13インチで1㎏を切る軽量のモデルの、ThinkPad X1 Nano Gen 3です。
画面アスペクト比が16:10と縦に長いので、13インチでも14インチ並みの情報が表示され、外出先でも快適に作業ができます。また、バッテリー駆動時間が最大約19.7時間と長いので、長時間がっつり使う人にも合いますね。
持ち運びに特化したPCで、MILスペックに準拠し、カーボン素材やマグネシウムを使用しているため、堅牢性が高い機種になります。
当サイトの評価は、このようになりました。
スペック | [usr 4.5] |
---|---|
コスパ | [usr 4.3] |
総合評価 | [usr 4.4] |
レビュー機はLenovoから借りており、スペックはCore i5-1340P、メモリ16GB、SSD 256GBになります。
ThinkPad X1 Nano Gen 3のスペック
CPU | Core i5-1340P/1350P Core i7-1360P/1370P |
---|---|
メモリ | 最大16GB |
ストレージ | SSD 最大1TB |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス |
ディスプレイ(13型) | 2K IPS タッチあり |
OS | Windows 11 Home/ Pro |
無線 | Wi-Fi 6E |
生体認証 | 指紋センサー、顔認証 |
WEBカメラ | FHD 1080p+IRカメラ、MIPI(人勧検知機能)モデルあり |
オーディオ | HDオーディオ、スピーカー×4(ドルビーアトモス) |
寸法(幅×奥行×高さ) | 293.2 × 208.0 × 14.4~14.8mm |
重さ | 966.5g~ |
バッテリー | 最大約19.7時間 |
標準保証 | 1年間 |
価格 | 22.3万円~ |
<性能評価>
パソコンの頭脳であるCPUは最新のインテル第13世代になっており、パワフルなPシリーズが搭載で。性能は第12世代よりも10%ほど上昇しており、より快適に作業ができます。ただし、レビュー機では12世代Core i5とほぼ同じスコアでした。筐体が小さいので、性能が頭打ちになったと思います。
メモリは最新のLPDDR5X-7500MHzで、最大16GBです。動作周波数が7500MHzと、とんでもない数値になっていますね。ストレージはSSD PCIe 4.0×4が搭載で、最大1TBと大容量ですね。
ディスプレイは2.2K IPS液晶になり、画面アスペクト比が16:10と縦に長いので、14インチ並みの情報が表示されます。また。クリエイター向けの広色域sRGB 100%で、画像編集をする人にも合います。輝度は450ニトと高く、明るい屋外でも見やすい明るさです。
無線は最新のWi-Fi 6Eに対応で、高速通信が可能です。
その他のスペックは、OSはWindows 11 HomeかProが選べ、指紋センサーと顔認証が搭載、そして、Webカメラは高画質FHD 1080pになっています。
A4サイズよりも小さな筐体で、重さはたったの966.5g(最軽量モデル)、そしてバッテリー駆動時間は最大19.7時間とロングランです。
持ち運びに特化した機種ですが、性能も高く、妥協せずにがっつりと作業ができます。
2023年のトレンドと比較
2023年のノートパソコンのトレンドをまとめたので、本機がどのくらい満たしているか比較してみます。(〇/標準搭載、△/モデルによってはあり、×/なし)
12世代CPU | DDR5 | PCIe 4.0 | アスペクト比16:10 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
Wi-Fi 6E | sRGB 100%以上 | 輝度300nit以上 | 1080P Webカメラ |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
Thunderbolt 4 | 生体認証 | 重量1.2㎏前後 | バッテリー14時間以上 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
旧モデルとの比較
旧モデルのThinkPad X1 Nano Gen 2との比較です。(表のメモリ・SSD・バッテリーは最大値)
本機種 | Gen 2 | |
CPU | Core i5-1340P/1350P Core i7-1360P/1370P |
Core i5-1240P/1250P Core i7-1260P Core i7-1270P/1280P |
メモリ | LPDDR5X-7500 16GB | LPDDR5-6400MHz 32GB |
ストレージ | SSD 1TB | |
ディスプレイ | 2.2K IPS 450nit sRGB 100% | |
無線 | Wi-Fi 6E | Wi-Fi 6E、4G LTE/5G |
バッテリー | 19.7時間 | 18.2時間 |
重量 | 966.5g~ | |
寸法 | 293.2 × 208.0 × 14.4~14.8mm |
新機種は旧モデルと同じ筐体を使っており、何か無理やり新しいスペックに変更した感じがしますね。
とは言え、ほぼ同じで、と言うか、むしろ一部の方にはスペックが下がったと感じられるかもしれません。
主な変更点はこちらです。
・CPUが13世代に
・メモリが最新のLPDDR5X-7500MHzに
・バッテリー駆動時間が若干上がった
・最大メモリ容量が16GBに
・WWAN(4G LTEや5G)がない
WWANが必要な人って多いと思うのですが、本機はスマホのテザリングを使用したら大丈夫です。また、あまり選ぶ人は多くないと思いますが、以前はメモリが最大32GBだったのでヘビーユーザーにも使いやすかったですが、本機は16GBまでとなっています。
こちらは、プロセッサーの性能を表すCPU Markスコアです。旧モデルと比べ、全体的に10%ほど高い性能になりました。
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・旧モデル
Core i7-1280P | |
---|---|
Core i7-1370P | |
Core i7-1360P | |
Core i5-1350P | |
Core i5-1340P | |
Core i7-1270P | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P |
Evoプラットフォーム認証
第13世代CPUのEvoプラットフォームは、Project Athenaから数えて第4世代のEvoになります。CPUで言えば11、12、13世代のインテルCPUに、Evo認証があります。
ただし、13世代CPUを搭載していたらEvo認証を得るわけじゃなく、下記項目を満たす「ハイスペックなノートパソコン」のみがEvo認証を得ることが出来ます。
- Iris Xeグラフィックス搭載の第13世代CPU搭載機種
- アプリケーションを高速かつ高レスポンスで使える
- AI推論も高速で使える
- 電源を問わずにレスポンスが良い事
- 9時間以上のバッテリー駆動時間
- フルHD以上
- 1秒以内でスリープから復帰
- 30分の充電で4時間駆動
- Wi-Fi 6E実装
- Intel CPS(Connectivity Performance Suite)に対応
- フルHD以上のWebカメラを搭載
- 音声ノイズ抑制機能搭載
- Thunderbolt 4搭載
- ノートパソコンであること
- Intel Unisonのサポート
12世代のEvo認証の要件に、「Intel Unisonのサポート」が追加されました。これは、スマホとPCをリンクして、PC上でスマホのデータをコピペしたり、スマホをPC上で操作できるものです。今も「スマートフォン連携」と言うアプリがありますが、これの連絡先にiPhoneも加わりました。
代々、Evoプラットフォーム認証を受けた機種は数えるほどしかなく、特別な機種になります。
ただし、これ初めて見たのですが、本機では同じスペックでもEvoプラットフォーム認証を選ばないと、Evoじゃない?感じになっています。なんでしょうね、これ?まぁ、とりあえず無料なので、Evoを選んでおいたらステッカーが付いてくると思います。
ThinkPad X1 Nano Gen 3の特徴
A4サイズよりもコンパクトな筐体で、ベゼル(画面の黒い枠)が細いですね。
ベゼル幅は左5.5㎜、右5.6㎜、下13.2㎜とかなり細く、上は11.3㎜と一般的に見たら細いですが極細ではありません。
寸法は
・幅 293.2㎜
・奥行 208㎜
・高さ 14.4㎜
となり、A4サイズ(210×297㎜)よりも少し小さなサイズです。本機は13.3インチじゃなく13インチなので、元からちょっと小さめの機種です。
幅と奥行きも小さいですが、高さはなんと14.4㎜です!!めちゃくちゃ薄いんです。これだけ薄いと掴みやすいので、移動もサッとできます。
しかも、重さはたったの966.5gからです!
これ、どれだけ軽いかと言うと、各インチの標準的な重さは以下の数値です。
本機13インチ・・・966.5g
13.3インチ平均・・・約1.2~1.3㎏
14インチ平均・・・約1.4㎏
15.6インチ平均・・・約1.7~1.8㎏
めちゃくちゃ軽いんです。しかも、ノートパソコンって100g、いや、50g違っただけでも全然重さが違うんですよ。なので、1㎏を切るPCは、羽のように軽く感じます。
素材は、天板にはカーボンファイバーを採用、そして底面はカーボンファイバーとマグネシウムの合金になっているんです。これらの素材は、軽量かつ堅牢性が高いので、安心して持ち運びができます。
カーボン素材は独特の触り心地があり、アルミニウムなどのメタルの様に、冬に冷たくなったりしません。ただし、指紋が付きやすいので、時々拭いてあげる必要があります。
底面はマグネシウムを使用しています。排気口が小さいですが、X1シリーズはいつも小さいですね。Cinebenchと言うCPUをフルパワーで使うベンチマークをやっているとき、キーボード左半分は熱くなっていました。ファンの音は静かですが、小さな筐体なので、高負荷なことを長時間するには向いていないと思います。
右側面にも通気孔がありますが、このおかげで、右側には電源ボタンがあるだけで、USBなどのインターフェイスはありません。
ディスプレイはほぼ180度開くことができるので、地面に座って作業をすることがあるエンジニアにも使いやすいです。
ただし、ディスプレイは片手で開けることができないので、もう片方の手がふさがっているときは、ちょっと面倒です。
高画質FHD WEBカメラ搭載
本機には高画質FHD Webカメラ+プライバシーシャッターが搭載しており、カメラはf値が2.0と小さく、多くの光量を取り入れることができます。より明るく、くっきりとシャープな映りです。
一番左は本機、真ん中は同じf値2.0のFHD Webカメラ(X1 Carbon Gen 10)、そして一番右は一般的なPCに搭載されているHD Webカメラです。
公正に画質をチェックするため撮影ライトを使用しておらず、本機はまだ朝早くに撮影したため日が昇りきっていないので、半分影、半分直射日光になりました。影の部分も日の当たっている部分も画質が高く、きれいに撮れています。
カメラは2種類あり、MIPI(人勧検知機能付き)搭載モデルもあります。MIPIは、例えばPCの前を離れたら自動的にロックし、席に戻ったら自動的にログインしたりできます。
また、Thinkshutterと言うプライバシーシャッターがあるので、カメラを使わないときは閉じておくと安心です。
Webカメラ横には360°集音マイクが4つあり、「周囲の騒音のカットや複数人の会議参加時に自動的に音量を調整する」Dolby Voiceにも対応しています。
スピーカーはフロントフェイスで1Wのツイーター(高音スピーカー)が2つ、2Wのウーファーが2つの合計4つになっています。
実は他のX1シリーズ(X1 CarbonやX1 Yoga)には、0.8Wのツイーターが搭載しているのですが、本機は少しとは言え大きなスピーカーになっています。それにしても、一番コンパクトで最軽量モデルに一番大きなスピーカーが付いているのもすごいですね。
音を聴き比べてみたら、Nano Gen 3の方がちょっとだけ良い音でした。
スピーカーはDolby Atmos対応で、一般的なオーディオの様な平面的じゃなく、立体的な音を体感できます。Web会議はもちろん、動画視聴や音楽鑑賞にももってこいの音響です。
MILスペック
本機はMIL規格と言う12項目の米軍の物資調達規格に準拠しており、落下テストや気温・気圧の変化テスト、ディスプレイ部の耐久性など様々なテストもクリアしています。他にも、200の項目の品質チェックをしており、安心して使える機種です。
キーボード
キーボードはフルサイズ・88キーで、タッチパッドは110㎜×56㎜となっており、13インチにしては大きいです。トラックポイントもあるし、操作性は高いですね。
キーストロークは1.5㎜あり、超薄型PCなので「いつものThinkPad」の様な打鍵感はありませんが、これもX1 Carbonと比べると、Nanoの方が打鍵感がありタイピングがしやすいです。
キーピッチは1.83×1.84㎜と若干小さめで、今まで大きなノートパソコンを使っていた人は慣れが必要だと思います。
キートップは若干湾曲しており、指にフィットするような作りになっているので、ミスタイプも少ないと思います。
電源ボタンは右側面にあり、指紋センサーはキーボード面に搭載しているので、一度で作業に取り掛かれず、二度手間です。
CPU
i7-1370P | i7-1360P | i5-1350P | i5-1340P | |
コア(P/Eコア) | 14(6/8) | 12(4/8) | ||
スレッド | 20 | 16 | ||
Pコアクロック | 1.9GHz | 2.2GHz | 1.9Hz | |
Pコア最大クロック | 5.2GHz | 5.0GHz | 4.7GHz | 4.6GHz |
Eコアクロック | 1.4GHz | 1.6GHz | 1.4GHz | |
Eコア最大クロック | 3.9GHz | 3.7GHz | 3.5GHz | 3.4GHz |
L3キャッシュ | 24MB | 18MB | 12MB | |
GPU | 96EU | 80EU | ||
ベース/マックスパワー | 28/64W |
※Core i5-1350PとCore i7-1370Pは、vPro対応です。
CPUはPコア(Performance Core)とEコア(Efficient Core)の2つを搭載しており、高負荷な作業はPコアで処理を、低負荷な事はEコアで処理することによって、パワフルでも省電力性を兼ね揃えたCPUになっています。
また、Intel Thread Directorというハードコアが、命令をより効率よくPコアとEコアに割り当てて実行できるので、性能もかなり上がっています。
本機・Core i5-1340Pを計測したところ、17699と高いスコアが出ました。ただし、Core i5-1340Pの平均と比べると20%ほど性能が低く、超コンパクトノートPCなのでこの点はしょうがないかと思います。
こちらはCPUの性能を測るCPU markスコアです。
スコアの目安
- 7000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 10000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 15000~・ハイエンドPCに搭載される
- 18000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
CPU Markスコア
オレンジ色・・・13世代 青・・・12世代
Core i7-13700HX | |
---|---|
Core i7-1370P | |
Ryzen 7 7735U | |
Core i7-1360P | |
Core i5-1350P | |
Core i5-1340P平均 | |
Core i7-1270P | |
Ryzen 7 7730U | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1250P | |
Core i5-1340P/本機 | |
Core i5-1240P | |
Core i5-1335U | |
Core i7-1165G7 |
Geekbench 6/CineBench R23
こちらはGeekbench 6のスコアで、CPUの3DCGレンダリング性能を測定します。一般的に、3Dレンダリングやエンコードはマルチコア、モデリングやCAD、編集中、ゲームはシングルコアを重視します。
本機のスコアはマルチコア7281、シングルコア2317となり、マルチコアは予想よりも低くなりましたが、シングルコアは高い性能です。
マルチコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-13700H | |
---|---|
Core i5-13500H | |
Core i5-1350P | |
Core i5-1340P/平均 | |
Core i7-1370P | |
Core i7-1360P | |
Core i5-1335U | |
Core i5-1235U | |
Core i5-1345U | |
Core i7-1365U | |
Core i5-1340P/nano Gen 3 | |
Core i3-1315U | |
Ryzen 7 7730U | |
Ryzen 5 7530U |
シングルコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1370P | |
---|---|
Core i7-13800H | |
Core i7-13700H | |
Core i5-13500H | |
Core i5-1340P/nano Gen 3 | |
Core i7-1360P | |
Core i5-1345U | |
Core i5-1340P | |
Core i5-1335U | |
Core i5-1235U | |
Core i3-1315U | |
Ryzen 5 7530U | |
Ryzen 7 7730U | |
Core i5-1350P | |
Core i7-1365U |
CineBench R23はGeekbenchの様にマルチコアとシングルコアの性能を計測します。
シングルコアのスコアは1回目1418、2回目1313と低めでした。
マルチコアは1回目5251、2回目は4769と悪くないですが、驚くほど高い性能でもありません。
PCMark10
こちらはPCMark10の計測結果で、Essentialは「通常用途(Web検索やビデオ会議、アプリの起動など)の性能」、Productivityは「Microsoft Office(事務系のアプリ)使用時の性能」、Digital Content Creationは「コンテンツ作成(画像・動画編集など)のしやすさ」を表しています。
総合性能の目安は以下になります。
・5000以上・・・超ハイスペック(グラボ搭載機種はこれ以上)
・4000以上・・・ハイスペック
・3000以上・・・中位モデル
・2000以下・・・エントリ―クラス
本機種のスコアです。
- 総合性能は4773
- Essentialは9549→通常用途やビデオ会議などかなり使いやすい
- Productivityは6632→高速に使える
- Digital content creationは4661→外付けGPU無しにしては普通
全体的にCore i5-1340Pにしては性能が伸び悩みましたが、ビジネス用途でも十分快適に使えるほどです。
その他のCPUとの比較です。
Essential
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1260P | |
---|---|
Core i5-1240P | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1340P | |
Core i5-1135G7 | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 3 5425U | |
Core i5-1235U | |
Ryzen 7 7735U | |
Core i5-1235U |
Productivity
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 7 7735U | |
---|---|
Ryzen 3 5425U | |
Ryzen 7 5700U | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1340P | |
Core i3-1215U | |
Core i5-1235U | |
Core i5-1135G7 | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Core i5-1235U |
Digital Content Creation
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 7 7735U | |
---|---|
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Ryzen 7 5700U | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1235U | |
Core i3-1215U | |
Core i5-1235U | |
Core i5-1340P | |
Ryzen 5 5500U | |
Ryzen 3 5425U | |
Core i5-1135G7 |
グラフィックス性能
グラフィック性能が高いと、Officeを使った作業や複数画面での作業などがしやすくなります。
グラフィックスコアは2542と、ミドルクラスになりました。動画編集などの重たい作業じゃなければ、十分に使えるほどです。
その他のCPUとの比較です。
3D Graphics Mark
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 7 7735U | |
---|---|
MX550 | |
MX450 | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1135G7 | |
Core i5-1340P | |
Core i5-1240P | |
Core i5-1235U | |
Core i3-1215U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 3 5425U | |
Core i5-1235U |
一応、2DゲームのドラゴンクエストXのベンチマークもしました。3Dゲームは無理ですが、このくらいのゲームなら快適にできるほどの性能です。
ディスプレイ
解像度 | 光沢 | 液晶 | 輝度 |
2K(2160×1350) | なし | IPS | 450nit |
コントラスト比 | 色域 | 視野角 | その他 |
1000:1 | sRGB 100% | 170° | タッチパネルあり |
画面アスペクト比が16:10と縦に長く、一般的なノートパソコンよりも縦に長いので、13インチでも14インチ並みの情報が表示されます。一目でより多くの情報が見れるので、スクロール回数も減り、作業効率もアップします。
解像度はFHD(16:10の場合はWUXGAと言います)よりも若干高い2Kで、視野角が広いIPS液晶になっています。
画面比16:9の14インチよりも表示情報が多いので、コンパクトな13インチでも生産性を落とさずに作業ができます。ただし、画面が小さく文字が14インチよりも小さくなります。
色域をi1 Display Proで計測したら、sRGBカバー率は99.8%、sRGB比は102.8%になりました。SNS用の画像/動画編集をする人に向いています。
左は本機、そして右は一般的なPCに採用されるNTSC 45%ですが、全然色が違いますよね。画像編集などをしなくても、より鮮やかなので写真を見たり動画を見たりと、いろいろな用途に実用的です。
また、コントラスト比は1000対1と高く、視野角も左右上下85°と十分です。
輝度は450ニトと高く、屋外でも使いやすいです。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
メモリは、初めて見ました。LPDDR5-7500MHzと最新で、最大16GBになります。この動作周波数(MHz)が高いとより高速にデータ処理ができるのですが、現在主に使用されているのは3200MHz~5200MHzが多い中、7500MHzはすごいです。
メモリマークスコアを計測したら、2952とかなり高い数値でした。処理速度は体感でも分かるほど速いです。
その他のメモリとの比較です。
Memory Mark
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
X1 Nano Gen 3/LPDDR5-7500 | |
---|---|
DDR5-4800MHz平均 | |
LPDDR4-4266MHz平均 | |
LPDDR5平均 | |
DDR4-3200MHz平均 |
ストレージ
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
ストレージも最高のSSD PCIe 4.0×4が搭載で、パソコンの起動など何をするにしても爆速です。
リード(読み込み)は4064MB/秒、ライト(書き込み)は20001MB/秒とどちらも速いです。
こちらはシーケンシャル速度の、おおよその速度です。
シーケンシャル速度
オレンジ色・・・リード 青・・・ライト
本機 | |
---|---|
PCIe 4.0×4 | |
PCIe 3.0×4 | |
HDD |
セキュリティ
ThinkPadは、全方位から備えるサイバーセキュリティのThinkShieldによって守られており、堅牢性が高い機種になっています。
一般的なノートパソコンよりは強固ですが、セキュリティソフトをお考えの場合は「Lenovoパソコンにおすすめのセキュリティソフト」も併せて読んでみてください。
Wi-Fi 6Eに対応
対応周波数 | 速度 | |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
次世代通信規格のWi-Fi 6Eに対応しており、現在主流のWi-Fi5より約40%最大通信速度が上がっています。また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
Wi-Fi 6EはWi-Fi 6のExtended(エクステンディット)版で、6GHz帯(高速通信)での通信ができるのですが、執筆時現在の日本では6GHz帯はまだないので使えません。最大で5GHz帯になります。
WWAN(LTE/5Gなど)
執筆時現在、WWANモデルはありません。スマホのテザリングを使用したら、外出先でも、いつでもつながることができます。
バッテリー駆動時間
バッテリーはこのサイズにしては大容量の49.5Whrもあり、最大約197時間のバッテリー駆動時間になります。
この小さな筐体に、そして1㎏を切る重さですが、大きなバッテリーです。
電源アダプタは45Wで、コンパクトです。持ち運びにも便利ですね。
約1.9時間で満充電になるので、急な外出でもサクッと充電して出かけることができます。
インターフェイス
インターフェイスは少ない、と言うか、かなり不十分です。USB4が2つあるだけですが、まだまだUSB-Aのデバイスも多いので、屋内で使うときはThunderbolr 4対応ドックが、外出時は小さなドックやハブがあると便利です。
Lenovoではいくつかのドックやハブが販売されているので、Lenovoドックのレビューも併せてどうぞ。
右側面には、電源ボタンのみです。
左側面にはマイク/ヘッドフォンジャックと、USB4(Thunderbolt 4対応)が2つのみで、Thunderbolt 4にはこういった機能・性能があります。
- Power delivery対応、DisplayPort出力機能付き、DC-in機能付き
- 最大データ転送速度40GB/秒が2mのケーブルでも出る(以前は0.8mまで)
- PCIeの転送速度は32GB、ストレージ転送速度は最大3000Mbps
- 4Kディスプレイ2台同時に出力可能
- 8K出力にも対応
サポート・保証
標準で1年間の「引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長5年まで延長できます。また、プレミアサポートと言うサポートにアップグレードができ、こちらは24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)
また、保証は引き取り修理とオンサイト修理、翌営業日オンサイト修理の3種類があります。
- 引き取り修理・・・家などの指定住所にLenovoの指定業者がPCを引き取りに来てリペアセンターに配送、修理後、郵送してくれる保証です。保証期間内は、基本的に修理費・郵送費など無料です。
- オンサイト修理・・・事務所や自宅にエンジニアが来て修理
- 翌営業日オンサイト修理・・・翌営業日(土日祝日以外)にエンジニアが来て修理
ライバル機種
1㎏を切るパソコンって少ないのですが、Lenovoの軽量モデルを2つご紹介します。また、別記事で「1㎏以下のノートパソコン」を紹介しているので、こちらも併せてどうぞ。
ThinkPad X1 Carbon Gen 11
最新の13世代インテルを搭載し、その他のスペックも最新最先端を行っており、総合的に完成された機種です。重さも14インチで1.12㎏からとかなり軽く、バッテリー駆動時間は最大約28.5時間です!
CPU | Core i5-1335U/1345U Core i7-1355U/1365U Core i5-1340p(未発売) Core i7-1370P(未発売) |
---|---|
メモリ | 最大64GB |
ストレージ | SSD 最大2TB |
ディスプレイ(14型) | WUXGA IPS 2.2K IPS 2.8K OLED |
OS | Windows 11 Home/ Pro Windows 11 Pro(Windows 10へのダウングレード権行使) |
無線 | Wi-Fi 6E |
生体認証 | 顔認証、指紋センサー |
WEBカメラ | FHD、FHD&IRカメラ、FHD&IRカメラ、MIPI |
重さ | 1.12㎏~ |
バッテリー | 最大約28.5時間 |
価格 | 20.7万円~ |
IdeaPad Slim 5 Light Gen 8(AMD)
ビジネスノートではないですが、14型で1.17㎏~と軽いPCです。しかも、軽いだけじゃなくバッテリーも最大約17時間と長く、MILスペックに準拠した堅牢性もあるので、持ち運びにピッタリの機種です。何よりも、価格が1/3くらいなので心がぐらつきます
CPU | Ryzen 3 7330U Ryzen 5 7530U Ryzen 7 7730U |
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メモリ | 最大16GB |
ストレージ | SSD 最大512GB |
ディスプレイ(14型) | FHD IPS液晶 |
無線 | Wi-Fi 6 |
生体認証 | 指紋センサーあり |
WEBカメラ | FHD 1080p |
重さ | 約1.17㎏~1.24㎏ |
バッテリー | 最大約17時間 |
価格 | 8.4万円~ |
まとめ
良い点
・超小型超軽量で持ち運びがしやすい
・Evoプラットフォーム認証
・カーボン素材でおしゃれ・傷もつきにくい
・Evoプラットフォームで性能が高い
・最新スペック満載
・画面比が16:10で、13型でも14型並みの情報が表示される
・バッテリー駆動時間が長い
・生体認証が2つある
・Webカメラやマイク、スピーカーが高品質
残念な点
・インターフェイスが少ない
・電源ボタンと指紋センサーの位置が離れすぎているので、顔認証ができないときはちょっと面倒くさい
総合評価
13インチで1㎏を切る軽量モデル、パワフルなCPUを搭載しています。カメラやマイクなども高品質で、Web会議はもちろん、動画視聴や音楽鑑賞にも合う機種です。
これだけ軽いですが、MILスペックに準拠しており、カーボンやマグネシウム素材を使用しているので堅牢性も高く、安心して持ち運べます。1㎏を切ると、肩の荷が下りますね。
インターフェイスが残念ですが、これ以外はほぼ文句なしだと思います。