LenovoのCopilot+PCの第2弾で、第1弾のYoga Slim 7x Gen 9に続きThinkPadでも発売開始しました。
今回もArm版OSになり、最大45TOPSの性能を誇るSnapdragon X Elite X1E-78-100になります。
Contents
ThinkPad T14s Gen 6 Snapdragonのスペック
CPU | Snapdragon X Elite X1E-78-100 |
---|---|
メモリ | 32GB(最大64GB) |
ストレージ | SSD 最大1TB |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス |
ディスプレイ(14型) | WUXGA IPS 2.8K OLED |
OS | Windows 11 Home/Pro(Arm版) |
無線 | Wi-Fi 7 |
生体認証 | 指紋センサー、顔認証 |
WEBカメラ | FHD |
オーディオ | HDオーディオ、2W×2 |
寸法(幅×奥行×高さ) | 313.6 × 219.4 × 16.9㎜ |
重さ | 約1.24㎏ |
バッテリー | 最大約19.3時間 |
標準保証 | 1年間 |
価格 | 24.7万円~ |
<性能評価>
本機はIntelやAMDといういつものCPUじゃなく、タブレットなどに搭載されることが多いSoCが搭載で、超高性能Snapdragon X Elite X1E-78-100になります。
AIコアであるNPUを搭載し、今後ますます作業が快適になる機種ですが、本機はArm版のWindows 11になり、使えないアプリやソフトがあるかもしれません。ビジネス用途で購入する場合は、「Armじゃないといけない」理由がない限り、検討しなおした方が良いかもしれません。
メモリはLPDDR5X-8533MHzで32GBが搭載ですが、最大64GBにできます。メモリはかなり大容量なので、重たい作業もしやすいです。
ストレージはSSD PCIe 4.0で、最大1TBになります。
ディスプレイは画面比16:10の14インチで、15インチ並みの情報量があります。ディスプレイはWUXGA(1920×1200ドット) IPS液晶と、2.8K(2880×1800ドット) OLEDがあります。
注意したい点は、24.7万円からとかなり高い機種ですが、色域がNTSC 45%(画像真ん中のモデル)のものあります。ただし、色域がは低いですがDBEF5という広い視野角にわたって輝度を向上させる反射偏光子フィルムを採用しているため、価格が高いです。
その他のスペックはOSはArm版のWindows 11 HomeかProが選べ、WEBカメラは高画質のFHDカメラになり、顔認証用のIRカメラに人感検知機能も付いています。
最新のWi-Fi 7にも対応しており、現在主流のWi-Fi 6Eの約5倍の最大通信速度があります。
重さは約1.24㎏と軽量で、最大バッテリー駆動時間は約19.3時間もあります。もち運びにも便利だし、長時間外出先でも作業ができるので、移動が多い人に向いています。
2024年のトレンドと比較
2024年のノートパソコンのトレンドをまとめたので、本機がどのくらい満たしているか比較してみます。(〇/標準搭載、△/モデルによってはあり、×/なし)
14世代CPU | NPU | Copilotボタン | DDR5 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
SSD PCIe 4.0 | アスペクト比16:10 | sRGB 100%以上 | Wi-Fi 6E |
〇 | 〇 | △ | 〇 |
輝度300nit以上 | 1080P Webカメラ | 生体認証 | バッテリー14時間以上 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
Copilot +PC
Copilot+PC(コパイロットプラスピーシー)と言うのは、Microsoftが「Microsoft Build 2024」で発表した新しいカテゴリのPCで、AI技術を活用するための機種と位置付けられています。
主な特徴です。
・NPU搭載
・16GB以上のDDR5/LPDDR5メモリ
・256GB以上のストレージ
・40+TOPS(1秒当たり40兆回の演算)
・終日のバッテリー寿命
・最先端のAIモデルへのアクセス
・RecallでPCで見たものを簡単に検索
・CocreatorでほぼリアルタイムにAI画像の生成及び調整
・Live Captionで40以上の言語の音声を英語に翻訳
・薄型軽量、美しいデバイス
40TOPSはすごいですね。執筆時現在(2024年8月)にこの基準をクリアしているのはクアルコム(Snapdragon)のみで、インテルやAMDは後塵を拝しています。
超高性能Snapdragon X Elite搭載
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
コア | 12コア |
Cache | 合計42MB |
TFLOPS(GPU) | 最大4.6 TFLOPS |
TOPS(NPU) | 最大45 TOPS |
このSoCの最大の特徴は、AI専用のNPUコアですね。最大45TOPSとSoC単体でここまで高いスコアは、IntelにもRyzenにもありません。
また、以前はx86プロセッサやAppleのArm CPUに比べ最大性能が劣っていましたが、本製品はシングルコア性能がIntel 13世代HシリーズやApple M2も上回っているとのことです。
また、多くのアプリからArm版Windows向けネイティブアプリケーションが提供されており、今まで以上に使えるアプリが多くなっています。
こちらはGeekbench 6のスコアで、CPUの3DCGレンダリング性能を測定します。一般的に、3Dレンダリングやエンコードはマルチコア、モデリングやCAD、編集中、ゲームはシングルコアを重視します。
スコアはGeekbench社が公開しているスコアです。
マルチコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i9-14900HX | |
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Core i7-14700HX | |
Core i7-13650HX | |
Core Ultra 7 165H | |
Core Ultra 9 185H | |
Core i5-13450HX | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 5 135H | |
Core Ultra 7 155U | |
Core Ultra 5 135U |
シングルコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i9-14900HX | |
---|---|
Core i7-14700HX | |
Core i7-13650HX | |
Core Ultra 9 185H | |
Core Ultra 7 165H | |
Core Ultra 7 155U | |
Core i5-13450HX | |
Core Ultra 7 155H | |
Core Ultra 5 135H | |
Core Ultra 5 125H | |
Core i7-1365U | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 |
ギークベンチの性能を見る限り、マルチコアはかなり高い性能で、シングルコアはそこそこ良いスコアです。
NPUっていつ使うの?
ここ最近、AI、AIと言われていますが、AIコアであるNPUっていつ使うの?っていう疑問ありますよね。
今現在NPUコアを使ってできるものはWindows Studioエフェクトのみですが、このCopilot+PCでは以下のこともできます。
・ペイントでイラスト生成
・フォトで画像生成
・ライブキャプションのリアルタイム翻訳
・リコール(執筆時現在まだ使えません)
・ライブキャプション
今後いろいろな機能が追加予定です。また、これらの機能はオンラインじゃなくローカル(自分のPC)でできるため、ネットにつながっていなくても利用可能です。(ペイントのイラスト生成のみネット環境必須)
Copilotキー搭載キーボード
<Copilotキー>
コパイロットはWordやExcelなどのMicrosoft製品をサポートする生成AIで、Chat GPTのような使い方もできます。
重要なキーにはポジションバーという突起がついたものがあり、押し間違いを防ぎます。
トラックポイントをダブルタップするとクイックメニューがポップし、カメラやマイク、ノイズ抑制などの設定ができるようになりました。
タッチパッドは115×61㎜と大きめで、操作性も高そうです。
電源ボタンに統合された指紋センサーもあるので、サインインを一瞬です。
その他の特徴
ベゼルも細くおしゃれですが、Copilot+PCとは言え、特に外観が変わったわけじゃありません。
ディスプレイは14インチで画面アスペクト比が16:10と縦に長いので、15インチ並みの情報が表示されます。
ディスプレイは3種類あり、WUXGAが2種類と2.8Kになります。WUXGAはIPS液晶、光沢なしで輝度400ニト、そして非タッチパネルモデルは高色域のsRGB 100%、タッチパネルモデルは低価格PCに採用されるNTSC 45%の色域です。
その代わり、DBEF5という広い視野角にわたって輝度を向上させる反射偏光子フィルムを採用しているため、価格が高いです。
2.8KはOLEDディスプレイで、光沢なし、輝度400ニト、DCI-P3 100%と高色域です。また、リフレッシュレートが120Hzと高いです。
天板にはCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)というカーボンファイバー(炭素繊維)で強化した樹脂(プラスチック)を使用し、底面はアルミニウム素材になります。
もちろん、MIL-STD-810Hの12の基準、26の手順、200以上の品質チェックを満たした耐久性の高い機種です。
WebカメラはFHDと高画質で人感検知機能もあり、ゼロタッチログインなど便利な機能もあります。360度遠距離ノイズキャンセリングマイクを搭載し、快適なオンラインミーティングもできるようです。
インターフェイスは1番からnanoSIMスロット、USB 3.2 Gen 1が2つ、ケーブルロックスロット、Thunderbolt 4対応USB4が2つ、HDMIにマイク/ヘッドフォンジャックになります。
セキュリティ
ThinkPadは、全方位から備えるサイバーセキュリティのThinkShieldによって守られており、堅牢性が高い機種になっています。
Wi-Fi 7に対応
対応周波数 | 速度 | |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11be (Wi-Fi 7) |
2.4/5/6GHz | 46Gbps |
次世代通信規格のWi-Fi 7に対応しており、現在主流のWi-Fi 6Eの約5倍、低価格モデルのPCに採用されるWi-Fi 5の約13倍の最大通信速度があります。また、理論上16本のストリームになり、今まで以上に多くのデバイス(理論上2倍)を接続して快適に使えます。
6GHzで最大320MHzのチャンネル幅があり、Wi-Fi 6E(最大160MHz)の2倍の帯域幅になります。
最後に
これからどんどんCopilot+PCが出てくると思いますが、面白そうなPCですよね。今後ビジネスのみならず、いろいろな作業の時間を短縮してくれそうです。
ただし、OSはArm版のWindowsなので、今使っているアプリやソフトが動くか調べてから購入したほうが良いです。