ThinkPad Tシリーズはメインストリームモデルの位置づけで、全体的な性能が高めのシリーズです。最上位モデルのX1シリーズは標準搭載のスペックが高いですが、Tシリーズはカスタマイズから高いスペックに変更ができます。
言い換えると、自分が必要なものは性能を上げて、必要じゃないものは低いスペックにし、価格を抑えることができます。
通常TシリーズはX1シリーズよりも大きく重たいですが、本機はスリムで軽量なSモデルなので、コンパクトな筐体になっています。
まずはレビューのまとめをどうぞ。
良い点
・小型軽量で持ち運びがしやすい
・カーボン+アルミニウム素材で高級感があり、耐久性も高い
・画面比が16:10で、14型でも15インチ並みの情報が表示される
・CPU・メモリ・SSDが最新で高性能
・Wi-Fi 6E搭載、5G LTEも搭載可能
・最大で2.8K OLED液晶選択可能
・FHD 1080p Webカメラ搭載可能
残念な点
・USB4がない
ThinkPad T14s Gen 3(AMD)のスペックレビュー
CPU | Ryzen 5 PRO 6650U Ryzen 7 PRO 6850U |
---|---|
メモリ | LPDDR5 最大32GB |
ストレージ | SSD 最大2TB |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス |
ディスプレイ(14型) | WUXGA、2.2K IPS 2.8K OLED |
OS | Windows 11 Pro/Home |
無線 | Wi-Fi 6E、4G/5G LTEあり |
オーディオ | Dolby Audio、Dolby Voice |
生体認証 | 顔認証、指紋センサー |
Webカメラ | 720p/1080p |
セキュリティ | ハードディスク パスワード、スーパーバイザー パスワード、システム マネジメント パスワード、セキュリティ キーホール,HPDなど |
寸法(幅×奥行×高さ) | 317.5 × 226.9 × 16.6㎜ |
重さ | 1.22㎏~ |
バッテリー 電源 |
57Whr・最大22.98時間 45W/65W |
保証 | 1年間 |
価格 | 15.7万円~ |
<性能評価>
パソコンの頭脳であるCPUは最新のRyzen 6000シリーズが搭載で、Ryzen 5はPassmarkスコアが約1.8万、Ryzen 7は約2.4万と超高性能です。3~4年前までスコアが7000あったらハイエンドと呼んでいたのが、懐かしいです・・・
メモリも最新のLPDDR5-6400MHzが搭載で、インテルCPUよりも対応周波数が高く(インテルは5200MHzまで)、重たいデータもサクサク処理できます。また、最大で32GBと大容量です。
ストレージはSSD PCIe 4.0で、旧モデルのPCIe 3.0よりも倍の帯域幅になっており、データ転送速度もかなり速くなっています。パソコンの起動やWebサイトの表示もサクサクですね。
ディスプレイはアスペクト比が16:10と縦に長いので、より多くの情報を一目で見て取れます。14インチですが、15.6インチ並みの情報が表示されるので、作業効率も上がっります。
また、最大で2.8K OLED液晶が選べ、色域はデジタルシネマ規格のDCI-P3 100%です!クリエイターPCと言った品質ですね。
PCのコアスペックは最新スペックが満載で、ディスプレイの品質も高いです。
また、機動性も高い機種で、14インチなのに重さはたったの1.22㎏(最軽量モデル)、バッテリー駆動時間は20時間オーバー、Wi-Fi 6Eに対応、そして4G/5G LTEも搭載可能です。持ち運びが多いビジネスパーソンでも、がっつり仕事ができるモデルですね。
その他のスペックも高く、Windows 11 HomeかProが選べ、顔認証と指紋センサーも搭載可能、セキュリティも豊富な機種となっています。
ちなみに公式サイトではシルバーのモデルの写真も使われていますが、日本で販売されるのはブラックです。
2022年のトレンドと比較
2022年のハイエンドノートパソコンのトレンドをまとめたので、本機がどのくらい満たしているか比較してみます。
ハイエンドPCは2022年に入り、基本スペックが高く、欠点が減ってきている状況です。欠点というと、例えばWebカメラが720Pの低画質や、マイクの質だったりですが、今まで別途購入が必要だったものが標準搭載、もしくはカスタマイズから選べるようになってきたイメージです。
12世代CPU | Evo | LPDDR5 | PCIe 4.0 |
〇 | × | 〇 | 〇 |
アスペクト比16:10 | sRGB 100%以上 | 輝度300nit以上 | 1080P Webカメラ |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
Wi-Fi 6E | 素材 | Dolby Atmos | 全方位360°マイクが4つ |
〇 | アルミ+カーボン | × | × |
USB4 | 生体認証 | 重量1.2㎏前後 | 18時間以上バッテリー |
× | 指紋/顔 | 〇 | 〇 |
Evoプラットフォーム認証は、100機種以上販売しているLenovoでも数機種しかないほどのものになります。全方位マイク4つ搭載はハイエンドのThinkPadに搭載していますが、本機種は全方位マイクが2つになります。
また、1080p Webカメラはカスタマイズから搭載可能です。
マイクとオーディオが基準を満たしておらず、USB4がないですが、ハイエンドモデルに限りなく近いスペックです。(ちなみにオーディオ関係もUSB4も・・・となると、最高峰のX1 Carbon Gen 10になっちゃいますね)
旧モデルとの比較
<左/本機種・右/T14s Gen 2>
旧モデルのThinkPad T14s Gen 2 AMDとの比較です。筐体も新しくなり全体的に性能が上がっており、画面アスペクト比が16:10になったので、より使いやすくなりました。(表のメモリ・SSD・バッテリーは最大値)
本機種 | ThinkPad T14s Gen 2 | |
CPU | Ryzen 5 PRO 6650U Ryzen 7 PRO 6850U |
Ryzen 3 Pro 5450U Ryzen 5 5600U/Pro 5650U Ryzen 7 Pro 5850U |
メモリ | LPDDR5 32GB | LPDDR4X 32GB |
ストレージ | SSD PCIe 4.0 | SSD PCIe 3.0 |
ディスプレイ アスペクト比 |
WUXGA/2.2K/2.8K 16:10 |
FHD/UHD IPS 16:9 |
無線 | Wi-Fi 6E、4G/5G LTE | Wi-Fi 6、4G/5G LTE |
寸法 | 317.5 × 226.9 × 16.6㎜ | 327.5 × 224 × 16.1㎜ |
バッテリー | 22.98時間 | 19.4時間 |
重量 | 1.22㎏ | 1.28㎏ |
変更点です。
・Ryzen 5000シリーズが最新の6000シリーズに
・メモリがLPDDR4Xから最新のLPDDR5に
・SSDがPCIe 3.0から最新の4.0に
・4Kディスプレイは無くなったが、画面アスペクト比が16:10に
・Wi-Fi 6がWi-Fi 6Eに
・筐体が小さくなり、軽くなった
・バッテリー駆動時間が上がった
ほぼすべての質が上がりましたね。文句をつけるところは、一切ないと思います。
こちらは、プロセッサーの性能を表すPassmarkスコアです。
Passmarkスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・旧モデル
Ryzen 7 Pro 6850U | |
---|---|
Ryzen 7 Pro 5850U | |
Ryzen 5 Pro 6650U | |
Ryzen 5 Pro 5650U | |
Ryzen 3 PRO 5450U |
ThinkPad T14s Gen 3 AMDの特徴
左右のベゼル(画面の黒い枠)はかなり細く、上下ベゼルも細めですね。旧モデルからディスプレイが大きくなりましたが、横幅が1㎝小さくなり、奥行きは+約3㎜なので、コンパクト化されていますね。
寸法は
・幅 317.5㎜(≒一万円札2枚分/320㎜)
・奥行き 226.9㎜(≒千円札1.5枚分/225㎜)
・高さ 16.6㎜
となっており、A4サイズ(210㎜×297㎜)より若干大きいくらいです。重量も最軽量モデルは1.22㎏と軽いので、バッグに入れて持ち運びがしやすいですね。LTEも搭載可能なので、公衆Wi-Fiを探す必要もなく、機動性は抜群です。
厚さは16.6㎜と薄く、手で掴みやすいサイズです。
ディスプレイは約180°開くので、地面にパソコンを置いて作業をする時や、ミーティングでチームに情報共有するときにも使いやすいです。
天板はカーボンハイブリットを使用しており、軽量ですが耐久性も高いです。
底面カバーはアルミニウムを使用しており、傷や熱、たわみにも強いです。
底面カバーを外すネジが少なくなっており、カスタマイズもちょっと楽になりますね(ただし、保証は外れます)。
また、通気口は意外に小さめです。
右側面にも通気口があります。
オーディオはDolby Audio、そして2Wスピーカーが2つと普通ですが、全方位360°マイクが2つ搭載しています。
また、周囲の騒音や複数人で会議をしているときに、自動的に音量を調整するDolby Voiceに対応しています。
生体認証
電源ボタンと統合された指紋センサーがあり、IRカメラも搭載可能です。どちらかあればサインインも一瞬なので、サッと使い始めることができます。
指紋センサーは標準搭載で、顔認証はカスタマイズの「内蔵カメラ」から選択できます。
カメラ回り
カメラはモデルによってはHD画質の720p Webカメラが搭載しているので、Web会議やビデオ通話が多い人は、FHD画質 1080pを選んだ方が良いと思います。
そういえば先日新しい家をオンラインで見学していた時に、相手の不動産の方はスマホじゃなくノートパソコンのWebカメラで家を映してくれたのですが、画質がひどい(笑)。見れたもんじゃなかったです。
あまり多くないかもしれませんが、こういう使い方をする個人や企業は、1080p以上は必須ですね。
MILスペック
本機はMIL規格と言う12項目の米軍の物資調達規格に準拠しており、落下テストや気温・気圧の変化テスト、ディスプレイ部の耐久性など様々なテストもクリアしています。他にも、200の項目の品質チェックをしており、安心して使える機種です。
キーボード
キーボードはバックライト付きで、日本語キーか英語キーが選択できます。カーソルキーは大きめなので、使いやすいですね。
トラックパッドは115㎜×61㎜と普通サイズですが、ThinkPadのキーボードは打鍵感が高くタイピングしやすいです。
高性能Ryzen 6000シリーズ
Ryzen 5 PRO 6650U | Ryzen 7 PRO 6850U | |
アーキテクチャ | Zen 3+ | Zen 3+ |
製造プロセス | 6nm | |
コア/スレッド | 6/12 | 8/16 |
キャッシュ | 16MB | |
基本クロック | 2.9GHz | 2.7GHz |
ブーストクロック | 4.5GHz | 4.7GHz |
GPUコア | 6 | 12 |
TDP | 15-28W |
Ryzen 6000シリーズはすべてがZen 3+のアーキテクチャで、以下の様な特徴があります。
・前世代と比較して最大30%高速
・最大24時間のバッテリー
・内蔵GPUがRDNA2(レイトレーシング対応)
・統合型グラフィック性能は最大約2倍に
・DDR5/LPDDR5のメモリに対応
・USB4対応
・PCIe Gen 4対応
・Wi-Fi 6E対応
Ryzen 6000シリーズからようやくUSB4に対応したので、使いやすくなりましたが、本機には搭載していません。また、CPUはPROモデルになり、セキュリティが強化されているビジネスモデルです。
こちらはCPUの性能を測るPassmarkスコアです。
スコアの目安
- 2000~・ネットサーフィンでもストレスを感じるほど
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ハイエンドPCに搭載される
- 15000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
Passmarkスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i9-12900H | |
---|---|
Core i7-12700H | |
Ryzen 7 Pro 6850U | |
Core i5-12500H | |
Core i7-1280P | |
Core i7-1270P | |
Core i7-1260P | |
Ryzen 5 Pro 6650U | |
Core i5-1240P | |
Core i7-1265U | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 |
Cinebench R23のスコアで、CPUの3DCGレンダリング性能を測定します。一般的に、3Dレンダリングやエンコードはマルチコア、モデリングやCAD、編集中、ゲームはシングルコアを重視します。
マルチコアは6000ほどで高性能、8000以上でかなり高性能、シングルコアは1500以上でかなり高性能になります。
Cinebench R23 マルチコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-12700H | |
---|---|
Ryzen 7 PRO 6850U | |
Ryzen 9 5900HX | |
Ryzen 7 5800H | |
Core i9-11950H | |
Core i9-11900H | |
Core i7-11800H | |
Ryzen 7 5800U | |
Ryzen 5 5600H | |
Ryzen 7 5700U | |
Core i5-1240P | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Ryzen 5 5500U | |
Ryzen 7 4700U | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 | |
Core i7-1065G7 | |
Core i5-1035G1 |
Cinebench R23 シングルコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i9-12900H | |
---|---|
Core i7-12700H | |
Ryzen 7 PRO 6850U | |
Core i9-11900H | |
Core i7-11850H | |
Core i7-1165G7 | |
Core i7-11800H | |
Core i5-1240P | |
Ryzen 9 5900HX | |
Ryzen 7 5800U | |
Ryzen 7 5800H | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Ryzen 5 5600U | |
Core i5-1135G7 | |
Core i3-1115G4 | |
Ryzen 5 5700U | |
Ryzen 5 5500U | |
Core i7-1065G7 |
どこまで性能を求めるかですが、Ryzen 5でもかなり高い性能で、ほとんどの人は十分だと思います。
Ryzen 5 PRO 6650Uの詳しい性能は、こちらをどうぞ。
グラフィックス
グラフィックは内蔵グラフィックスで、Ryzen 5 6600UがRadeon 660M、Ryzen 7 6800UがRadeon 680Mになります。
発売されたばかりのプロセッサーでデータがないので、入手次第情報をアップデートします。
ディスプレイ
解像度 | 光沢 | 液晶 | 輝度 |
WUXGA | なし | IPS | 300ニト 300ニト 400ニト |
コントラスト比 | 色域 | 視野角 | その他 |
600:1 600:1 800:1 |
NTSC 45% NTSC 45% NTSC 72% |
170° | ― マルチタッチ 省電力 |
解像度 | 光沢 | 液晶 | 輝度 |
2.2K 2.8K |
なし 反射/汚れ防止 |
IPS OLED |
300ニト 400ニト |
コントラスト比 | 色域 | 視野角 | その他 |
1000:1 100000:1 |
sRGB 100% DCI-P3 100% |
170° | ブルーライト 軽減 |
2.8K | 解像度は2880×1800 |
---|---|
2.2K | 解像度は2240×1400 |
WUXGA | フル・ハイディフィニション相当で、1920×1200ドット |
光沢 | 光沢ありは発色が良い反面、自分や背景が映り込みしやすい。光沢無しは映り込みがしにくい |
コントラスト比 | 最少輝度と最大輝度の差。差が大きい方が力強い描写が可能 |
IPS液晶 | コントラスト比が高く、視野角も広い |
nit | 明るさを表す単位。通常250nitが標準 |
ディスプレイは画面アスペクト比が16:10と縦に長く、14インチでも15.6インチ並みの情報が表示されます。一目で見て取れる情報が多いので、上に下にスクロールする回数も減り、作業効率が断然高くなります。
ディスプレイは3種類の解像度があり、2.8K以外はIPS液晶になります。
一般的なフルHD相当のWUXGAは一般的な解像度で、IPS液晶 輝度300/400ニト、色域はNTSC 45%か72%になり、マルチタッチディスプレイもあります。
輝度は300ニトでも明るくて見やすいですが、屋外で使うことが多い人は400ニトの方が使いやすいです。
色域は低価格モデルに搭載されるNTSC 45%か、sRGB 100%相当のNTSC 72%があります。
<左からNTSC 45%、sRGB 100%、NTSC 72%>
NTSC 45%は色域が狭いので色合いが全然違って見え、当然、NTSC 72%の方が色彩が豊かです。
また、2.2Kディスプレイは色域がsRGB 100%になり、これはNTSC 72%とほぼ似た色域ですが、赤が若干強いです。画像編集をするクリエイターに向いた色域です。
2.2Kディスプレイはコントラスト比が1000対1と高く、WUXGAよりもシャープで力強い描写が可能です。
2.8Kディスプレイは有機EL液晶(OLED)が搭載で、完全な黒を再現できる液晶なので、メリハリのある力強い、そしてより引き締まった描写が可能です。コントラスト比も10万対1とかなり高いですね。
色域はDCI-P3 100%のデジタルシネマ規格になり、動画編集をするクリエイター向けの広色域です。
分かりやすいように極端にしていますが、DCI-P3 100%はより実際の色と近い色が表現されます。
色域が広い方が見やすいですが、価格も上がるので、用途によって選んでいいと思います。
LPDDR5 6400MHzのメモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
搭載メモリはLPDDR5-6400MHzで、オンボードになります。6400MHzって・・・すごいですね。インテルCPUは5200MHzまでの対応なので、Ryzen搭載モデルの方が、最大処理速度はかなり高いです。
ストレージはPCIe 4.0
SSD(PCIe 4.0×4) | SSD(PCIe 3.0×4) | HDD | |
最大データ転送速度 | 最大64Gbps | 最大32Gbps | 最大6Gbps(SATAの場合) |
平均起動時間 | 10秒~15秒 | 30秒~2分(新品の場合) | |
温度 | 熱くなりにくい | 熱くなりやすい | |
価格 | 高い | 安い |
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
本機は最新のPCIe 4.0だが搭載で、最大データ転送速度が旧モデルの倍・64Gbpsになっています。パソコンの起動も、Webサイトの表示も速いです。
こちらはシーケンシャル速度のおおよそのスコアで、HDDはおおよその最大速度です。
シーケンシャルリード
オレンジ色・・・リード 青・・・ライト
PCIe 4.0×4 | |
---|---|
PCIe 3.0×4 | |
HDD |
セキュリティ
- パワーオンパスワード・・・電源を入れた時のログインパスワード
- ハードディスクパスワード・・・ハードウェアレベルでストレージにパスワードを設定
- スーパーバイザーパスワード・・・BIOSなどの設定を見たり変更する時のパスワード
- Windows Defender・・・Windows 10に標準搭載されているウイルスから保護するセキュリティ機能
- TPM・・・独立して機能するセキュリティチップで、パスワードなどの情報を格納する
- セキュリティキーホール・・・ワイヤーを設置できる箇所
などがあり、全方位から備えるサイバーセキュリティのThinkShield(詳しくは、公式サイトをどうぞ)によって守られています。
<ThinkShieldの概要>
この様に、一般的なノートパソコンよりは強固ですが、セキュリティソフトをお考えの場合は「Lenovoパソコンにおすすめのセキュリティソフト」も併せて読んでみてください。
仮想環境を構築し、6つのソフト+Windows Defenederで実際のフィッシングサイトにアクセスをして遮断できるかどうかのテストを行ったので、実際の防御率が分かりやすいと思います。
Wi-Fi 6Eに対応
周波数 | 通信速度 | |
IEEE802.11a | 5GHz | 54Mbps |
IEEE802.11b | 2.4GHz | 11Mbps |
IEEE802.11g | 2.4GHz | 54Mbps |
IEEE802.11n | 2.4/5GHz | 300Mbps |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
次世代通信規格のWi-Fi 6に対応しており、現在主流のWi-Fi5より約40%最大通信速度が上がっています。また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
Wi-Fi 6EはWi-Fi 6のExtended(エクステンディット)版で、6GHz帯(高速通信)での通信ができるのですが、執筆時現在の日本では6GHz帯はまだないので使えません。最大で5GHz帯になります。
LTE
執筆時現在、選択できるLTEはFibocom L860-GLのみですが、仕様書によると5G回線のFibocom FM350-GL 5Gも搭載できるようです。
通信速度は、
・Fibocom L860-GL・・・ダウンロード最大1Gbps、アップロード最大75Mbps
・Fibocom FM350-GL・・・ダウンロード最大4.7Gbps、アップロード最大1.25Gbps
4G回線でもかなり速いですが、5GのFM350-GLは超高速ですね。また、仕様書には5G LTEはeSIM対応とのことですが、販売が始まったら確認します。
ちなみにLTE用の格安SIMなら、大手のIIJmioがおすすめですよ。
バッテリー駆動時間
バッテリーは4セル・57Whrで、JEITA 2.0の測定で最大22.98時間となっています。
測定は輝度150ニトでやっているので、日中にしてはかなり暗い輝度です。実際の使用時間はここまでもたないですが、使い方によっては丸一日持ち歩いて使っても大丈夫だと思います。
電源
電源は45Wか65Wが選べます。大きな電源の方がより高いパフォーマンスを発揮しやすいので、「少しでもスペックを上げたい」と言う人は、65Wがいいと思います。
インターフェイス
右側面インターフェイスはスマートカードリーダー(オプション)、USB 3.2 Gen1、そしてセキュリティ キーホールになります。
左側面インターフェイスはUSB 3.2 Gen2 Type-Cが2つ、HDMI、USB 3.2 Gen1、そしてマイクロホン/ヘッドフォン・コンボ・ジャックになります。
データ転送速度は、USB 3.2 Gen 2が10Gbps、Gen 1が5Gbpsとなり、USB Type-Cは映像出力機能付きになります。
インターフェイスは豊富と言うわけじゃなく、そこそこ困りにくい程度にありますが、このクラスのノートパソコンなら、USB4を搭載してくれていたらよかったです。
サポート・保証
標準で1年間の「引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長5年まで延長できます。また、プレミアサポートと言うサポートにアップグレードができ、こちらは24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)
また、保証は引き取り修理とオンサイト修理、翌営業日オンサイト修理の3種類があります。
- 引き取り修理・・・家などの指定住所にLenovoの指定業者がPCを引き取りに来てリペアセンターに配送、修理後、郵送してくれる保証です。保証期間内は、基本的に修理費・郵送費など無料です。
- オンサイト修理・・・事務所や自宅にエンジニアが来て修理
- 翌営業日オンサイト修理・・・翌営業日(土日祝日以外)にエンジニアが来て修理
修理拠点は日本国内なので対応も速く、安心して任せることができます。
ライバル機種
<左から本機種・X1 Carbon Gen 10・ThinkPad X13 Gen 3>
本機種と似たような最新機種との比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値。スマホの人は表を右にスクロールできます)
本機種 | ThinkPad X1 Carbon Gen 10 | ThinkPad X13 Gen 3 | |
CPU | Ryzen 5 PRO 6650U Ryzen 7 PRO 6850U |
Core i5-1240P/1250P Core i7-1260P/1270P/1280P |
Ryzen 5 PRO 6650U Ryzen 7 PRO 6850U |
メモリ | LPDDR5 32GB |
||
ストレージ | SSD PCIe 4.0 | ||
ディスプレイ | WUXGA、2.2K 2.8K 14型 16:10 |
WUXGA、2.2K 2.8K、4K 14型 16:10 |
WUXGA、WQXGA 13.3型 16:10 |
無線 | Wi-Fi 6、LTE | ||
バッテリー | 22.98時間 | 24.9時間 | 16.2時間 |
重量 | 1.22㎏ | 1.12㎏ | 1.19㎏ |
USB4 | × | 〇 | 〇 |
価格 | 15.7万円~ | 22.5万円~ | 14.5万円~ |
ThinkPad X1 Carbon Gen 10のみインテルCPUが搭載ですが、他の機種はRyzenになります。
それでは、各機種の特徴です。
本機種・・・14インチでも1.22㎏と軽量で、全体的なスペックは高く、バッテリー駆動時間も長い。USB4がないのがちょっとした欠点
X1 Carbon Gen 10・・・ThinkPadのフラッグシップモデルで、ハイエンド中のハイエンド。Evo認証も得た機種で、最高峰機種
ThinkPad X13 Gen 3・・・小型筐体で持ち運びが多い人向け。性能は高く、価格も安めだが、「カスタマイズ」から性能を上げないと低価格モデルに使用されるパーツもあり
まとめ
良い点
・小型軽量で持ち運びがしやすい
・カーボン+アルミニウム素材で高級感があり、耐久性も高い
・画面比が16:10で、14型でも15インチ並みの情報が表示される
・CPU・メモリ・SSDが最新で高性能
・Wi-Fi 6E搭載、5G LTEも搭載可能
・最大で2.8K OLED液晶選択可能
・FHD 1080p Webカメラ搭載可能
残念な点
・USB4がない
総合評価
全体的にまとまったスペックで、「USB4がない」以外は文句の付け所がないと思います。
カスタマイズからスペックを上げることができるので、必要なものの性能を上げ、必要じゃないものは低いスペック(安い価格)を選べば、無駄な出費も減ります。
画面アスペクト比が16:10の14インチで、重量は1.22㎏と軽く、バッテリー駆動時間も20時間以上あり、持ち運びが多い人に合います。もちろん、据え置き用として使う場合でも使いやすいし、この場合は外付けモニターに繋げば生産性もかなり上がります。
カーボンファイバーとアルミニウムを使用した筐体で高級感もあり、耐久性も高く、安心して持ち運びができる機種です。