2020年6月にリリースされたLegion 750iの兄弟機種で、よりスリムに、より軽くなった機種です。
クリエイターにも使いやすく、もちろん、ゲーマー向けの機種で、ゲーミングPCとして見るとミドルユクラス、クリエイターPCとして見たら比較的ハイスペックPCだと思います。
ゲームだけでなく、Web用画像編集にも合うsRGB 100%の色域や、製版向け画像編集にも合うAdobe RGB 100%の色域もあり、もちろん、Adobe Premiere CCなどを使った動画編集も快適にできます。
本機種はスリムで持ち運びがしやすいので、毎日持ち運びをする大学生にも合うと思うし、外出先でゲームや動画編集を、と考えてる人にピッタリですね。
Contents
Legion Slim 750iスペックレビュー
CPU | Intel core i7-10750H Core i9? |
---|---|
メモリ | 最大16GB |
ストレージ | SSD 1TB |
グラフィックス | NVIDIA GeForce GTX 1660Ti Max-Q NVIDIA GeForce RTX 2060 Max-Q |
ディスプレイ(15.6型) | FHD IPS 光沢無し sRGB 100% 4K UHD Adobe RGB 100%,HDR 400,Dolby Vision |
リフレッシュレート | 144Hz(FHD) 60Hz(UHD) |
OS | Windows 10 Home |
Microsoft Office | 搭載機種あり |
無線 | WiFi6、Bluetooth v5.0 |
生体認証 | 指紋センサー |
オーディオ | Dolby Atmos for Gaming |
寸法 | 356x250x15.9㎜ |
重さ | 1.86㎏ |
バッテリー | 8.0時間 |
保証 | 1年間 |
発売日 | 19.7万円~ |
CPUはハイパフォーマンスモデルのHシリーズが搭載で、Core i7と高い性能ですね。ハイスペックなゲーミングPCやクリエイターPCに搭載されるスタンダードなものです。仕様書を見るとCore i9-10980HK搭載モデルもあるみたいですが、現時点で発表されている機種は、Core i7-10750Hのみとなっています。
搭載メモリはDDR4-3200MHzで、オンボード(8GB)+スロット(8GB)の16GBになっています。ただし、Core i7-10750Hはメモリサポートが2933MHzまでなので、2933MHzで動作します。
ストレージは高速タイプの、SSD M.2が搭載です。最高峰のデータ転送速度があるので、サクサク快適です。
グラフィックボードはミドルクラスのGTX 1660 Tiか、RTX 2060が搭載です。中量級ゲームならまず問題なくプレイ出来るし、重量級ゲームは画質調整をすればプレイできるものもあります。
ディスプレイは2種類あり、フルHD・リフレッシュレート144Hzで、高色域のsRGB 100%なのでより鮮やかな描写になっています。もうひとつは4K UHDで、HDR(ハイダイナミックレンジ)にAdobe RGB 100%の色域です!ポスターなどの印刷用画像編集に向いているほど色域が高いですが、リフレッシュレートが60Hzなので、ゲームをする場合はリフレッシュレートが144Hzのモニターを使ってプレイした方がいいですね。
ゲームをする場合はもちろん有線接続が良いですが、次世代通信規格のWiFi6にも対応しているので、無線でも安定した高速通信が可能です。
画像編集や動画編集、CG作成などをするクリエイターPCを探している人はUHDディスプレイを、ゲーミングPCを探している場合はFHDディスプレイを選べば快適に使えますね。
また、この15.6型でこの性能のノートパソコンとしてはかなり軽いし薄いので、持ち運びがしやすいし、おしゃれです。
Legionシリーズの比較
本機種の最大の特徴は「小型軽量でクリエイターも使える機種」の、一言に尽きます。スペックだけを見ると、兄弟機種のLegion 750iの方がよりゲーミングPCとしての性能が高く、モデル違いのLegion 550Piと似たようなものになっています。
Legion 550Pi | 本機種 | Legion 750i | |
CPU | Core i7-10750H | Core i7-10750H Core i9? |
Core i7-10750H |
メモリ/最大 | 16GB/32GB 2スロット |
16GB/24GB 1スロット+オンボード |
16GB/32GB 2スロット |
ストレージ | SSD 512GB | SSD 1TB | SSD 1TB |
ディスプレイ | FHD(sRGB100%) | FHD(sRGB100%) UHD(Adobe RGB 100%) |
FHD(sRGB100%) |
リフレッシュレート | 144Hz | 144Hz(FHD) 60Hz(UHD) |
240Hz |
GPU | GTX 1660Ti RTX 2060 |
GTX 1660Ti Max-Q RTX 2060 Max-Q |
RTX 2060 RTX 2070S Max-Q RTX 2080S Max-Q |
WiFi6 | 対応 | 対応 | 対応 |
寸法 | 363.1×259.6×23.6㎜ | 356x250x15.9㎜ | 359.3x259x19.9㎜ |
電源 | 230W | 230W | 230W |
重さ | 2.3㎏ | 1.86㎏ | 2.25㎏ |
バッテリー | 10.8時間 | 最大8時間 | 最大9時間 |
価格 | 12.9万円~ | 19.7万円~ | 16.5万円~ |
注)Legion 550PiはGTX 1650モデルもありますが、割愛しています
本機種はより性能が高いLegion 550Piもあれば、Legion 750iもあるので、「パソコンの持ち運びをする人」、「薄いゲーミングPCが欲しい人」に合うと思います。
また、クリエイターPCとして購入する場合で4K UHDディスプレイを選んだら、リフレッシュレートが60Hzなので、ゲームは快適ではないですよね。となると、UHDを選ぶならクリエイターPCとしてのみ使うか、外付けモニターを使ってハイリフレッシュレートで楽しむかになります。
まぁ、どちらにしても薄型の方がおしゃれなので、持ち運びしない人でもメリットはあると思いますが。
Legion Slim 750iの特徴
薄いですね。しかも他のLegionよりも500g近く軽く、普段使いのIdeaPad並みの軽さですね。前モデルのLegion 750iと大きさを比べてみます。
幅 | 奥行き | 高さ | 重さ | |
本機種 | 356㎜ | 250㎜ | 15.9㎜ | 1.86㎏ |
750i | 359.3㎜ | 259㎜ | 19.9㎜ | 2.25㎏ |
奥行きは9㎜、高さは4㎜、重さは約400gも小さくなっています。同じインチ数でここまでできたのはすごいですね。しかも、薄いですね。IdeaPadの14型並みです。
ゲーミングPCの中ではかなりの小型軽量モデルになっています。
小さくなったとは言っても、排気口は左右の側面と背面に大きく取られており、底面の吸気口もがっつりとあるので、エアフローは良さそうです。
<背面の排気口>
<底面の吸気口>
ここまで小型にできた要因として、Coldfront 2.0という冷却システムを採用し、82枚のブレードで構成されるデュアルファンは静音性と冷却性が高く、鋼製のフィンサーマルもあるので熱が分散され冷やされやすいとのことです。
ディスプレイ上部に「Legion」と刻印されているのですが、レーザーを使用した刻印だそうです。
素材
素材はアルミニウムを使用しており、耐久性も高く軽量です。
キーボード
キーボードはカーソルキーが特徴的ですね。若干下に出っ張った感じで、キーも大きいので押しやすいです。また、キーピッチは1.3㎜と普通です。
キー内部にはラバードーム形状のソフトランディングスイッチがあり、タイプ感が上がっているとのことです。
CPU
Intel core i7-10750H | |
開発コード | Comet Lake |
製造プロセス | 14nm |
コア/スレッド | 6/12 |
ベースクロック | 2.6GHz |
ターボブースト時 | 5.0GHz |
キャッシュ | 12MB |
TDP | 45W |
CPUはハイパフォーマンスモデルのHシリーズで、現状ではCore i7-10750Hのみになっています。
こちらはCPUの性能を測るPassmarkスコアです。
[visualizer id=”17050″ lazy=”no” class=””]スコアは12903と高い性能ですね。
こちらはシングルコアとマルチコアの性能を測る、Cinebench R20です。
[visualizer id=”17056″ lazy=”no” class=””]マルチコアもかなり高いですが、シングルコアがかなり高性能なので、ゲームがやりやすいです。
グラフィックス
RTX 2060 Max-Q | GTX 1660 Ti Max-Q | |
アーキテクチャー | Turing | Turing |
CUDA コア | 1920 | 1536 |
ベースクロック | 975MHz | 1140MHz |
ブーストクロック | 1185MHz | 1335MHz |
レイトレーシング | 対応 | – |
メモリタイプ | GDDR6 | GDDR6 |
メモリ帯域幅 | 264GB/秒 | 288GB/秒 |
メモリ容量 | 6GB | 6GB |
NVIDIA GeForce RTXシリーズはリアルタイム レイトレーシングが可能で、3Dの描写が現実世界のように見えます。「レイトレーシング」とは、光線(光)がどのように動くか追跡して表現する技術で、これを「リルタイム」でシュミレートし描写する技術なんです。
<NVIDIAより>
画像右の方が光やガラスの反射も鮮明だし、没頭感が違いますね。また、fpsを落とさずに画質を上げることが出来るDLSSにも対応しているので、より鮮明な映像が楽しめます。
[visualizer id=”17062″ lazy=”no” class=””]GTX 1660 Ti Max-QとRTX 2060 Max-Qは15%ほどの性能差になりますが、先述したようにRTX 2060のみ「レイトレ」に対応しています。また、CUDAコアは20%以上差があるし、NVIDIA STUDIOというクリエイティブソフトが使いやすくなる機能もあります。
ゲームベンチマークスコア
こちらは各ゲームのベンチマークスコアで、単位はfps(1秒間に更新されるコマ数)になります。通常、60fps以上が「快適」で、それ以下はカクツキがあったりします。また、ベンチマークは状況やスペック、回線によっても変わるので参考値としてみてください。
[visualizer id=”17099″ lazy=”no” class=””] [visualizer id=”17087″ lazy=”no” class=””]ディスプレイ
液晶/光沢 | 輝度 | 色域 | その他 | |
FHD | IPS 光沢無し |
300nit | sRGB 100% | 144Hz Dolby Vision |
UHD | IPS 光沢無し |
600nit | Adobe RGB 100% | 60Hz Dolby Vision VESA HDR 400 |
FHD | フル・ハイディフィニション、解像度1920x1080 |
---|---|
UHD | ウルトラ・ハイディフィニション、解像度3840x2160 |
IPS | 視野角が広く、コントラスト比も比較的高く、自然な色合いが描写できる |
光沢なし | 映り込みが軽減された液晶 |
nit | 輝度(明るさ)を表す単位で、通常250前後が標準 |
コントラスト | 最少輝度(黒色)と最大輝度(白色)の差。差が大きいとより鮮やかで、力強い描写が可能 |
HDR | ハイ・ダイナミック・レンジの略で、黒つぶれ、白飛びなどが無く、より本来の色を表現できる |
Dolby Vision | Dolby独自の規格。最大輝度を高め、より大きなコントラストに滑らかなグラデーション、そして高い色域を表現できる |
sRGB | 色空間の規格。web用画像編集に向いている色域 |
Adobe RGB | アドビ社の色空間規格。より多彩な色を表現できる。画像編集・製版向けスペック |
60Hz/144Hz | リフレッシュレート(1秒間に画面が更新できるコマ数) |
何度か言ったように、ゲームもしくはWeb用画像編集をするならFHDで、動画編集や製版向け画像編集をするならUHDですね。
<色域図>
上の図は色域を表すもので、カラフルな楕円は私たちが視覚出来る領域です。三角は、それぞれの色域が表現できる領域になります。この図だけ見るとsRGB100%って大したことない様に見えますが、一般的な(もしくは色域が記載されていない)ノートパソコンのディスプレイはsRGB 100%の6割ぐらいの領域なので、sRGB100%は比較的高い色域になります。
UHDを選択した場合は、144Hzなどの外付けモニターを使ってゲームをすれば、快適にできます。
メモリ
仕様書によると、メモリはDDR4-3200MHzが搭載ですが、Core i7-10750Hは2933MHzまでの対応なので、2933MHzで動作します。
メモリはオンボード1つ(8GB)にスロット1つ(8GB)の最大16GBで、ほとんどのゲームはこれで十分だと思います。欲を言えば、スロット2つが良かったですね。
ストレージ
ストレージは、高速タイプのSSD M.2 PCIe NVMeが搭載です。
現時点ではPCIe 3.0×2か3.0×4か、もしくは4.0×4か分かりませんが、Legion 750iにはPCIe 3.0×4が搭載なので、同じか4.0×4になると予想されます。
インターフェイス
背面には、USB-A 3.1が2つと電源コネクタがあります。
左側面にはマイク・ヘッドフォンジャック、4-in-1メディアカードリーダーが、右側面にはThunderbolt 3が2つあります。
なんか不思議なインターフェイスですね、USB-Aが背面のみって・・・
まぁ、ここ最近のクリエイターPCの様に、「全てをThunderbolt経由で使ってください」ってことなんだと思います。やはりThunderbolt対応のドッキングステーションも、今後必要になるかもしれないですね。(って言うか、あった方が便利ですね)
Thunderbolt 3は、
- データ転送
- 映像出力(Display Port<アダプタ経由でHDMIやDVI、VGAも>)
- 給電可能
- 最大データ転送速度は40Gbps
とかなり速いので、使い勝手はいいですね。というか、新しいPCにはThunderbolt搭載機種が増えてきたので、数年したら標準の規格になっているかもしれませんね。
保証・サポート
サポートはLegion Ultimate Support(最長4年まで延長可)という「ゲーミングに特化した24時間サポート」もあり、このサポートの特徴は、パソコンの不具合の対処法や使い方の事だけじゃなく、最新ゲームの推奨環境やゲームを快適にプレイする上での知識・どうやったら勝てるかなども提供しています。
保証は1年間引き取り修理で、万が一の際にLenovo指定業者がPCを引き取りに来て、リペアセンターに配送、修理後、郵送してくれるサービスで、保証期間内は郵送費などは無料です。
最長4年まで延長できます。
まとめ
LenovoのゲーミングPCとしてはスペック的にミドルクラスですが、軽くて小さいゲーミングPCを探している人や、編集作業をするクリエイターPCを探している人には、合う機種だと思います。
クリエイターにもゲーマーにも使いやすい機種です。