おしゃれ、そして最新機能が満載のLenovo Yoga Slim 7i Aura Edition Gen 9 です。
便利な機能が満載した機種で、最大47 TOPSのNPU性能を持つCore Ultra 7 258Vが搭載し、グラフィック性能が高い機種です。
音も良いし、IPS液晶だけどPureSight Proディスプレイ採用で真っ黒もしっかりと表現でき、ΔE<1 DCI-P3 100%と業務用レベルのディスプレイが搭載です。
また、Yogaで32GBメモリが搭載できる機種はあまりないので、Yoga好きのヘビーユーザーにも合います。
レビュー機は当サイトの購入品で、スペックはCore Ultra 7 258V、メモリ32GB、SSD 1TBになります。
ちなみに、Copilot+PCの機能が使えなくていろいろやっていたのですが、不具合じゃなく、11月から使えるようになるそうです。詳しくはWindows Blogをどうぞ。
ついに発見した!
IntelとAMD CPU搭載のCopilot+PCは、まだCopilot+PCの機能が使えないんだね。。。
11月からか。。。https://t.co/qtUAzL8XWw pic.twitter.com/FXi9yAsRsH
— パソコンガイド (@pc_reviewer) October 3, 2024
動画も作りました。こちらもどうぞ。
Contents
Yoga Slim 7i Aura Edition Gen 9のスペック
CPU | Core Ultra 7 256V Core Ultra 7 258V(執筆時現在こちらのみ販売) |
---|---|
メモリ | LPDDR5X-8533 32GB |
ストレージ | SSD 1TB |
グラフィックス | Intel Arc 内蔵グラフィックス |
ディスプレイ(15.3型) | 2.8K IPS HDR400 DCI-P3 100% |
OS | Windows 11 Home |
無線 | Wi-Fi 7 |
生体認証 | 顔認証 |
WEBカメラ | IR+FHDカメラ |
オーディオ | ドルビーアトモス/2Wスピーカー×4 |
寸法(幅×奥行×高さ) | 343.5 × 235.4 × 13.9㎜ |
重さ | 約1.53㎏ |
バッテリー(JEITA 3.0) | 最大約13.7時間 |
標準保証 | 1年間 |
価格 | 24.9万円~ |
<性能評価>
CPUはCore Ultraシリーズ2が搭載で、最大47 TOPSのNPUが搭載です。今までCopilot+PCと言えばSnapdragonが搭載しておりOSはArm版でしたが、本機は今までと同じOSで今まで使用していたアプリを使って作業ができます。
メモリはLPDDR5X-8533MHzでオンボード32GB、ストレージはSSD PCIe 4.0で1TBとどちらも高性能で大容量です。
ディスプレイは15.3インチと見慣れないインチで、画面アスペクト比が16:10と縦に長く一般的な17インチに近い表示量があります。これだけ情報量が多いのに15.6インチよりもコンパクトな筐体なので、持ち運び用にも合うし、据え置き用としても十分な大きさです。
2.8K解像度に、視野角が広いIPS液晶を採用、色域はDCI-P3 100%と高くHDR400にも対応しています。輝度は最大500ニトとかなり明るいので、明るい屋外でも使いやすいです。また、リフレッシュレートが120Hzとなっており、ゲームにも使いやすいです。
OSは通常のWindows 11 Homeが搭載し、IRカメラ付きのFHD Webカメラに電子式プライバシーシャッターを搭載、そして2Wスピーカーが4つ搭載です。
15.3インチで1.53㎏とかなり軽く、そしてコンパクト。厚さは13.9㎜と極薄で、カバーを付けたスマホ並みです。最大バッテリー駆動時間は約13.7時間と長く、使い方によっては丸一日作業ができますね。
無線は最新のWi-Fi 7で、Wi-Fi 6E(最大160MHz)の2倍の帯域幅に、Wi-Fi 5の約13倍の最大通信速度があります。
2024年のトレンドと比較
2024年のノートパソコンのトレンドをまとめたので、本機がどのくらい満たしているか比較してみます。(〇/標準搭載、△/モデルによってはあり、×/なし)
14世代CPU | NPU | Copilotボタン | DDR5 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
SSD PCIe 4.0 | アスペクト比16:10 | sRGB 100%以上 | Wi-Fi 6E以上 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
輝度300nit以上 | 1080P Webカメラ | 生体認証 | バッテリー10時間以上 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
Copilot+PCとは?
Copilot+PC(コパイロットプラスピーシー)と言うのは、Microsoftが「Microsoft Build 2024」で発表した新しいカテゴリのPCで、AI技術を活用するための機種と位置付けられています。
主な特徴です。
・NPU搭載
・16GB以上のDDR5/LPDDR5メモリ
・256GB以上のストレージ
・40+TOPS(1秒当たり40兆回の演算)
・終日のバッテリー寿命
・最先端のAIモデルへのアクセス
・RecallでPCで見たものを簡単に検索
・CocreatorでほぼリアルタイムにAI画像の生成及び調整
・Live Captionで40以上の言語の音声を英語に翻訳
・薄型軽量、美しいデバイス
すごく簡単に言うと、AIがいろいろなサポートをしてくれて作業効率が上がる(便利になる)、と考えていたら問題ないです。
こちらにCopilot+PCでできることを紹介しているので、あわせてどうぞ。
追記)こちら↓、11月から使えるようになるそうです。
ちなみになんですが、本機ではCopilot+PCの機能がほとんど使えませんでした。Windows Studio Effectやコクリエイターやイメージクリエイターなど、これがあるから買ったのにって機能が使えないんです。
不具合?OS入れかえたり、アップデートしまくったりといろいろと試しているのですが、まだ未解決です。
ただし、公式サイトですごいものを発見!
画像下にある、この文です。
Copilot+ PC が登場。今年後半から提供される無料アップデートが必要です。提供のタイミングはデバイスと地域によって異なります。詳しくはhttps://www.microsoft.com/ja-jp/windows/copilot-plus-pcs?r=1#faq1をご覧ください。
→2024年11月のOSアップデート後に使えるようになります
Lenovo Aura Editionとは?
今回発売された4機種で「Yoga Slim 7i Aura Edition Gen 9」のみが該当しますが、Intelと共同開発をした「スマート」なPCになります。
スマートモードにはシールドモードやアテンションモード、コラボレーションモードなど、PCをより安全に、そしてより賢く使える機能があります。
スマートシェアはスマートフォンをPCにタップするだけでデータ転送ができ、スマートケアは国内どこにいてもバーチャルサポートを受けることができます(有料)。
こういった革新的な機能は、一番最初にYogaに採用されますね。
この特徴については「Lenovo Aura Editionとは?」にまとめたので、こちらをどうぞ。
ちょっと先出しで、Smart Shareの紹介です。
Evo Editionプラットフォーム認証に準拠
<Evo Edition プラットフォーム認証のロゴが小さくなった>
本機は5世代めのEvoプラットフォーム認証に準拠している特別な機種です。
Evoは14世代CPUを搭載しているすべてのPCが準拠しているわけじゃなく、下記項目を満たす「ハイスペックなノートパソコン」のみがEvo認証を得ることが出来ます。
14世代CPU搭載のEvoプラットフォーム認証の主な要件は75を超え、Intel曰く「高性能、高速充電、長寿命バッテリー、即時起動、クラス最高の接続性、および最適なサイズと重量など、75 を超える項目について、妥協することない高い水準をクリアする必要がある」とのことです。
以下は要件の一部です。
- Core Ultra 5/7/9搭載
- Intel Arc、もしくはdGPU搭載
- アプリケーションを高速かつ高レスポンスで使える
- 電源を問わずにレスポンスが良い事
- フルHDで実利用10時間以上のバッテリー駆動時間
- フルHD以上
- 1.5秒以内でスリープから復帰
- 生体認証/近接デバイス認証対応
- 30分の充電で4時間以上駆動
- 15㎜以下(iGPU)もしくは20㎜以下(dGPU)の厚さ
- Wi-Fi 6E実装
- Intel CPS(Connectivity Performance Suite)に対応
- フルHD以上のWebカメラを搭載
- 音声ノイズ抑制や背景ぼかしなどの機能
- Windowsスタジオエフェクト対応
- Thunderbolt 4搭載
- EPEATR Silver以上などサステナブルであること
- Intel Unisonのサポート
代々、Evoプラットフォーム認証を受けた機種は数えるほどしかなく、特別な機種になります。
最大47 TOPSのNPU性能を持つCore Ultra シリーズ2搭載
Core Ultra 7 258V | |
製造プロセス | TSMC N3B |
Pコア | 4コア |
Eコア | 4コア |
スレッド | 8スレッド |
キャッシュ | 12MB |
ターボブースト | 4.8GHz |
Pコア最大周波数 | 4.8GHz |
Pコア基本周波数 | 2.2GHz |
Eコア最大周波数 | 3.7GHz |
Xコア | 8コア |
NPU | 47 TOPS |
ベースパワー | 17W |
マックスパワー | 37W |
CPUはPコア(Performance Core)とEコア(Efficient Core)の2つを搭載しており、高負荷な作業はPコアで処理を、低負荷な事はEコアで処理することによって、パワフルでも省電力性を兼ね揃えたCPUになっています。
8コア8スレッドとスレッドが少ないのでマルチコア性能は若干低め、シングルスレッド性能は高いです。
また、Intel Thread Directorというハードコアが、命令をより効率よくPコアとEコアに割り当てて実行できるので、性能もかなり上がっています。
グラフィックはIntel Arcグラフィックス140Vで、Xコアは8個になります。より詳しいCPUの詳細やベンチマークは「Intel Core Ultra 258Vのベンチマーク」をどうぞ。
こちらはCPUの性能を測るCPU Markスコアで、21237と期待したほど高いスコアではありませんでした。
スコアの目安
- 7000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 10000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 15000~・ハイエンドPCに搭載される
- 18000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 9 185H | |
---|---|
Ryzen AI 9 365 | |
Ryzen 7 8845H | |
Core Ultra 7 165H | |
Ryzen 7 8840HS | |
Core Ultra 5 135H | |
Core Ultra 7 155H | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125H | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Core i5-1335U | |
Core Ultra 5 135U | |
Core Ultra 5 125U | |
Core 5 120U | |
Core 7 150U | |
Core Ultra 7 165U | |
Core Ultra 7 155U | |
Core i7-1355U | |
Core i3-1315U | |
Core i3-N305 |
Cinebench 2024のスコアで、Cinema 4DのデフォルトレンダリングエンジンであるRedshiftのパワーを利用して、CPUとGPUの能力を計測します。計測結果はマルチコア556、シングルコア119と、シングルコアはかなり良いスコアでした。
マルチコアは8コア8スレッドなので、あまりスコアが伸びませんでした。
他のCPUとの比較です。
マルチコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 7 8845HS | |
---|---|
Apple M1 Max | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 7 258V | |
Apple M1 | |
Core i7-1280P | |
Ryzen 3 8300GE |
シングルコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 7 258V | |
---|---|
Apple M1 Max | |
Apple M1 | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Ryzen 3 8300GE | |
Ryzen 7 8845HS | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core i7-1280P |
こちらはPCMark10の計測結果で、Essentialは「通常用途(Web検索やビデオ会議、アプリの起動など)の性能」、Productivityは「Microsoft Office(事務系のアプリ)使用時の性能」、Digital Content Creationは「コンテンツ作成(画像・動画編集など)のしやすさ」を表しています。
総合性能の目安は以下になります。
・9000以上・・・超ハイスペック
・7500以上・・・ハイスペック
・5000以上・・・ミドルクラス
・2500以下・・・エントリ―クラス
本機種のスコアです。
- 総合性能は6507→ミドルハイクラス
- Essentialは9421→通常用途やビデオ会議などは使いやすい
- Productivityは8287→高速に使える
- Digital content creationは9578→かなり高い性能で動画編集などにも向いている
Essential
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 5 8640HS | |
---|---|
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 5 125H | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 3 5425U | |
Ryzen 3 7335U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Ryzen 5 5500U | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
Productivity
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 5 8640HS | |
---|---|
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 3 5425U | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 3 7335U | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Core i5-1235U | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
Digital Content Creation
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 7 258V | |
---|---|
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 7 7735U | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 3 7335U | |
Core i5-1235U | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Ryzen 3 5425U |
5分の4K動画を撮影し、Davinci Resolveでレンダリングにかかった時間です。当然ですが、時間が短いほうが高性能です。
本機は8コア8スレッドなのでレンダリング時間が遅く、Ryzen 5 7535Uにも負けてしまいました。
4K動画レンダリング速度
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1260P | |
---|---|
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS |
グラボ並みの内蔵グラフィックス性能
グラフィック性能が高いとOfficeを使った作業や複数画面での作業、そして画像・動画編集などがしやすくなります。3D Graphics Markのスコアは5067と良いスコアでしたが、思ったほど伸びませんでした。
3D Graphics Mark
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 7 8845HS | |
---|---|
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 7 7735U | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Core i7-1260P | |
Core i7-1355U | |
Core i5-1335U | |
Ryzen 3 7335U | |
Core i5-1340P | |
Ryzen 7 5800U | |
Ryzen 7 PRO 5850U | |
Core i5-1240P | |
Ryzen 5 5500U | |
Core i5-1235U | |
Ryzen 3 7335U |
次はゲームのベンチマークを使い、グラフィック性能を測ります。
Steel Nomad Lightは2734、Wild Lifeは25716、Fire Stikeは7839、そしてNight Raidは31139とすべて高性能でした。
Steel Nomad Liteは、DirectX 12 Ultimateの性能をテストし、レイトレーシングを使用しない中量級ゲームを想定したベンチマークです。スマホなどの他のデバイスとスコアを比較できる、クロスプラットフォームです
Steel Nomad
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 3050 | |
---|---|
GTX 1650 Max-Q | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 7 7735U | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
Wild Life
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 3050 Ti | |
---|---|
Core Ultra 7 258V | |
GTX 1650 Ti | |
Core Ultra 5 125H | |
GTX 1650 Max-Q | |
Ryzen 7 8845HS | |
Ryzen 5 8640HS | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
Fire Strike
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 3050 | |
---|---|
GTX 1650 | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 7 258V | |
GTX 1650 Max-Q | |
Arc A350M | |
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 7 7735U | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
Night Raid
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 4050 | |
---|---|
RTX 3050 | |
RTX 3050 Ti | |
Core Ultra 7 258V | |
GTX 1650 Ti | |
Core Ultra 5 125H | |
GTX 1650 Max-Q | |
Ryzen 7 7735U | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
Yoga Slim 7i Aura Edition Gen 9の特徴
ユニボディのおしゃれな筐体
やばいです。筐体がめちゃくちゃかっこいい!画面も15.3インチと大きく、ベゼルは左右4.3㎜、上7.2㎜、下は約10.5㎜と極細で、ディスプレイいっぱいに広がる画面って感じです。
もちろんユニボディ(継ぎはぎなしで1つのパーツから作られた筐体)でボディラインが美しく、耐久性も高いです。
ヒンジ部分です。
側面からパームレストに行く個所は丸みを帯びずに、ちょっと角ばっています。いままでのYogaと違うデザインになってますね。
重さは実測1535gで、公称値通りです。ちなみにYogaっていつも若干重たくて、2024年のYoga 7 2-in-1は14インチで1491gでした。
また、15.6インチの平均質量は1.7㎏ほどなので、15.3インチの本機が1535gと言うのはすごく軽いです。
左が本機で右は今年購入したYoga 7i 2-in-1ですが、本機は天板のロゴが変わり、「LENOVO」のロゴだけになりましたね。なんでYOGAって入れなかったのか、理解に苦しみます。(その代わり、パームレストにYOGAのロゴあり)
底面カバーにはメッシュの排気口があり、排熱性能もよさそうです。
天板です。アルミニウムの筐体で高級感があり、手触りも良いですね。フレームはマグネシウム合金で、軽量さと耐久性を高めています。
しかも13.9㎜と極薄なんですよね。横に置いたカバー付きスマホは10.3㎜だったので、カバー付きスマホより3ミリちょっと厚いだけです。持ったら薄さがすごくわかりますよ。
Copilotボタン搭載キーボード
コパイロットはWordやExcelなどのMicrosoft製品をサポートする生成AIで、Chat GPTのような使い方もできます。
このボタン1つでいろいろなことができるので、最近はChatGPTじゃなくコパイロットを使うことが多くなりました。
キーボードは84キーで日本語キー、バックライトやCopilotボタンもあります。
キーピッチ(キーの中心から次のキーの中心までの距離)は19.2 × 18.7㎜と、フルサイズ並みで窮屈じゃありません。また、キーストローク(キーを押し込む距離)は1.5㎜と、この薄い筐体ではすごいですね。
キーキャップは0.3㎜とソフトでシルキーな耐水・耐油コーティングが施されており、他のYogaやThinkPadと違いラバー感があり、そしてThinkPadの様に、いやThinkPad以上に湾曲しているので、ミスタイプが減ります。
明らかにいままでのYogaと違うキーボードで、感覚的にThinkPad X1 Carbonとほぼ同じ打鍵感です。タイピングがしやすいです。
タッチパッドは135㎜×80㎜とめちゃくちゃ大きく、操作性が高いです。もしかしたら、今までレビューPCの中でTOP 3に入る大きさかもしれません。
Webカメラ&オーディオ/スピーカー
Webカメラは高画質FHDで、顔認証用のIRカメラに電子式プライバシーシャッターを搭載しています。
FHDカメラでも十分高画質ですが、本音を言うとこの価格で最先端のAI PCなので500万画素のWebカメラを搭載してほしかったです。(スペックを確認せずに買ったので、勝手に500万画素と勘違いしていました)
とは言え、サインイン時の顔認証はすごく快適で、しっかりと反応します。(カメラが高性能だと顔認証の反応が良い)
スピーカーはキーボード左右に2つと底面に2つあり、2Wツイーターとウーファーが2つずつの計4台のスピーカーを搭載し、さすがYogaといった高品質なサウンドです。スマートアンプを搭載しており、重低音が強く効いています。
オーディオはドルビーアトモスに最適化されており、臨場感のあるサウンドです。
音楽を聴くには最高のスピーカーですが、先ほどコールセンターの人と話していたのですが、重低音が効きすぎて相手の声が聞き取りにくかったです。相手が使っているPCやマイクの性能にもよりますが、恐らくスポンジがついたマイクで、マイクの位置が口に近すぎたんだと思います。
Lenovo Vantageからサウンドの設定もできますが、「音声」にしても音がこもった感じだったので、プリインストールされたDolby Accessで重低音があまり効かないカスタム設定を作っておいたほうが良いかもしれません。
4つのノイズキャンセリング機能を備えたマイクを搭載しており、Web会議も電話もばっちりできます。
排熱性能
こんなに薄い筐体なのに2連ファンを搭載し、ヒートパイプも2つと良い排熱機構です。ただし、筐体が13.9㎜と極薄なので、ゲーミングPCや大きく分厚い機種に比べると排熱性能は落ちますが、ベンチマークの結果はそこそこよかったので排熱はできていそうです。
こちらはCPU性能をフルで使うCinebench 2024を実行時に計測した温度の推移で、最高性能が出るパフォーマンスで計測しています。
CPUは常に100%で稼働していましたが、クロック数は最高でも3.4GHzと、公称値である4.8GHzには遠く及びませんでした。CPU温度は、Core Tempで最大でも72度くらいまでしか上がりませんでした。
ちなみに右上のパフォーマンスモニターでは、CPUの温度は常に30度くらいと正常に機能していませんでした。
騒音値
Cinebench 2024というCPUをフルパワーで使うベンチマークを計測時に、騒音値を測りました。
最大46dBで平均3.9dB??あれ、めっちゃ静かです。静かではありますが、小さな扇風機をちょっと離れたっところで使っているくらいの音でした。
高品質ディスプレイ
解像度 | 光沢 | 液晶 | 輝度 |
15.3型 2880×1800 | あり | IPS | 500nit |
コントラスト比 | 色域 | 視野角 | その他 |
1500:1 | sRGB 100% DCI-P3 100% |
170° | Dolby Vision、HDR400、ブルーライト軽減、120Hz、Δ<1 |
本機は有機ELディスプレイじゃないのですが、色彩も鮮やかでHDR対応だからか黒もすごく黒く、高品質なディスプレイです。
解像度が2.8Kと高精細で、細かな部分までしっかりと描写されます。
右の写真は左の写真をズームしたものですが、細かな点までしっかりと描写されていますね。
ディスプレイはあまり聞きなれない15.3インチで、画面アスペクト比が16:10と縦に長いので17インチ近い情報量があります。
また、よく聞く15.6インチは画面比が16:9なので、本機15.3インチのほうが格段に情報量が多いです。
本機はちょっと大きめの14インチに15.3インチのディスプレイをはめ込んだ感じなので、筐体がコンパクトだけど画面が大きく見やすいという特徴があります。
NTSCは低価格モデルに搭載される狭い色域で、色味が薄いですね。sRGB 100%が画像編集やSNS、Youtube用の動画編集向きで、色彩豊かです。
本機はデジタルシネマ規格のDCI-P3 100%と広色域で、映像編集にも合います。
ΔE<1(Delta E測定で1以下)なので、現実のものと色差は肉眼ではわからないくらいになります。言い換えると、現実にあるものと本機のディスプレイに映し出されたものは、ほぼ同じ色彩であるということです。
写真はすべてYogaのディスプレイで本機は右の2.8K IPS液晶 DCI-P3 100%の色域で、OLEDディスプレイと比べるとちょっと物足りない気がしますが、PureSight Proディスプレイなのでそん色ない気もします。
PureSight Proの詳細は公開されていないのですが、PureSightはいくつかの旧モデルにも採用されており、「よりシャープな映像がより速く、そしてより現実の様に描写できる」とのことでした。今回はPro版なので性能が上がっているんだと思います。
Dolby VisionやHDR400にも対応しているので、力強くメリハリのある描写ができていますね。
OLEDの特徴は完全な黒が描写できる点にあるので(他にもありますが・・・)、比較してみます。
これは左がOLEDディスプレイで、右が本機のIPS液晶です。
手前がOLEDで後ろが本機のIPS液晶です。本機はIPS液晶ですがしっかりとした黒が表現できていますね。
リフレッシュレートはデフォルトで60Hzになっていますが、Ctrl+Rで120Hzに変更できます。
輝度は500ニトで、こちらは輝度の目安です。
220ニト | 室内ならなんとか使える。明るい室内では暗く見える |
---|---|
250ニト | 室内向け。屋外では日陰ならギリギリ使える |
300ニト | 屋外の日陰でも見える |
400ニト | 屋外でも使いやすいが、直射日光が当たるとちょっとくらい |
500ニト | 屋外向け |
600ニト | 画面に直射日光が当たっても比較的見える |
視野角のチェックです。公称値は170°でしたが、それ以上に見やすいと思います。
サクサク処理できるメモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
搭載メモリはLPDDR5X-8533MHzのオンボーで、32GBと大容量です。動画編集にも使える機種なので、32GBあれば安心です。
こちらはMemory Markの計測結果で、スコアは3562でした。世界にあるPC全体で上位11%に入る性能で、筆者が今まで測った中ではTOP 5に入るくらいのスコアです。
その他のメモリとの比較です。
Memory Mark
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
本機種 | |
---|---|
LPDDR5X平均 | |
DDR5平均 | |
LPDDR5平均 | |
LPDDR4X-4266MHz平均 | |
DDR4-3200MHz平均 |
爆速ストレージ
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
搭載ストレージは最新のSSD PCIe 4.0 1TBで、シーケンシャル速度を計測したらリード(読み込み速度)は6184MB/秒、ライト(書き込み速度)は4713MB/秒とかなり速いです。
今使っているパソコンもPCIe 4.0で速いのですが、体感で違いが分かるほどスムーズです。
こちらはシーケンシャル速度の、おおよその速度です。
シーケンシャル速度
オレンジ色・・・リード 青・・・ライト
本機種 | |
---|---|
PCIe 4.0×4 | |
PCIe 3.0×4 | |
HDD |
起動時間を5回計測し、平均は12.45秒でした。速いです。
1回目 | 13秒34 |
---|---|
2回目 | 12秒29 |
3回目 | 12秒15 |
4回目 | 12秒06 |
5回目 | 12秒45 |
平均 | 12.45秒 |
Wi-Fi 7に対応
対応周波数 | 速度 | |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11be (Wi-Fi 7) |
2.4/5/6GHz | 46Gbps |
次世代通信規格のWi-Fi 7に対応しており、現在主流のWi-Fi 6の約5倍、低価格モデルのPCに採用されるWi-Fi 5の約13倍の最大通信速度があります。また、理論上16本のストリームになり、今まで以上に多くのデバイス(理論上2倍)を接続して快適に使えます。
6GHzで最大320MHzのチャンネル幅があり、Wi-Fi 6E(最大160MHz)の2倍の帯域幅になります。
左が本機・Wi-Fi 7の速度で、右は2024年モデルのThinkPad E16 Gen 2のWi-Fi 6Eの速度です。同じ場所で計測しましたが、若干本機のほうが速度が速いです。
ただし、うちのルーターはWi-Fi 7に対応していないので、今度購入してみます。
LTE
LTEや5Gはないので、外出先で無線につなぐときはスマホのテザリングや店舗のWi-Fiを使用することになります。
テザリング用の格安SIMなら、楽天最強プランがおすすめです。筆者はIIJmioでドコモ回線20GB/月 約2000円と、楽天最強プランを契約していますが、月に20GB以上使うのであれば楽天がお得です。
実際の作業時のバッテリー駆動時間
バッテリーは4セル70Whrで、JEITA 3.0測定で最大約13.7時間とかなりバッテリー駆動時間です。
実際の作業でどのくらい持つかテストしました。
注意点)テスト3のみ間違って一番性能が高い「最適なパフォーマンス」で計測していました。すぐに「バランスモード」で計測しなおします。
テスト1 | テスト2 | テスト3 | |
状況 | 太陽光の入る明るい室内で1時間使用 | 太陽光の入る明るい室内で1時間使用 | 快晴の屋外・屋根ありで2時間使用 |
輝度 | 80% | 80% | 100% |
作業内容 | WordPressで執筆、Web検索、電話など休憩なしで利用 | Davinci Resolveで動画編集、LightroomやCanvaを休憩なしで利用 | 執筆、メールの返信、SNSを休憩なしで利用 |
検証時間後のバッテリー残量 | |||
バッテリー駆動時間 | 1h+7h 14min =約8時間 | 1h+6h 15min=約7時間 | 2h+3h 55min=約6時間 |
面白いことに、負荷の高い動画編集をしてもそこまで駆動時間は落ちず、最大輝度で作業をしても6時間もバッテリー駆動時間がありました。
バッテリー効率はすごく良いです。
インターフェイス
インターフェイスはいつものYogaといった感じで、必要最低限になります。ただし、個人的には嫌な変更ですが、Thunderbolt 4ポートが今まで左のみだったのに対し、本機は左右に1つずつ配置されています。この変更は喜ぶ人が多いんじゃないかなと思います。
また、しっかりとイヤフォンジャックがついているのもポイントが高いですね。
右側面には電子式プライバシーシャッターのボタン、電源ボタン、Thunderbolt 4、USB 3.2 Gen 1になります。
左側面はHDMI、Thunderbolt 4、そしてマイク/ヘッドフォンジャックになり、Thunderbolt 4にはこういった機能・性能があります。
- Power delivery対応、DisplayPort出力機能付き、DC-in機能付き
- 最大データ転送速度40GB/秒が2mのケーブルでも出る(以前は0.8mまで)
- PCIeの転送速度は32GB、ストレージ転送速度は最大3000Mbps
- 4Kディスプレイ2台同時に出力可能
- 8K出力にも対応
サポート・保証
標準で1年間の「引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長4年まで延長できます。また、プレミアムケアと言うサポートにアップグレードができ、こちらは24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)
- 引き取り修理・・・家などの指定住所にLenovoの指定業者がPCを引き取りに来てリペアセンターに配送、修理後、郵送してくれる保証です。保証期間内は、基本的に修理費・郵送費など無料です。
ライバル機種
現在、Aura Editionは本機だけで唯一無二の機種なのでライバル機種機種の選定は難しいですが、こちらにCopilot+PCをまとめているのであわせてどうぞ。
筆者購入時の納期
9月11日に購入し目安納期(出荷予定)は2~3週間でしたが、到着は10月初旬でした。発売日の関係上長く待ちましたが、執筆時現在も2~3週間待ちになっています。
まとめ
良い点
・15.3インチと大きなディスプレイだが、筐体はコンパクトで軽い
・アルミニウム素材でおしゃれ・高級感がある
・ユニボディ
・Evoプラットフォームで性能が高い
・画面比が16:10で、15.3インチでも15.6インチ以上の情報が表示される
・ディスプレイが超高品質
・グラフィック性能が高い
・高機能
・Wi-Fi 7に対応
・Thunderbolt 4が両サイドにある
残念な点
・8コア8スレッドなので、マルチコア性能はそんなに高くない
・11月まで待たないとCopilot+PCの機能が使えない
総合評価
最大47TOPSのNPU性能を持ち、全体的に高性能・高品質な機種です。
画面アスペクト比が16:10と縦に長い15.3インチで、質量はたったの1.53㎏と持ち運びがしやすく、外出先でも大画面で作業が可能。
グラフィック性能はGTX 1650並みで、軽い3Dゲームも動画編集もできる優れものです。
また、Aura Editonでのみ使える新しい機能がたくさん搭載しており、今まで以上にAIが「毎日の作業をちょっと快適にしてくれる」と思います。
個人的に一番気に入ったのはディスプレイの品質もそうですが、この絶妙なサイズです。今使っているのは16インチなのですが、これ、外出用に買ったんですよね。外でも大画面で作業をしたいから。
でも、やっぱり大きいし重いので、持ち運びが楽なわけではありませんでした。
でも本機なら十分な表示量があるし、そんなに重たくないので持ち運びにも合うし、この大きさなら据え置き用としても十分使いやすいです。