本機は久しぶりのLegion 5シリーズです。Legion 5シリーズは2022年に販売されたLegion 570iが最後で、2023年は新しいモデルが出ませんでした。
現在LegionではSlimモデルとProモデル、そしてその中間の無印モデル?(正確に言えば、Legion 5iシリーズ)になります。
全体的に卒のない構成で、生体認証がない以外は特に不満もないと思います。
レビュー機はメーカーからお借りしており、スペックはCore i7-14650HX、メモリ32GB、SSD PCIe 4.0 1TTB、RTX 4060になります。
追記)2025年4月に情報をアップデートしています
・新着セール情報
Contents
Legion 5i Gen 9 16型(インテル)のスペック
CPU | Core i7-14650HX |
---|---|
メモリ | 16GB搭載(最大32GB) |
ストレージ | SSD 最大1TB(M.2スロット空き1つあり) |
グラフィックス | RTX 4050 RTX 4060 RTX 4070 |
ディスプレイ(16型) | WQXGA IPS 165Hz/240Hz |
OS | Windows 11 Home/Pro |
通信 | Wi-Fi 6E、1ギガビットイーサネット |
生体認証 | ― |
WEBカメラ | FHD |
オーディオ | Nahimicオーディオ |
寸法(幅×奥行×高さ) | 359.7 × 262.3 × 19.7~25.2mm |
重さ | 約2.3㎏ |
カラー | ルナグレー |
バッテリー(JEITA 3.0) 電源 |
最大約5.1時間 230W |
標準保証 | 1年間(Legion Ultimate Supportもあり) |
価格 | 15.3万円~ |
<性能評価>
パソコンの頭脳であるCPUはインテル第13世代と14世代が搭載で。 4種類のハイパフォーマンスモデルから選べます。一番性能が低いCore i5-13450HXでも約2.4万のCPU Markスコアがあるので、どれも高い性能です。
メモリはDDR5-4800MHzが搭載で、最大32GB(16GB×2)になります。処理速度も速く、最大容量も大きいので、安心してゲームをプレイできます。ただし、16GBメモリは8GB×2枚と16GB×1枚の2種類があるので、ご注意を。
ストレージも最新のSSD PCIe 4.0が搭載で、最大1TBを搭載できます。また。M.2スロット(Type-2242)が一つ空いており、増設も可能です。
ディスプレイは画面アスペクト比が16:10と縦に長く、 16インチの本機は17インチ並みの情報が表示できます。より多くのものが見え、細かい部分まで見えるのでゲームを有利に進めることができます。
解像度は2.5KのWQXGAで、視野角が広いIPS液晶が搭載です。リフレッシュレートは165Hzか240Hzと高く、ぬるぬるプレイできます。
色域も広いsRGB 100%で、ゲームだけじゃなく画像編集をするクリエイターにも向いています。一般的なゲーミングPCと違い、輝度は350ニトか500ニトと高いので、屋外で作業をするクリエイターも安心です。
グラフィックボードはミドルクラスのRTX 4050、ミドルハイエンドの4060、そしてぎりぎりハイエンドと呼んでよいRTX 4070になります。先日RTX 4050搭載の兄弟モデルをレビューしましたが、いろんなゲームができます。
通信はWi-Fi 6Eと1ギガビットイーサネット搭載で、無線でも有線でも安定した高速通信が可能です。また、オーディオはゲームサウンドに定評があるNahimicオーディオに最適化され、スピーカーは2Wが2つ搭載です。
電源は230Wで、4セル80Whrのバッテリーが搭載し、JEITA 3.0で最大5.1時間の動画再生時間があります。ちょっとした気分転換にリビングやベランダに出てプレイするときも、短時間であればプレイできますね。
インターフェイスも豊富にあり、左右背面に分散しているのでケーブルの抜き差しがしやすい反面、デスク上が散らかりやすいです。
旧モデルとの比較
先述しましたが、旧モデルは2022年発売のLegion 570iになると思います。いつもであれば毎年新しいモデルが出るので詳細を比較しますが、2年前の機種であまり比較対象にならないので、今回は省略します。
RGBライティング付きキーボード
キーボードはLegion Truestrikeゲーミングキーボードで、84キー、4 Zone RGBライト付きになります。
ライティングはLenovo Vantageから簡単に設定できます。
主要キーは同じ大きさ、矢印キーも大きく、そして下に飛び出しているのでミスタイプも少ないと思います。
キーピッチ(キーの中心から次のキーの中心までの距離)は18.9×18.5mmで、フルサイズに近いので手が大きな人でも使いやすいです。
<キーが湾曲しており、タイピングしやすく打鍵感も良い>
Legion Truestrikeは、ソフトランディングスイッチがあり、打鍵感が良く入力がしやすいです。(パンタグラフ内にあるラバードームの形状を変え、深いキーストロークがあるような感触が得られる仕様です)。
キーストローク(キーを押し込む距離)は1.5ミリで打鍵感もあり、悪くないです。
タッチパッドは75×120㎜と大きく操作もしやすいので、ゲーム以外の時にも使いやすいです。
最新・最高峰のインテル14世代CPU搭載
Core i5-13450HX | |
Pコア | 6 |
Eコア | 4 |
スレッド | 16 |
キャッシュ | 36MB |
インテルThermal Velocity Boost | – |
インテルターボブーストMax3.0 | – |
Pコア最大周波数 | 4.6GHz |
Eコア最大周波数 | 3.4GHz |
GPU実行ユニット | 16EU |
ベースパワー | 55W |
マックスパワー | 157W |
Core i7-14650HX | Core i7-14700HX | Core i9-14900HX | |
Pコア | 8 | 8 | 8 |
Eコア | 8 | 12 | 16 |
スレッド | 24 | 28 | 32 |
キャッシュ | 30MB | 33MB | 36MB |
インテルThermal Velocity Boost | 5.2GHz | 5.5GHz | 5.8GHz |
インテルターボブーストMax3.0 | 5.1GHz | 5.4GHz | 5.7GHz |
Pコア最大周波数 | 5.2GHz | 5.5GHz | 5.8GHz |
Pコア基本周波数 | 2.2GHz | 2.1GHz | 2.2GHz |
Eコア最大/基本周波数 | 3.7/1.6GHz | 3.9/1.5GHz | 4.1/2.2GHz |
GPU実行ユニット | 16EU | 32EU | 32EU |
ベースパワー | 55W | 55W | 55W |
マックスパワー | 157W | 157W | 157W |
なぜだか13世代もありますが、14世代CPUも搭載しています。14世代のCore i5-14450HXは品薄だったのでしょうか?
それはさておき、CPUはPコア(Performance Core)とEコア(Efficient Core)の2つを搭載しており、高負荷な作業はPコアで処理を、低負荷な事はEコアで処理することによって、パワフルでも省電力性を兼ね揃えたCPUになっています。
また、Intel Thread Directorというハードコアが、命令をより効率よくPコアとEコアに割り当てて実行できるので、性能もかなり上がっています。
また、ターボブーストMax3.0対応で,プロセッサーの中の最もパフォーマンスの高いコアを識別し、電力と熱のヘッドルームを利用して、必要に応じてそれらのコアの周波数をあげることにより更なるパフォーマンスを提供します。
インテル Thermal Velocity Boostは、プロセッサーが最高温度未満で動作し、かつターボ機能に割り当てられる電力がある場合に、シングルコアとマルチコアのインテル ターボ・ブースト・テクノロジーの動作周波数以上に、プロセッサーのクロック周波数を自動的に上昇させる機能です。
ただし、搭載CPUは14世代ですがCore Ultraじゃないので、AI専用コアであるNPUは搭載していません。
こちらはCPUの性能を測るCPU markスコアで、Core i7-14650HXは37460と高いスコアでした。
スコアの目安
- 7000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 10000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 15000~・ハイエンドPCに搭載される
- 18000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i9-14900HX | |
---|---|
Core i9-13900HX | |
Core i7-14700HX | |
Core i7-14650HX | |
Core i9-12900HX | |
Core i7-1370P | |
Core i5-13650HX | |
Core i7-1360P | |
Core i5-1350P | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1340P | |
Core i5-1240P |
Cinebench 2024のスコアで、Cinema 4DのデフォルトレンダリングエンジンであるRedshiftのパワーを利用して、CPUとGPUの能力を計測します。計測結果はマルチコア1056、シングルコア113と高い性能でした。
他のCPUとの比較です。
マルチコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Core i7-14650HX+RTX 4060 | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Ryzen 7 8845HS | |
Apple M1 Max | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 5 125U | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 7 155U | |
Apple M1 | |
Core Ultra 7 258V | |
Core i7-1280P |
シングルコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 7 258V | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core i7-14650HX+RTX 4060 | |
Apple M1 Max | |
Apple M1 | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Ryzen 3 8300GE | |
Ryzen 7 8845HS | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 7 155U | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 5 125U | |
Core i7-1280P |
こちらはPCMark10の計測結果で、Essentialは「通常用途(Web検索やビデオ会議、アプリの起動など)の性能」、Productivityは「Microsoft Office(事務系のアプリ)使用時の性能」、Digital Content Creationは「コンテンツ作成(画像・動画編集など)のしやすさ」を表しています。
総合性能の目安は以下になります。
・9000以上・・・超ハイスペック(主にグラボ搭載機種)
・7500以上・・・ハイスペック
・5000以上・・・ミドルクラス
・2500以下・・・エントリ―クラス
本機種のスコアです。
- 総合性能は7635→ハイスペック
- Essentialは10449→通常用途やビデオ会議などはかなり快適にできる
- Productivityは9456→かなり快適に使える
- Digital content creationは12223→かなり高い性能
Essential
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Ryzen 5 8640HS | |
Core i7-14650HX+RTX 4060 | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 5 125U | |
Core Ultra 5 125H | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Core Ultra 7 155U | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 3 5425U | |
Ryzen 3 7335U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Ryzen 5 5500U |
Productivity
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Core i7-14650HX+RTX 4060 | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 7 155U | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125U | |
Ryzen 3 5425U | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 3 7335U | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Core i5-1235U |
Digital Content Creation
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-14650HX+RTX 4060 | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 5 125U | |
Ryzen 7 7735U | |
Core Ultra 7 155U | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 3 7335U | |
Core i5-1235U | |
Ryzen 3 5425U |
5分の4K動画を撮影し、Davinci Resolveでレンダリングにかかった時間です。当然ですが、時間が短いほうが高性能です。3回計測し平均は1分51秒とすごく速く、グラボ搭載のデスクトップと変わりないです。
4K動画レンダリング速度
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1260P | |
---|---|
Core Ultra 7 155U | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 5 125U | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core i7-14650HX+RTX 4060 | |
Core i7-14700+RTX 4060 | |
Core Ultra 265K+RTX 4070 Ti |
ハイスペックディスプレイ
ディスプレイはWQXGA(2560×1600ドット)IPS液晶、光沢なしで色域はsRGB 100%になります。高精細で色域も広く、ゲーム用途のみじゃなくクリエイティブワークにも使えるスペックです。また、NVIDIA G-Syncに対応し、カクツキやスタッタリングが起こりにくいです。
リフレッシュレートは165Hzか240Hzとぬるぬるで、165Hzモデルは輝度350ニト、240Hzモデルは500ニトとかなり明るいです。もし現在165Hzモニターを使用しており、プレイが伸び悩んでいたら240Hzを試してみるのも良いですが、通常であれば165Hzでもぬるぬるなのでこちらでよいと思います。
ディスプレイは画面アスペクト比が16:10と縦に長く、16インチでも17インチ並みの情報が表示されます。外出先で使うことがある人は、すごく作業がはかどりますね。
色域はWeb用画像編集に向いているs RGB 100%(画像右)で、一般的なPCに搭載される右のディスプレイと比べると全然色彩が違いますね。Dolby Visionに対応しており、黒飛や白潰れがしにくくなっています。
これは黒の描写がどのくらいできるかの確認画像で、左が本機、右はオリジナルです。
本機は黒がそんなに黒くなく、右端の煙がすごく多いです。暗闇にいる敵を見つけやすいという副産物的なメリットはありますが、本格的な画像・動画編集には向かないかもしれません。
視野角は広く、どこから見ても見やすいです。
輝度は350ニトか500ニトで、こちらは輝度の目安です。
220ニト | 室内ならなんとか使える。明るい室内では暗く見える |
---|---|
250ニト | 室内向け。屋外では日陰ならギリギリ使える |
300ニト | 屋外の日陰でも見える |
400ニト | 屋外でも使いやすいが、直射日光が当たるとちょっとくらい |
500ニト | 屋外向け |
600ニト | 画面に直射日光が当たっても比較的見える |
RTX 40シリーズ搭載
RTX 4070 Laptop | RTX 4060 Laptop | RTX 4050 Laptop | |
コードネーム | Ada Lovelace | ||
CUDAコア | 4608基 | 3072基 | 2560基 |
RTコア | 36基 | 24基 | 20基 |
Tensorコア | 144基 | 96基 | 80基 |
ブーストクロック | 2175MHz | 2370MHz | 2370MHz |
メモリタイプ | GDDR6 | ||
メモリ容量 | 8GB | 8GB | 6GB |
メモリバス幅 | 128ビット | 128ビット | 96ビット |
メモリ帯域幅 | 256GB/s | 256GB/s | 192GB/s |
TGP | 140W | 115W | 105W |
RTX 40シリーズ搭載でどのGPUもレイトレ対応で、より美しい描写が可能です。また、DLSSにも対応しているので、ゲームによってはfpsを落とさずに画質をアップできます。
<DLSS ONとOFFの比較・NVIDIA公式より>
次はゲームの3DMarkを使い、グラフィック性能を測ります。
Steel Nomad Lightは9527、Wild Lifeは58393、Fire Stikeは23751、そしてNight Raidは61698と高い性能でした。
Steel Nomad Liteは、DirectX 12 Ultimateの性能をテストし、レイトレーシングを使用しない中量級ゲームを想定したベンチマークです。スマホなどの他のデバイスとスコアを比較できる、クロスプラットフォームです
Steel Nomad Light
オレンジ/本機種 赤/GTX 1650 Max-Q
RTX 4060/平均 | |
---|---|
RTX 4060/本機 | |
Ryzen AI MAX+ 395 | |
RTX 4050 | |
RTX 3050 | |
Ryzen AI 9 HX 370 |
Wild Life
オレンジ/本機種 赤/GTX 1650 Max-Q
RTX 4060/平均 | |
---|---|
RTX 4060/本機 | |
Ryzen AI MAX+ 395 | |
RTX 4050 | |
RTX 3050 | |
Ryzen AI 9 HX 375 |
Fire Strike
オレンジ/本機種 赤/GTX 1650 Max-Q
RTX 4060/本機 | |
---|---|
RTX 4060/平均 | |
Ryzen AI MAX+ 395 | |
RTX 4050 | |
RTX 3050 | |
Ryzen AI 9 HX 370 |
Night Raid
オレンジ/本機種 赤/GTX 1650 Max-Q
RTX 4060/本機 | |
---|---|
RTX 4070 | |
Ryzen AI MAX+ 395 | |
RTX 4060/平均 | |
RTX 4050 | |
RTX 3050 | |
Ryzen AI 9 HX 375 |
次は2Dゲームのベンチマークで、どちらもFHD最高品質で計測しています。
軽めのゲームであるドラゴンクエスト10は23836で「すごく快適」、重ためのFFXIV黄金のレガシーは16357で「非常に快適」でした。
ゼンレスゾーンゼロはデフォルトでは2.5Kでしたが、グラボがRTX 4060なのでFHDでプレイしました。
・最高設定: (レンダリング精度を1.2に変更)
散策シーン -> 問題ない、そこそこ快適にプレイ可能
戦闘シーン -> エフェクトの多いシーンでFPSが40を切る、プレイできなくはないが、カクつくので設定を下げるべき
・高設定: (レンダリング精度を1.0に変更)
戦闘シーン -> 60fpsを切るシーンもあるが、許容範囲内、まだ気になるようであればさらに設定を下げれば良いと思う
ゼンゼロは重いので、RTX 4060だと画質を下げたほうが良いですね。
Legion Coldfront Hyper採用の排熱性能
今まではLegion Coldfront 5.0という冷却システムを採用していましたが、本機はLegion Coldfront Hyperと進化したものになっています。
Legion ColdFront Hyper は、ゲーミングPCの熱設計に新たな基準を打ち立てました。ゲーマー向けに設計された放熱システムは、ファンが内側に回転し、連動して背面から熱風を効率的に排出します。サイドの通気口付近でマウスを使用しているときに熱風が手に吹きかかることはありません。また、専用の密閉型ハイパーチャンバーが熱を封じ込めるため、システムは最適な温度を維持し、さらに10W増しの電力を供給し、ノイズレベルを2dB下げ、温度を下げることができます。
特にインテルCPUはどんどんW数が上がっているし発熱も大きいので、ゲーミング各社は冷却技術がどんどん進化していますね。
また、Lenovo LA1 AIチップを搭載しており、CPUとGPU間でパワーを動的に配分するセンサーを備え、パフォーマンスを最適化しファンノイズを最小限に抑えます。
排気口はワイドで大きいです。
筐体内部には2つのファンにヒートパイプ、ヒートシンク、そしてハイパーチャンバーがあります。
Cinebench 2024を実行中に、PC表面温度と騒音値を計測しました。
PC表面温度は、40.5°結構高めの温度で、騒音値は平均66dBとかなりうるさいです。レビュー機が古くて過酷なベンチマークを何度も繰り返したせいでこうなっていると思いますが、それにしても音は大きいです。
メモリとSSDの増設ができる
メモリスロットは2つで、最大32GB(16GB×2)にできます。
M.2スロットももう1つあり、Type-2242を増設できます。
その他の特徴
Lenovo Vantage
Lenovo Vantageでサーマルモードを、最も高い性能が出る「パフォーマンス」、ミドル性能の「バランス」、そして一番低い性能の「静音」に設定でき、GPUクロックアップやOver drive、AIパフォーマンスチューニングなどにより、快適にゲームができます。
また、先述したようにキーボードライティングもここで設定できます。
ゲームをしながら他のこともする人は、ネットワークブーストを有効にしておくと、ゲームが優先になり速度が最大になります。
外観
かっこいいですよね。Legion好きなんですよね。
ベゼル(画面の黒い枠)がすごく細く、上左右は実測6ミリ、下ベゼルなんてほとんどないですね。すごくスリムです。
寸法は
・幅 359.7㎜
・奥行 262.3㎜
・高さ 19.7~25.2㎜
となっています。
ただし、ゲーミングPCは筐体背面が出っ張っているので、奥行きはちょっと大きめです。
重量は実測2434グラムと重たいですが、このスペックだとこんなものだと思います。
天板はアルミニウムでしたが、その他は樹脂素材でした。20万円越えのPCなので全部メタルにしてほしかったですね。
ディスプレイは約180°開くことができ、画面をシェアするようなことがある人には使いやすいです。
なぜだかわかりませんが、背面のカバーは替えが入っていました。
Webカメラ周り
Webカメラは高画質FHD 1080pで、電子式プライバシーシャッターに対応です(スイッチは右側面にあり)。
電子式プライバシーシャッターなので、ONでもOFFでもカメラの見た目は変わりません。
一般的なノートパソコンに搭載されるHD 720pと比較したら、毛並みが見えるくらい画質が上がっています。
オーディオはゲームに合うと定評のあるNahimicオーディオで、2Wスピーカーが2つになります。
メモリ性能
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
搭載メモリはDDR5-4800MHzで、最大32GBになります。メモリスロットが2つあり、最大32GBまで対応しているので、自信のある方は自分で増設してもいいと思います。
Memory Markを計測したら3394と高い性能でした。
Memory Mark
オレンジ色・・・本機種 赤・・・同等メモリ
本機種/DDR5 | |
---|---|
LPDDR5X平均 | |
DDR5平均 | |
LPDDR5平均 | |
LPDDR4X-4266MHz平均 | |
DDR4-3200MHz平均 |
ストレージ
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
搭載ストレージはSSD PCIe 4.0×4で、公式サイトでは最大1TBにできます。PCIe 4.0に対応したM.2スロットType-2242が一つあるので、こちら自を分で増設できます。
シーケンシャル速度を計測したらリード(読み込み速度)は7111MB/秒、ライト(書き込み速度)は6539MB/秒とかなり速いです。
こちらはシーケンシャル速度の、おおよその速度です。
シーケンシャル速度
オレンジ色・・・リード 青・・・ライト
PCIe 4.0×4 | |
---|---|
PCIe 3.0×4 | |
HDD |
Wi-Fi 6Eと1ギガビットイーサネット搭載
対応周波数 | 速度 | |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
次世代通信規格のWi-Fi 6Eに対応しており、現在主流のWi-Fi5より約40%最大通信速度が上がっています。また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
Wi-Fi 6EはWi-Fi 6のExtended(エクステンディット)版で、6GHz帯(高速通信)での通信ができるのですが、執筆時現在の日本では6GHz帯はまだないので使えません。最大で5GHz帯になります。
有線は1ギガビットイーサネット搭載です。
バッテリー
バッテリーは4セル80Whrと大容量で、最大バッテリー駆動時間はJEITA 3.0の動画再生時で約5.1時間になります。ゲームをするとこんなに持ちませんが、気分転換などでリビングなどの別室でちょっとやる分には問題ないですね。
インターフェイス
Thunderbolt 4はありませんが、豊富なインターフェイスで困ることはないと思います。4つあるUSB-Aのデータ転送速度は5Gbps、2つのUSB Type-Cは10Gbps(DisplayPort映像出力機能、うち1つは140WのPDに対応)になります。
左側面にはUSB 3.2 Gen 1、USB 3.2 Gen 2 Type-Cが2つ(2つとも映像出力機能付き、1つはPowerdelivery対応)、マイク/ヘッドフォンジャックがあります。
右側面はUSB-Aが2つ、microSDカードリーダー、電子式プライバシーシャッターのボタン、そしてRJ45になります。
背面にはHDMI、電源コネクタ、そしてUSB-Aです。
据え置き用だとケーブルが散らかりそうですが、持ち運びをする場合はポートが左右にもあるので使いやすいですね。
サポート・保証
標準で1年間の「引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長4年まで延長できます。
引き取り修理とは、家などの指定住所にLenovoの指定業者がPCを引き取りに来てリペアセンターに配送、修理後、郵送してくれる保証です。保証期間内は、基本的に修理費・郵送費など無料です。
また、カスタマイズモデル以外には標準で、「ゲーミングに特化した24時間サポート・Legion Ultimate Support」が付いています。このサポートの特徴は、パソコンの不具合の対処法や使い方の事だけじゃなく、最新ゲームの推奨環境やゲームを快適にプレイする上での知識・どうやったら勝てるかなども提供しています。
しかも、スタッフはゲームに精通した熟練プレイヤーなので、専門用語(ゲーム用語)やコミュニティ用語での会話が可能です!
このサポートのおかげで、初心者でも気軽にゲーミングPCデビューできるようになりましたね。
カスタマイズモデルを購入の際は、Ultimate Supportを追加できます。
まとめ
良い点
・コンパクトな筐体
・ハイスペック満載
・画面比が16:10で、16型でも17型並みの情報が表示される
・2.5Kと高精細で、リフレッシュレートが高い
・メモリとSSDの増設が可能
・WebカメラがFHD解像度
・ColdFront Hyper冷却機構で排熱性能がアップ
残念な点
・生体認証がない
・レビュー機は騒音が大きかった
・黒の描写はいまいち
・重たいので持ち運びはきつい
総合評価
ミドル~ハイエンドクラスのスペックで、最新スペックが満載です。ディスプレイも高品質で、最大240Hzとぬるぬるです。
ディスプレイが高精細で高色域のsRGB 100%なので、クリエイティブワークにも向いていますが、先述したように正確な黒の描写はできません。
また、16インチで2.4㎏と重たいので持ち運びは結構きついです。
デスクトップを置きたくないけどゲーミングPCが欲しいという人は、検討の価値もあります。