ようやく、Lenovoからゲーミングデスクトップの最新モデルが発売開始しました。
ところがIntelのゴタゴタノせいで発売が遅れたんじゃないか?と思うようなスペックになっており、ようやく発売にこじつけたんじゃないかな?と言うのが率直な感想です。
スペック的にはミドル~ミドルハイクラスで、モバイル版のCPUが搭載し、メモリはDDR5-6400MHzで最大64GB、ストレージはSSD PCIe 4.0が2つ搭載できます。
Contents
Legion T5 26IRX9のスペック
CPU | Core i7-14650HX Core i9-14900HX |
---|---|
メモリ | DDR5-5600 最大64GB |
ストレージ | SSD×2+HDD×2(最大) |
グラフィックス | Radeon RX 7600 RTX 4060 RTX 4060 Ti RTX 4070 Super RTX 4070 Ti Super |
OS | Windows 11 Home/Pro |
LAN | Wi-Fi 6E、2.5Gbe |
スロット | PCIe 4.0 ×16が1つ PCIe 3.0 ×4が1つ M.2が3つ 3.5インチベイ(自分で設置する必要あり) |
冷却方式 | 空冷(最大150W, 120mm 上面 ×2, 前面 ×2) |
オーディオ | Nahimic Audio for Gamers(スピーカーなし) |
寸法(幅×奥行×高さ) | 205 × 425.9 × 396.9mm |
重さ | 約16㎏ |
電源 | 500W/850W |
標準保証 | 1年間 |
価格 | 18.3万円~(割引前) |
<性能評価>
パソコンの頭脳であるCPUはハイ―ハイエンドで、かなり高い性能です。が、これって末尾がHXのノートパソコン用のCPUですね。
ご存じの方が多いと思いますが、デスクトップ向け14世代CPUは多くの問題を抱えており、ノートパソコン用CPUの方が省電力性や熱管理も優れているので採用したのかなと思います。とは言え、最大157WのTDPなので、かなり高い電力です。
メモリはDDR5-5600MHz搭載で、スロット2つ・最大64GBになります。ストレージはM.2が2つに3.5インチHDDが最大2つ搭載可能で、そこそこ大きくできます。Western DigitalのHDD SATA 10TBが2万円弱で販売されており、最近は安く購入できます。
ただし、3.5インチベイは公式サイトで追加できないので、すべて自分でやる必要があります。
グラフィックスは5種類あり、最高でRTX 4070 Ti Superを搭載できます。ホビーユーザーから結構ガチでやる人にも対応できます。
冷却方式は空冷で、150Wで120mmファンが最大で上面に2つ、前面に2つ搭載できます。CPUがモバイル向けなので、全体的に発熱も低くなるので安心ですね(モバイル用なのでデスクトップ版に比べCPU性能は落ちますが)。また、M.2用のヒートシンクも最大2つ搭載でき、VRM(マザボのCPUソケット周辺回路)やPCHにもヒートシンクがあります。
日本の公式サイトには一切LANのことが書かれていないのですが、無線はWi-Fi 6Eで2.5Gbeが搭載しています(英語の仕様書から確認しました)。Lenovoの公式サイトは手抜きがひどいですね・・・。いつものことですが、全然読者に興味付けをしていないというか、スペックがわからないとか・・・。
話を戻しまして、インターフェイスはUSB-Aが8つにUSB Type-Cが1つ、3.5ミリジャックやHDMI、DisplayPortなどもあります。
割引前の価格で18.3万円とすでにそこそこ安いので、セール対象になったらかなりお買い得だと思います。
旧モデルとの比較
<左/本機種・右/旧モデル>
旧モデルのLegion Tower 5i Gen 8との比較です。旧モデルとはいえ2024年にスペックもアップグレードされているので、高い性能です。(表のメモリ・SSD・バッテリーは最大値)
本機種 | 旧モデル | |
CPU | Core i7-14650HX Core i9-14900HX |
Core i5-14400F Core i7-14700KF Core i9-14900F |
メモリ | DDR5 最大32GB | DDR5 最大128GB |
ストレージ | SSD×2+HDD×2(自己増設のみ) | SSD×2+HDD×2 |
dGPU | Radeon RX 7600 RTX 4060 RTX 4060 Ti RTX 4070 Super RTX 4070 Ti Super |
RTX 4060 RTX 4060 Ti RTX 4070 |
LAN | Wi-Fi 6E、2.5Gbe | Wi-Fi 6E、1Gbe/2.5Gbe |
電源 | 最大850W | 最大850W |
重量 | 約16㎏ | 約14㎏ |
寸法 | 18.5万円~ | 16.0万円~ |
こちらは、プロセッサーの性能を表すCPU Markスコアです。
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・旧モデル
Core i7-14700KF | |
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Core i9-14900F | |
Core i9-14900HX | |
Core i7-14650HX | |
Core i5-14400F |
ご覧の通り旧モデルの方がスペックが高いのですが、13・14世代のゲーミングPCなどに採用されるCPUは多くの不具合を抱えています。いろいろとパッチが出ていますが、モバイル向けCPUを採用した新機種の方が良いですね。
Legion T5 26IRX9の特徴
外観
前面ベゼルがメッシュ状になっておりエアフローが良く、前面にRGBファンがあり、おしゃれですね。
天面にもARGBライティングのファンを搭載できます。
左側面にはツール不要で開けることができるガラスパネルが採用されており、ARGB照明も選択できるとのことです。(執筆時現在選択できず)
筐体内部はおしゃれにまとめられていますね。
メモリは2スロットしかなく最大64GB、SSDはM.2スロットが3つあり(1つはLAN用)最大2つのSSDを搭載できます。3.5インチHDDも2基搭載可能ですが、公式サイトで増設できません。
インターフェイスは前面にUSB 3.2 Gen 1が2つ、ヘッドフォンジャック、マイクジャックがあります。
背面にはDisplayPort、ライティングスイッチ、USB-Aが6つ、USB Type-C Gen 2が1つ、HDMI、マイクなどのオーディオコネクタが3つ、そしてオプションから追加できるポートがあります。
個人的にUSB Type-Cが1つしかないことと、それが背面にあるので使いにくいなと言う印象です。
LANは、Wi-Fi 6Eと2.5ギガビットイーサネットが搭載しています。
CPU
Core i9-14900HX | Core i7-14650HX | |
製造プロセス | Intel 7 | Intel 7 |
Pコア | 8コア | 8コア |
Eコア | 16コア | 8コア |
スレッド | 32 | 24 |
キャッシュ | 36MB | 30MB |
Maxターボブースト | 5.8GHz | 5.2GHz |
Pコア最大周波数 | 5.8GHz | 5.2GHz |
Pコア基本周波数 | 2.2GHz | 2.2GHz |
Eコア基本/最大周波数 | 2.2/4.1GHz | 1.6/3.7GHz |
GPU実行ユニット | 32 | 16 |
ベースパワー | 55W | 55W |
マックスパワー | 157W | 157W |
CPUはPコア(Performance Core)とEコア(Efficient Core)の2つを搭載しており、高負荷な作業はPコアで処理を、低負荷な事はEコアで処理することによって、パワフルでも省電力性を兼ね揃えたCPUになっています。
また、Intel Thread Directorというハードコアが、命令をより効率よくPコアとEコアに割り当てて実行できるので、性能もかなり上がっています。
先述しましたが、CPUはモバイル版が搭載しています。14世代CPUの問題は多くの人が知っているのであまり解説はいらないかもしれませんし、パッチも多く出ていますが、まぁ好き好んでデスクトップ版14世代CPU搭載機種を買う人は少ないと思います。
モバイル向けCPUですが、最大クロックは5.8GHzと高く、マックスパワーも157Wとめちゃくちゃ高いですね。これ、ノートに搭載してまともに冷却できるんでしょうか?
こちらはCPUの性能を測るCPU Markスコアで、PassMark Softwareが公表している数値です。
スコアの目安
- 7000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 10000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 15000~・ハイエンドPCに搭載される
- 18000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-14700KF | |
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Core i9-14900F | |
Core i7-14700 | |
Core i9-14900HX | |
Core i7-14650HX | |
Core i5-14600 | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core Ultra 9 185H | |
Core i5-14400F | |
Core Ultra 7 155H |
赤バーはデスクトップ向けCPUで、その他はモバイル版になります。Core i9-14900HXはCore i7-14700並み、Core i7-14650HXはCore i5-14600並みの性能です。
グラフィック性能
グラフィックボードのスコアは当サイトで計測したものや、UL Solutionsが発表しているスコアの平均値です。
執筆時現在、RTX 4060とRTX 4070 Superが選択できます。
DirectX 11で動作するFire Strikeのスコアです。
Fire Strike
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 4090 | |
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RTX 4080 | |
RTX 4070 Ti Super | |
RTX 4070 Ti | |
RTX 3090 Ti | |
RTX 4070 Super | |
RTX 4070 | |
Radeon RX 6800 XT | |
RTX 4060 Ti | |
RTX 4060 |
サポート・保証
Lenovo製品には標準で1年間の「引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長4年まで延長できます。(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)
引き取り修理とは、万が一の際にLenovo指定業者がPCを引き取りに来て、リペアセンターに配送、修理後、郵送してくれるサービスで、保証期間内は郵送費などは無料です。
また、Legion Ultimate Support(最長4年まで延長可)という「ゲーミングに特化した24時間サポート」も1年付いており、このサポートの特徴は、パソコンの不具合の対処法や使い方の事だけじゃなく、最新ゲームの推奨環境やゲームを快適にプレイする上での知識・どうやったら勝てるかなども提供しています。
まとめ
(おそらく)Intelのおかげでデスクトップ版じゃなくモバイル版のCPUを採用した機種ですが、ベンチマークのスコアは高く(マックスTDPも高い)、普通に使えるCPUだと思います。
旧モデルよりも拡張性が落ちているのが気になりますが、総合的に見るとミドルハイクラスのゲーミングPCなので、多くの人に選びやすいスペックだと思います。
また、サイドパネルはツールレスで取り外しができるので、メモリとSSDの増設やメンテナンスもしやすいと思います。
また、筐体がかっこよくなりましたね。特に、天面のRGBライティング付きファンは好きです。