2024年モデル、ThinkCentre M70s Small Gen 5です。
最新のインテル14世代CPUが搭載し、より高負荷な作業に対応できるようになりました。
旧モデルからスペックダウンした箇所もありますが、グラボなしのデスクトップとしては十分な性能です。
当サイトの評価は、このようになりました。
スペック | [usr 4.5] |
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コスパ | [usr 3.9] |
総合評価 | [usr 4.2] |
Contents
ThinkCentre M70s Small Gen 5のスペック
CPU | Core i3-14100 Core i5-14400/14500/14600 Core i7-14700 |
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メモリ | DDR5-5600 最大64GB |
ストレージ | 最大SSD+HDD×2 |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス |
オプティカルドライブ | 搭載可能 |
OS | Windows 11 Home /Pro |
LAN (無線) |
イーサネット(1Gbe/2.5Gbe) なし、Wi-Fi 6、Wi-Fi 6E |
寸法(幅×奥行×高さ) | 92.5 × 297.7 × 339.5㎜ |
重さ | 約5.3㎏ |
電源 | 180/260/310W |
標準保証 | 1年間 |
価格 | 10.8万円~ |
<性能評価>
パソコンの頭脳であるCPUはインテル14世代で、Core i3からi7までの5種類があります。企業向けのvPro対応CPUもあるので、個人でも企業でも購入しやすいです。
メモリはDDR5-5600MHzで、メモリスロットは2つ・最大64GBに、ストレージはSSD PCIe 4.0が搭載で2.5インチと3.5インチHDDが搭載可能です。
その他のスペックは、OSはWindows 11 HomeかProが選べ、1ギガもしくは2.5ギガビットイーサネットが搭載、Wi-Fiは「なし」か「Wi-Fi 6」、もしくは「Wi-Fi 6E」が選べます。Wi-Fiを搭載しない場合はBluetoothもないので、ご注意を。
電源は180Wか260W、そして310Wが選択でき大きめの電源も選べます。
PCI Express 3.0×16と×1が一つずつ空いており、ちょっとした拡張性もあります。
グラフィックボードを必要としない作業であればほぼどれにでも対応できるほどの性能で、コンパクトな筐体で置き場所にも困りません。
旧モデルとの比較
旧モデルのGen 4との比較です。(表のメモリ・SSD・バッテリーは最大値)
本機種 | 旧モデル | |
CPU | Core i3-14100 Core i5-14400/14500/14600 Core i7-14700 |
Core i3-13100 Core i5-13400/13500/13600 Core i7-13700 |
メモリ | DDR5 64GB | DDR4 128GB |
ストレージ | SSD+HDD×2 | |
LAN | Wi-Fi 6/6E、1Gbe/2.5Gbe | |
電源 | 180/260/310W | 180/260/310/380W |
重量 | 5.3㎏ | |
寸法 | 92.5 × 297.7 × 339.5㎜ |
主な変更点です。
・CPUが14世代に
・メモリがDDR5に
・メモリ最大容量が64GBに
・380W電源がなくなった
・インターフェイスがグレードダウンした
同じ筐体を使用しており似たような仕様ですが、インターフェイスがGen 1やUSB 2.0にダウングレードしています。
こちらは、プロセッサーの性能を表すCPU Markスコアです。
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・旧モデル
Core i7-14700 | |
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Core i7-13700 | |
Core i5-14600 | |
Core i5-13600 | |
Core i5-14500 | |
Core i5-13500 | |
Core i5-14400 | |
Core i5-13400 | |
Core i3-14100 | |
Core i3-13100 |
Core i7以外は微増です。
高性能インテル14世代CPU搭載
搭載CPUはインテル第14世代で、Core i3かCore i5、Core i7が搭載でき、vProモデルもあります。
Core i3-14100 | Core i5-14400 /14500/14600 |
Core i7-14700 | |
P/Eコア | 4/0 | 6/4 6/8 |
8/12 |
スレッド | 8 | 16/20/20 | 28 |
L2キャッシュ | 5MB | 9.5/11.5/24MB | 28MB |
ターボブーストマックステクノロジー | – | – | 5.4GHz |
最大周波数 | 4.7GHz | 4.7/5/5.2GHz | 5.4GHz |
Pコア最大クロック | 4.7GHz | 4.7/5/5.2GHz | 5.3GHz |
Eコア最大クロック | – | 3.5/3.7/3.9GHz | 4.2GHz |
GPU実行ユニット | 24EU | 24/32/32EU | 32EU |
ベース/ターボパワー | 60/110W | 65/148W 65/154W |
65/219W |
※Core i5-14500/14600、Core i7-14700はvPro対応
Core i3以外のCPUはPコア(Performance Core)とEコア(Efficient Core)の2つを搭載しており、高負荷な作業はPコアで処理を、低負荷な事はEコアで処理することによって、パワフルでも省電力性を兼ね揃えたCPUになっています。
vPro対応モデルもあるので、企業で多くのPCを一括管理するには便利です。
また、Intel Thread Directorというハードコアが、命令をより効率よくPコアとEコアに割り当てて実行できるので、性能もかなり上がっています。
ターボブーストマックステクノロジー3.0は、プロセッサーの中の最もパフォーマンスの高いコアを識別し、電力と熱のヘッドルームを利用して、必要に応じてそれらのコアの周波数をあげることにより更なるパフォーマンスを提供します。
こちらはCPUの性能を測るCPU Markスコアで、PassMark Softwareが公表している数値です。
スコアの目安
- 7000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 10000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 15000~・ハイエンドPCに搭載される
- 18000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-13700K | |
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Core i7-14700 | |
Core i9-13900T | |
Core i9-12900K | |
Core i7-13700 | |
Core i9-12900 | |
Core i5-13600K | |
Core i5-14600 | |
Core i5-13600 | |
Core i5-14500 | |
Core i5-13500 | |
Core i5-14400 | |
Core i5-13400 | |
Core i5-13400F | |
Core i5-13500T | |
Core i5-13400T | |
Core i3-14100 | |
Core i3-13100 |
Cinebench R23のスコアで、CPUの3DCGレンダリング性能を測定します。一般的に、3Dレンダリングやエンコードはマルチコア、モデリングやCAD、編集中、ゲームはシングルコアを重視します。
マルチコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i9-13900K | |
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Core i7-14700F | |
Core i9-13900 | |
Core i7-13700K | |
Ryzen 9 7900X | |
Core i9-12900K | |
Core i7-13700 | |
Core i5-13600K | |
Core i5-14400 | |
Core i5-13400 | |
Core i3-14100 | |
Core i3-13100 |
シングルコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-14700F | |
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Core i9-13900K | |
Core i9-13900 | |
Core i7-13700K | |
Core i7-13700 | |
Ryzen 9 7900X | |
Core i5-13600K | |
Core i9-12900K | |
Core i5-13400 | |
Core i5-14400 | |
Core i3-13100 | |
Core i3-14100 |
コンパクトな筐体で縦置きも横置きもできる
ThinkCentre Mシリーズはスリムな筐体だけど若干の拡張性もあり、スペックが高くできるという特徴があります。上の写真は旧モデルの筐体ですが、同じものをGen 5でも使用しているので雰囲気はつかめると思います。
この筐体、かっこいいんですよね。ノートパソコン好きな筆者ですが、長らくThinkCentreをメイン機種に使っていました。
縦に置いてもいいし、横に置いても使えます。横置きで上にモニターを置けば場所取らずです。
縦も横もそれなりの長さがありますが、幅が92.5㎜と名刺の長辺くらいの長さなんです。薄いです。このおかげで机上に置いても圧迫感が少ないし、横置きで筐体の上にモニターを置いても高くなりすぎません。
筐体側面には通気口はありませんが、前面のベゼル部分と中央左、そして背面に排気口があります。
ちょっとした拡張性あり
<旧モデルの筐体内部>
筐体内部はこんな感じで、裏配線なのですっきりしています。拡張性は高くないですが、少しいじれる程度にPCI Expressがあります。
- PCI Express ×16(Low Profile)
- PCI Express ×1(Low Profile)
- Wi-Fi用M.2 2230(Wi-Fiで使用)
- 3.5と2.5インチベイ
- メモリ2スロット
- ウルトラスリムDVDスーパーマルチドライブ
電源が最大でも310Wですが、×16にグラボを入れたり、×1にサウンドカードやRAIDカード、デジタルチューナーやキャプチャボードなどが接続可能です。
その他の特徴
MILスペック
本機はMIL規格と言う12項目の米軍の物資調達規格に準拠しており、落下テストや気温・気圧の変化テスト、ディスプレイ部の耐久性など様々なテストもクリアしています。他にも、200の項目の品質チェックをしており、安心して使える機種です。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
メモリはDDR5-5600MHzで、メモリスロット2つの最大64GBにできます。動作周波数が高い最新メモリなので、サクサク使えます。
前述した様に、旧モデルはメモリスロット4つで128GBにできましたが、おそらくそこまでメモリを増設する人もいなかったと思うので、影響はほとんどないと思います。
ストレージ
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
搭載SSDはPCIe 4.0で、公式サイトで最大1TBにできます。2.5インチと3.5インチベイに空きがあるので増設もでき、高いですが公式サイトで3.5インチHDDも追加できます。
公式サイトでブラケットが販売されており、2nd HDD用なので2.5インチブラケットになります。今Amazonを確認してみましたが、8TBのWestern Digital 2.5インチHDDが2万円弱で販売されています。
こちらはシーケンシャル速度の、おおよその速度です。
シーケンシャル速度
オレンジ色・・・リード 青・・・ライト
PCIe 4.0×4 | |
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PCIe 3.0×4 | |
HDD |
セキュリティ
Think製品は全方位から備えるサイバーセキュリティのThinkShieldによって守られており、堅牢性が高い機種になっています。
一般的なノートパソコンよりは強固ですが、セキュリティソフトをお考えの場合は「Lenovoパソコンにおすすめのセキュリティソフト」も併せて読んでみてください。
LAN
対応周波数 | 速度 | |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
次世代通信規格のWi-Fi 6/6Eが搭載でき、現在主流のWi-Fi5より約40%最大通信速度が上がっています。また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
Wi-Fi 6EはWi-Fi 6のExtended(エクステンディット)版で、6GHz帯(高速通信)での通信ができます。
有線LANは1ギガビットイーサネットか、ワークステーション向けの2.5ギガビットイーサネットになります。名前の通り、最大通信速度は2.5Gbpsになります。
電源
電源は3種類あり、それぞれ電力変換効率が違います。変換効率が高い方が電気代も少し浮くし、筐体も熱くなりにくいので故障確率も減ります
・180W・・・85%(80PLUS Silver相当)
・260W・・・90%(80PLUS GOLD相当)
・310W・・・92%(80PLUS Platinum相当)
インターフェイス
正面インターフェイスは、オプティカルドライブ(カスタマイズから追加)、電源、SDカードリーダー(カスタマイズから追加)、マイク入力、マイク/ヘッドフォンジャック、USB Type-C 3.2 Gen 1、USB 3.2 Gen 1が4つになります。
背面にはライン出力、DisplayPort、HDMI、RJ45、USB 2.0 Gen 1が4つになります。
すべてのUSBのデータ転送速度は、5Gbpsになります。
カスタマイズからUSBやシリアルポート、パラレルポートなどいろいろ追加できるので、必要な方は確認してみてください。
サポート・保証
標準で1年間の「引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長5年まで延長できます。また、プレミアサポートと言うサポートにアップグレードができ、こちらは24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)
また、保証は引き取り修理とオンサイト修理、翌営業日オンサイト修理の3種類があります。
- 引き取り修理・・・家などの指定住所にLenovoの指定業者がPCを引き取りに来てリペアセンターに配送、修理後、郵送してくれる保証です。保証期間内は、基本的に修理費・郵送費など無料です。
- オンサイト修理・・・事務所や自宅にエンジニアが来て修理
- 翌営業日オンサイト修理・・・翌営業日(土日祝日以外)にエンジニアが来て修理
まとめ
良い点
・省スペースで場所を取らない
・縦置きも横置きもできる
・超高性能インテル14世代CPU搭載
・メモリも最新のDDR5
・ストレージも最新のPCIe 4.0×4
・拡張性ちょっとがある
・保証とサポートも抜群
残念な点
・旧モデルからグレードダウンした箇所がいくつかある
総合評価
本機は「安定のThinkCentre」と言った感じで、いつものThinkCentreです。
旧モデルからCPUとメモリ性能がアップしており、より高負荷な作業にも対応できるようになりました。
グラボなしのデスクトップとしては、上位モデルのデスクトップです。執筆時現在まだ販売開始していませんが、14世代搭載のTiny(手乗りサイズ)や大型のTowerも販売されるので、もしここまで高い性能が必要ないのであればTinyを、高負荷な作業を長時間するという場合はTowerの販売を待ってもよいかもしれません。
ThinkCentre全機種の比較レビューは、こちらからどうぞ。