13.3インチのモバイルノートで、2 in 1 PCになります。
全体的なスペックは標準~標準以上で、そんなに軽くない(標準的な重量)ということを除けば、おおむね満足いく機種だと思います。
当サイトの評価は、このようになりました。
総合評価 | [usr 4.3] |
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スペック | [usr 4.5] |
コスパ | [usr 4.0] |
Contents
ThinkPad L13 Yoga Gen 3インテルのスペックレビュー
CPU | Core i3-1215U Core i5-1235U/1245U Core i7-1255U/1265U |
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メモリ | 最大32GB |
ストレージ | SSD 最大1TB |
グラフィックス | 内蔵グラフィクス |
ディスプレイ(13.3型) | WUXGA IPS、マルチタッチ |
OS | Winodws 11 Home/Pro |
無線 | Wi-Fi 6/6E、4G LTE |
生体認証 | 指紋センサー、IRカメラあり |
寸法(幅×奥行×高さ) | 305 × 218 × 17.1㎜ |
重さ | 1.32㎏~ |
バッテリー | 約13時間 |
保証 | 1年間 |
付属 | Lenovo内蔵ペン |
価格 | 14万円~ |
<性能評価>
パソコンの頭脳であるCPUは最新のインテル第12世代CPUが搭載で、省電力モデルのUシリーズが搭載です。省電力モデルといっても性能はかなり高く、実務で困ることはないと思います。
また、こういった小型モバイルPCであれば、通常版CPUよりも省電力モデルの方が発熱が低いので、より性能が発揮されやすいと思います。
メモリは最大32GBと大容量で、SSDは最新のPCI Express 4.0で最大1TBとなっています。
ディスプレイは画面アスペクト比が16:10と縦に長く、一般的な画面比16:9の14インチ以上の情報が表示されます。色域も広いsRGB 100%かNTSC 72%なので、画像編集をするクリエイターにも使いやすいです。
OSはスペックにより、Windows 11 HomeかProが選べます。
13.3インチの小型筐体で最軽量モデルは1.32㎏、Wi-Fi 6かWi-Fi 6Eが選べ、LTEも搭載可能と、機動性もそこそこ高いです。
指紋センサーや顔認証も搭載できるので、サインインも素早くできます。
2022年のトレンドと比較
2022年のノートパソコンのトレンドをまとめたので、本機がどのくらい満たしているか比較してみます。(〇/標準搭載、△/モデルによってはあり、×/なし)
12世代CPU | DDR5 | PCIe 4.0 | アスペクト比16:10 |
〇 | × | 〇 | 〇 |
Wi-Fi 6/6E | sRGB 100%以上 | 輝度300nit以上 | 1080P Webカメラ |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
Thunderbolt 4 | 生体認証 | 重量1.2㎏前後 | 14時間以上バッテリー |
〇 | 〇 | × | × |
旧モデルとの比較
<左/本機種・右/L13 Yoga Gen 2>
旧モデルのThinkPad L13 Yoga Gen 2との比較です。(表のメモリ・SSD・バッテリーは最大値)
本機種 | L13 Yoga Gen 2 | |
CPU | 12世代CPU | 11世代CPU |
メモリ | DDR4 32GB | DDR4 16GB |
ストレージ | SSD 1TB PCIe 4.0 | SSD 1TB PCIe 3.0 |
ディスプレイ | WUXGA | FHD IPS |
無線 | Wi-Fi 6/6E、4G LTE | Wi-Fi 6 |
バッテリー | 13時間 | 10.3時間 |
重量 | 1.32㎏ | 1.43㎏ |
変更点です。
・CPUが12世代に
・最大メモリ容量が32GBに
・SSDが最新のPCIe 4.0に
・画面アスペクト比が16:10に
・Wi-Fi 6EとLTEが追加
・バッテリー駆動時間が約3時間伸びた
・110gの軽量化
ThinkPad L13 Yoga Gen 3インテルの特徴
13.3インチの小型筐体ですが、ベゼル(画面の黒い枠)は一般的な大きさで、寸法も普通サイズです。
旧モデルは画面アスペクト比が16:9でしたが、本機は16:10と縦に長くなっており、14インチ以上の情報が表示されます。より作業がしやすくなっていますね。
寸法は
・幅 305㎜
・奥行 218㎜
・高さ 17.1㎜
で、A4サイズ(297㎜×210㎜)より若干大きいです。ただし、高さ(厚さ)は17.1㎜と、ちょっと細めですね。
重さも1.32㎏と、旧モデルから110gも軽くなっているので、より持ち運びがしやすいです。
筐体は前に行くにつれて細くなっており、先端部分の赤い箇所はLenovo内蔵ペン(4096段階の筆圧検知)を収納する箇所です。このおかげで、ペンを忘れたり、電池がない・・・なんてことも起こりにくいと思います。
天板はアルミニウム素材を使用し、手触りも見た目もよいです。
天板はガラス繊維強化樹脂を使用し、一般的な樹脂素材よりも強く、手触りもよいです。通気孔は比較的大きく、エアフローも良さそうです。
2 in 1 PCなのでヒンジが360度回転するので、床に座って作業をすることがある人でも、使いやすい角度に調整して使えます。
2 in 1 PCで使いやすい
2 in 1 PCとはヒンジが360度回転し、形状を変えることができるパソコンになります。
テントモードはソファやベッドの上に寝転がって使うとき、底面の吸気孔をふさがないので、筐体が熱くなりにくいです。
スタンドモードはキーボードが邪魔な時や、画面をもっと近づけたいとき、ペンを使う時に有効です。
タブレットモードは机がないときや、電車の待ち時間などちょっとした時に使いやすく、ペンでメモやノートも取りやすいです。
FHD Webカメラ搭載可能
Webカメラは一般的なHD 720Pか、FHD 1080p Webカメラ+IRカメラ(顔認証)が搭載可能です。
FHDカメラはIRカメラとのハイブリットで、一般的にHDカメラとあまり差がありません。
また、500万画素のアウトカメラも搭載可能です。プライバシーシャッターも搭載しているので、WEBカメラを使わないときは閉じておくと安心です。
MILスペック
本機はMIL規格と言う12項目の米軍の物資調達規格に準拠しており、落下テストや気温・気圧の変化テスト、ディスプレイ部の耐久性など様々なテストもクリアしています。他にも、200の項目の品質チェックをしており、安心して使える機種です。
キーボード
キーボードはフルサイズ・88キーで、バックライト有り無し、日本語キー/英語キーが選べます。
トラックパッドはガラスっぽい素材で、115㎜×56㎜と一般的な大きさです。
ThinkPadのキーボードはキートップが湾曲しており、キーストロークも深いので、タイピングがしやすいです。
CPU
Core i7-1255/1265U | Core i5-1235/1245U | Core i3-1215U | |
Pコア | 2 | ||
Eコア | 8 | 4 | |
スレッド | 12 | 8 | |
キャッシュ | 12MB | 10MB | |
Pコア最大周波数 | 4.7/4.8GHz | 4.4GHz | 4.4GHz |
Eコア最大周波数 | 3.5/3.6GHz | 3.3GHz | 3.3GHz |
GPU実行ユニット | 96 | 80 | 64 |
ベースパワー | 15W | ||
最大パワー | 55W |
CPUはPコア(Performance Core)とEコア(Efficient Core)の2つを搭載しており、高負荷な作業はPコアで処理を、低負荷な事はEコアで処理することによって、パワフルでも省電力性を兼ね揃えたCPUになっています。
また、Intel Thread Directorというハードコアが、命令をより効率よくPコアとEコアに割り当てて実行できるので、性能もかなり上がっています。
こちらはCPUの性能を測るPassmarkスコアです。
スコアの目安
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ハイエンドPCに搭載される
- 15000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
Passmarkスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-12700H | |
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Core i7-1280P | |
Core i7-1270P | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Core i7-1265U | |
Core i7-1255U | |
Core i5-1245U | |
Core i5-1235U | |
Core i3-1215U | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 |
Cinebench R23のスコアで、CPUの3DCGレンダリング性能を測定します。一般的に、3Dレンダリングやエンコードはマルチコア、モデリングやCAD、編集中、ゲームはシングルコアを重視します。
マルチコアは6000ほどで高性能、8000以上でかなり高性能、シングルコアは1500以上でかなり高性能になります。
Cinebench R23 マルチコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1260P | |
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Core i5-1240P | |
Core i5-1235U | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 | |
Core i3-1215U | |
Core i3-1115G4 |
Cinebench R23 シングルコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1260P | |
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Core i5-1240P | |
Core i3-1215U | |
Core i5-1235U | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 | |
Core i3-1115G4 |
グラフィックス
グラフィック性能が高いと、Officeを使った作業や複数画面での作業などがしやすくなります。
3D Graphics Mark
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1260P | |
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Core i5-1135G7 | |
Ryzen 7 5800U | |
Core i5-1240P | |
Ryzen 5 5500U | |
Core i3-1215U | |
Ryzen 7 5700U | |
Core i5-1235U | |
Core i3-1115G4 | |
Ryzen 5 5600U | |
Ryzen 3 5425U |
ディスプレイ
解像度 | 光沢 | 液晶 | 輝度 |
WUXGA | 反射汚れ防止 光沢なし汚れ防止 |
IPS | 300nit 500nit |
コントラスト比 | 色域 | 視野角 | その他 |
1000:1 | sRGB 100% NTSC 72% |
170° | ― Privacy Guard |
FHD | FHD相当で、解像度は1920 × 1200ドット |
---|---|
Privacy Guard | ボタン1つで輝度を下げ、横からのぞき見ができないようにする機能 |
ディスプレイは画面アスペクト比が16:10と縦に長く、13.3インチでも14インチ以上の情報が表示されます。
<左・16:10 13.3インチ/右・16:9 14インチ>
より多くの情報が表示されるので、作業もしやすくなります。
色域はどちらもほぼ同じですが、300ニトモデルはsRGB 100%、500ニトモデルはNTSC 72%になります。
<左・NTSC 45%/真ん中・sRGB 100%/右NTSC 72%>
sRGB 100%の方がNTSC 72%よりも赤と青が強いイメージですが、どちらも広色域で画像編集にも向いています。また、動画を見るときなども、色が鮮やかなので没入感が高いです。
輝度は明るめの300ニトか、明るい屋外でも使いやすい500ニトがあります。屋外でも使うことが多い人は、500ニトを検討してもいいかもしれません。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
メモリはオンボード・DDR4-3200MHzで、最大32GBと大容量です。
ここ最近、8GB搭載モデルは何もしてなくても40%ほどメモリを使っているので、長く快適に使いたい人は16GBを選んだ方がいいかもしれません。
ストレージ
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
SSDは最新のPCI Express 4.0が搭載で、最大1TBになります。旧モデルのPCIe 3.0から帯域幅が倍になり、速度も上がっています。
こちらはシーケンシャル速度の、おおよその速度です。
シーケンシャルリード
オレンジ色・・・リード 青・・・ライト
PCIe 4.0×4 | |
---|---|
PCIe 3.0×4 | |
HDD |
セキュリティ
ThinkPadは、全方位から備えるサイバーセキュリティのThinkShieldによって守られており、堅牢性が高い機種になっています。(詳しくは、公式サイトをどうぞ。)
一般的なノートパソコンよりは強固ですが、セキュリティソフトをお考えの場合は「Lenovoパソコンにおすすめのセキュリティソフト」も併せて読んでみてください。
Wi-Fi 6/6Eに対応
対応周波数 | 速度 | |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
次世代通信規格のWi-Fi 6に対応しており、現在主流のWi-Fi5より約40%最大通信速度が上がっています。また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
Wi-Fi 6EはWi-Fi 6のExtended(エクステンディット)版で、6GHz帯(高速通信)での通信ができるのですが、執筆時現在の日本では6GHz帯はまだないので使えません。最大で5GHz帯になります。
LTE
WWANはFibocom L860-GL-16, 4G対応とのことですが、執筆時現在、カスタマイズから選ぶことができませんでした。後々、できるようになると思います。
速度は、ダウンロード最大1Gbps、アップロード最大75Mbpsになります。アップロードは普通の速さですが、ダウンロードは速いですね 。
ちなみに、LTE用の格安SIMなら、大手のIIJmioがおすすめですよ。
バッテリー駆動時間
バッテリーは4セル46Whrで、最大バッテリー駆動時間は約13時間になります。ただし、実際の使用状況を考えるとここまでもたないことがほとんどなので、長時間の外出にはACアダプタを持ち歩いた方がよさそうです。
<上・45W/左・65W/右・65Wスリム>
アダプターは3種類あり、この電源の大きさでスペックに差はほとんど出ませんが、65Wアダプターを使用すると急速充電が可能です。
インターフェイス
右インターフェイスはHDMI、USB 3.2 Gen 1、USB Type-C 3.2 Gen 2(映像出力機能付き)、そしてセキュリティーキーホールです。
左側面はnanoSIMスロット、USB4(Thunderbolt 4 対応)、USB 3.2 Gen 1、マイク/ヘッドフォンジャックです。
電源コネクタはUSB4の箇所なので、若干使いにくいときがあるかもしれません。
また、Thunderbolt 4には、こういった機能・性能があります。
- Power delivery対応、DisplayPort出力機能付き、DC-in機能付き
- 最大データ転送速度40GB/秒が2mのケーブルでも出る(以前は0.8mまで)
- PCIeの転送速度は32GB、ストレージ転送速度は最大3000Mbps
- 4Kディスプレイ2台同時に出力可能
- 8K出力にも対応
- 最大100Wまで給電可能
サポート・保証
標準で1年間の「引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長5年まで延長できます。また、プレミアサポートと言うサポートにアップグレードができ、こちらは24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)
また、保証は引き取り修理とオンサイト修理、翌営業日オンサイト修理の3種類があります。
- 引き取り修理・・・家などの指定住所にLenovoの指定業者がPCを引き取りに来てリペアセンターに配送、修理後、郵送してくれる保証です。保証期間内は、基本的に修理費・郵送費など無料です。
- オンサイト修理・・・事務所や自宅にエンジニアが来て修理
- 翌営業日オンサイト修理・・・翌営業日(土日祝日以外)にエンジニアが来て修理
ライバル機種
ThinkPad T14 Gen 3
アスペクト比16:10の14インチで、本機よりも軽いです。軽量コンパクトモデルで、バッテリー駆動時間も長く、全体的なスペックが高くなっています。グラボのRTX 2050を搭載出来たり、2.2Kや4Kディスプレイ、そしてLTEにWi-Fi 6Eなど高機能になっています。ただし、2 in 1 PCではありません
CPU | Core i5-1235U/1245U Core i7-1255U/1265U Core i5-1240P/1250P Core i7-1260P/1270P/1280P |
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メモリ | DDR4 最大48GB |
ストレージ | SSD 2TB |
ディスプレイ(14型) | WUXGA/ 2.2K/ WQUXGA IPS マルチタッチあり |
無線 | Wi-Fi 6E、4G LTE、Bluetooth 5.2 |
生体認証 | 顔認証、指紋センサー搭載可能 |
重さ | 1.21㎏~ |
バッテリー | 最大19.9時間 |
価格 | 14.1万円~ |
Yoga 770i 14
本機よりもちょっと重たいですが、上位モデルのCPUが搭載で、ほぼ同じ価格です。ディスプレイが特に高品質で、業務用スペックです。2.8K OLEDでDolby VisionやHDR500に対応、10bit 10.74億色の表示が可能です。CPUやメモリなどのスペックも2022年最新で、2 in 1 PC、そしてEvoプラットフォーム認証を得た特別な機種です。
CPU | Core i5-1240P Core i7-1260P |
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メモリ | 最大16GB |
ストレージ | 最大 1TB SSD |
ディスプレイ(14型) | 2.8K OLED 10bit(最大10.74億色) |
無線 | Wi-Fi 6E |
その他 | Evo、顔認証、1080p Webカメラ、ドルビーアトモス対応、スピーカー×4、Lenovoデジタルペン付属 |
重さ | 1.42㎏ |
バッテリー | 約12時間 |
価格 | 14.8万円~ |
まとめ
良い点
・旧モデルよりも軽くなり、持ち運びがしやすくなった
・画面比が16:10で、13.3型でも14型以上の情報が表示される
・バッテリー駆動時間がそこそこ長く、最大でWi-Fi 6EにLTEも搭載可能と機動性が高い
・2 in 1 PCで使い勝手が高い
・メモリ容量が大きい
・Wi-Fi 6EとLTEも搭載可能
残念な点
・単体のFHD Webカメラがあればよかった
・メモリが旧モデルのDDR4
総合評価
全体的に平均以上のスペックで、大きく残念な点はありませんが、細かいことを言えば上記した2点がちょっと残念です。
特に、指紋センサーがあれば顔認証は必要ない人も多いと思いますが、FHD Webカメラを選ぶとIRカメラのハイブリットしかないので、品質が大きく劣ります。
また、Thunderbolt 4が1つでちょっと使いにくい場面もあるかもしれませんが、USB-C 3.2 Gen 2があるので、不便に感じることも少ないと思います。