Lenovo IdeaPad Slim 550はAMD製のCPU(APU)を使っており、Ideapad Slim 550i(Intel製CPU)に比べかなり性能が高くなっています。
Ryzen 5や7は、デスクトップ並みの性能になっていますね。
こんなにコスパが高いものを出していいのか?と思うくらい性能が高いのに、値段が安いんですよね。
私は今までに数百台のパソコンのレビューをしていますが、ここまでCPUの性能が高くコスパが高いものを見たことがありません。しかもベゼル(パソコン画面の黒い枠)がここまで細いものも初めて見ました。(2020年6~7月販売のIdeapad複数商品同じベゼルになっています)
これで値段が4.6万円からとなっているので、すごい掘り出し物です。
追記)2021年3月4日
最新のRyzen 5000シリーズ搭載モデルが追加されたので、情報をアップデートしています
Contents
IdeaPad Slim 550 14型(AMD Ryzen 5000シリーズ)のスペックレビュー
プロセッサー | AMD Ryzen 3 4300U AMD Ryzen 5 4500U AMD Ryzen 7 4700U |
---|---|
プロセッサー2 | AMD Ryzen 3 5300U AMD Ryzen 5 5500U AMD Ryzen 7 5700U |
メモリ | 最大16GB |
ストレージ | 128GB~512GB |
ディスプレイ | 14型 FHD IPS 光沢なし |
グラフィックス | AMD Radeon グラフィックス |
セキュリティ | Windows Defender、プライバシーシャッター、TPM 2.0 |
無線 | WiFi5、Bluetooth v5.1 |
指紋センサー | 有り |
寸法 | 321.6×211.6×17.9mm |
重量 | 1.45㎏ |
バッテリー | 最大14時間 |
保証 | 1年間引き取り修理 |
価格 | 4.6万円~(Ryzen 4000) 6.1万円~(Ryzen 5000) |
特筆すべきところは、全てが標準以上の性能になっているのにこんなに安いところですね。
パソコンの頭脳であるCPUには最新のAMD Ryzen 5000シリーズが追加され、かなり高い性能になっています。普通に使う分にはRyzen 3 5300Uで十分じゃないのかな?と言うくらい、性能が高いですね。
メモリも最新のものが搭載で、最大16GBと十分な容量、ストレージは高速タイプのM.2 SSDが搭載で、パソコンの起動も速く、データ移動も速いですね。
ディスプレイは高解像度のフルHD、コントラスト比が高く視野角も広いIPS液晶が搭載です。輝度も300nitと高めで、この価格のノートパソコンとしては良い方じゃないかなと思います。
重さも1.45㎏と重たくないし、バッテリー駆動時間が14時間と長いので、持ち運びが多い人にも合うと思います。
唯一残念なのはWiFi6に対応していないことですが、全体的にはスペックが高いので価格以上かなと思います。
旧モデルとの比較
<左/本機種・右/Slim 550 14 Ryzen 4000シリーズ>
旧モデルも同じ名称で同じ筐体を使っており、プロセッサー関連以外は全て同じになります。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値)
本機種 | 旧モデル | |
CPU | Ryzen 3 5300U Ryzen 5 5500U Ryzen 7 5700U |
Ryzen 3 4300U Ryzen 5 4500U Ryzen 7 4700U |
メモリ | 16GB(3200MHz) | 48GB(3200MHz) |
ストレージ | SSD 512GB | SSD 512GB |
ディスプレイ | FHD IPS | FHD IPS |
無線 | WiFi5 | WiFi5 |
バッテリー | 14時間 | 12時間 |
重量 | 1.45㎏ | 1.45㎏ |
価格 | 6.1万円~ | 4.6万円~ |
プロセッサーがRyzen 4000シリーズから5000シリーズに変わり、バッテリー駆動時間も伸びています。
こちらはCPUの性能を測るPassmarkスコアです。特にRyzen 3の性能が大きく上がっていますね。
[visualizer id=”21442″ lazy=”no” class=””]執筆時現在、Ryzen 4000シリーズを搭載した機種の方が5000円ほど価格が安くなっているので、Ryzen 4000シリーズでも十分と言う人もいると思います。
ライバル機種
<左から本機種・Flex 550・Slim 350>
本機種と似たような機種との比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値。スマホの人は表を右にスクロールできます)
本機種 | Flex 550 14 | Slim 350 | |
CPU | Ryzen 3 5300U Ryzen 5 5500U Ryzen 7 5700U |
Ryzen 3 5300U Ryzen 5 5500U Ryzen 7 5700U |
Ryzen 3 4300U Ryzen 5 4500U Ryzen 7 4700U |
メモリ | 16GB | 16GB | 8GB |
ストレージ | SSD 512GB | SSD 512GB | SSD 512GB |
ディスプレイ | FHD IPS | FHD IPS | HD TN、FHD IPS |
2 in 1 PC | × | 〇 | × |
バッテリー | 14時間 | 16.1時間 | 9時間 |
重量 | 1.45㎏ | 1.5㎏ | 1.5㎏ |
その他 | USB-Cに映像出力機能あり | USB-Cに映像出力機能無し | USB-Cなし |
価格 | 6.1万円~ | 6.2万円~ | 4.7万円~ |
比較機種のFlexと言うブランドは2 in 1 PCで、ディスプレイが360度回転する仕組みのパソコンです。タブレットの様に使えたり、付属のペンでイラストやメモ取りができます。本機種との違いは、2 in 1 PCかどうかとUSB-Cに映像出力機能があるかどうかで、それ以外の仕様は全て同じです。
Slim 350は下位モデルで低画質のHDディスプレイも選べ、低価格です。
プロセッサーはRyzen 4000と5000シリーズなので、どれを選んでも高性能です。
購入のポイント
- 本機種・・・一番軽く、普通のノートパソコン。Display Port接続のモニターを使う人はこれが一番良し
- Flex 550・・・2 in 1 PCでバッテリー駆動時間も長い
- Slim 350・・・ベゼル(画面の黒い枠)が若干太くメモリが小さいが、そこまで見た目にこだわっていないなら選択肢に入ると思います
メリット・デメリット
良い点
・軽量で持ち運びがしやすい
・超高性能のRyzen 5000シリーズ搭載機種が低価格で購入可能
・ディスプレイがFHD IPSと高品質
・USB-Cに映像出力機能付き
残念な点
・WiFi6があればなお良かった
IdeaPad Slim 550 14型(AMD Ryzen 5000シリーズ)の特徴
まずは各IdeaPadのモデルを見比べて欲しいのですが、Slim 550がどれだけベゼルが狭いかと言うのが分かるかと思います。画面の90%がディスプレイになっており、左右のベゼルはもちろん、上下まですっごく細いんです。
サイズは幅321.6㎜、奥行き211.6㎜、厚さ17.9㎜と、14型では標準サイズです。
- 幅は1万円札2枚/320㎜
- 奥行きは500mlペットボトル/205㎜
- 厚さは1円玉の直径/20㎜
とほぼ同じで、持ち運びもしやすいサイズです。大学ノートA4サイズが297㎜x210㎜なので、本機はカバンにもすっぽり入るくらいですね。
重量も1.45㎏と、持ち運びしやすいかどうかの基準となる1.5㎏以下になっているし、バッテリーは最大14時間なので、一日出先で使う時でも充電ケーブルの持ち運びは必要なさそうですね。
素材
天板はアルミニウム素材でつやがあり、耐久性も高いです。キーボード面と底面は樹脂素材を使用しており、若干ですがチープさがあります。
ディスプレイ
ディスプレイも高品質で、FHD IPS液晶 300nit 光沢なし プライバシーシャッター付きとなっています。
FHD | フル・ハイディフィニション、解像度1920x1080 |
---|---|
IPS液晶 | 視野角が広くコントラスト比も高い液晶 |
nit | 輝度の単位。標準で250~300nit |
光沢なし | 映り込みが軽減された液晶 |
プライバシーシャッター | 前面カメラのカバー |
安い機種にはTN液晶という視野角が狭いものが使われることが多いのですが、本機種はより高品質なIPS液晶になっています。輝度は300nitとこのクラスのノートパソコンでは高い方で、明るく見やすいです。
視野角は広くないですが狭くない、普通くらいですね。問題なく普通に使えます。
プライバシーシャッターが搭載で、オンライン会議や授業の離席中などのWebカメラを使用していないときは、閉じておくと安心です。
プロセッサーが超ハイスペック
プロセッサーは4000シリーズと5000シリーズがあり、当然、5000シリーズがより高い性能になっています。
- Ryzen 3 4300U(4000シリーズ)
- Ryzen 3 5300U(5000シリーズ)
コア/スレッド | GPUコア | 基本クロック ブーストクロック |
キャッシュ | TDP | |
Ryzen 3 4300U | 4/4 | 5 | 2.7/3.7GHz | 4MB | 15W |
Ryzen 3 5300U | 4/8 | 6 | 2.6/3.8GHz | 4MB | 15W |
Ryzen 5 4500U | 6/6 | 6 | 2.3/4.0GHz | 8MB | 15W |
Ryzen 5 5500U | 6/12 | 7 | 2.1/4.0GHz | 8MB | 15W |
Ryzen 7 4700U | 8/8 | 7 | 2.0/4.1GHz | 8MB | 15W |
Ryzen 7 5700U | 8/16 | 8 | 1.8/4.3GHz | 8MB | 15W |
スコアの目安
- 2000~・ネットサーフィンでもストレスを感じるほど
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ゲーミングPCなど専門的な機種に搭載されることが多い
↓グラフをタップすると数値が表示されます↓
[visualizer id=”11215″ lazy=”no” class=””]一番性能が低いRyzen 3 4300Uでも、Intel core i7-10510U(ハイスペックCPUです)より性能が上だし、Ryzen 5 4500Uはスコアが11559とこんなハイスペック誰もいらないでしょ?ってくらいの性能になっています。
Ryzen 3 5300Uはなんと1万オーバーのスコアです!!どのプロセッサーを選んでも使いやすいと思います。
また、5000シリーズからマルチスレッディングと言って、スレッドがコアの倍の数になっているので、より快適に使えるようになりました。
こちらはCinebench R23のスコアで、マルチコア性能はパソコンの総合性能、シングルコア性能はクリエイティブワークをするときに気にする性能です。
Cinebench R23
オレンジ色・・・マルチコア 青・・・シングルコア
Core i7-11800H | |
---|---|
Core i5-11500H | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 5 5500U | |
Core i7-1185G7 | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 | |
Ryzen 3 5300U | |
Core i3-1115G4 |
マルチコアはすごく高いですが、シングルコアはIntelですね。
グラフィックス
3Dグラフィック性能を測る、3D GraphicMarksのスコアです。グラフィック性能が高いとOfficeワークがしやすかったり、画像・動画編集なども快適にできます。
Video Card Benchmarks
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
MX450 | |
---|---|
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 | |
MX250 | |
Ryzen 5 5500U | |
Ryzen 7 5700U | |
Core i3-1115G4 | |
Ryzen 3 5300U | |
Ryzen 7 4700U | |
Iris Plus | |
Ryzen 5 4500U | |
UHD |
メモリ(RAM)
メモリはパソコンの作業台で、メモリが大きいとより大きなファイルやデータが扱いやすくなります。
本機種のメモリはDDR4-3200MHzで、最大16GBのオンボードです。メモリの増設はできませんが、8GBあれば困ることはないし、16GBあれば十二分ですね。
また、メモリの動作周波数(MHz)は処理速度に影響するのですが、本機種は最高値の3200MHzでメモリはデュアルチャンネルなので、快適にサクサク使えます。
ストレージ
ストレージはSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)なので、起動も速いしサクサク動きます。
SSDは、みんなも聞いたことがあると思うストレージの種類・HDD(ハードディスクドライブ)と比べると、すっごく性能が高いんですね。
また、ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動などにも関わる重要なパーツなんですね。
SSD PCIe NVMe | HDD | |
最大データ転送速度 | 16Gbps~32Gbps | 6Gbps(SATA) |
平均起動時間 | 10秒~15秒 | 30秒~2分(新品の場合) |
温度 | 熱くなりにくい | 熱くなりやすい |
音 | 静か | うるさい |
サイズ | 小さい | 大きい |
価格 | 高い | 安い |
本機種にはPCIe 3.0×4と言う高速モデルが搭載で、パソコンの起動もデータのやり取りも速いです!
バッテリー
バッテリー駆動時間はRyzen 4000シリーズが最大12時間、より性能が高いRyzen 5000シリーズが最大14時間となっています。1日外出する人でも、充電アダプターの持ち運びは必要ない場合が多いと思います。
また、急速充電に対応しているので、約1時間の充電で80%ほどの充電が可能です。
インターフェイス
- 4-in-1メディアカードリー
- USB3.0
- USB3.0
- 電源ジャック
- USB3.0 Type-C(Power delivery対応、DisplayPort出力機能付き)
- HDMI
- マイクロホン/ヘッドホン・コンボ・ジャック
- Novo ボタン
インターフェイスは充実していますね。HDMIポートもあるので、テレビなどの大画面にケーブル1本で繋ぐことも出来ますね。
メディアカードリーダーは、デジカメなどのSDカードなどのデータ移動が簡単にできます。
サポート
IdeaPadでは標準で1年間の「引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長3年まで延長できます。また、Premium Careと言うサポートにアップグレードができ、こちらは24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは夕方6時まで)
引き取り修理とは、家などの指定住所に指定業者が引き取りに来て、リペアセンターに配送。修理後には返送してくれます。(郵送費などはすべてLenovo負担)
また、修理は国内でやっており、NECのコンピューター事業所で対応しているので、日本クオリティだし、修理、返送も比較的早いです。
まとめ
Lenovoのパソコンは1年間引き取り修理保証もあるので安心して購入できるし、Slim 550はかなり性能が高いので人気の機種になっていますね。
プロセッサーの性能だけじゃなく、ディスプレイもベゼルが狭くおしゃれだし。価格的にはライトユーザー向けからありますが、性能的にはがっつり使う人向けになってますね。