今までLenovoではThinkPadとYogaのみにCopilot+PCがありましたが、IdeaPadにもついにCopilot+PCが登場しました。
今までCopilot+PCと言えば20万円以上するものがメインでしたが、本機は12.9万円からと非常に低価格(Copilot+PCにしては)で、学生などにも購入しやすい価格帯です。
Snapdragon XシリーズでArm版のOSを搭載しているので、人によっては使えないアプリが現在はあるかもしれませんが、対応アプリが増えているとのことです。
Contents
IdeaPad Slim 5x Gen 9のスペック
SoC | Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
---|---|
メモリ | LPDDR5X 16GB/32GB |
ストレージ | SSD 512GB |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス |
ディスプレイ(14型) | WUXGA IPS、光沢なし |
OS | Windows 11 Home |
無線 | Wi-Fi 7 |
生体認証 | 指紋センサー |
WEBカメラ | FHD |
寸法(幅×奥行×高さ) | 312 × 221 × 16.9mm |
重さ | 1.48㎏ |
バッテリー(JEITA3.0) | 最大約13.9時間 |
標準保証 | 1年間 |
カラー | クラウドグレー |
価格 | 12.9万円~ |
<性能評価>
最大45 TOPSのNPUパフォーマンスを持つSnapdragon X Plus X1P-42-100を搭載しており、Cinebench 2024のマルチコアスコアはApple M1 Maxに近いスコアで、なかなかの性能です。NPU搭載なのでローカルでもAI機能が使え、飛行機などWi-Fiがない時でもAIを使って作業ができます。
メモリはLPDDR5X-8448MHzのオンボード16GBで、現在販売されていないですが32GBモデルもあるようです。ストレージはSSD PCIe 4.0で1TBで512GBとまぁまぁの容量です。メモリやストレージの増設はできませんが、悪くない容量です。
ディスプレイは14インチの画面比が16:10で、15インチ並みの表示量があります。解像度はWUXGA(1920×1200ドット)でIPS液晶を採用。コントラスト比は1000:1で、高色域のsRGB 100%になります。
その他のスペックはOSはWindows 11 Homeで、高画質FHD Webカメラに指紋センサーも搭載、無線は最新のWi-Fi 7に対応です。
すごくコンパクトな筐体ですが、14インチで焼く1.48㎏とちょっと重め。それでもバッテリー駆動時間は最大13.9時間と、執筆時現在の2024年モデルで、LenovoでTOP 10に入るくらいの長さです。
スナドラは電力効率が良くバッテリー駆動時間が伸びるといわれていますが、そのようですね。
2024年のトレンドと比較
2024年のノートパソコンのトレンドをまとめたので、本機がどのくらい満たしているか比較してみます。(〇/標準搭載、△/モデルによってはあり、×/なし)
CPU | NPU | Copilotボタン | DDR5 |
ー | 〇 | 〇 | 〇 |
SSD PCIe 4.0 | アスペクト比16:10 | sRGB 100%以上 | Wi-Fi 6E以上 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
輝度300nit以上 | 1080P Webカメラ | 生体認証 | バッテリー10時間以上 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
旧モデルとの比較
旧モデルはありませんが、兄弟モデルに同じSoCを搭載したIdeaPad 5x 2-in-1 Gen 9があります。
IdeaPad Slim 5x Gen 9の特徴
外観
上下左右のベゼルが細く、かなりスリム筐体です。画面アスペクト比が16:10の14インチで幅312㎜、奥行き221㎜ですが、2020年の超コンパクトPCであるThinkPad X13 Gen 1(画面比16:9の13.3インチ/幅311.9㎜、奥行き217㎜)とほぼ同じ寸法です。
厚さはたったの16.9㎜で、薄いですね。
同時期に発売されたCopilot+PCのYogaは天板のデザインが変わっていましたが、本機は今までのIdeaPadと同じですね。
アルミニウムボディで、高級感もありそうですね。米軍の物資調達規格であるMILスペックの耐久性があり、持ち運びに向いています。
キーボードは84キーの日本語配列で、バックライト付きです。タッチパッドは120㎜×75㎜とそこそこのサイズがあり、操作性も悪くないと思います。
2Wスピーカーがキーボード左右に1つずつあり、Dolbyオーディオになります。指紋センサーがパームレスト右についており、サインインも一瞬で完了です。
AIでできること
さて、AIが搭載したと言っても「おー、すごい。でも何に使えるの?」って疑問がありますよね。
有名どころで言えばWindows Studio EffectやCocreatorなどWindowsのAIに対応した機能が使え、例えばPhotoshopなどもAI対応の機能を追加していくとのことで、今後多くのアプリの機能がNPUで動くようになります。
これは、今までCPUで処理をしていたことをNPUがするようになり、よりCPU性能を必要なことに使うことができます。
今現在は劇的に何かが変わるというよりも、今後少しずつ変わっていくと思われます。
ただし、OSはArm版Windows 11
Arm版もWindowsはWindowsなので同じOSと言ったらそうですが、エミュレーターを使用しないと使えないアプリがあったりもします。
厄介な点は、使ってみるまでまでわからないんですよ。動くかどうか。
Windows 10の時はx64アプリが実行できなかったですが、Windows 11ではX86やX64アプリをバイナリ変換してArmプロセッサー上でも実行できるようにはなっています。あまりマイナーじゃなければ対応しているか、エミュレーターで動くようになっているようです。
筆者が良く使うところでプリンターですが、例えばCanonのインクジェットプリンターはArm版でも基本的な印刷はできますが、キャノン製ドライバはインストールされず、動作しません。ちなみに、Microsoft Officeとかは動くので、心配はないです。
最大45 TOPSのSnapdragon X Plus搭載
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
プロセス | 4nm |
NPU | 最大45 TOPS |
コア | 8 |
トータルキャッシュ | 30MB |
ブーストクロック | 3.4GHz(シングルコア) |
マックスクロック | 3.2GHz(マルチコア) |
*TOPS・・・1秒間に何兆回演算を実行できるかの数値。45TOPSは45兆回/秒
SoCの最大の特徴は、45 TOPSの性能を持つNPUを搭載している点ですね。ほぼすべての人はこれがあるから本機を購入すると思います。
Cinebench 2024のスコアで、Cinema 4DのデフォルトレンダリングエンジンであるRedshiftのパワーを利用して、CPUとGPUの能力を計測します。スコアは公開されているものになります。
マルチコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 7 8845HS | |
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Apple M1 Max | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Apple M1 | |
Core i7-1280P | |
Ryzen 3 8300GE |
シングルコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Apple M1 Max | |
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Apple M1 | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Ryzen 3 8300GE | |
Ryzen 7 8845HS | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core i7-1280P |
スコアはApple M1 Maxに近いスコアで、価格を考えると’かなり優秀だと思います。
ディスプレイ
解像度 | 光沢 | 液晶 | 輝度 |
14型 WUXGA (1920×1200) |
なし | IPS | 300nit |
コントラスト比 | 色域 | 視野角 | その他 |
1000:1 | sRGB 100% | 170° | ー |
画面アスペクト比が16:10の14インチで、15インチ並みの情報量があります。
15.6インチよりは若干少ないですが、一般的な14インチよりも一目で多くの情報が見て取れます。
解像度は1920×1200ドットで、一般的なFHDよりも縦に120ドット分長いです。色域はsRGB 100%と高く、画像編集やYoutube・SNS用の動画編集にも使えます。
普通のIdeaPadや一般的なPCには画像左のNTSC 45%という色域が採用されることが多いですが、sRGB 100%と比べると全然色が違いますね。
輝度は300ニトで、こちらは輝度の目安です。
220ニト | 室内ならなんとか使える。明るい室内では暗く見える |
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250ニト | 室内向け。屋外では日陰ならギリギリ使える |
300ニト | 屋外の日陰でも見える |
400ニト | 屋外でも使いやすいが、直射日光が当たるとちょっとくらい |
500ニト | 屋外向け |
600ニト | 画面に直射日光が当たっても比較的見える |
Wi-Fi 7に対応
対応周波数 | 速度 | |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11be (Wi-Fi 7) |
2.4/5/6GHz | 46Gbps |
次世代通信規格のWi-Fi 7に対応しており、現在主流のWi-Fi 6の約5倍、低価格モデルのPCに採用されるWi-Fi 5の約13倍の最大通信速度があります。また、理論上16本のストリームになり、今まで以上に多くのデバイス(理論上2倍)を接続して快適に使えます。
6GHzで最大320MHzのチャンネル幅があり、Wi-Fi 6E(最大160MHz)の2倍の帯域幅になります。
インターフェイス
インターフェイスはIdeaPadでは高品質で、数も問題ないですね。
右側面はmicroSDカードリーダー、USB 3.2 Gen 1が2つになります。
左側面はUSB 3.2 Gen 2 Type-C(データ転送速度10Gbps)、HDMI、USB 3.2 Gen 2 Type-C(データ転送速度10Gbps)、そしてマイク/ヘッドフォンジャックになります。
2つあるUSB Type-CはどちらもPowerdeliveryと、Dispkayport出力機能付きです。
サポート・保証
標準で1年間の「引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長4年まで延長できます。また、Premium Care Plus/プレミアムケアと言うサポートにアップグレードができ、こちらは24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)
また、保証は引き取り修理になります。
- 引き取り修理・・・家などの指定住所にLenovoの指定業者がPCを引き取りに来てリペアセンターに配送、修理後、郵送してくれる保証です。保証期間内は、基本的に修理費・郵送費など無料です。
ライバル機種
同時期に4機種発表されたので、こちらも併せてごらんください。
まとめ
おそらくCopilot+PCでは最安値の部類に入る12.9万円からの販売で、手が出やすいAI PCになります。
しかもArm版でも対応アプリが増えているし、対応していない場合はエミュレーターで動くので、性能を100%発揮できるわけじゃないですが、使えるものが多いと思います。
また、SoC以外の部分を見てもハイスペックで、なんと言ってもWi-Fi 7に対応しているので、楽しみな機種です。
詳しくは公式サイトをどうぞ。