライバシーも守られます。
CPU
執筆時現在、搭載されているCPUは右のCore i7-10750Hのみですが、海外ではCore i5-10300H搭載モデルもあるので一応記載しています。
Intel core i5-10300H | Intel core i7-10750H | |
開発コード | Comet Lake | Comet Lake |
製造プロセス | 14nm | 14nm |
コア/スレッド | 4/8 | 6/12 |
ベースクロック | 2.5GHz | 2.6GHz |
ターボブースト時 | 4.5GHz | 5.0GHz |
キャッシュ | 8MB | 12MB |
TDP | 45W | 45W |
スコアの目安
- 2000~・ネットサーフィンでもストレスを感じるほど
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ゲーミングPCなど専門的な機種に搭載されることが多い
(グラフをタップすると数値が表示されます)
[visualizer id=”14631″ lazy=”no” class=””]やはりCore i7のH(ハイパフォーマンス)モデルなので、かなり高性能です。しかも6コア12スレッドなので、同時に処理できるデータ量が上がるので複数の事もやりやすいですしね。
こちらCinebench R20はレンダリングを行ってスコアを出すテストで、数値が高い方がレンダリング時間も短くなります。一番上が本機種搭載CPUです。
[visualizer id=”14668″ lazy=”no” class=””]Core i7-10750Hはマルチコアが2777、シングルコアが480と、さすがハイスコアをたたき出しています。
グラフィックス
NVIDIA GeForce GTX 1650 Ti Max-Q | |
アーキテクチャ | Turing |
CUDAコア | 1024 |
ベースクロック | 1035MHz |
ブーストクロック | 1200MHz |
メモリタイプ | GDDR6 |
メモリ帯域幅 | 160Gbps |
メモリ容量 | 4GB |
TDP | 50W |
こちらはFire strike graphicsのスコアで、動画編集をする時の性能の目安です。
[visualizer id=”14637″ lazy=”no” class=””]性能的にはエントリークラスのグラボですが、PhotoshopやAdobe Premiere Pro CCなども使えるほどの性能です。
多くのプロ・アマが使う、アドビソフトの動作環境を見てみましょう。(横にスクロールできます)
Adobe Premiere Pro | Adobe Premiere Elements2020 | Photoshop | Lightroom Classic | |
CPU | Intel第6世代以降 | 2GHz以上のプロセッサー 4Kの場合はCore i7-7700以上 |
2GHz以上 | Intel/AMDのCPUで2GHz以上 |
RAM | 8GB以上(4Kメディアは32GB) | 4kの場合は16GB | 2GB以上/8GB以上推奨 | 4GB以上/12GB以上推奨 |
OS | Windows 10(64bit) | Windows 10(64bit) | Windows 7SP Windows10 |
Windows 7SP Windows10 |
GPU | 4GB以上のVRAM | ー | NVIDIA Geforce GTX1050以上 | 1GB以上のVRAM |
ストレージ | SSD推奨 | 6.8GB以上の空き | 記載なし | 2GB以上の空き |
解像度 | 1920x1080 | ー | 1280x800以上 | 1024x768以上 |
Adobe Premiere Pro CCも使えるほどの性能です!
他の有名編集ソフトの推奨スペックは、この様になります。
DaVinci Resolve 16 | PowerDirector | |
CPU | 3GHz以上のCPU | Intel core iシリーズ |
メモリ | 16GB(8GBでも動く) | 2GB以上(8GB以上推奨) |
OS | Windows 10 | Windows 7sp以降の64bit |
ストレージ | – | 最低10GB以上の空き |
GPU | 必須ではないがNVIDIAもしくはAMDのグラボ搭載 | Geforce GTX 650以上 |
特に問題なく色々なソフトが使えます。
ゲームをする人はあまりいないかもしれませんが、一応性能の目安という事で記載しておきます。単位はリフレッシュレートです。
[visualizer id=”12659″ lazy=”no” class=””]ディスプレイ
右にスクロールできます↓
光沢 | 液晶 | 輝度 | コントラスト比 | 色域 | 視野角 | |
FHD | 無し | IPS | 300nit | 1200:1 | sRGB100% | 170度 |
UHD/HDR | 無し | IPS | 600nit | 1500:1 | Adobe 100% | 170度 |
FHD | フル・ハイディフィニション、解像度1920x1080 |
---|---|
UHD | ウルトラ・ハイディフィニション、解像度3840x2160 |
IPS | 視野角が広く、コントラスト比も比較的高く、自然な色合いが描写できる |
光沢なし | 映り込みが軽減された液晶 |
nit | 輝度(明るさ)を表す単位で、通常250前後が標準 |
コントラスト | 最少輝度(黒色)と最大輝度(白色)の差。差が大きいとより鮮やかで、力強い描写が可能 |
HDR | ハイ・ダイナミック・レンジの略で、黒つぶれ、白飛びなどが無く、より本来の色を表現できる |
sRGB | 色空間の規格。Web用画像編集にも向いているほど高色域 |
Adobe RGB | アドビ社の色空間規格。より多彩な色を表現できる。製版向け画像編集スペック |
フルHDを選んでも300nitに高コントラスト、色域もsRGB100%なのでクリエイター向けの高品質ディスプレイですね。
4K画質のUHDは600nitとかなり高い輝度で、製版向け画像編集をする人が使うほどの色域です。また、HDRにも対応しているので、描写力が凄く高いです。
プリントアウトしないならsRGB 100%のディスプレイ、印刷する人はAdobe RGB 100%のUHDディスプレイがおすすめです。
メモリ
メモリはパソコンの作業台で、一時的にデータを保存する場所になります。メモリが大きいとより大きな、より多くのデータが扱いやすくなります。
メモリはDDR4-23400(2933MHz)でスロットが2つになります。最大で32GBまで搭載可能です。小さなメモリを選んだ場合は、メモリの増設も可能です。
ストレージ
ストレージはM.2 PCle-NVMeのSSD搭載で、最大1TBの大容量です。
<仕様書に記載されているSSDの種類>
種類はM.2 PCle-NVMe Type 2242と2280があるのですが、どちらもPCIe 3.0×4なので最大データ転送速度(理論値)は32GB/秒と速く、同じSSDでもSATA接続に比べると5倍、PCIe 3.0×2と比べると2倍も速いです!
ハイエンドモデルのストレージですね。
無線LAN
次世代通信規格のWiFi6に対応しており、通信速度の理論値は9.6Gbpsと高速です。
今までは「有線接続じゃないと高速回線は使えない」が常識でしたが、WiFi接続でもかなり速くなっています。(理論値なのでそこまではさすがに出ませんが)
ただし契約回線やルーターもWiFi6に対応していないと、ルーター対応規格もしくは契約回線での通信になります。
セキュリティ
- Windows Defender・・・Windows搭載のセキュリティ機能で、マルウェアなどのウイルスからパソコンを守ってくれます。
- TPM・・・独立して機能するチップで、パスワードなどの重要情報を格納できる
- ハードディスクパスワード・・・ハードウェアレベルでパスワードを設定できるので、パソコン内部のデータが盗み見られる可能性がかなり減ります
- セキュリティキーホール・・・パソコンが持ち出されないようにロックするワイヤーなどを設置する個所
インターフェイス
- 4-in-1メディアカードリーダー
- USB 3.1 Gen 1
- セキュリティキーホール
- 電源
- イーサネットコネクター(RJ-45)
- HDMI
- Powered USB 3.1 Gen 1
- USB Type-C 3.1 Gen 1
- マイクロフォン/ヘッドフォン・コンボ・ジャック
インターフェイスは豊富で、必要なものは全てあると思います。特にイーサネットコネクターがあるので、有線接続できるのはポイントが高いですね。
まとめ
動画編集、画像編集をメインにするクリエイター向けのスペックで、もちろん簡単な3DCADを使う人なんかにも合う機種です。
これだけのスペックが付いて価格も12.9万円からと安いので、おすすめですよ。