Lenovoから立て続けにCopilot+PCが発売されており、ThinkPad T14sからもう一台発売されました。
ん?ThinkPad T14s Gen 6って言えばT14s Gen 6 Snapdragonがありましたね。Arm版OSを搭載したCopilot+PCです。
CPU以外のスペックは似たところが多く、SnapdragonかAMDかといった違いです。
14インチで1.3㎏と軽量で、最大約15.5時間のバッテリー駆動時間があり、5G Sub6も搭載可能で外出向けの機種になります。
Contents
ThinkPad T14s Gen 6 Strix Point(AMD)のスペック
CPU | Ryzen AI 7 PRO 360 |
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メモリ | LPDDR5X-7500 32GB/64GB |
ストレージ | SSD PCIe 4.0 最大1TB |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス |
ディスプレイ(14型) | WUXGA IPS、タッチあり |
OS | Windows 11 Home |
無線 | Wi-Fi 7、5G Sub6あり |
生体認証 | 顔認証、指紋センサー(搭載可能) |
WEBカメラ | 500万画素、IRカメラ |
オーディオ | Dolby Atmos対応2Wスピーカー×2 |
寸法(幅×奥行×高さ) | 313.6 × 219.4 × 16.9㎜ |
重さ | 1.3㎏~ |
バッテリー | 最大約15.5時間 |
標準保証 | 1年間 |
価格 | 23.2万円~ |
<性能評価>
パソコンの頭脳であるCPUはRyzen AI 7 PRO 360で、最大50TOPSのNPU性能があります。また、アーキテクチャはZen 5と5cになっており、CPU Markスコアは24000くらいとなっています。
メモリはオンボード・LPDDR5X-7500MHzで32GBか64GBと大容量、ストレージはSSD PCIe 4.0で最大1TBになります。
ディスプレイは画面比16:10の14インチで15.6インチ並みの情報量があり、解像度はWUXGA(1920×1200ドット) IPS液晶になります。タッチパネルもありますが、タッチなしの方がスペックが高く、sRGB 100%に400ニト、そして省電力パネルとなっています。
タッチありは便利ですが、色域がNTSC 45%と狭いのでおすすめしません。
OSはWindows 11 HomeかProがあり、イーサネットはないですがWi-Fi 7に対応しているので、超高速通信が可能です。
Webカメラは高画質の500万画素で、顔認証のIRカメラを搭載、オプションで指紋センサーも搭載しています。また、ドルビーアトモス対応2Wスピーカーが2つに、全方位遠距離マイクが2つ搭載しています。
14インチで1.3㎏と軽く、バッテリー駆動時間が最大約15.5時間もあるので、PCを長時間持ち運ぶ人に合います。
Copilot+PCとは?
<コクリエイターで絵を描いた画像>
Copilot+PC(コパイロットプラスピーシー)と言うのは、Microsoftが「Microsoft Build 2024」で発表した新しいカテゴリのPCで、AI技術を活用するための機種と位置付けられています。
主な特徴です。
・NPU搭載
・16GB以上のDDR5/LPDDR5メモリ
・256GB以上のストレージ
・40+TOPS(1秒当たり40兆回の演算)
・終日のバッテリー寿命
・最先端のAIモデルへのアクセス
・RecallでPCで見たものを簡単に検索
・CocreatorでほぼリアルタイムにAI画像の生成及び調整
・Live Captionで40以上の言語の音声を英語に翻訳
・薄型軽量、美しいデバイス
すごく簡単に言うと、AIがいろいろなサポートをしてくれて作業効率が上がる(便利になる)、と考えていたら問題ないです。
こちらにCopilot+PCでできることを紹介しているので、あわせてどうぞ。
本機は2024年11月のOSアップデート後にCopilot+の機能が使えるようになり、執筆時現在は使えません。
ThinkPad T14s Gen 6 Strix Point(AMD)の特徴
外観
14インチで幅313.6㎜、奥行き219.4㎜、厚さ16.9㎜とコンパクトで、ちょっと前の13.3インチ並みのコンパクトさですね。大きくなりがちな下ベゼルも細く、おしゃれにまとまっていますね。
ディスプレイは2種類あり、どちらもWUXGAでIPS液晶ですが、左はタッチパネル採用で右はタッチなしです。タッチパネルの方が便利ではありますが、色域がNTSC 45%と狭く、せっかくのCopilot+PCなのでより高品質なディスプレイである右のモデル・sRGB 100%がおすすめです。
色彩がこんなに違うし、たったの1100円しか違わないのでsRGB 100%が良いと思います。
筐体にはカーボンファイバーとアルミニウムを使用しており、高級感のある外観です。また、米軍の物資調達規格であるMIL-STD-810Hに準拠しており、堅牢性も高い機種です。
現在キーボードはバックライト付きの日本語キーか英語キーが選べ、ラッキーなことにバックライトなしはないようです。バックライトがないThinkPadのキーボードは打鍵感も手触りも格段に落ちるので、選べないのは助かります。
キーストロークは1.5ミリと標準的ですが、ThinkPadのキーボードは打鍵感が良くすごくタイピングしやすく、トラックポイントもあるので作業効率も上がります。
もちろん、コパイロットキーもあるので、すぐにコパイロットを呼び出せます。
大きめの通気口がありますね。
Webカメラは高画質の500万画素で、プライバシーシャッター付き、顔認証のIRカメラもあります。
バッテリーは58Whrとそんなに大きいわけじゃないですが、バッテリー駆動時間が最大15.5時間と長く、60分で約80%の充電が可能です。
CPU
Ryzen AI 7 PRO 360 | |
製造プロセス | 4nm |
アーキテクチャ | 3× Zen 5 , 5× Zen 5c |
コア | 8コア |
スレッド | 16スレッド |
L3キャッシュ | 16MB |
最大ブースト/ベースクロック | 5GHz/2GHz |
GPU実行ユニット | 12コア |
デフォルトTDP | 28W |
SoCは4nmで、Intelっぽく言えばZen 5(Pコア)とZen 5c(Eコア)になり、最大50 TOPS(1秒間に50兆回の演算処理)性能を持ちます。
高効率のZen 5は3コアとなっているので、どこまで性能が伸びるか気になりますね。
グラフィックスはRadeon 880Mで、GPUコアは12個となっています。
こちらはCPUの性能を測るCPU Markスコアで、Ryzen AI 7 PRO 360のスコアはPassMark Softwareが公表している数値です。
スコアの目安
- 7000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 10000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 15000~・ハイエンドPCに搭載される
- 18000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
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Core Ultra 9 185H | |
Ryzen AI 9 365 | |
Ryzen 7 8845H | |
Core Ultra 7 165H | |
Ryzen 7 8840HS | |
Ryzen AI 7 PRO 360 | |
Core Ultra 5 135H | |
Core Ultra 7 155H | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125H | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Core i5-1335U | |
Core Ultra 5 135U | |
Core Ultra 5 125U | |
Core 5 120U | |
Core 7 150U | |
Core Ultra 7 165U | |
Core Ultra 7 155U | |
Core i7-1355U | |
Core i3-1315U | |
Core i3-N305 |
セキュリティ
ThinkPadは、全方位から備えるサイバーセキュリティのThinkShieldによって守られており、堅牢性が高い機種になっています。
Wi-Fi 7に対応
対応周波数 | 速度 | |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11be (Wi-Fi 7) |
2.4/5/6GHz | 46Gbps |
次世代通信規格のWi-Fi 7に対応しており、現在主流のWi-Fi 6の約5倍、低価格モデルのPCに採用されるWi-Fi 5の約13倍の最大通信速度があります。また、理論上16本のストリームになり、今まで以上に多くのデバイス(理論上2倍)を接続して快適に使えます。
6GHzで最大320MHzのチャンネル幅があり、Wi-Fi 6E(最大160MHz)の2倍の帯域幅になります。
5G/LTE
5GはQuectel RM520N-GL 5G Sub6を搭載でき、最大ダウンロード速度h2.4Gbps、アップロードは900Mbpsになります。
さすが5Gなので、速いですね。
インターフェイス
コンパクトですがインターフェイスは、イーサネットがない点を除き、問題ないと思います。
①から順に、スマートカードリーダー、USB 3.2 Gen 1が2つ、ケーブルスロットロック、Thunderbolt 4が2つ、HDMI、マイク/ヘッドフォンジャック、nanoSIMカードスロットになり、Thunderbolt 4にはこういった機能・性能があります。
- Power delivery対応、DisplayPort出力機能付き、DC-in機能付き
- 最大データ転送速度40GB/秒が2mのケーブルでも出る(以前は0.8mまで)
- PCIeの転送速度は32GB、ストレージ転送速度は最大3000Mbps
- 4Kディスプレイ2台同時に出力可能
- 8K出力にも対応
サポート・保証
標準で1年間の「引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長5年まで延長できます。また、プレミアサポートと言うサポートにアップグレードができ、こちらは24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)
また、保証は引き取り修理とオンサイト修理、翌営業日オンサイト修理の3種類があります。
- 引き取り修理・・・家などの指定住所にLenovoの指定業者がPCを引き取りに来てリペアセンターに配送、修理後、郵送してくれる保証です。保証期間内は、基本的に修理費・郵送費など無料です。
- オンサイト修理・・・事務所や自宅にエンジニアが来て修理
- 翌営業日オンサイト修理・・・翌営業日(土日祝日以外)にエンジニアが来て修理
ライバル機種
2024年9月から、LenovoはどんどんCopilot+PCを発表しているので、こちらのまとめ記事も併せてどうぞ。
最後に
AMD搭載のCopilot+PCと言うことで、楽しみな機種ですね。Snapdragon搭載のCopilot+PCも良いですが、やっぱり何不自由なく今使っているアプリを使って作業ができるのが一番ですね。(スナドラ採用のCopilot+PCは使えないソフトやアプリがある)
また、先日発売開始したThinkPad X1 Carbon Gen 13にはインテルのCore Ultra 7 258Vが搭載しており、両機種ともに2024年11月のOSアップデート後にCopilot+PCが使えるようになるので、今後は仕事にももっと活用できるようになります。