便利な機能が満載した機種で、最大48 TOPSのNPU性能を持つCore Ultraシリーズ2を搭載し、グラフィック性能が高い機種です。
本機はトラックポイントが無い初のThinkPadと言うことでご存じの方も多いと思いますが、今回触った感じでは「ThinkPad」と思はない方がいいかな、と思いました。
レビュー機はメーカーからお借りしており、スペックはCore Ultra 5 226V、メモリ16GB、SSDは256GBになります。
・新着セール情報
Contents
- 1 ThinkPad X9 15 Gen 1 Aura Edition(15.3型 Intel)のスペック
- 2 Copilot+PCとは?
- 3 Lenovo Aura Editionとは?
- 4 Evo Editionプラットフォーム認証に準拠
- 5 (メモリ32GBモデルは)Lenovo AI Nowが使える
- 6 トラックポイントがないキーボード
- 7 15.3インチで1.4㎏と軽い!
- 8 最大48 TOPSのNPU性能を持つCore Ultra シリーズ2搭載
- 9 グラボ並みのグラフィックス性能
- 10 高品質ディスプレイ
- 11 Wi-Fi 7に対応
- 12 2つの生体認証対応
- 13 その他の特徴
- 14 ライバル機種
- 15 まとめ
ThinkPad X9 15 Gen 1 Aura Edition(15.3型 Intel)のスペック
CPU | Core Ultra 5 226V/228V/238V Core Ultra 7 258V Core Ultra 7 268V |
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メモリ | LPDDR5X-8533 最大32GB |
ストレージ | SSD 1TB |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス |
ディスプレイ(15.3型) | 2.8K OLED タッチモデルあり |
OS | Windows 11 Home.Pro |
無線 | Wi-Fi 7 |
生体認証 | 指紋センサー、顔認証 |
WEBカメラ | IR+800万画素カメラ |
オーディオ | ドルビーアトモス/2Wスピーカー×2 |
寸法(幅×奥行×高さ) | 339.55 × 228.5 × 6.75mm |
重さ | 1.4㎏~ |
バッテリー(JEITA 3.0) | 最大約24.6時間 |
標準保証 | 1年間 |
価格 | 20.8万円~ |
<性能評価>
パソコンの頭脳であるCPUはCore Ultraシリーズ2で、合計で最大100 TOPS以上のNPU性能を持ち、Copilot+PC、そして数少ないAura Editionになります。
Aura Editionは数百のPCを販売しているLenovoでも数えるほどしかない特別なモデルです。
メモリも最新のLPDDR5X-8533で最大32GBと大容量、そしてチップに統合されているので処理速度が速いです。
ストレージはSSD PCIe 4.0で最大1TBと大きいです。かなり速いシーケンシャル速度を期待していましたが、このクラスのPCにしては良くもないといった速度です。
ディスプレイは超高品質で、2.8K解像度に真っ黒を描写できるOLEDディスプレイを採用、そしてハイダイナミックレンジのHDR600に色域はDCI-P3 100%、輝度は明るい500ニトになります。
また、タッチパネルモデルもあるので、タッチを使う人にも便利です。
OSはWindows 11 HomeかProが搭載し、IRカメラ付きの800万画素Webカメラにプライバシーシャッターを搭載、そしてオーディオはドルビーアトモスで2Wスピーカーが4つになります。
無線は最新のWi-Fi 7で、Wi-Fi 6E(最大160MHz)の2倍の帯域幅に、Wi-Fi 5の約13倍の最大通信速度があり、すごく快適に使えます。
重さは15.3インチではすごく軽い1.4㎏で持ち運びにも便利、そしてバッテリー駆動時間は最大24.6時間もあるので外出先でもがっつり作業ができます。
インターフェイスはThunderbolt 4が2つにUSB 3.2 Gen 2が1つ、マイク/ヘッドフォンジャックにHDMIとミニマムです。
旧モデルとの比較
ThinkPad X9シリーズは2025年2月に発売されたばかりで、旧モデルはありません。
Copilot+PCとは?
Copilot+PC(コパイロットプラスピーシー)と言うのは、Microsoftが「Microsoft Build 2024」で発表した新しいカテゴリのPCで、AI技術を活用するための機種と位置付けられています。
主な特徴です。
・NPU搭載
・16GB以上のDDR5/LPDDR5メモリ
・256GB以上のストレージ
・40+TOPS(1秒当たり40兆回の演算)
・終日のバッテリー寿命
・最先端のAIモデルへのアクセス
・リコールでPCで見たものを簡単に検索
・コクリエイター、イメージクリエイターでほぼリアルタイムにAI画像の生成及び調整
・Live Captionで40以上の言語の音声を英語に翻訳
・薄型軽量、美しいデバイス
すごく簡単に言うと、AIがいろいろなサポートをしてくれて作業効率が上がる(便利になる)、と考えていたら問題ないです。
こちらにCopilot+PCでできることを紹介しているので、あわせてどうぞ。
Lenovo Aura Editionとは?
執筆時現在3つのThinkPadと1つのYogaがAura Editionとして販売されています。
スマートモードにはシールドモードやアテンションモード、コラボレーションモードなど、PCをより安全に、そしてより賢く使える機能があります。
スマートシェアはスマートフォンをPCにタップするだけでデータ転送ができ、スマートケアは国内どこにいてもバーチャルサポートを受けることができます(有料)。
この特徴については「Lenovo Aura Editionとは?」にまとめたので、こちらをどうぞ。
個人的に気に入っているのは、Smart Shareです。
Evo Editionプラットフォーム認証に準拠
本機は5世代めのEvoプラットフォーム認証に準拠している特別な機種です。
Evoは14世代以降のCPUを搭載しているすべてのPCが準拠しているわけじゃなく、下記項目を満たす「ハイスペックなノートパソコン」のみがEvo認証を得ることが出来ます。
14世代CPU搭載のEvoプラットフォーム認証の主な要件は75を超え、Intel曰く「高性能、高速充電、長寿命バッテリー、即時起動、クラス最高の接続性、および最適なサイズと重量など、75 を超える項目について、妥協することない高い水準をクリアする必要がある」とのことです。
以下は要件の一部です。
- Core Ultra 5/7/9搭載
- Intel Arc、もしくはdGPU搭載
- アプリケーションを高速かつ高レスポンスで使える
- 電源を問わずにレスポンスが良い事
- フルHDで実利用10時間以上のバッテリー駆動時間
- フルHD以上
- 1.5秒以内でスリープから復帰
- 生体認証/近接デバイス認証対応
- 30分の充電で4時間以上駆動
- 15㎜以下(iGPU)もしくは20㎜以下(dGPU)の厚さ
- Wi-Fi 6E実装
- Intel CPS(Connectivity Performance Suite)に対応
- フルHD以上のWebカメラを搭載
- 音声ノイズ抑制や背景ぼかしなどの機能
- Windowsスタジオエフェクト対応
- Thunderbolt 4搭載
- EPEATR Silver以上などサステナブルであること
- Intel Unisonのサポート
代々、Evoプラットフォーム認証を受けた機種は数えるほどしかなく、特別な機種になります。
(メモリ32GBモデルは)Lenovo AI Nowが使える
Lenovo AI Nowは、簡単に言うと「完全無料でインターネット不必要、そして完全にローカルで処理をするChat GPT」と言った感じで、プラスアルファの機能があります。
これ凄いんですよ。無料で、しかも回数制限もなく、自分好みのAIアシスタントを簡単に構築できます。
Local AI Modeでは完全にローカルで処理をするため、今まで情報漏洩の観点からChat GPTなどを使えなかった人にも合います。
Lenovo AI Nowには以下の機能があります。
・Local Chat(Chat GPYやGeminiみたいなもの)
・Knowledge Assistant(パーソナルナレッジベース (PKB) にファイルをアップし(ローカルに保存される)、検索、要約、洞察などができる)
・PC Assistant(Windowsの設定などを簡単にできる便利機能)
・Cloud Chat(現在使えないが、オンライン版のチャットのよう)
・Explore(Lenovo AI Nowの機能を1画面にまとめた項目)
こちらで詳しいレビューをしているので、ぜひ読んでみてください。
トラックポイントがないキーボード
これが本機最大の特徴かと思います。
トラックポイントが無いんです!
赤ポチを使う私としては受け入れられないですが、使わない人にとっては影響もないですね。聞くところによると、他社製PCユーザーが乗り換えしやすいように(?)と言うことらしいです。
赤ポチあると拒否反応がある人もいるかもしれないので、そういったユーザーは「使ってみたい」と思うでしょうね。
ちなみに、これが通常のキーボードとの比較です。全然違いますね。
また、外観だけじゃなく打鍵感も違います。というのも、本機はめちゃくちゃ薄いんです。最薄部は実測7ミリです!
7ミリってタブレットの厚さですよ。
これだけ薄いですがキーストローク(キーを押し込む距離)は実測1.1ミリを確保しており、頑張っているのは分かりますがいつものThinkPadの打鍵感は感じられませんでした。どちらかと言うと、IdeaPadみたいな打ち心地です。
キーピッチ(キーの中心から次のキーの中心までの距離)は19.0 × 17.8㎜と、フルサイズ並みで窮屈じゃありません。
キートップもいつもの湾曲したものとは違い、IdeaPadの様な平らなキーです。
半角/全角キーなどの主要キーは同じ大きさですが、「け」と「む」は小さくなっています。左右のカーソルキーも主要キー並みに大きいので、ミスをしにくいです。
ThinkPadと言えばあの打鍵感!と思う人も多いと思いますが、本機はちょっと異質なThinkPadです。
15.3インチで1.4㎏と軽い!
15.3インチで実測1408グラムと軽量で、一般的な14インチ並みの重さです。ちなみに筆者所有のYoga Aura Edition 15.3インチは1535グラムと、毎日持ち運ぶ人にはちょっと重たいです。
ベゼルがすごく細く、スリムですね。15.3インチって大きいはずですが、見た目はすごくコンパクトです。
ベゼル幅は左右上約5ミリと、すごく細いです。
アルミニウム筐体で質感が高く高級感もありますが、汚れが付きやすいです。特に天板は光り具合で指紋がかなり見えるので、撮影前に筐体を拭きました。
幅339.55ミリ、奥行き228.5ミリ、最薄部の厚さ6.75ミリでタブレットみたいな薄さです。
14インチのIdeaPad 2024年モデルと大きさ比較です。15.3インチでも14インチより幅がちょっと大きいだけで、ほぼ14インチサイズと言っても過言じゃないですね。
薄すぎるので、インターフェイス用にパーツが取り付けられたような感じになっています(実際はこの部分のみ厚くなってます)。これをエンジンハブデザインと言うそうです。重要なコンポーネントをカバー内に収めたので、高負荷時でも低温を維持できるとのことです。
底面から見たらこんな感じです。
インターフェイス部分だけ大きくして、その他の部分を薄くすると考えたのはすごいですね。
エンジンハブ部分の厚さは16.3ミリでした。これも薄いですね。
本機はMIL-STD-810Hと言う12項目の米軍の物資調達規格に準拠しており、落下テストや気温・気圧の変化テスト、ディスプレイ部の耐久性など様々なテストもクリアしています。他にも、200の項目の品質チェックをしており、安心して使える機種です。
カメラやマイクが収納された部分で、コミュニケーションバーと呼びます。
このバーのおかげでより良いマイクやカメラが搭載できるようになっており、800万画素のWebカメラにノイズキャンセリング機能付きのマイクが2つ搭載しています。
ディスプレイは約180度開くことができるので、床で作業をすることがある人にも使いやすいです。
ちなみに、指一本で開けることができるので、書類やコーヒーなど何か持っていても簡単に開けることができます。
また、オリガミスリーブケースというX9専用のスタンド付きケースも販売されています。これ、すっごく便利なんですよ。
詳しくは「オリガミケースのレビュー」をどうぞ。
最大48 TOPSのNPU性能を持つCore Ultra シリーズ2搭載
<レビュー機にはCore Ultra 5 226Vが搭載>
- Core Ultra 5 226V
- Core Ultra 5 228V
- Core Ultra 5 238V
- Core Ultra 7 258V
- Core Ultra 7 268V
本機には上記5つのCPUが選択でき、Pコア(Performance Core)とEコア(Efficient Core)の2つを搭載しており、高負荷な作業はPコアで処理を、低負荷な事はEコアで処理することによって、パワフルでも省電力性を兼ね揃えたCPUになっています。
ただし、全モデル8コア8スレッドとスレッドが少ないのでマルチコア性能は低めです。基本的に高負荷な作業には向いていないです。低負荷~中負荷の作業向けですね。
NPUは最大48 TOPSで、1秒間に48兆回の演算処理ができます。このおかげで、ローカルでStable DiffusionなどのAIコアが必要なアプリも使えます。
グラフィックはIntel Arcグラフィックス130V(Core Ultra 5)か140V(Core Ultra 7)で、グラフィック性能は高めです。
こちらはCPUの性能を測るCPU Markスコアで、Core Ultra 5 226Vは16850と予想を大きく下回りました。
スコアの目安
- 7000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 10000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 15000~・ハイエンドPCに搭載される
- 18000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Core Ultra 9 185H | |
Ryzen AI 9 365 | |
Ryzen 7 8845H | |
Core Ultra 7 165H | |
Core Ultra 7 155H | |
Ryzen 7 8840HS | |
Core Ultra 7 155H | |
Core Ultra 5 135H | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 5 125U | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Core i5-1335U | |
Core Ultra 5 135U | |
Core Ultra 7 258V | |
Core 5 120U | |
Core 7 150U | |
Core Ultra 5 226V | |
Core Ultra 7 165U | |
Core Ultra 7 155U |
Geekbench AIのONNXでCPUのAI性能を測りました。ONNXはOpen Neural Network eXchangeで、ディープラーニングや機械学習モデルのようなAIモデルの性能を計測します。
Single Precision(単精度)は2261、Half Precision(半精度)は1160、Quantized(量子化スコア)も4246と、すべて悪くない性能でした。
Single Precision Score/単精度スコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI MAX+ 395 | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core Ultra 7 155H | |
Ryzen AI 9 HX 375 | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 5 125U | |
Core Ultra 7 258V | |
Core i7-1260P | |
Core Ultra 5 226V | |
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 3 7335U |
Half Precision Score/半精度スコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
---|---|
Ryzen AI MAX+ 395 | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Ryzen AI 9 HX 375 | |
Core Ultra 7 155H | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 5 226V | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 5 125U | |
Core i7-1260P | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 3 7335U |
Quantized Score/量子化スコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI MAX+ 395 | |
---|---|
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Ryzen AI 9 HX 375 | |
Core Ultra 7 155H | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 5 226V | |
Core Ultra 5 125U | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core i7-1260P | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 3 7335U |
Cinebench 2024のスコアで、Cinema 4DのデフォルトレンダリングエンジンであるRedshiftのパワーを利用して、CPUとGPUの能力を計測します。計測結果はマルチコア453、シングルコア113とシングルコアは高いスコアでしたが、マルチコアはすごく低い性能です。
他のCPUとの比較です。
マルチコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Ryzen 7 8845HS | |
Apple M1 Max | |
Core Ultra 7 155H | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Apple M1 | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125U | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 226V | |
Core i7-1280P |
シングルコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 7 258V | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core Ultra 5 226V | |
Apple M1 Max | |
Apple M1 | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Ryzen 3 8300GE | |
Ryzen 7 8845HS | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 5 125U | |
Core Ultra 7 155H | |
Core i7-1280P |
こちらはPCMark10の計測結果で、Essentialは「通常用途(Web検索やビデオ会議、アプリの起動など)の性能」、Productivityは「Microsoft Office(事務系のアプリ)使用時の性能」、Digital Content Creationは「コンテンツ作成(画像・動画編集など)のしやすさ」を表しています。
総合性能の目安は以下になります。
・9000以上・・・超ハイスペック(主にグラボ搭載機種)
・7500以上・・・ハイスペック
・5000以上・・・ミドルクラス
・2500以下・・・エントリ―クラス
本機種のスコアです。
- 総合性能は6308→ミドルクラス
- Essentialは9677→通常用途やビデオ会議などはかなり快適にでできる
- Productivityは8180→かなり快適に使える
- Digital content creationは8609→高い性能
Essential
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125U | |
Core Ultra 5 125H | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Core Ultra 5 226V | |
Core Ultra 7 155H | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 3 5425U | |
Ryzen 3 7335U | |
Ryzen 5 PRO 6650U |
Productivity
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 3 5425U | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 226V | |
Core Ultra 7 155H | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 5 125U | |
Ryzen 3 7335U | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P |
Digital Content Creation
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Core Ultra 7 155H | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 226V | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 7 7735U | |
Core Ultra 5 125U | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 3 7335U | |
Core i5-1235U |
5分の4K動画を撮影し、Davinci Resolveでレンダリングにかかった時間です。当然ですが、時間が短いほうが高性能です。3回計測し、平均は3分54秒でした。
4K動画レンダリング速度
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1260P | |
---|---|
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 7 155H | |
Core Ultra 5 125U | |
Core Ultra 5 226V | |
Core Ultra 7 258V/別機種 | |
Ryzen AI 9 HX 370 |
グラボ並みのグラフィックス性能
グラフィック性能が高いとOfficeを使った作業や複数画面での作業、そして画像・動画編集などがしやすくなります。3D Graphics Markのスコアは4761と、良いスコアでした。
3D Graphics Mark
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI MAX+ 395 | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 375 | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Ryzen 7 8845HS | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 7 155H | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 7 7735U | |
Ryzen 7 7735HS | |
Core Ultra 5 226V | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 5 125U | |
Core Ultra 7 155U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Core i7-1260P | |
Core i7-1355U |
次はゲームの3DMarkを使い、グラフィック性能を測ります。
Fire Stikeは7436、Night Raidは30284と、どちらも外部グラフィックボードであるGTX 1650 Max-Qのスコアを上回りました。
Fire Strike
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 3050 | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core Ultra 7 155H | |
Core Ultra 7 258V/別機種 | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 5 226V | |
GTX 1650 Max-Q | |
Arc A350M | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 7 258 | |
Ryzen 7 7735U | |
Core Ultra 5 125U | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
Night Raid
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 4050 | |
---|---|
RTX 3050 | |
RTX 3050 Ti | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core Ultra 7 258V/別機種 | |
Core Ultra 5 226V | |
Core Ultra 7 155H | |
GTX 1650 Ti | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 7 258 | |
GTX 1650 Max-Q | |
Core Ultra 5 125U | |
Ryzen 7 7735U | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
次はゲームのベンチマークで、計測はどちらもFHD・標準品質モードです。ドラゴンクエスト10は12927で「すごく快適」、FFXIV黄金のレガシーは6334で「やや快適」でした。
グラフィック性能は、内蔵グラフィックスとしては高めです。
高品質ディスプレイ
本機のディスプレイは特徴が多いです。
・2.8K(2880×1800ドット)の高解像度
・OLEDディスプレイ
・タッチパネルあり
・HDR 600 True Black
・500ニト
・反射/汚れ防止
・コントラスト比100,000:1
・DCI-P3 100%
・リフレッシュレート120Hz
・視野角170度
ディスプレイは通常の画面アスペクト比の16:9よりも縦に長い16:10で、15.3インチでも16インチ以上の情報が表示されます。一目でより多くの情報が見て取れるので、スクロールする回数も減ります。
左は本機で右はオリジナルの画像です。本機は黒もしっかりと描写できており、コントラスト比も高いのでくっきりと煙も描写できていますね。すごく良いディスプレイです。
左は低価格モデルに採用されるNTSC 45%、真ん中はクリエイター向けsRGB 100%、そして右は本機DCI-P3 100%になります。
色彩豊かで、しっかりと本来の色を表現できています。
視野角のチェックです。上や横から見ても、しっかりと見えます。
輝度は500ニトと高く、屋外でも使いやすいです。
こちらは輝度の目安です。
220ニト | 室内ならなんとか使える。明るい室内では暗く見える |
---|---|
250ニト | 室内向け。屋外では日陰ならギリギリ使える |
300ニト | 屋外の日陰でも見える |
400ニト | 屋外でも使いやすいが、直射日光が当たるとちょっとくらい |
500ニト | 屋外向け |
600ニト | 画面に直射日光が当たっても比較的見える |
Wi-Fi 7に対応
対応周波数 | 速度 | |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11be (Wi-Fi 7) |
2.4/5/6GHz | 46Gbps |
次世代通信規格のWi-Fi 7に対応しており、現在主流のWi-Fi 6の約5倍、低価格モデルのPCに採用されるWi-Fi 5の約13倍の最大通信速度があります。また、理論上16本のストリームになり、今まで以上に多くのデバイス(理論上2倍)を接続して快適に使えます。
6GHzで最大320MHzのチャンネル幅があり、Wi-Fi 6E(最大160MHz)の2倍の帯域幅になります。
2つの生体認証対応
執筆時現在、全モデルに電源ボタン統合型指紋センサーと顔認証があります。通常はゼロタッチの顔認証でサインインすることが多いと思いますが、暗いところやカメラが汚れてるなどでうまく動作しないことがあるので、そういった時に指紋センサーもあると便利ですね。
その他の特徴
Webカメラ&オーディオ/スピーカー
Webカメラは超高画質800万画素で、顔認証用のIRカメラに電子式プライバシーシャッターを搭載しています。
サインイン時の顔認証はすごく快適で、しっかりと反応します。(カメラが高性能だと顔認証の反応が良い)
こちらはWebカメラの画質比較で、左は一般的なFHDカメラ、真ん中はハイエンドビジネスPCに採用されることがある500万画素、そして本機800万画素になります。ズームするとわかりやすいですが、本機はすごくきれいな映りです。
スピーカーは2Wが4つでオーディオはドルビーアトモスに最適化されており、聞きやすい音でした。(音は動画で紹介します)
2つのノイズキャンセリング機能を備えたマイクを搭載しており、マイクは普通に良いと思います。
排熱性能
2つの通気口があり、メッシュカバーがしてあります。
筐体内部には2つのファンとヒートパイプがありますね。と言うか、バッテリーめちゃくちゃ大きくないですか?(笑)
CPUの性能をフルで使うCinebench 2024と言うベンチマークを実行時の、CPU温度とPC表面温度、そして騒音値を計測しました。
スタート直後には348度(摂氏75度)を付けましたが、その後は338度(65度)あたりをほぼまっすぐ進んでいます。
薄い筐体ですが、排熱もしっかりできているようです。
この時の騒音値は38dBと小さく、PC表面温度は37.8度と普通です。静かな場所でも高負荷な作業ができるし、熱くなりにくいので長時間使えます。
超高性能メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
搭載メモリは最新のLPDDR5X-8533MHzで、オンボードメモリ最大32GBになります。レビュー機は16GBで、メモリ性能を測るMemory Markの結果は5406と過去最高速度だと思います。
その他のメモリとの比較です。
Memory Mark
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
本機種LPDDR5 | |
---|---|
LPDDR5X平均 | |
DDR5平均 | |
LPDDR5平均 | |
LPDDR4X-4266MHz平均 | |
DDR4-3200MHz平均 |
SSD
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
搭載ストレージは最新のSSD PCIe 4.0 256GBで、シーケンシャル速度を計測したらリード(読み込み速度)は4050MB/秒、ライト(書き込み速度)は1959MB/秒と「う~ん。。。」って速度でした。
悪くないんですが、IdeaPad並みですね。
ただし、執筆時現在(2025年4月29日)、SSDに256GBモデルはなく512GB以上になっているので、もしかしたらもっと速いものが搭載しているかもしれません
こちらはシーケンシャル速度の、おおよその速度です。
シーケンシャル速度
オレンジ色・・・リード 青・・・ライト
PCIe 4.0×4 | |
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PCIe 3.0×4 | |
HDD |
起動時間を5回計測し、平均は18秒でした。悪くないです、
1回目 | 18秒 |
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2回目 | 17秒 |
3回目 | 18秒 |
4回目 | 18秒 |
5回目 | 19秒 |
平均 | 18秒 |
バッテリー駆動時間
バッテリーは大容量4セル・80Whrで、最大24.6時間のバッテリー駆動時間があります。先ほども言いましたが、バッテリーでかいですね。でかすぎでしょ?(笑)
そのおかげでバッテリー駆動時間が長いので助かります。
インターフェイス
インターフェイスはミニマムですが、Thunderbolt 4が左右に1つずつあるので便利です。
右側面にはThunderbolt 4、マイク/ヘッドフォンジャック、USB 3.2 Gen 2(10Gbps)、になります。
左側面はHDMIとThunderbolt 4になり、Thunderbolt 4にはこういった機能・性能があります。
- Power delivery対応、DisplayPort出力機能付き、DC-in機能付き
- 最大データ転送速度40GB/秒が2mのケーブルでも出る(以前は0.8mまで)
- PCIeの転送速度は32GB、ストレージ転送速度は最大3000Mbps
- 4Kディスプレイ2台同時に出力可能
- 8K出力にも対応
サポート・保証
標準で1年間の「引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長4年まで延長できます。また、プレミアムケアと言うサポートにアップグレードができ、こちらは24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)
- 引き取り修理・・・家などの指定住所にLenovoの指定業者がPCを引き取りに来てリペアセンターに配送、修理後、郵送してくれる保証です。保証期間内は、基本的に修理費・郵送費など無料です。
ライバル機種
ライバルになり得る機種は少ないですが、こちらにCopilot+PCをまとめているのでどうぞ。
まとめ
良い点
・15.3インチでは軽量1.4㎏
・めちゃくちゃ薄く、排熱性能も高い
・アルミニウム素材で高級感がある
・Evoプラットフォームで性能が高い
・Aura Editionの特別な機種
・グラフィック性能が高い
・ディスプレイが超高品質
・片手でディスプレイ開けることができる
・Wi-Fi 7に対応
・Thunderbolt 4が2つあり、左右に1つずつある
・生体認証が2つある
・Webカメラが超高品質
残念な点
・8コア8スレッドなので、マルチコア性能は高くない
・キーボードはThinkPadではない
総合評価
15.3インチで1.4㎏と軽く持ち運びに向いており、バッテリー駆動時間もかなり長いので外出が多い人にも使いやすい機種です。
CPU性能はあまり高くないですがグラフィック性能がすごく高いので、動画編集や簡単なCADなんかもできるほどです。
特にディスプレイは高品質なので、SNS用の画像・動画編集をするような人に向いていると思います。
トラックポイントが無い初のThinkPadですが、トラックポイントが無いだけじゃなく、あの極上の打鍵感も、湾曲しているキートップもなくなっていたので、ThinkPadとは呼びにくい機種かなと言う印象でした。
性能自体は高く、ほとんどの作業を難なくこなすので良い機種ではあります。
Aura EditionでEvo Editionプラットフォーム認証もあり、一味違うPCを探している人は検討の価値があります。