珍しい大きさの14.5インチのワークステーションです。
画面アスペクト比が16:10と縦に長いので、15.6インチよりも情報量が多く、外出先でも作業効率がアップします。インテル14世代CPUが搭載し、AIコアもあるので今後より使いやすくなりますね。
ビデオカードはローエンドモデルですが、その他のスペックは高めで、持ち運び用のワークステーションとして、もしくは学生や2DCAD、簡単な3DCAD、そして画像・動画編集などをする人に合います。
Contents
ThinkPad P14s Gen 5 Intelのスペック
CPU | Core Ultra 5 125H/135H Core Ultra 7 155H/165H Core Ultra 9 185H |
---|---|
メモリ | DDR5-5600 最大96GB |
ストレージ | SSD 最大2TB |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス NVIDIA RTX 500 Ada |
ディスプレイ(14.5型) | WUXGA IPS WQXGA IPS 3K IPS |
OS | Windows 11 Home/Pro |
通信 | Wi-Fi 6E、1ギガビットイーサネット |
生体認証 | 指紋センサー、顔認証 |
WEBカメラ | 500万画素 |
寸法(幅×奥行×高さ) | 325.5 × 227.6 × 18.5mm |
重さ | 1.61㎏~ |
バッテリー | 最大約13.8時間 |
標準保証 | 1年間 |
価格 | 21.2万円~ |
<性能評価>
パソコンの心臓であるCPUはインテル第14世代で、ハイパフォーマンスのHシリーズになります。Core Ultra 5から9まで選べ、vPro対応CPUもあります。また、すべてのCPUはAIコアを搭載しており、対応アプリなど使いやすさが増します。
メモリはDDR5-5600MHzで、最大96GBに対応しています。動作周波数も高いし、メモリもかなり大きくできるので、重たい作業もしやすいです。また、Core Ultra 9以外はRTX 500 Adaを選択でき、グラフィック性能もちょっと高いです。
ストレージはSSD PCIe 4.0で、最大2TBになります。ストレージは1枚だけ搭載可能で、増設はできません。
ディスプレイは画面アスペクト比が16:10と縦に長く、14.5インチでも15.6インチ並みの情報が表示できます。解像度はWUXGA(1920×1200ドット)、WQXGA(2560×1600)、そして3K(3072×1920ドット)と3種類から選べます。
すべてIPS液晶で、色域はNTSC 45%やsRGB 100%、DCI-P3 100%もあります。用途に合わせて選びやすいです。
その他のスペックは、OSはWindows 11 HomeかProが選べ、Wi-Fi 6Eに対応、WEBカメラは超高画質の500万画素でIRカメラ搭載モデルはHPD(人感検知機能)付です。
14.5インチのワークステーションで1.61㎏からとなっており、最大バッテリー駆動時間は13.8時間と長めです。
2DCADや簡単な3DCADを扱う人や、画像動画編集などをする人で、PCの持ち運びが多く、外出先で作業をすることが多い人に合います。
2024年のトレンドと比較
2023年のノートパソコンのトレンドをまとめたので、本機がどのくらい満たしているか比較してみます。(〇/標準搭載、△/モデルによってはあり、×/なし)
14世代CPU | NPU | Copilotボタン | DDR5 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
SSD PCIe 4.0 | アスペクト比16:10 | sRGB 100%以上 | Wi-Fi 6E |
〇 | 〇 | △ | 〇 |
輝度300nit以上 | 1080P Webカメラ以上 | 生体認証 | バッテリー10時間以上 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
モデルによっては色域が狭いNTSC 45%もありますが、カスタマイズからsRGB 100%やDCI-P3 100%のディスプレイも選べます。
旧モデルとの比較
旧モデルのThinkPad P14s Gen 4との比較です。14インチから14.5インチに変わったので筐体が大きくなりましたが、数ミリしか大きくなっていません!(表のメモリ・SSD・バッテリーは最大値)
旧モデル | 本機種 | |
CPU | Core i5-1340P/1350P Core i7-1360P/1370P |
Core Ultra 5 125H/135H Core Ultra 7 155H/165H Core Ultra 9 185H |
メモリ | DDR5/LPDDR5 64GB | DDR5 96GB |
ストレージ | SSD 2TB | SSD 2TB |
GPU | NVIDIA RTX A500 | NVIDIA 500 Ada |
ディスプレイ | WUXGA IPS タッチあり 2.2K IPS 2.8K OLED |
WUXGA/WQUXGA/3K |
無線 | Wi-Fi 6E、4G LTE | Wi-Fi 6E |
バッテリー | 18.1時間(JEITA 2.0) | 13.8時間(JEITA 3.0) |
重量 | 1.34㎏ | 1.61㎏ |
寸法 | 317.7 × 226.9 × 17.9mm | 325.5 × 227.6 × 18.5mm |
主な変更点です。
・CPUが14世代に
・メモリが最大96GBに
・グラボが最新のRTX Adaシリーズに
・2.8K OLEDがなくなり2.5Kと3Kが追加
・14インチから14.5インチに大きくなった
・270g重たくなった
・コミュニケーションバーが搭載
・クイックメニューが搭載
0.5インチ大きくなり約300g重くなりましたが、寸法がほとんど変わっていないですね。横幅は約8㎜、奥行きは0.7㎜しか大きくなっていません。ベゼルがかなり細くなったようですね。
こちらは、プロセッサーの性能を表すCPU Markスコアです。スコアもかなり上がっていますが、旧モデルにはAIコアはなく、14世代の本機はAIコアアリです。
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・旧モデル
Core Ultra 9 185H | |
---|---|
Core Ultra 7 165H | |
Core Ultra 5 135H | |
Core Ultra 7 155H | |
Core i7-1370P | |
Core i7-1360P | |
Core Ultra 5 125H | |
Core i5-1350P | |
Core i5-1340P |
それでは本機の特徴です。
高性能インテル14世代CPU搭載
Core Ultra 9 185H | Core Ultra 7 155H/165H | Core Ultra 5 125H/135H | |
製造プロセス | Intel 4(7nm) | ||
P/E/LPコア | 6/8/2 | 6/8/2 | 4/8/2 |
スレッド | 22 | 22 | 18 |
キャッシュ | 24MB | 24MB | 18MB |
Pコア最大クロック | 5.1GHz | 4.8GHz | 4.5/4.6GHz |
Eコア最大クロック | 3.8GHz | 3.8GHz | 3.6GHz |
Xコア | 8 | 8 | 7/8 |
ベースパワー | 45W | 28W | 28W |
マックスパワー | 115W |
CPUは今までのようにPコア(Performance Core)とEコア(Efficient Core)も搭載しており、高負荷な作業はPコアで処理を、低負荷な事はEコアで処理することによって、パワフルでも省電力性を兼ね揃えたCPUになっています。
また、14世代からLP Eコアという低消費電力コアも搭載しており、よりバッテリーが長持ちしやすくなっています。
AI専用のプロセッサーであるNPUを搭載し、グラフィックスはIntel Arcベースになっています。Hシリーズのグラフィック性能はかなり高く、時々しか動画編集をしないような人であれば十分に使えます。
NPUを搭載しているPCはAI PCと呼ばれるのですが、本機もNPUを搭載しいろいろな場面でNPUを使いより快適に使えるようになっています。
Core Ultra 5 135HとCore Ultra 7 165H、そしてCore Ultra 9 185HはvProに対応しているので、多くのPCをきっかつ管理をする人に使いやすいです。
こちらはCPUの性能を測るCPU Markのスコアです。スコアは公開されているものや、当サイトで計測したものになります。
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 9 185H | |
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Core i9-13900H | |
Core Ultra 7 165H | |
Core i7-13700H | |
Core Ultra 7 155H | |
Core Ultra 5 135H | |
Core i5-13500H | |
Core i7-1370P | |
Core i5-1340P | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 7 7730U | |
Core Ultra 5 135U | |
Core i7-1260P | |
Core Ultra 5 125U | |
Core Ultra 7 165U | |
Core i7-1355U | |
Core Ultra 7 155U | |
Core i5-1335U |
こちらはGeekbench 6のスコアで、CPUの3DCGレンダリング性能を測定します。一般的に、3Dレンダリングやエンコードはマルチコア、モデリングやCAD、編集中、ゲームはシングルコアを重視します。
マルチコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i9-14900HX | |
---|---|
Core i7-14700HX | |
Core i7-13650HX | |
Core Ultra 7 155H | |
Core Ultra 7 165H | |
Core Ultra 9 185H | |
Core i5-13450HX | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 5 135H | |
Core Ultra 7 155U | |
Core Ultra 5 135U |
シングルコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i9-14900HX | |
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Core i7-14700HX | |
Core i7-13650HX | |
Core Ultra 9 185H | |
Core Ultra 7 165H | |
Core Ultra 7 155U | |
Core i5-13450HX | |
Core Ultra 7 155H | |
Core Ultra 5 135H | |
Core Ultra 5 125H | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 |
Cinebench R23のスコアで、CPUの3DCGレンダリング性能を測定します。一般的に、3Dレンダリングやエンコードはマルチコア、モデリングやCAD、編集中、ゲームはシングルコアを重視します。
マルチコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i9-13900H | |
---|---|
Core Ultra 7 155H | |
Core Ultra 9 185H | |
Core i7-13700H | |
Core Ultra 7 165H | |
Core Ultra 5 135H | |
Core Ultra 5 125H | |
Core i5-13420H | |
Core i7-1355U | |
Core i5-1235U | |
Core i5-1340P | |
Core i5-1335U |
シングルコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 9 185H | |
---|---|
Core Ultra 7 155H | |
Core i7-13700H | |
Core Ultra 5 135H | |
Core Ultra 7 165H | |
Core i5-13420H | |
Core Ultra 5 125H | |
Core i5-1340P | |
Core i5-1335U | |
Core i5-1235U |
高性能内蔵グラフィックスIntel Arcグラフィックス
内蔵グラフィックスはインテルArcグラフィックスで、インテルArcは14世代CPUの目玉の1つです。Arcはかなり高い性能で、Core Ultra 5 125HのベンチマークではグラフィックボードのGTX 1650 Max-Qよりも高い性能です。
仕事で毎日編集をする人はグラボ搭載モデルが良いですが、時々しかしないという方は内蔵グラフィックスでも十分かもしれません。ただし、本機のようなハイスペックワークステーションには、RTX Ada世代のグラフィックカードをお勧めします。
DirectX 11で動作するFire Strikeのスコアです。
Fire Strike
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 4060 | |
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Radeon RX 6600M | |
RTX 4050 | |
RTX 3060 | |
RTX 2070 Max-Q | |
RTX 2060 Max-Q | |
GTX 1660 Ti | |
RTX 3050 Ti | |
RTX 3050 | |
GTX 1650 | |
Core Ultra 5 125H | |
GTX 1650 Max-Q | |
Arc A350M |
Night RaidはCPU内蔵グラフィックス向けのDirectX 12のベンチマークです。
Night Raid
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 4050 | |
---|---|
RTX 3050 | |
RTX 3050 Ti | |
GTX 1650 Ti | |
Core Ultra 5 125H | |
GTX 1650 Max-Q |
Wild Lifeはクロスプラットフォームのベンチマークで、PCやタブレット、スマホなどとスコアの比較ができます。
Wild Life
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 4050 | |
---|---|
RTX 3050 | |
RTX 3050 | |
RTX 3050 Ti | |
GTX 1650 Ti | |
Core Ultra 5 125H | |
GTX 1650 Max-Q |
業務用グラフィックカード搭載可能
グラフィックスはDirectX(3Dゲーム)に最適化されたGeForceじゃなく、高度な技術計算(OpenGL)に最適化されたRTX Ada世代です。発色が良く、CAD等を使う設計・建築、メディアクリエイターの業務用グラフィックボードです。
RTX 5000 |
RTX 4000 |
RTX 3000 |
RTX 2000 |
RTX 1000 |
RTX 500 |
|
アーキテクチャ | Ada Lovelace | |||||
CUDAコア | 9728 | 7424 | 4608 | 3072 | 2560 | 2048 |
RTコア | 76 | 58 | 36 | 24 | 16 | 16 |
Tensorコア | 304 | 232 | 144 | 96 | 80 | 64 |
TOPS | 682 | 538 | 319 | 232 | 193 | 154 |
メモリタイプ | GDDR6 | |||||
メモリ帯域 | 576GB/秒 | 432GB/秒 | 256GB/秒 | 256GB/秒 | 168GB/秒 | 128GB/秒 |
メモリ容量 | 16GB | 12GB | 8GB | 8GB | 6GB | 4GB |
TGP | 80-175W | 60-175W | 35-140W | 35-140W | 35-140W | 35-60W |
本機のTGP | – | – | – | – | – | 35W |
※搭載できるのはRTX 500
TGPが最低に抑えられているので低めの性能になりますが、その分発熱も低いので安定して使えるというメリットもあります。
14.5インチのディスプレイ
ディスプレイは14.5インチと不思議なサイズで、以下のスペックがあります。
- WUXGA IPS 300ニト 60Hz NTSC 45%
- WQXGA IPS 350ニト90Hz sRGB 100%(タッチパネルアリ)
- 3K IPS 430ニト 120Hz DCI-P3 100%
WUXGAは1920×1200ドット、WQXGAは2.5Kで2560×1600ドット、そして3Kは3072×1920ドットになり、解像度が高いほうが高精細で細かな部分もしっかりと見えます。
また、2.5KのみX-Rite Pantone ファクトリー・カラー・キャリブレーション対応です。
すべてコントラスト比が高く視野角も広いIPS液晶で、色域は3種類あります。
これは各色域で、NTSC 45%は色彩にこだわらない使い方をする人なら大丈夫です。sRGBは画像編集に向いた色域で、この中で一番広いDCI-P3はデジタルシネマ規格で映像編集をする人に向いています。
客先でディスプレイを共有するような人は、sRGB 100%以上が良いですね。
ディスプレイは14.5インチというあまり見ないサイズですが、上の画像を見比べると表示情報量がすごく多いです。それでいて、旧モデルの14インチから数ミリしか筐体が大きくなっていないので、すごく頑張っていると思います。
15.6インチよりも表示量が格段に多いですね。外出先でも作業がしやすいです。
最大輝度は300/350/430ニトで、こちらは輝度の目安です。
220ニト | 室内ならなんとか使える。明るい室内では暗く見える |
---|---|
250ニト | 室内向け。屋外では日陰ならギリギリ使える |
300ニト | 屋外の日陰でも見える |
400ニト | 屋外でも使いやすいが、直射日光が当たるとちょっとくらい |
500ニト | 屋外向け |
600ニト | 画面に直射日光が当たっても比較的見える |
もし、モニターの購入もお考えなら、先日私が購入したこちらのモニターがおすすめです。
Copilotボタン搭載
コパイロットはWordやExcelなどのMicrosoft製品をサポートする生成AIで、Chat GPTのような使い方もできます。
例えばCopilotで「Lenovoパソコンを購入するのに、おすすめのパソコンレビューサイトは?」と質問したら、当サイトも紹介されました。信頼性が高いAIです(笑)。
冗談はさておき、このボタン1つでいろいろなことができるので、最近はChatGPTじゃなくコパイロットを使うことが多くなりました。
NPUっていつ使うの?
ここ最近、AI、AIと言われていますが、AIコアであるNPUっていつ使うの?っていう疑問ありますよね。
今現在NPUコアを使ってできるものはWindows Studioエフェクトや、一部のアプリ(Photoshopなど)がNPU対応の機能を実装しています。
と言うことで、現在はそこまで活躍する場がないですが、今後あると便利になるといったものになります。
現在どの程度使えるのか当サイトで筆者の用途で検証してみましたが、検証時点ではPhotoshopなどでAIコア対応機能が実装されていなかったので、参考程度に見てください。
筆者がやることで、NPUを使いそうなものはこちらです。
・Lightroomで編集
・PhotoshopでAI画像生成・Youtube動画作成
・Web会議・オンラインレッスン
・AI音楽生成ソフトで音楽作成
動画にまとめたので、どうぞ。
この中でNPUを使ったものは、Webカメラを使用時にWindows Studioエフェクトを使ったときのみです。ちなみに動画にはありませんが、Copilotで画像を生成しているときもNPUは動きませんでした。
コミュニケーションバー搭載で高画質WEBカメラも搭載
ちょっと飛び出したようになっていますが、コミュニケーションバーが搭載しており、このおかげでカメラやマイクのスペックが上がっています。
WEBカメラは超高画質の500万画素(おおよそ2.8K解像度)で、マイクはDolby Voice(周囲の騒音があるときや、複数人で会議をしているときに、自動的に音量を調整する機能)に対応しており、遠距離マイクが2つ内蔵されています。また、2Wスピーカーが2つ搭載です。
顔認証用のIRカメラ対応モデルもあり、こちらは人体検知(HPD)機能付きになるので、のぞき見されていると警告を出した、離席するとロック、戻るとアンロックされたりします。
また、先述しましたが本機はAIコアがあるのでWindows Effect Studioが使えます。自動フレーミングやアイコンタクト、背景のぼかしなど、Web会議などに「あったらいいな」があります。
その他の特徴
外観
14.5インチにサイズアップしましたが、筐体の大きさがほとんど変わっていないのでベゼルがすごく細いです。
寸法は
幅325.5㎜
奥行き227.6㎜
高さ18.5㎜
で、本機は14.5インチですが14インチのPCの中に入れてもコンパクトなほうです。
また、ワークステーションとしては薄く、たったの18.5㎜です。重さは1.61㎏と14インチでは重たいほうですが、ワークステーションとしてみると標準的だと思います。
以前は右側面に排気口がありましたが、マウスを使っていると温風が当たって嫌な人は多かったと思いますが、排気口は背面に移動したので安心です。
本機はMIL規格と言う12項目の米軍の物資調達規格に準拠しており、落下テストや気温・気圧の変化テスト、ディスプレイ部の耐久性など様々なテストもクリアしています。他にも、200の項目の品質チェックをしており、安心して使える機種です。
ISV認証
本機種はISV(独立系ソフトウェアベンダー)により、アプリケーションとの互換性や安定稼働、高い運用性をテストされてISV認証を得ています。
ISV認証はこちらから確認できますが、発売されたばかりなのでいくつかのソフトのみ確認できました。
上の画像は「Bentley 2023 MicroStation Connect Edition」の認証を確認した画像で、iGPU時はRecommended、eGPU時はCertifiedとなっています。
キーボード
ThinkPadのキーボードはタイピングがしやすいことで有名で、打鍵感が良く、トラックポイントを使えば、ホームポジションから離れずに作業が可能です。
キーボードはフルサイズ89キーで、バックライトの有無はカスタマイズから変更できます。ただし、バックライト無しのキーボードはプラスチック感が強く打鍵感も低いので、バックライトありを強くお勧めします。
トラックパッド(タッチパッド)は60㎜×115㎜と大きく、操作性も高いです。アクセシビリティ向上のため、エンターキーやFnキー、F2とF3キーに突起(ポジションバー)が付きました。重要なキーの押し間違いが減りそうです。
指紋センサーは電源ボタンと指紋センサーが統合されているので、電源を入れたらサインインも完了です。
そして、トラックポイントをダブルタップすると、TrackPoint Quick Menuがポップアップし、カメラやマイク、ノイズ抑制などの設定ができるようになりました。Web会議が多い人には使いやすいです。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
搭載メモリはDDR5-5600MHzで、2スロット・最大96GBになります。公式サイトでは最大64GBにできるので、96GBにする場合は自分でやることになります。
ストレージ
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
最新のSSD PCIe 4.0×4が搭載で、最大2TBと大容量です。パソコンの起動も10秒ほどと速いです。
軽さと引き換えにM.2スロットは1つしかないので、ストレージの増設はできません。
こちらはシーケンシャル速度の、おおよその速度です。
シーケンシャル速度
オレンジ色・・・リード 青・・・ライト
PCIe 4.0×4 | |
---|---|
PCIe 3.0×4 | |
HDD |
セキュリティ
ThinkPadは、全方位から備えるサイバーセキュリティのThinkShieldによって守られており、堅牢性が高い機種になっています。
一般的なノートパソコンよりは強固ですが、セキュリティソフトをお考えの場合は「Lenovoパソコンにおすすめのセキュリティソフト」も併せて読んでみてください。
Wi-Fi 6Eに対応し、イーサネットも搭載
対応周波数 | 速度 | |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
次世代通信規格のWi-Fi 6Eに対応しており、現在主流のWi-Fi5より約40%最大通信速度が上がっています。また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
Wi-Fi 6EはWi-Fi 6のExtended(エクステンディット)版で、6GHz帯(高速通信)での通信ができます。
また、1ギガビットイーサネットも搭載しており、無線でも有線でもサクサク使えます。
バッテリー駆動時間
バッテリーは57Whrか75Whrとどちらも大容量で、最大13.8時間の動画再生時間があります。Lenovoでもトップクラスのバッテリー駆動時間で、外出先でも長時間作業ができます。
インターフェイス
インターフェイスはそれほど困らない程度にあり、Thunderbolt 4は2つもあるので、ドックを持っていたら据え置き用としても使いやすいです。Lenovoではいくつかのドックやハブが販売されているので、Lenovoドックのレビューも併せてどうぞ。
左側面にはHDMI、Thunderbolt 4が2つ、USB 3.2 Gen 1、そしてマイク/ヘッドフォンジャックになります。
右側面はスマートカードリーダー(オプション)、USB 3.2 Gen 1、イーサネットコネクタ、そしてセキュリティスロットになります。
Thunderbolt 4にはこういった機能・性能があります。
- Power delivery対応、DisplayPort出力機能付き、DC-in機能付き
- 最大データ転送速度40GB/秒が2mのケーブルでも出る(以前は0.8mまで)
- PCIeの転送速度は32GB、ストレージ転送速度は最大3000Mbps
- 4Kディスプレイ2台同時に出力可能
- 8K出力にも対応
サポート・保証
標準で1年間の「引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長5年まで延長できます。また、プレミアサポートと言うサポートにアップグレードができ、こちらは24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)
また、保証は引き取り修理とオンサイト修理、翌営業日オンサイト修理の3種類があります。
- 引き取り修理・・・家などの指定住所にLenovoの指定業者がPCを引き取りに来てリペアセンターに配送、修理後、郵送してくれる保証です。保証期間内は、基本的に修理費・郵送費など無料です。
- オンサイト修理・・・事務所や自宅にエンジニアが来て修理
- 翌営業日オンサイト修理・・・翌営業日(土日祝日以外)にエンジニアが来て修理
まとめ
良い点
・小型で持ち運びがしやすい
・14世代CPU搭載でAIコアもあり
・ローエンドグラフィックボード搭載可能
・最新スペック満載
・画面比が16:10で、14.5インチでも15.6インチ以上の情報が表示される
・最大メモリ容量が大きい
・ディスプレイがハイスペック
・500万画素のWEBカメラが搭載
・バッテリー駆動時間が長い
残念な点
・旧モデルよりも重たくなった
総合評価
全体的にハイスペックで、持ち運び用のワークステーションとしては性能も高く、画面が大きくなったので作業効率も上がります。
なんと言ってもAIコアが搭載しているので、今後対応アプリが増えてきたら作業がもっとしやすくなります。
最高でCore Ultra 9 185Hが搭載できますが、グラフィックはRTX 500 Adaとそこまで高い性能じゃないので、持ち運び用としてや、そこまでグラフィック性能を必要としない人に合います。