今まで見た中で一番スペックの高いLenovoタブレットで、とにかく非の付け所がない機種です。動画・画像編集などのクリエイティブワークもできるし、USB-Cからセカンドモニターに繋いで使え、そしてmicro HDMIからパソコンにつなげばセカンドモニターとしても使用できます。
iPad Proを買おうかどうか迷っている人に、検討機種の1つとしてお勧めしたい機種です。
Contents
Yoga Tab 13のスペックレビュー
SoC | Qualcomm Snapdragon 870 |
---|---|
メモリ | LPDDR5 8GB |
ストレージ | UFS 128GB |
ディスプレイ(13型) | 2160 x 1350 IPS |
OS | Android 11 |
無線 | WiFi6、Bluetooth v5.2 |
オーディオ | ドルビーアトモス、JBLスピーカーx4、マイクx3 |
カラー | シャド―ブラック |
生体認証 | 顔認証 |
寸法(幅x奥行きx高さ) | 293.4 x 204 x 6.2㎜ |
重さ | 830g |
バッテリー | 最大12時間 |
保証 | 1年間 |
価格 | 7.8万円~ |
プロセッサー(SoC)はなんとAnTuTuで約66万というかなり高い数値を出しており、8コアと多コアで、今までのタブレットとは全然違うハイスペックモデルです。第4世代(2020年)のiPad Airとほぼ同じ数値です。流石価格も高いだけあって、本気のタブレットですね。
メモリはLPDDR5という最新のメモリが搭載で、大容量の8GBです!タブレットで8GBなんて、アップルのiPad Proくらいじゃないでしょうか?クリエイター用途に使えるタブレットですね。また、筆者はLPDDR5が搭載した機種を、今回初めて見ました。処理速度(動作周波数)が一般的に搭載されるDDR4の倍なので、かなり快適に使えますね。
ストレージはスマホなどのモバイル機器同様、eMMCと言うフラッシュメモリが搭載されていましたが、本機はUFSというより高速なストレージになっています。何から何まで最新のパーツを詰め込んでいる感じですね。
ディスプレイは2K画質のIPS液晶が搭載で、解像度が高いのでより細かなクリエイティブワークもしやすいし、動画視聴もより楽しめます。また、micro HDMI入力端子があるので、セカンドディスプレイとしても使えます。リモートワークの機会が増え、デュアルスクリーンを使う人も多くなりましたが、本タブレットでも代用できるので仕事中はセカンドモニターとして、プライベートではタブレットとして使えますね。
オーディオにもこだわりがあり、ドルビーアトモスが搭載で、JBLのスピーカーが4つ(上部2W x2、下部2.5W x2)も搭載しています!タブレットをどの方向で持っても、どこから聞いてもステレオサウンドで、しかもドルビーアトモスなので臨場感が違いますね。
通信は最新のWiFi6で安定した高速通信が可能、顔認証もあるのでどこでもさっと使い始めることができます。
830gとタブレットにしては重いですが、13型ということを考えるとこのくらいの重量かなと思います。13型のパソコンと比べると500~600gほど軽いので、持ち運びは問題ないと思います。バッテリー駆動時間も最大12時間と長めなので、ほとんどの人は丸一日持ち歩いても大丈夫だと思います。
価格が価格なので当たり前と言えば当たり前ですが、欠点が見当たらないハイエンドタブレットですね。
ライバル機種
<左から本機種・Yoga Tab 11・Tab P11 Pro>
本機と似たような最新機種との比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値。スマホの人は表を右にスクロールできます)
本機種 | Yoga Tab 11 | P11 Pro | |
CPU | Snapdragon 870 | MediaTek Helio G90T | Snapdragon 730G |
メモリ | 8GB(LPDDR5) | 4GB(LPDDR4x) | 6GB(LPDDR4x) |
ストレージ | 128GB | 256GB | 128GB |
ディスプレイ | 2.1K IPS | 11型)2K IPS | 11.5型)2.5K OLED |
無線 | WiFi6 | WiFi5 | WiFi5 |
バッテリー | 12時間 | 15時間 | 15時間 |
重量 | 830g | 650g | 485g |
価格 | 7.8万円~ | 4.4万円~ | 6.2万円~ |
全てLenovoタブレットの上位モデルで、高めのスペックですね。パソコンと違い、価格がスペックに比例しています。
各機種の特徴です。
- 本機種・・・価格が若干のネックだが、ゲームやクリエイティブワークなどの高負荷な作業向き
- Yoga Tab 11・・・本機の廉価版で中位モデルのスペックだが、使いやすさは高い
- P11 Pro・・・本機もクリエイティブワーク向けの機種で、軽いので持ち運びに便利。OLED液晶なので画像編集がしやすい
タブレットやスマホのプロセッサー(SoC)性能を測るAnTuTu Ver8のベンチマークスコアです。
Passmarkスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Snapdragon 870 | |
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MediaTek Helio G90T | |
Snapdragon 730G |
本機は飛びぬけていますね。Lenovoだけじゃなく、すべてのタブレットを見ても上位クラスです。
最新のiPad Pro 12.9インチ(2021年)とも比べてみます。先述したiPad Air 2020年モデルは、AnTuTuのスコアが約68万です。
本機 | iPad Pro 12.9インチ | |
SoC スコア |
Snapdragon 870 約66万 |
M1 約103万 |
グラフィックススコア | 27万 | 53万 |
ディスプレイ | 2160 x 1350 | 2732 x 2046 |
メモリ | 8GB | 8GB、16GB |
ストレージ | 128GB | 最大2TB |
重さ | 830g | 682g |
価格 | 7.8万円 | 12.9万円~ |
プロセッサー性能はiPadが約60%、GPU性能は約100%、そして価格も60%ほど上回っています。先ほども言ったようにタブレットは価格が正当に反映されるので分かりやすいですが、どちらも価格並みの性能だと思います。
iPadはより本格的な動画編集や画像編集などのクリエイティブワークをしたい場合に、本機はあくまでもメインはパソコンで補助的に編集をする人に合うと思います。ただし、プロとしての作業じゃなければ本機でも十分ですね。
メリット・デメリット
良い点
・最新スペック搭載で、欠点が見当たらない
・13型と大きいので単純に使いやすい
残念な点
・価格が価格なので、できれば2.5Kや4Kディスプレイだったらよかった
Yoga Tab 13の特徴
さすがLenovoが力を入れて作ったタブレットなので、ベゼル(画面の黒い枠)が細いですね。タブレットでここまで細いのもすごいです。
ただし13型なので、タブレットとしては大きいインチですね。寸法は
・幅293.4㎜(千円札2枚分/300㎜)
・奥行204㎜(500mlペットボトル/205㎜)
・厚さ6.2㎜(一円玉4枚分/6㎜)
になります。本体重量は830gとタブレットにしては重たいですが(10~11型タブレット450g~600g前後)、13インチでキックスタンド付き、そしてアルカンターラ使用と言うことを考えたら、気にするほどでもないと思います。また、13型ノートパソコンだと平均で1.3㎏~1.4㎏なので、これに比べるとかなり軽いですね。
背面にはキックスタンドがあり、広げた場合は24.9㎜になります。場所を全然取らないので、どこでも気にせずにスタンドを使うことができると思います。
キッチンで料理をしながら動画を見たりレシピを見たりするときは、フックにかけて使うこともできます。濡れる心配がないので、安心ですね。
スタンドを使ったときの角度調整は75°~45°で、ペンを使うときや寝転がって使うときは22°~5°まで調整できます。
4096段階の筆圧感知と傾き検知機能が付いたLenovoプレシジョンペン2 を使うと、メモ取りやイラストも描けます。22°~5°まで角度調整できるので、書きやすい角度で使えます。
スタンドをたためば、場所も取らず持ち運びもしやすいですね。右の丸い部分(スピーカー)にはmicro HDMIがあるので、パソコンと接続したらセカンドモニターとして使えます。
オーディオ
オーディオは流石大きめのスピーカーがあるだけあって、規格外ですね。
ドルビーアトモスは最大9.1.6chのサラウンディングで、JBLのスピーカーが4つ(上部2W x2、下部2.5W x2)ついているので、音がここからもそこからも聞こえる感じです。また、Netflixなどの動画配信サービスではドルビーアトモス対応映画もあるので、よりリアルな音が楽しめます。
内蔵カメラが1つ、内蔵マイクは3つも搭載しているので、Web会議やビデオ電話など、よりクリアな音声が相手に伝わります。カメラは顔認証機能付きなので、ログインも一瞬ですね。
素材
素材は樹脂とアルカンターラを使用しており、アルカンターラは耐久性やクリーニング性が高いといわれています。また、高級自動車メーカーのシートやダッシュボードにも使用され、手触りも良いですね。
SoC(CPU)
Qualcomm Snapdragon 870 | |
製造プロセス | 7nm |
コア | 8コア |
ブーストクロック | 3.2GHz 2.42GHz 1.8GHz |
SoCにはSnapdragon 870が搭載で、big.LITTLE構成になっています。これは簡単に言うと性能や電池の寿命、バッテリー駆動時間を上げるために、異なるコアを切り替えて使用するものです。
例えば高負荷な作業(動画編集など)をしているときは強力なコアを使用し、Web閲覧やメールチェックなどの低負荷な作業時は低電力コアが動作することによって、必要な性能を必要な分使うのでバッテリー駆動時間や性能などが高まります。
こちらはSoCの性能を表すAnTuTu Ver8のスコアです。流石にM1には勝てませんが、上位モデルですね。スコアは40万点以上はハイエンドモデルで、動作に困ることなし。20万~30万点が標準的なスペックになります。
AnTuTuベンチマークスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Apple M1 iPad Pro |
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Apple A12Z iPad Pro |
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iPad Air(2020) | |
Snapdragon 870 | |
MediaTek Helio G90T | |
Snapdragon 730G |
AnTuTuのスコアって桁多すぎですよね。「万」以降をなくせばいいのにといつも思います(笑)
ちなみに本機のGPUスコアは約27万点で、17~18万点あれば重いゲームもできるほどのスペックなので、かなり高い性能になっています。iPadは約53万(M1)と約42万点(A12Z)、iPad Airは約27万点です。
ディスプレイ
右にスライドできます↓
解像度 | 光沢 | 液晶 | 輝度 | コントラスト比 | 色域 | 視野角 | その他 |
2K 2160×1350 |
あり 指紋防止 |
IPS | 400nit | 1000:1 | sRGB 100% | 178° | Dolby Vision 196ppi |
解像度 | 標準的なディスプレイのFHDは1920ドットなので、本機は若干解像度が高い |
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光沢 | 光沢ありは発色が良い反面、自分や背景が映り込みしやすい。光沢無しは映り込みがしにくい |
IPS液晶 | コントラスト比が高く、視野角も広い |
nit | 明るさを表す単位。通常250nitが標準 |
コントラスト比 | 最少輝度と最大輝度の差。差が大きいと力強い描写が可能 |
色域 | 色域の規格。sRGB 100%はクリエイター向けの色域 |
Dolby Vision | Dolby社のHDRの規格 |
HDR | ハイダイナミックレンジ。より現実に近い色合いが描写でき、黒つぶれや白飛びがない(少ない) |
ディスプレイはすごく品質が高いですね。色域も広いのでPhotoshopやLightroomを使っての編集もしやすいし、コントラスト比も高めでDolby Vision対応なので色が鮮やかです。
細かいことを言えば、価格が価格なので2.5Kや4K解像度だとよかったなと思います。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
メモリは最新のLPDDR5が搭載で、先述したようにこのメモリを搭載した機種を初めてみました。
DDR4は3200MHz、LPDDR4Xは4266MHz、そして本機搭載の最新LPDDR5はなんと6400MHzの速度(動作周波数)なので、かなり処理速度は速いです。しかも、メモリは8GBとかなり大きく、ノートパソコン並みの容量です!
ストレージ
SSD(PCIe NVMe) | UFS | eMMC | HDD | |
最大データ転送速度 | 最大16Gbps~32Gbps | SSD並み | HDD以上SSD以下 | 最大6Gbps(SATAの場合) |
平均起動速度 | 速い | 遅い | ||
温度 | 熱くなりにくい | 熱くなりやすい | ||
価格 | 高い | 中価格 | 安い |
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、タブレットの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
本機にはUFS 3.0というフラッシュメモリのストレージが搭載で、今まで主流だったeMMCと同じくらいのサイズや消費電力で、パソコンのSSD並みの速度があります。サクサク使えますね。
WiFi6
次世代通信規格のWiFi6に対応しており、現在主流のWiFi5より約40%最大通信速度が上がっています。今まで5GHzにしか対応していなかった周波数が、2.4GHzと5GHzと2バンドに対応しており、また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、カフェなどの混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
バッテリー駆動時間
バッテリー駆動時間は最大12時間と、このスペックの機種としては長いですね。丸一日持ち歩いても、十分使えると思います。
インターフェイス
右側面インターフェースはUSB-C 3.1 Gen 2、電源ボタン、ボリュームボタンです。このUSB-Cは充電にも使いますが、オーディオ出力にDisplay Portの映像出力機能付きなのでほかのモニターに繋げて使うこともできます。また、OTG機能も付いているので、外付けHDDなどを直接接続してデータ移動もできます。
左側面にはmicro HDMI入力ポートがあり、パソコンと繋げて本機をセカンドモニターとして使用ができます。リモートワーク時って複数のデバイスを使ったりすることが多いですが、本機はそういったときにも使えるので役に立ちますね。
<セカンドモニターとして使用>
サポート・保証
標準で1年間の「引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長3年まで延長できます。また、Premium Careと言うサポートにアップグレードができ、こちらは24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)
引き取り修理とは、家などの指定住所にLenovoの指定業者がPCを引き取りに来てリペアセンターに配送、修理後、郵送してくれる保証です。保証期間内は、基本的に修理費・郵送費など無料です。
修理拠点は日本国内なので対応も速く、安心して任せることができます。
ただし、本機は量販店モデルなので、購入時にお店で聞くか、楽天などで購入するときは保証の欄を確認してみてください。
まとめ
SoCの性能もメモリも、そしてストレージもハイスペックで、ディスプレイの品質も高いと、非の打ち所がないタブレットだと思います。
スピーカー部分が大きくあるし、ドルビーアトモスなのでオーディオはかなり良い方です。
ほぼ同じサイズの12.9インチ iPad Proが12万9800円なので、iPadは高すぎるけどハイスペックなタブレットが欲しいというユーザーに合うんじゃないかなと思います。