人気の低価格モデルSlim 350iの新モデルで、2021年1月にインテル11世代CPU搭載機種が発表されました。
執筆時現在、IdeaPadシリーズで11世代CPU搭載モデルは本機種と、本機種の上位モデルであるSlim 550iのみになっているので、安いけど高性能PCを探している人にはうってつけの機種だと思います。
14型で持ち運びがしやすいですがLenovoにしてはバッテリー駆動時間が長くないので、主に家庭で使う据え置き用か、モバイルバッテリーか充電アダプターを持ち運べば、外出が多い人でもバッテリーを気にせずに使用できます。
Contents
IdeaPad Slim 350i 14(11世代インテル)のスペックレビュー
CPU | Intel core i3-1115G4 Intel core i5-1135G7 Intel core i7-1165G7 |
---|---|
メモリ | 最大8GB |
ストレージ | SSD 最大512GB |
グラフィックス | インテルUHDグラフィックス Iris Xe |
ディスプレイ | 14型 フルHD TN液晶 光沢無し |
OS | Windows 10 Home |
Microsoft Office | Office Home &Business 2019搭載モデルあり |
無線 | WiFi、Bluetooth v5.0 |
その他 | 指紋センサーなし、SDカードリーダーあり |
セキュリティ | Windows Defender |
寸法 | 327.1x241x19.9㎜ |
重さ | 1.5㎏ |
バッテリー | 最大7.3時間 |
保証 | 引き取り修理1年間 |
価格 | 5万512円~ |
パソコンの頭脳であるCPUは、最新のインテル第11世代CPUが搭載なので、今まで以上にサクサク動きます。特に、Core i3とi7の性能が10世代CPUから飛躍的に上がっており、Core i3でもかなり快適に、Core i7は専門的な用途に搭載されるCPU並みの性能です。
また、Core i5とi7はIris Xeが搭載で、グラフィック性能がかなり高いです。外部グラフィックボードのNVIDIA GeForce MX 330~GTX 660並みの性能で、動画編集や画像編集もやりやすいです。
メモリは8GBなのでほとんどの人には十分な容量ですが、メモリスロットが1つあるので増設も可能のようです。ここ最近オンボードばかりだったので、カスタマイザーとしては嬉しいですね。
ストレージはデータ転送速度が速く、パソコンの起動が10秒ちょっとのSSD M.2が搭載です!低価格モデルといっても、質の高いパーツを使っていますね。
と、言いたいところですが、ディスプレイは若干質が低いです。解像度はフルHDなので標準的で問題ないですが、TN液晶というコントラスト比が低いものが搭載です。見にくいわけじゃないですが、色がそこまで鮮やかじゃないです。
もう一つ付け加えると、バッテリー駆動時間が最大7.3時間と短いので、持ち運びが多い人はモバイルバッテリーがあると使いやすくなると思います。
ディスプレイとバッテリー駆動時間が気にならない人は、本機種なら格安に高性能PCが買えるのでおすすめですが、ディスプレイの質を上げてバッテリー駆動時間も長いほうがいいという人は、上位モデルのSlim 550iがおすすめです。(バッテリー最大14時間、IPS液晶、価格はSlim 350iより+5000円ほど)
前モデルとの比較
旧モデルのSlim 350i 14(10世代)との比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値)
本機種 | Slim 350i(10世代) | |
CPU | インテル11世代 | インテル10世代 |
メモリ | 8GB | 8GB |
ストレージ | SSD 512GB | SSD 512GB |
ディスプレイ | FHD TN液晶 | FHD TN液晶 |
無線 | WiFi5 | WiFi5 |
バッテリー | 7.3時間 | 8.3時間 |
重量 | 1.5㎏ | 1.5㎏ |
価格 | 5万円~ | 6万円~ |
CPUが第10世代から11世代に変わっていますが、筐体自体は同じものを使用しているようです。スペックが上がり、価格が安くなっています。
10世代11世代比較
ライバル機種
本機種と似たような14型最新機種との比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値。スマホの方は表を右にスクロールできます)
本機種 | Slim 550i | Flex 550i | |
CPU | インテル11世代 | インテル11世代 | インテル11世代 |
メモリ | 8GB | 16GB | 16GB |
ストレージ | SSD 512GB | SSD 512GB | SSD 512GB |
グラフィックス | Iris Xeあり | Iris Xeあり | Iris Xeあり |
ディスプレイ | FHD TN | FHD IPS | FHD IPS |
無線 | WiFi5 | WiFi5 | WiFi5 |
バッテリー | 7.3時間 | 12時間 | 12.2時間 |
重量 | 1.5㎏ | 1.45㎏ | 1.5㎏ |
価格 | 5万円~ | 5.8万円~ | 6.2万円~ |
本機種の最大の売りは、価格の安さでしょう。ハイスペックを求める人ならSlim 550iやFlex 550iが良いですが、中の上で良いというのであれば本機種はNo.1ですね。
IdeaPad Slim 350i 14(11世代インテル)の特徴
見たところ、第10世代CPU搭載モデルから変わった部分はCPUのみですね。筐体の寸法や重さ、その他の仕様はほぼ変わってなく、CPUの性能が上がったのでバッテリー駆動時間が8.3時間から7.3時間に変わっているくらいです。
2021年にしては若干太めのベゼルで、筐体もLenovoにしては若干大きいですね。Slim 550iと差をつけるために、こうなっていると思います。
寸法は幅327.1㎜、奥行き241㎜、高さ19.9㎜で、大学ノートA4サイズ(297㎜x210㎜)と比べると、幅+3㎝、奥行き+3.1㎝となります。大きいわけじゃないですが、小さくもないサイズです。
高さ(厚さ)は1円玉(直径20㎜)とほぼ同じサイズなので、カバンに入れてもかさばりにくいと思います。
カラー
カラーはIdeaPad定番のプラチナグレーで、おしゃれですよね。
プライバシーシャッター
ディスプレイ上部のカメラを使用していないときは、プライバシーシャッターという物理シャッターを閉じることができます。こういった物理カバーは、セキュリティとして一般的になってきましたね。
CPU
Core i7-1165G7 | Core i5-1135G7 | Core i3-1115G4 | |
製造プロセス | 10nm SuperFin |
10nm SuperFin |
10nm SuperFin |
コア/スレッド | 4/8 | 4/8 | 2/4 |
キャッシュ | 12MB | 8MB | 6MB |
グラフィックス | Iris Xe | Iris Xe | UHDグラフィックス |
基本クロック | 2.8GHz | 2.4GHz | 3.0GHz |
ブーストクロック | 4.7GHz | 4.2GHz | 4.1GHz |
CPUは普段使い用のCore i3から、ビジネス用途でも快適に使えるほどのCore i5とi7があります。
スコアの目安
- 2000~・ネットサーフィンでもストレスを感じるほど
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ゲーミングPCなど専門的な機種に搭載されることが多い
↓グラフをタップすると数値が表示されます↓
[visualizer id=”17308″ lazy=”no” class=””]注)スペックや回線、状況によって数値は変動するので、参考値として見てください
Core i3でも6000オーバーのスコアがあり、もう少しで「ビジネス用途で快適に使える目安」ですね。高い性能です。
Core i5とi7はそれぞれ8357、10402となっています。すごく高い性能です。普段用PCとして購入する人でも、より快適に使いたい場合はCore i5以上がいいと思います。
というのも、「同時に複数の作業がしやすいかどうか」の目安にコアとスレッドがあるのですが、Core i3は2コア4スレッド、Core i5とi7は4コア8スレッドとなっています。
<アプリの数は例です>
コアとスレッドが多いと同時に複数のアプリを使いやすいし、多くのタブを同時に開くこともできるので、快適度合いが変わってきます。
グラフィックス
グラフィックスはCore i3にはインテルUHDグラフィックスが、Core i5とi7にはIris Xeが搭載です。UHDグラフィックスは一般的なもので、性能も普通です。Iris Xeはかなり高い性能になっており、動画編集や画像編集もしやすく、3Dエフェクトを使っても処理が比較的速いです。
[visualizer id=”17312″ lazy=”no” class=””]Core i5は外部グラフィックボードのMX350並み、Core i7はGTX 660並みの性能になっているので、動画編集もしやすいし、2Dゲームも快適にできると思います。
ディスプレイ
解像度 | 液晶 | 光沢 | 輝度 | タッチディスプレイ |
フルHD 1920×1080 |
TN | なし | ー | X |
ディスプレイは高解像度のフルHDですが、TN液晶というコントラスト比が低く、視野角が狭いものが搭載です。
コントラスト比が低いと色の深みが少なく、IPS液晶と並べて比べると色合いが違うことに気が付きます。とは言っても、フルHDなので気にならない人は気にならないと思います。
左の画像は「光沢あり」、右の画像は「光沢無し」で、一般的なノートパソコンには本機種と同じ「光沢無し」が搭載です。使っているときに自分や背景が反射しにくいので、使いやすいです。
メモリ
メモリはパソコンの作業台で、大きなメモリを搭載しているとより早く表示され、より多くのことを同時にできます。
本機種には8GB搭載なので、まず困ることはないと思います。ビジネス用途でも8GBは標準なので、十分ですね。
また、本機種はオンボードのメモリ4GB+スロットに4GBのメモリが1つ入っています。8GBのメモリ1つよりも、2枚1組で使うこのタイプの方が処理速度が速いので、普通の8GBよりもちょっと快適に使えます。
ちなみに仕様書にはメモリ最大8GBと記載されていますが、スロットが1つあるので増設も可能だと思います。
ストレージ
ストレージには高速タイプのM.2 SSDが搭載で、データ転送速度もパソコンの起動も速いです。
SSD | HDD | |
最大データ転送速度 | 16Gbps~32Gbps | 6Gbps |
平均起動時間 | 10秒~15秒 | 30秒~2分(新品の場合) |
温度 | 熱くなりにくい | 熱くなりやすい |
価格 | 高い | 安い |
セキュリティ
Windows 10には標準でWindows Defenderというセキュリティが付いており、マルウェアやフィッシングなどのウイルスからパソコンを守ってくれます。また、ファイヤーウォールやネットワークの保護もあり、特に設定をする必要はありません。
インターフェイス
1. 電源ジャック
2. HDMI
3. USB2.0
4. USB3.0
5. マイクロホン/ヘッドホン・コンボ・ジャック
6. 4-in-1メディアカードリーダー
インターフェイスはディスプレイに接続できるHDMIもあれば、USB-Aも2つ、一眼やデジカメを使っている人には必須のSDカードリーダーもあります。
お持ちの機器にUSB-Cタイプのものがあれば、USB-C – USB-Aケーブルで接続できます。
保証・サポート
IdeaPadには標準で「1年間の引き取り修理保証」が付属で、電話・チャット・LINE・メールでのサポートが付いています。引き取り修理とは、Lenovo指定業者が指定住所にピックアップに来てリペアセンターに持っていき、修理後に配送してくれるサービスです。
サポートはアップグレードでき、24時間365日専任のエージェントが対応してくれる「Premium Care」があるので、いつでも質問ができます。(通常サポートは夕方18時まで)
また、ADP(アクシデントダメージプロテクション)は最長3年で、落下や水濡れ、火災などによる破損や、盗難紛失にも対応している保証です。ここまでカバーする保証も珍しいですね。
まとめ
低価格だけど11世代CPU搭載で高性能、インターフェイスも普通にあるので普段使いでは困ることはないと思うし、性能的にはビジネス用途でも全然使えます。
ディスプレイがTN液晶なので長時間使う人にはIPS液晶搭載のSlim 550iをお勧めしますが、本機種はコスパが高いのでおすすめです。