第11世代CPUが販売されて性能がかなり上がりましたが、個人的に一番好きなCPUはCore i3-1115G4なんです。
Core i5やi7に比べ1~2万円ほど安いし、それでいて、ビジネス用途でも使えるほどの性能なんですよね。
今回性能を検証する機種はすべて購入品で、ThinkPad E14 Gen 2、Thinkbook 15 Gen 2、そして人気のIdeaPad slim 550iです。
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Core i3-1115G4の仕様
CPU-Zでプロセッサー情報を確認したところ全て同じ仕様で、Max TDPも28Wでした。第11世代CPUになり各社がTDPを設定できるようになったので、同じCPUでも性能が大きく違うことがあるんですよね。
製造プロセス | コア/スレッド キャッシュ |
グラフィックス | 標準クロック ターボブースト時 |
|
Core i7-1185G7 | 10nm SuperFin |
4/8 12MB |
Iris Xe | 3.0GHz 4.8GHz |
Core i7-1165G7 | 10nm SuperFin |
4/8 12MB |
Iris Xe | 2.8GHz 4.7GHz |
Core i5-1145G7 | 10nm SuperFin |
4/8 8MB |
Iris Xe | 2.6GHz 4.4GHz |
Core i5-1135G7 | 10nm SuperFin |
4/8 8MB |
Iris Xe | 2.4GHz 4.2GHz |
Core i3-1125G4 | 10nm SuperFin |
4/8 8MB |
UHDグラフィックス | 2.0GHz 3.7GHz |
Core i3-1115G4 | 10nm SuperFin |
2/4 6MB |
UHDグラフィックス | 3.0GHz 4.1GHz |
11世代CPUはHシリーズや省電力モデルを除き、上記した6種類のCPUがあり、Core i3-1115G4はCore iシリーズで一番低い性能になります。と言っても、普通に性能は高いですよ。
計測機種
<手前・ThinkPad E14 Gen 2/左後・Thinkbook 15 Gen 2/右後・IdeaPad slim 550i>
計測機種はLenovoで人気の3モデルで、特に購入者が多い機種だと思います。
IdeaPadは個人向けのノートパソコンで、老若男女問わず人気があります。ThinkbookはIdeaPadの様な筐体のビジネスモデルで、セキュリティも高くThunderbolt 4など「あったらうれしい」が搭載のビジネスモデルになります。
ThinkPadは見ての通り黒の筐体で、「The・ビジネスモデル」と言った外観ですね。LTEやThunderbolt 4などビジネスパーソンのために作られた機種です。
各機種のスペックはThinkbookのみ16GBですが、その他は同じスペックになっています。
Thinkbook 15 Gen 2 | ThinkPad E14 Gen 2 | IdeaPadSlim 550i 15 | |
---|---|---|---|
CPU | Core i3-1115G4 | ||
メモリ | 16GB | 8GB | |
ストレージ | SSD 256GB |
また、電源の設定1は中間の「高パフォーマンスモード」で、電源スマート設定は「インテリジェント・クーリング」モードですが、いくつかのベンチマークは設定2の「エクストリームパフォーマンス」+「最も高いパフォーマンス」でも計測しました。
ちなみに興味ないかもしれませんが、ベンチマークを取っている状況はこんな感じです。
エアコンガンガンにかけて扇風機回しながら計測機種3台と、執筆用PC1台(モニター計3つ)に囲まれてやっています。すべてのPCは下に何か置いて、エアフローが良くなるように作業しています。(めっちゃ散らかってますね(笑))
それでは、以下にて紹介しているベンチマークは状況やスペックによって大きく変わるので、参考値として見てください。
Passmarkスコア
CPUの性能を表すPassmarkスコアは、一番メジャーなスペック確認方法だと思います。パソコンに詳しい人は、これを調べて購入しますね。
Passmarkスコア
オレンジ色・・・計測機種 青・・・世界平均
ThinkPad E15 Gen 2 | |
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IdeaPad Slim 550i | |
ThinkBook 15 Gen 2 | |
Core i3-1115G4平均 |
Passmark SoftwareによるとCore i3-1115G4のスコアは6490でしたが、3機種全て平均を上回るスコアになりました。ちなみに前世代である10世代CPUのCore i7-10510Uは6915なので、ほぼ同じくらいの性能です!前世代のCore i7とほぼ同じって、すごいですよね。
その他のCPUとの比較です。
Passmarkスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1185G7 | |
---|---|
Core i5-1145G7 | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 | |
Core i3-1125G4 | |
Core i7-1065G7 | |
Core i5-1035G1 | |
Core i7-10510U | |
ThinkPad IdeaPad Thinkbook |
|
Core i3-1115G4 | |
Core i5-10210U | |
Core i3-10110U | |
Pentium Silver N5030 | |
Pentium Silver N5000 |
11世代CPUになり急激に性能が上がったので、Core i3でもサクサク快適に使えるようになりましたね。
<左からThinkPad・Thinkbook・IdeaPad>
こちらは設定2のエクストリームパフォーマンスモードで計測した結果です。
- ThinkPad・・・6730→6692
- ThinkBook・・・6620→6726
- IdeaPad・・・6715→6736
ThinkPadは性能が下がりましたが、その他は微増でした。
CineBench R23
こちらはCinebench R23のスコアで、マルチコア性能はパソコンの総合性能、シングルコア性能が高いと編集などのクリエイティブワークもしやすくなります。また、ゲームをするならシングルコア性能が高いCPUを選びますね。
Passmarkスコアはブランドが違っても同じくらいでしたが、Cinebench R23は大きく変動しています。
Cinebench R23
オレンジ色・・・マルチコア 青・・・シングルコア
ThinkPad E15 Gen 2 | |
---|---|
ThinkBook 15 Gen 2 | |
IdeaPad Slim 550i |
ThinkBookのシングルコアがちょっと低いですね。
他のCPUとの比較です。
Cinebench R23 マルチコア
オレンジ色・・・計測機種 青・・・比較
Core i7-1165G7 | |
---|---|
Core i5-1135G7 | |
Core i7-1065G7 | |
Core i5-1035G1 | |
ThinkPad E15 Gen 2 | |
ThinkBook 15 Gen 2 | |
Core i7-10510U | |
IdeaPad Slim 550i |
Cinebench R23 シングルコア
オレンジ色・・・計測機種 青・・・比較
Core i7-1165G7 | |
---|---|
Core i5-1135G7 | |
ThinkPad E15 Gen 2 | |
IdeaPad Slim 550i | |
ThinkBook 15 Gen 2 | |
Core i7-1065G7 | |
Core i7-10510U | |
Core i5-1035G1 |
シングルコアの性能は、やはり10世代CPUとは比べ物にならないくらい上がっていますね。
次に設定2のエクストリームモードで計測しました。
- ThinkPad・・・3343→2952・1319→1192
- ThinkBook・・・3312→2973・1192→1055
- IdeaPad・・・3046→3323・1305→1307
なんと、IdeaPad以外はエクストリームモードにすると性能が下がっていますね。発熱の影響でしょうか・・・?
3DMARK 10
こちらはPCMark10の計測結果で、Essentialは「通常用途(Web検索やビデオ会議、アプリの起動など)の性能」、Productivityは「Microsoft Office(事務系のアプリ)使用時の性能」、Digital Content Creationは「コンテンツ作成(画像・動画編集など)のしやすさ」を表しています。
- 総合性能は4076
- Essentialは8411→通常用途やビデオ会議などはかなり使いやすい
- Productivityは5994→Officeなどの事務用途はストレスなく使える程度
- Digital content creationは3646→普通(良くも悪くもない)
Essential
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1165G7 | |
---|---|
Core i5-1135G7 | |
Ryzen 7 4700U | |
Ryzen 7 5700U | |
Core i7-1065G7 | |
Core i3-1115G4 | |
Ryzen 3 Pro 4350G |
Productivity
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 7 5700U | |
---|---|
Ryzen 7 4700U | |
Ryzen 3 Pro 4350G | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 | |
Core i3-1115G4 | |
Core i7-1065G7 |
Digital Content Creation
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 7 5700U | |
---|---|
Ryzen 7 4700U | |
Core i7-1165G7 | |
Ryzen 3 Pro 4350G | |
Core i5-1135G7 | |
Core i7-1065G7 | |
Core i3-1115G4 |
3Dグラフィックベンチマーク(Video Card BenchMarks)
グラフィック性能が高いとOfficeワークや複数画面での作業、そして画像・動画編集やゲームが快適にできます。
Thinkbook 15 gen 2のスコアが伸びませんでしたが、他の2機種は同じくらいになりました。
その他のCPUとの比較です。
Video Card Benchmarks
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
MX450 | |
---|---|
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 | |
MX250 | |
Ryzen 5 5500U | |
Ryzen 7 5700U | |
IdeaPad ThinkPad Thinkbook |
|
Ryzen 7 4700U | |
Iris Plus | |
Ryzen 5 4500U | |
UHD |
次は、設定2のエクストリームモードでの計測です。
- ThinkPad・・・2118→2093
- Thinkbook・・・2100→2159
- IdeaPad・・・2147→2132
誤差程度に増減していますね。
Geekbench 5
Geekbench 5はクロスプラットフォームのベンチマークで、Cinebenchの様にシングルコア性能とマルチコア性能を測定できます。機械学習などの処理も取り入れており、Cinebenchとは違った結果になっています。
<ThinkPad・シングルコア 1157 マルチコア 2657>
<ThinkBook・シングルコア 1351 マルチコア 2746>
<IdeaPad・シングルコア 1354 マルチコア 2821>
Cinebenchでは、ThinkPad→Thinkbook→Ideapadの順の性能でしたが、Geekbench 5は正反対になっています。
ゲームベンチマーク
まずは、ドラゴンクエストXです。設定は標準画質・FHD 1920 x 1080です。ThinkPadのみ「快適」で、他の機種は「とても快適」になりました。
<ThinkPad・スコア6724>
<Thinkbook・スコア7283> <IdeaPad・スコア8073>
面白いことに、IdeaPadのスコアが一番高いですね。
次はファイナルファンタジーXIV ENDWALKER 暁月のフィナーレです。設定は「ノートPC高品質 FHD1920 x 1080」です。
<ThinkPad・スコア2306>
<ThinkBook・スコア2382>
どちらも「設定変更を推奨」と赤文字で出ていますね。高品質から標準品質にして試しましたが、同じく「設定変更を推奨」と出ました。
ThinkPadはスコア2306→2932、ThinkBookは2382→3076でした。
「あれ?IdeaPadは?」と思った方、鋭い!IdeaPadでは、ファイナルファンタジーは作動しませんでした。なぜでしょうね?再度、後日試してみますね。
まとめ
全体的にCore i3-1115G4は10世代CPUのCore i7-10510Uに迫る性能で、もしくはシングルコア性能が高い分、それ以上の性能かもしれません。個人的に、PhotoshopやLightroomもそこそこ速い処理速度で使用できるので悪くないと思います。ただし、こういったクリエイティブワークをするのであれば、Core i7-1165G7がおすすめですが。
今回ベンチマークを計測した機種は使い勝手も高く人気の機種なので、購入をお考えならぜひ以下のリンクからレビューを読んでみてください。