後継機種のT14s Gen 1が販売開始したので、こちらのレビューもどうぞ。
レノボのThinkPad T480はミドルクラスの性能と価格(約10万円から)で、LTEにも対応しているので外出が多いビジネスマンでも安心して使える機種です。
ビジネスに必要なセキュリティやスペックは付いているので、安心してがっつり使えます。
ThinkPadシリーズには珍しくシルバーもあるので、「黒はちょっと・・・」という方にもばっちりですね。
Contents
ThinkPad T480S(14型)のレビュー
それではまずはスペックを見ていきましょう。
CPU | Intel core i5-8350U Intel core i7-8650U |
---|---|
コア・スレッド | 4コア8スレッド |
メモリ | 24GB |
ストレージ | SSD 256GB(OPAL対応) |
OS | Windows 10 Home, Pro |
セキュリティ | Windows Defender・TPM・FIDO認証・ハードディスクパスワード等 |
ディスプレイ | FHD IPS液晶 FHD IPS液晶 タッチパネル WQHD IPS |
グラフィックス | インテルUHDグラフィックス620 NVIDIA GeForce MX150 |
生体認証 | 指紋センサー・顔認証 |
Office | 有り・無し |
LTE | 有り・無し |
バッテリー | 13.2時間~15.4時間 |
重量 | 1.32㎏ |
サイズ | 331×226.8×18.45mm |
保証 | 1年間引き取り修理 |
価格 | 約12万円~ |
さすがのビジネスノート・ThinkPadですね。セキュリティが多彩で、強固なものになっています。しかもSSDにOPALもあるので、万が一データを盗まれたとしても安心です。
画面も14型なので、複数のウィンドウを開いての作業も比較的しやすいし、LTEもあるし、重量がたったの1.32㎏なので外出が多い人でもばっちりですね。
ThinkPad T480Sの特徴
ディスプレイはWQHDとFHDがありましたが、今はFHDのみになっています。FHDは解像度も高いので、きれいに見えますね。
サイズは331×226.8㎜で、大学ノートA4サイズ(297㎜x210㎜)より、横3.4㎝、縦1.68㎝大きいだけなので、カバンに入れて持ち運びもしやすいサイズです。
厚さは18.45mmと、14型にしては若干厚いですね。
キーボードはトラックポイント付きなので、高速タイプが出来ますね。これがあるのでThinkPadシリーズを買う人も多いですね。後ろから見た時もかっこいいです。
ThinkPadシリーズをまとめているので、こちらも併せてどうぞ。
トラックポイント
ThinkPadを何故買うかと言ったら、コレですね。トラックポイントです。(最近は使わない人も増えたらしいですが・・・)
この赤いボタンは何かというと、ページをスクロールしたり、部分的に拡大表示にしたりするボタンで、これがあるので指がホームポジションから離れずにパソコンを使えるので、慣れたらかなりタイピングが早くなります。
なので資料作成が多い人や、プログラマーに人気があるんですね。
また、ThinkPadは打感がいいので、タイピングがしやすいとしても有名です。
なぜThinkPadはタイピングしやすいかというと、タイプ感がいいんですよね。
タイピングをしたときに疲れやすいキーボードって、「力をちょっと入れないといけないようなもの」です。
ただし、軽すぎても打ちにくいんですよね。タイピングした時に乾いた感じの音(軽い音)のものって軽すぎるからミスしやすいし、打っている感触が少ないのでミスするんです。
でもThinkPadシリーズは、ちょうどいいんです。
何と言うか、ちょうど良いからタイピングしやすいって感じなんです。
CPU(プロセッサー)
CPUはIntel core i5かi7が選べ、以下のモデルがあります。
- Intel core i5-8250U
- Intel core i5-8350U
- Intel core i7-8550U
- Intel core i7-8650U
性能が高いi5とi7モデルのみなので、画像や動画編集をする人にも向いています。
下のグラフは本機種搭載のCPUと、その他の最新世代のCPUのPassMarkスコアの比較です。
[visualizer id=”9992″]T480S販売当初はハイスペックなCPUでしたが、2020年現在は「平均以上」の性能です。とは言ってもスコアは6000オーバーなので、テレワークや簡単な動画・画像編集にも対応できる性能ですね。
コアとスレッド数は、
- i5・4コア8スレッド
- i7・4コア8スレッド
になります。
コアとスレッドは並行作業をする時にいかに快適にできるかの目安なのですが、道路に例えたら分かりやすいので、ご紹介します。
例えば4コア4スレッドだと片道1車線が4つあるイメージで、車(情報)が最大4台までしか行き来出来ません。
でも、4コア8スレッドだったら8台の車(情報)が一緒に行き来できる感じです。
どういうことかと言うと、多くの作業を同時にしやすくなる=多くのアプリやタブ、ウィンドウを同時に開いても快適に使いやすいと言った感じです。
なので、複数アプリを同時に使ったり、タブやウィンドウを10個も20個も開いて作業するような人は、i5でも快適ですがi7の方が当然おすすめです。
メモリ
メモリもCPUと同じく重要な部分ですね。メモリは言い換えたら作業テーブルなので、メモリが大きい=テーブルが大きい=作業しやすい=PCがサクサク動く、です。
ここ最近は8GB搭載が標準になりつつありますが、本機種は最大24GBまで搭載できます。
DDR4-2400MHzで、オンボード1つ、メモリスロット1つになります。
ストレージ
ストレージはSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)で256GBです。
旧タイプのHDD(ハードディスクドライブ)に比べ、性能がかなり高くなっていますね。
簡単にSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)とHDD(ハード・ディスク・ドライブ)の特徴を紹介します。
SSD | HDD | |
値段 | 高い | 安い |
動作音 | 静か | うるさい |
温度 | 熱くなりにくい | 熱くなりやすい |
データ移動 | 速い | 遅い |
寿命 | 長い(壊れにくい) | 短い(壊れやすい) |
SSDとHDDは仕組みが全然違うのですが、
- HDDは磁気を帯びたディスクを高速で回転させ、磁気の性質を変えてデータを保存
- SSDはデータ保存をする空間に0と1の数字を書き込みデータ保存
なのでSSDは壊れにくいし、性能が高いんですね。
本機種搭載のSSDは、M.2 SATAとM.2 PCle-NVMe PCIe 3.0×4という2種類があります。両者の違いはデータ転送速度になります。
- SATA・・・データ転送速度の理論値が6Gbps
- PCle 3.0×4・・・データ転送速度の理論値が32Gbps
5倍以上の性能の差がありますね。
また、SSDはOpal(オパール)対応になっているので、万が一情報漏洩があっても解読されることも少ないでしょう。
ちなみにOpal(オパール)とは自己暗号化ドライブのことで、ハードウェアにてドライブ全体の暗号化を行っているストレージのことで、ソフトウェアで後から暗号化するんじゃなく、初めから暗号化されて記憶されます。
なので万が一情報漏洩があっても、漏洩した情報は暗号なので解読が出来ません。
グラフィックス
グラフィックスはCPU内蔵UHDグラフィックス620か、NVIDIA GeForce MX150が搭載できます。
下のグラフは、本機種搭載のGPUのPassMarkスコアの比較です。
[visualizer id=”9997″]画像・動画編集などの編集作業をしない人はUHD 620で問題ないですが、編集をする人はMX150を選んだ方がいいですね。
とは言っても性能がそれほど高いものではないので、軽いソフトでの使用になります。
OS
OSはWindows 10 HomeもしくはWindows 10 Proになります。
ProとHomeの一番の違いと言えば、Bitlockerを使えるかどうかだと思います。
Bitlockerとはストレージのデータを暗号化する機能なので、超重要なデータがある人なんかはProを選んだ方がいいです。
他にもクライアントHyper-VはWindows内で仮想マシンとして複数のOSが使える機能、アクセスの割り当てなどもできます。
セキュリティ
Windows 10には、Windows Defenderが標準搭載されています。
以前はあまり役に立っていなかったWindows Defenderですが、ここ最近は性能もかなり上がり、セキュリティソフトのランキングでも高評価を得ています。
TPMはTrusted Platform Moduleの略で、OSや他のハードウェアから独立して機能するセキュリティチップの事です。
独立しているので外部からの攻撃にも強いし、以前はストレージに収納されていた認証するときに使う暗号などの重要情報を、安全に格納できます。
FIDO認証はFast Identity Onlineの略で、今までのパスワードにとって代わる新しい認証技術・多要素認証の一つです。
デバイス側で(今回の場合はT480)で生体認証を使った本人確認(指紋認証など)を行い、サーバー側でデバイスの認証を行います。
簡単に言うと、生体認証によって本人確認をし、パソコンがサーバーに「これは本人ですよ」という情報を出し、サーバーは「パソコンが生体認証してこれは本人だって言っている」と認識する感じです。
サーバー側にこちらの情報が渡らないので、何かあっても安全だということです。
最後にもう一つのセキュリティです。
ハードディスクパスワードとは、ハードディスクのストレージ(SSD)にハードウェアレベルでパスワードを設定し、仮にパソコン自体を盗まれたとしてもパスワードが分からない限り中身を読み込めないようにするセキュリティです。
これに加え前項で紹介したOPAL(オパール)で暗号化がされているので、仮にパスワードを入れられても意味不明な暗号しか表示されません。
ちなみにThinkShutterというフロントカメラを物理的に隠せるシャッターが付いているので、これもセキュリティーですね。(搭載無しの機種もあります)
ディスプレイ
ディスプレイは以下の3種類があったのですが、2020年6月現在はFHDのみになっています。
光沢 | 液晶 | 輝度 | コントラスト比 | 色域 | 視野角 | |
FHD | 無し | IPS | 250nit | 700:1 | NTSC 45% | 170度 |
FHD | フル・ハイディフィニション、解像度1920x1080 |
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IPS液晶 | 視野角が広く画面の角度を変えても見やすい |
光沢なし | 映り込みが軽減された液晶 |
nit | 輝度を表す単位で、250前後が標準 |
コントラスト | 最少輝度(黒色)と最大輝度(白色)の差。差が大きいとより鮮やかで、力強い描写が可能 |
NTSC | 色域の規格で、45%は一般的なノートパソコンに搭載 |
IPS液晶なので視野角が広く、いろんな角度から見ても画面がきれいに見えます。
LTE
LTEは携帯のSIMカードをパソコンに差して、パケットで通信できる機能です。
外で使うことが多い人、Wi-Fiが飛んでないようなところに頻繁に行く人には、必須の機能ですね。
回線は4Gで、下り最大450MBと高速通信が可能です。
バッテリー
バッテリーはCPUやディスプレイにもよるのですが、最大15.4時間持ちます。
結構長いので、一日出先で使う場合でも電源アダプターの持ち運びはいらない人がほとんどだと思います。
重量も比較的軽い1.32㎏なので、持ち運びも便利です。
インターフェース
- 内蔵カメラ(画像はThinkShutter付カメラ)
- 指紋センサー
- USB3.1 Type-C
- USB3.1 Type-C(Thunderbolt3)
- イーサネット・コネクター(RJ-45)
- USB3.0(Powered USB)
- HDMI
- マイクロフォン/ヘッドフォン・コンボ・ジャック
- 3-in-1 メディアカードリーダー
注)ドッキングコネクターは、3.4と兼用です。
Thunderboltも付いているので、色々パソコンに繋げる人は楽に装脱着できますね。
当然イーサネットコネクターも付いているので、LANケーブルも繋げ、会社のイントラネットにも繋げます。
最後に
ThinkPad T480はセキュリティが半端なく付いているので、重要なデータを扱う人にはうってつけの機種です。
セキュリティーだけじゃなく、スペックも高いので仕事もはかどりますよ。