Ryen 5 5626Uのベンチマークです。
2022年と言えば、Ryzen 6000シリーズが搭載すると思った人も多いと思いますが、Ryzen 5000シリーズのリフレッシュ版として、Ryzen 3 5325UやRyzen 5 5625U、そしてRyzen 7 5825Uなどがメインと言ってよいほど、多くの機種に搭載されています。
旧モデルで言えばRyzen 5 5600Uで、性能はほぼ互角ですが、プロセッサーの最大発熱が95°と10度下がったので、高負荷な作業がより長時間しやすくなっています。
最新のRyzen 5 6650Uと比べて、CPU性能はそこまで大きな差はありませんでしたが、グラフィック性能は全然負けていました。それでも、コスパは高いと思います。
レビュー機は、Lenovo ThinkBook15 Gen4で、Ryzen 5 5625U・DDR4-3200MHz 16GB(8GB+8GB)・SSD PCIe 4.0 256GBになります。
Contents
Ryzen 5 5625Uの仕様
Ryzen 5 5625U | |
製造プロセス | 7nm |
---|---|
アーキテクチャ | Zen 3 |
コア/スレッド | 6/12 |
L3キャッシュ | 16MB |
GPUコア | 7 |
基本クロック | 2.3GHz |
ブーストクロック | 4.3GHz |
TDP | 15W |
アーキテクチャはZen 3で、Zen 2に比べ以下の様な特徴があります。
- コアからアクセスできるL3キャッシュが倍増(パフォーマンス向上)
- IPCが19%向上し、電力当たりのパフォーマンスが最大24%UP
- シングルスレッドの性能が最大23%UP
- マルチスレッドの性能が最大108%UP
- バッテリー効率が上がった
また、最大温度が10度下がり95°となったので、より安定して高負荷な作業も長時間しやすくなっています。
各種ベンチマーク
元々レビューに使った機種はメモリ8GBでしたが、その場合はシングルチャンネルメモリで性能が低いため、8GBを増設して16GB・デュアルチャンネルメモリにしました。購入機種によっては、メモリ1枚でもデュアルチャンネルメモリのものもあると思います。
CPU Mark
Ryzen 5 5625Uのスコアは、16,040とハイスコアでした。めちゃくちゃ高い性能ですね。
こちらはCPUの性能を測るCPU Markスコアです。
スコアの目安
- 7000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 10000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 14000~・ハイエンドPCに搭載される
- 15000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 7 5800U | |
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Core i5-1240P | |
Ryzen 7 5825U | |
Ryzen 5 Pro 6650U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 5 5600U | |
Ryzen 3 5400U | |
Ryzen 3 5425U | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 | |
Ryzen 3 5300U |
Cinebench R23
次のCinebench R23は、CPUの3DCGレンダリング性能を測定します。一般的に、3Dレンダリングやエンコードはマルチコア、モデリングやCAD、編集中、ゲームはシングルコアを重視します。
マルチコアは7776と高く、シングルコアは1394でした。
マルチコアは6000ほどで高性能、8000以上でかなり高性能、シングルコアは1500以上でかなり高性能になります。
Cinebench R23 マルチコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 7 5875U | |
---|---|
Ryzen 7 5800U | |
Ryzen 7 5700U | |
Core i5-1240P | |
Ryzen 5 5500U | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 5 5600U | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 | |
Ryzen 3 5300U | |
Ryzen 3 5300U | |
Ryzen 3 5425U | |
Core i3-1115G4 |
Cinebench R23 シングルコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1185G7 | |
---|---|
Ryzen 7 5875U | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1240P | |
Ryzen 7 5800U | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 5 5600U | |
Core i5-1135G7 | |
Ryzen 3 5425U | |
Ryzen 5 5700U | |
Ryzen 5 5500U |
Geekbench 5
Geekbench 5はクロスプラットフォームのベンチマークで、CPUやGPUコンピューティングのスコアを計測できます。
シングルコアは1367と平均的で、マルチコアは5875と、これも平均的なスコアでした。
その他のCPUとの比較です。
Geekbench 5はクロスプラットフォームのベンチマークで、CPUやGPUコンピューティングのスコアを計測できます。
Geekbench 5 マルチコア
オレンジ色・・・計測機種 青・・・比較
Core i7-1260P | |
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Core i5-1240P | |
Core i5-1235U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 5 5500U | |
Ryzen 7 5700U | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 | |
Ryzen 3 5425U |
Geekbench 5 シングルコア
オレンジ色・・・計測機種 青・・・比較
Core i7-1260P | |
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Core i5-1240P | |
Core i7-1165G7 | |
Ryzen 5 5625U | |
Core i5-1235U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Core i5-1135G7 | |
Ryzen 3 5425U | |
Ryzen 5 5500U | |
Ryzen 7 5700U |
PCMark10
こちらはPCMark10の計測結果で、Essentialは「通常用途(Web検索やビデオ会議、アプリの起動など)の性能」、Productivityは「Microsoft Office(事務系のアプリ)使用時の性能」、Digital Content Creationは「コンテンツ作成(画像・動画編集など)のしやすさ」を表しています。
総合性能の目安は以下になります。
・5000以上・・・ハイスペック
・4000以上・・・ミドルハイ
・3000以上・・・ミドルクラス
・2000以下・・・エントリ―クラス
本機のスコアです。Digital Content以外の数値は、先日ベンチマークを取ったRyzen 5 6650Uよりも高いスコアでした。ただし、その機種は超コンパクトな13.3インチだったので、筐体がより大きい本機の方が排熱がうまくいき、スコアが高かったと思います。
- 総合性能は5485
- Essentialは9036→通常用途やビデオ会議などかなり使いやすい
- Productivityは9223→かなり高速に使える
- Digital content creationは5372→外付けGPU無しにしては高性能
その他のCPUとの比較です。
Essential
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1260P | |
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Core i5-1240P | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 3 5425U | |
Core i5-1235U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Ryzen 5 5500U |
Productivity
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 5 5625U | |
---|---|
Ryzen 3 5425U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Ryzen 5 5500U | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Core i5-1235U |
Digital Content Creation
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1260P | |
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Core i5-1240P | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 7 5700U | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1235U | |
Ryzen 5 5500U | |
Ryzen 3 5425U | |
Core i5-1135G7 |
グラフィックス
グラフィック性能が高いと、Officeを使った作業や複数画面での作業などがしやすくなります。
3D Graphics Mark
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1260P | |
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Core i5-1135G7 | |
Ryzen 7 5800U | |
Core i5-1240P | |
Ryzen 5 5500U | |
Core i3-1215U | |
Ryzen 7 5700U | |
Core i5-1235U | |
Ryzen 5 5600U | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 3 5425U | |
Ryzen 3 5300U |
グラフィック性能はそこまで高くありませんが、気になるほど悪いわけでもありません。
ゲームのベンチマークスコア
ゲームはドラゴンクエストXと、FFXIV ENDWALKER 暁月のフィナーレでベンチマークを取りました。
ドラクエは「標準品質・FHD」、FFは「標準品質・ノートパソコン」で計測です。
ドラゴンクエストXは、「すごく快適 10747」で、予想よりもかなり高いスコアでした。
次は、FFXIV ENDWALKER 暁月のフィナーレは、ほぼ予想通りの「4254 普通」でした。
その他のCPUとの比較です。
ドラクエX FHD画質
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1165G7 | |
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Ryzen 5 5500U | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 3 5345U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Core i5-1235U |
FFXIV 標準品質
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 5 PRO 6650U | |
---|---|
Core i5-1240P | |
Core i7-1260P | |
Core i7-1165G7 | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 3 5425U | |
Ryzen 5 5500U | |
Ryzen 7 5700U | |
Core i5-1235U |
Ryzen 5 5625U搭載機種
このプロセッサーは多くの機種に搭載しているので、おすすめを数点ご紹介します。
Lenovo ThinkBook15 Gen4 AMD
レビュー機です。Thinkbookの15インチは総合的なスペックが他の機種に比べ低いですが、低価格でおしゃれなビジネスノートを購入できます。メモリ容量が最大40GBになったので、ヘビーユーザーにも使いやすくなっています
CPU | Ryzen 3 5425U Ryzen 5 5625U Ryzen 7 5825U |
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メモリ | 最大40GB |
ストレージ | 最大SSD×2 |
ディスプレイ(15.6型) | FHD IPS液晶 タッチあり |
無線 | Wi-Fi 6E |
生体認証 | 指紋センサー |
重さ | 1,7kg~ |
バッテリー | 最大約8時間(45Whr) |
価格 | 7.9万円~ |
Lenovo ThinkPad E14 Gen 4(AMD)
人気の14インチモデルでCPU最大温度が通常版より10度も低く、それでいて性能が高いCPUが搭載です。バッテリー時間も長いので持ち運びが多い人にも合い、sRGB 100%のディスプレイを選べばクリエイティブワークもしやすくなります
CPU | Ryzen 3 5425U Ryzen 5 5625U Ryzen 7 5825U |
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メモリ | 最大40GB |
ストレージ | SSD 最大1TB |
ディスプレイ(14型) | FHD IPS液晶 sRGB 100%あり |
通信 | 有線LAN、Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2 |
その他 | FHD 1080p /720p、指紋センサー、IRカメラあり |
重さ | 1.64㎏ |
バッテリー | 最大16.7時間 |
価格 | 8.0万円~ |
Lenovo IdeaPad Slim 570(14型 AMD)
上位モデルのRyzen 5000シリーズが搭載でかなり性能が高く、普段使い用としては十二分の性能があります。1.39㎏と軽く、Wi-Fi 6にも対応し、バッテリー駆動時間も長めと、持ち運びがしやすい機種です
CPU | Ryzen 3 5425U Ryzen 5 5625U Ryzen 7 5825U |
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メモリ | DDR4 最大16GB |
ストレージ | SSD 最大512GB |
ディスプレイ(14型) | FHD IPS 光沢なし 300ニト |
OS | Windows 11 Home |
無線 | Wi-Fi 6 |
生体認証 | 指紋センサー |
Webカメラ | HD 720p、FHD 1080p |
重さ | 1.39㎏ |
バッテリー | 最大15.1時間 |
価格 | 6.8万円~(Ryzen 5モデル) |
HP Pavilion Aero 13-be
たったの957gで、価格は9.2万円からと、HPで1,2を争うほどコスパが高い機種です。スペックも高めで、ディスプレイは画面アスペクト比が16:10と縦に長く、13.3インチでも14インチ以上の情報が表示されます
CPU | Ryzen 5 5625U Ryzen 7 5825U |
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メモリ | 最大16GB |
ストレージ | SSD 最大512GB |
ディスプレイ(13.3型) | WUXGA IPS 400nit sRGB 100% |
無線 | Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2 |
生体認証 | 指紋センサー |
重さ | 957g |
バッテリー | 11時間 |
価格 | 9.2万円~ |
最後に
Ryzen 5 5625Uは、10万円いかないくらいのノートパソコンに搭載されることが多く、それでいて性能は高めなので、コスパが高いと思います。
また、何よりもプロセッサーの発熱が低いので、使っていてもストレスを感じることは少ないと思います。
今回のベンチマークで意外だったのは、Ryzen 5 PRO 6650Uと、あまりCPU性能が変わらなかったことです。(グラフィック性能は負けていますが。)
今後はいかに高い性能にするかというよりも、普段使いであれば、もう十分性能が高く、これ以上必要なケースは少ないと思うので、発熱が低かったり、バッテリー駆動時間が長くなるCPU/APUがメインストリームになるかもしれませんね(と言うか、もうなっていますね)。
他にもこういった記事を書いているので、併せてどうぞ。