持ち運びが多い人に合うワークステーションで、性能も高めなのでがっつりとした作業ができる機種です。
最軽量モデルの重さは1.81㎏、バッテリー駆動時間は最大約21.9時間と長く、CPUやGPUも最高クラスの性能で、モビリティーとパワーを追求したモデルです。
まずはレビューのまとめをどうぞ。
良い点
・16インチとしては軽量で持ち運びがしやすい
・剛性の高い素材を使用し、おしゃれで傷もつきにくい
・画面比が16:10で、16型でも17型並みの情報が表示される
・ディスプレイが高品質で、最高で4K Adobe RGB 100%
・CPUやメモリ、SSDが最新スペック
・Wi-Fi 6Eに5Gも搭載可能
・WEBカメラは高画質FHD
・指紋センサーと顔認証が搭載可能
・NVIDIA GeForce も搭載可能
残念な点
・RJ45がない
・コンパクト筐体のためGPUのTGPが下げられている
Contents
ThinkPad P1 Gen 5のスペックレビュー
CPU | Core i7-12700H/12800H Core i9-12900H |
---|---|
メモリ | 最大64GB |
ストレージ | SSD×2 |
グラフィックス | NVIDIA RTX A1000 /A2000/A3000/A4500/A5500 Laptop GPU NVIDIA GeForce RTX 3070 Ti/3080 Ti |
ディスプレイ(16型) | WUXGA/WQXGA/WQUXGA IPS タッチあり |
OS | Windows 11 Home/ Pro |
無線 | Wi-Fi 6E、5Gあり |
生体認証 | 指紋センサー、顔認証あり |
WEBカメラ | 1080p |
セキュリティ | パワーオン パスワード、ハードディスク パスワード(NVMe パスワード)、スーパーバイザー パスワード、セキュリティケーブルスロット、システム マネジメント パスワードなど |
寸法(幅×奥行×高さ) | 359.5 × 253.8 × 17.7㎜ |
重さ | 1.81㎏~ |
バッテリー 電源 |
最大約21.9時間 170W/230W |
保証 | 1年間オンサイト修理保証 |
価格 | 33.8万円~ |
<性能評価>
パソコンの頭脳であるCPUは、ハイパフォーマンスモデルで最新のインテル12世代Hシリーズが搭載で、最大でCore i9-12900Hが選べます。
12世代になりかなり性能が高くなっており、より本格的な作業がノートパソコンでできるようになりましたね。
メモリも最新のDDR5-4800MHzで、旧モデルに比べ帯域幅と動作周波数が50%上昇しており、より速く処理ができます。
ストレージも最新のSSD PCI Express 4.0で、最大2枚搭載できます。デュアルストレージにした場合は、RAID 0/1の設定もできます。
グラフィックボードは旧称QuadroのRTX Aシリーズか、ゲーミングPCに搭載されるNVIDIA GeForce が搭載可能です。
GeForceはDirectX(3Dゲーム)に最適化されたGPUで、Aシリーズは高度な技術計算(OpenGL)に最適化されたモデルです。Aシリーズは発色が良く、CAD等を使う設計・建築クリエイターや、メディアクリエイターなどの業務用グラフィックボードです。
ディスプレイは画面アスペクト比が縦に長い16:10で、もともと16インチと大きな画面ですが、より多くの情報が表示できるようになったので、見やすくなっています。
3種類の解像度があり、フルHD相当のWUXGA、2.5KのWQXGA、そして4K WQUXGAになります。4KのみAdobe RGB 100%で、その他はsRGB 100%と広色域です。
パソコンのコア性能は高く、メモリは最大64GBとは言え、多くの人は十分だと思います。
その他のスペックは、Windows 11 HomeかProが選べ、Wi-Fi 6Eに対応、WWANは5G Sub6も搭載可能、WEBカメラは高画質の1080pです。
バッテリー駆動時間がかなり長く、21.9時間となっています。低負荷な作業なら、外出時も充電アダプタ無しでも安心ですね。
2022年のトレンドと比較
2022年のハイエンドノートパソコンのトレンドをまとめたので、本機がどのくらい満たしているか比較してみます。
12世代CPU | Evo | DDR5 | PCIe 4.0 |
〇 | × | 〇 | 〇 |
アスペクト比16:10 | sRGB 100%以上 | 輝度300nit以上 | 1080P Webカメラ |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
Wi-Fi 6E | メタル素材 | Dolby Atmos | 全方位360°マイクが4つ |
〇 | △ | △ | × |
Thunderbolt 4 | 生体認証 | 18時間以上バッテリー | |
〇 | 〇 | 〇 |
ほぼすべての項目を満たしており、最新ワークステーションなのでハイスペックなのは当たり前ですね。
旧モデルとの比較
<左/本機種・右/P1 Gen 4>
旧モデルのThinkPad P1 Gen 4との比較です。(表のメモリ・SSD・バッテリーは最大値)
本機種 | P1 Gen 4 | |
CPU | Core i7-12700H/12800H Core i9-12900H |
Core i7-11800H/11850H Core i9-11950H Xeon W-11855M |
メモリ | DDR5 64GB | DDR4 64GB |
ストレージ | SSD ×2 | SSD ×2 |
GPU | NVIDIA RTX A1000 /A2000/A3000/A4500/A5500 NVIDIA GeForce RTX 3070 Ti/3080 Ti |
NVIDIA T1200 NVIDIA RTX A2000/A3000/A4000/A5000 NVIDIA GeForce RTX 3070/3080 |
ディスプレイ | WUXGA、WQXGA、WQUXGA | WQXGA、WQUXGA |
無線 | Wi-Fi 6E、5G | Wi-Fi 6E、5G |
バッテリー | 21.9時間 | 13.7時間 |
重量 | 1.81㎏ | 1.81㎏ |
価格 | 33.8万円~ | 23.9万円~ |
変更点です。
・CPUが11世代から12世代に
・メモリがDDR4からDDR5に
・SSDがPCIe 3.0から4.0に
・GPU性能が上がった
・WUXGAが追加
・バッテリー駆動時間が約8時間伸びた
・Xeonが搭載できなくなった
・Xeonがないため、ECCメモリも搭載できなくなった
コアスペックであるCPUやメモリ、ストレージ、そしてグラフィックボードの性能が上がっており、バッテリー駆動時間がかなり伸びました。その他のインターフェイスやWEBカメラなどは旧モデルと同じです。
2022年に入り、どのLenovoワークステーションでもXeonが搭載できない状況です。供給が追い付いていないのでしょうか?
ThinkPad P1 Gen 5の特徴
ワークステーションにしてはベゼル(画面の黒い枠)が細く、スリムに見えますね。
寸法は16インチにしては小型で、これがワークステーションなのでかなりコンパクトです。
寸法は、
・幅 359.5㎜
・奥行 253.8㎜
・高さ 17.7㎜
となっています。コンパクトと言っても、16インチなので大きいですが、重さは1.81㎏と、15.6インチ並みです。通常16インチのワークステーションやゲーミングPCは2.1~2.5㎏ほどあるので、かなり軽い方ですね。
厚さは17.7㎜と一般的なノートパソコンの厚さなので、特に分厚く感じないし、手で掴みやすい寸法です。
ヒンジ裏には、長い排気口があります。底面には大きな通気孔があり、内部はヒートパイプ2本にベイパーチャンバーが敷き詰められてるので、排熱性能は高そうです。
また、コンパクト筐体なので、GPUのTGPが下げられており、良くも悪くも発熱が低いです。
天板はガラス繊維強化プラスチックとカーボンファイバー強化プラスチックが使用され、底面はアルミニウム素材となっています。
天板はカーボン柄も選べます。
キーボードはフルサイズ・89キーで、バックライト付きになります。16インチですが、テンキーはないですね。
ThinkPadのキーボードは打鍵感も高く、キートップが湾曲しており指に吸い付くようにタイピングできるのも特徴です。
トラックパッドは115㎜×67.6㎜と小さめですが、ガラス製なので操作性は高いです。
ディスプレイは約180度開くことができるので、床に座って作業をすることがある人でも使いやすいです。
FHD 1080p Webカメラ搭載
WEBカメラは高画質FHD 1080pで、IRカメラも搭載可能です。本機はIRカメラを選んでもWebカメラとのハイブリットじゃないので、高画質です。
また、プライバシーシャッターもあるので、カメラを使わないときは閉じておくと安心です。
オーディオはドルビーオーディオで、ドルビーアトモスに最適化された2Wスピーカーが2つ搭載し、マイクはデュアルアレイ遠距離マイクになっています。
一般的なPCよりも、高品質ですね。
MILスペック
本機はMIL規格と言う12項目の米軍の物資調達規格に準拠しており、落下テストや気温・気圧の変化テスト、ディスプレイ部の耐久性など様々なテストもクリアしています。他にも、200の項目の品質チェックをしており、安心して使える機種です。
ハイパフォーマンスCPU搭載
Core i9 12900H |
Core i7 12800H/12700H |
|
Pコア | 6 | |
Eコア | 8 | |
スレッド | 20 | |
キャッシュ | 24MB | |
ターボブースト時 | 5.0GHz | 4.8/4.7GHz |
Pコア最大周波数 | 5.0GHz | 4.8/4.7GHz |
Pコア基本周波数 | 2.5GHz | 2.4/2.3GHz |
Eコア最大周波数 | 3.8GHz | 3.7/3.5GHz |
GPU実行ユニット | 96 | |
ベースパワー | 45W | |
最大パワー | 115W |
CPUはPコア(Performance Core)とEコア(Efficient Core)の2つを搭載しており、高負荷な作業はPコアで処理を、低負荷な事はEコアで処理することによって、パワフルでも省電力性を兼ね揃えたCPUになっています。
また、Intel Thread Directorというハードコアが、命令をより効率よくPコアとEコアに割り当てて実行できるので、性能もかなり上がっています。
こちらはCPUの性能を測るPassmarkスコアです。
スコアの目安
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ハイエンドPCに搭載される
- 15000~ゲーミングPCやワークステーションなど専門的な機種に搭載されることが多い
Passmarkスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i9-12900H | |
---|---|
Core i7-12700H | |
Ryzen 9 6900HS | |
Ryzen 7 6800H | |
Core i5-12500H | |
Core i7-1280P | |
Ryzen 7 5800H | |
Core i7-11800H | |
Core i7-1270P | |
Core i7-1260P | |
Core i9-10855H | |
Core i7-1165G7 |
ノートパソコンで3万近いスコアは、考えられないほどですね。
次はCinebench R23のスコアで、CPUの3DCGレンダリング性能を測定します。一般的に、3Dレンダリングやエンコードはマルチコア、モデリングやCAD、編集中、ゲームはシングルコアを重視します。
マルチコアは8000を、シングルコアは1500を超えるとかなり高い性能です。
Cinebench R23 マルチコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-12700H | |
---|---|
Core i9-12900H | |
Ryzen 9 5900HX | |
Ryzen 7 5800H | |
Core i9-11950H | |
Core i9-11900H | |
Core i7-11850H | |
Core i7-11800H | |
Ryzen 7 5800U | |
Ryzen 5 5600H | |
Core i7-1165G7 |
Cinebench R23 シングルコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i9-12900H | |
---|---|
Core i7-12700H | |
Core i9-11950H | |
Core i9-11900H | |
Core i7-1185G7 | |
Core i7-11850H | |
Core i7-1165G7 | |
Core i7-11800H | |
Core i5-11500H | |
Core i5-1240P | |
Ryzen 9 5900HX | |
Ryzen 7 5800U |
グラフィックス
グラフィックボードは業務用で高度な技術計算(OpenGL)に最適化されたNVIDIA Aシリーズか、DirectX(3Dゲーム)に最適化されたNVIDIA GeForce が選択できます。
RTX A5500 |
RTX A4500 |
RTX A3000 |
RTX A2000 |
RTX A1000 |
|
アーキテクチャ | Ampere | ||||
CUDAコア | 7424 | 5888 | 4096 | 2560 | 2048 |
RTコア | 58 | 46 | 32 | 20 | 16 |
Tensorコア (TFLOPS) |
232 | 127 | 128 | 80 | 64 |
単精度性能 (TFLOPS) |
24.7 | 17.8 | – | 9.3 | 7.5 |
Tensor性能 | – | – | – | – | – |
メモリタイプ | GDDR6 | ||||
メモリ帯域- | 512GB/秒 | 512GB/秒 | 264GB/秒 | 192GB/秒 | 224GB/秒 |
メモリ容量 | 16GB | 16GB | 12GB | 8GB | 4GB |
TGP | 80W | 80W | 80W | 35W | 35W |
RTX A1000はビデオメモリ4GBとローエンドモデルですが、RTX A2000は8GB、A3000は12GB、A4500と5500は16GBとかなり大きいです。
ただし、先日レビューをしたThinkPad P16 Gen 1に搭載された同じグラフィックボードよりもTGPが25W~35W抑えられているので、性能はちょっと下がるはずです。
こちらはNVIDIA GeForce です。GeForceもゲーミングPCのLegion 770iに搭載されている同じモデルよりも、半分ほどTGPが下げられています。発熱を抑える効果がありますが、その分性能も下がります。
RTX 3070 Ti | RTX 3080 Ti | |
アーキテクチャ | Ampere | |
プロセス | 8nm | |
CUDAコア | 5888基 | 7424基 |
RTコア | 46基 | 58基 |
Tensorコア | 176基 | 232基 |
ブースト周波数 | 1485MHz | 1590MHz |
メモリタイプ | GDDR6 8GB | GDDR6 16GB |
メモリ帯域幅 | 448GB/s | 512GB/s |
メモリバス幅 | 256bit | 256bit |
TGP | 80W | 80W |
RTXシリーズはリアルタイム レイトレーシング対応で、RTコアやTensorコアもあるので、使い勝手は高いです。
DirectX 11で動作するFire Strikeのスコアです。
Fire Strike
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 3080 Ti | |
---|---|
RTX 3070 Ti | |
RTX 3080 | |
RTX 3070 | |
RTX 2080S | |
RTX 2080 | |
RTX 2070 Super | |
RTX 3060 | |
RTX 2070 | |
RTX 2070 Max-Q | |
RTX 2060 Max-Q | |
GTX 1660 Ti | |
RTX 3050 Ti | |
RTX 3050 | |
GTX 1650 | |
GTX 1650 Max-Q |
ディスプレイ
解像度 | 光沢 | 液晶 | 輝度 |
WUXGA WQXGA WQUXGA |
なし | IPS | 300nit 500nit 600nit |
コントラスト比 | 色域 | 視野角 | その他 |
1200:1 1200:1 1500:1 |
sRGB 100% sRGB 100% Adobe RGB 100% |
178° 178° 170° |
ブルーライト軽減、カラーキャリブレーション |
※WQUXGAはタッチパネルモデルあり
WQUXGA | 4Kで解像度は3840 × 2400ドット |
---|---|
WQXGA | 2.5Kで解像度は2560 × 1600ドット |
WUXGA | FHD相当で、1920 × 1200ドット |
X-Rite Pantone | ファクトリー・カラー・キャリブレーション。工場出荷時の発色データが保存されており、DLすることでいつでも工場出荷時の発色に戻すことができる |
Dolby Vision | Dolby社のHDRの技術。従来よりもより明るく(白はより白く、黒はより黒く描写できる)表現できる |
ディスプレイは画面が縦に長いアスペクト比16:10で、もともと16インチと大きなディスプレイですが、17インチ並みの情報が表示されます。
ディスプレイは3種類あり、FHD相当のWUXGAは一般的な品質ですが、sRGB 100%と色域も広く、輝度も300ニトと明るいです。
2.5K WQXGAは解像度が若干高く、同じくsRGB 100%と広色域で、輝度は500ニトとかなり高いです。これだけあれば、明るい屋外でも使いやすいですね。
4K解像度のWQUXGAはAdobe RGB 100%で、コントラスト比も1500:1と高く、Dolby VisionやHDR400に対応しており、最高峰の品質です。
色域は一般的に、この様な用途で使用されます。
・Adobe RGB 100%・・・プリント・製版向け
・DCI-P3 100%・・・デジタルシネマ規格で、映像編集向け
・sRGB 100%・・・画像編集向け
・NTSC 45%・・・普通のノートパソコンに搭載
上の画像は分かりやすいようにちょっと大げさにしていますが、おおむねこの様な色域です。
ノートパソコンで色の最終調整や、最終確認をする人はAdobe RGB 100%を検討しても良いと思いますが、最後はメインのデスクトップでと言う人や、色彩にそこまでこだわりが必要ない人は、sRGB 100%でも問題ないと思います。
また、全機種に共通してブルーライト軽減パネルが採用、X-Rite Pantoneのカラーキャリブレーション対応なので、あの面倒くさいキャリブレーションをせずに済みます。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
搭載メモリはDDR5-4800MHzで、メモリスロット2つの最大64GBになります。
ワークステーションとしては普通の大きさですが、64GBもあれば多くの人は十分じゃないかなと思います。
ストレージ
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
搭載SSDは最新のPCI Express 4.0で、旧モデルに比べ帯域幅も動作周波数も50%増しになっています。重たいことも、より速く処理できます。
また、デュアルストレージにしたらRAID設定も可能です。
- RAID 0・・・読み込み書き込みが高速で出来るし、分散してデータを保存ができる反面、1つのストレージに障害が発生すると復旧できません。なので、RAID 1やRAID 5と組み合わせて使うことが多いです
- RAID 1・・・読み書きが遅いが、複数のストレージに「同じデータを書き込む」ので、1つのストレージに障害があってももう一つの方のデータを使って作業が出来ます
こちらはシーケンシャル速度のおおよそのスコアで、HDDはおおよその最大速度ですが、今まで計測したPCI Express 4.0は、3000~4000MB/秒くらいでした。
シーケンシャルリード
オレンジ色・・・リード 青・・・ライト
PCIe 4.0×4 | |
---|---|
PCIe 3.0×4 | |
HDD |
セキュリティ
セキュリティは豊富で、全方位から備えるサイバーセキュリティのThinkShieldによって守られています。(詳しくは、公式サイトをどうぞ。)
また、スペックによってはSecured Core Level 3が施されており、詳細は公表されていませんが、Windows OSのハードウェアやセキュリティ関連の設定条件が一番厳しい基準になっているとのことです。ちなみにこれはLenovoの設定・基準じゃなく、Windowsによるものです。
この様に、一般的なノートパソコンよりは強固ですが、セキュリティソフトをお考えの場合は「Lenovoパソコンにおすすめのセキュリティソフト」も併せて読んでみてください。
仮想環境を構築し、6つのソフト+Windows Defenederで実際のフィッシングサイトにアクセスをして遮断できるかどうかのテストを行ったので、実際の防御率が分かりやすいと思います。
Wi-Fi 6Eに対応
周波数 | 通信速度 | |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
次世代通信規格のWi-Fi 6Eに対応しており、現在主流のWi-Fi5より約40%最大通信速度が上がっています。また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
Wi-Fi 6EはWi-Fi 6のExtended(エクステンディット)版で、6GHz帯(高速通信)での通信ができるのですが、執筆時現在の日本では6GHz帯はまだないので使えません。最大で5GHz帯になります。
WWAN
カスタマイズからFibocom FM350-GL 5G SUB6が搭載できるので、外出が多い人はあると便利です。
通信速度はダウンロード最大4.7Gbps、アップロード最大1.25Gbpsとかなり速いので、ARやVRを使う人にも十分な速度だと思います。
ちなみに、LTE用の格安SIMなら、大手のIIJmioがおすすめですよ。
バッテリー駆動時間
バッテリーは大容量4セル・90Whrで、最大21.9時間のバッテリー駆動時間になります。
さすがにグラボを搭載してGPUを使う作業をしていたらここまで持ちませんが、短時間の外出であればACアダプタ無しでも大丈夫そうですね。
また、電源はスペックにより170Wか230Wが搭載されます。
インターフェイス
右側面インターフェイスはSDカードリーダー、nanoSIMカードスロット、USB 3.2 Gen1が2つ、そしてセキュリティロックスロットになります。
左側面は電源ジャック、USB4(Thunderolt 4対応)が2つ、そしてHDMIとマイク/ヘッドフォンジャックになります。
USB 3.2 Gen1のデータ転送速度は5Gbpsで、USB4は40GbpsになりThunderbolt 4には、こういった機能・性能があります。
- Power delivery対応、DisplayPort出力機能付き、DC-in機能付き
- 最大データ転送速度40GB/秒が2mのケーブルでも出る(以前は0.8mまで)
- PCIeの転送速度は32GB、ストレージ転送速度は最大3000Mbps
- 4Kディスプレイ2台同時に出力可能
- 8K出力にも対応
インターフェイスは豊富と言えるほどじゃないですが、困らない程度にあると思います。ただし、RJ45がないので、必要な人は変換ケーブルを購入したほうが良いです。
サポート・保証
標準で1年間の「翌営業日オンサイト修理保証」と、プレミアサポートと言う上位サポートが付いており、24時間365日、専任のエージェントが電話対応します(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)。
翌営業日オンサイト修理・・・翌営業日(土日祝日以外)にエンジニアが来て修理
また、保証とサポートは最大5年間に延長でき、修理拠点は日本国内なので対応も速く、安心して任せることができます。
ライバル機種
<左から本機種・P16 Gen 1・P17 Gen 2>
本機種と似たような機種との比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値。スマホの人は表を右にスクロールできます)
本機種 | ThinkPad P16 | ThinkPad P17 Gen 2 | |
CPU | Core i7-12700H/12800H Core i9-12900H |
Core i5-12600HX Core i7-12800HX/12850HX Core i9-12900HX/12950HX |
Core i5-11500H Core i7-11800H/11850H Core i9-11950H Xeon W-11855M/11955M |
メモリ | DDR5 64GB | DDR5 128GB | DDR4 128GB |
ストレージ | PCIe 4.0 SSD×2 | PCIe 4.0 SSD×2 | PCIe 3.0 SSD ×3 |
グラフィックス | RTX A1000~A5000 GeForce RTX 3070 Ti/3080 Ti |
RTX A1000~A5000 | NVIDIA T1200 RTX A2000~A5000 |
ディスプレイ | WUXGA、WQXGA WQUXGA 16型 画面比16:10 |
WUXGA、WQXGA WQUXGA 16型 画面比16:10 |
FHD/UHD IPS 17.3型 画面比16:9 |
無線 | Wi-Fi 6E、5G | Wi-Fi 6E LTE | Wi-Fi 6E、LTE |
バッテリー | 21.9時間 | 23.5時間 | 11時間 |
重量 | 1.81lg | 2.95㎏ | 3.67㎏ |
価格 | 33.8万円~ | 35.4万円~ | 25.3万円~ |
P17のみ画面比が16:9ですが、17.3インチと大きなディスプレイです。また、CPUなどが1世代前なので価格が低いです。
各機種の特徴です。
本機種・・・16インチにしてはかなり軽量で、比較機種よりも1㎏以上軽い。スペックは高いが、メモリは最大64GBで、GPUの電力設定が低い。持ち運びが多い人に向いた機種
ThinkPad P16 Gen 1・・・大型機種で超高性能だが大きく重い。据え置き用としてや、現場で本格的な作業をする必要がある人向け
ThinkPad P17s Gen 2・・・17.3インチの大型機種で、重量3.67㎏と重いが、大画面なので作業がしやすい。1世代前のCPUやメモリが搭載だが、グラボは最新機種と同じで高性能
まとめ
良い点
・16インチとしては軽量で持ち運びがしやすい
・剛性の高い素材を使用し、おしゃれで傷もつきにくい
・画面比が16:10で、16型でも17型並みの情報が表示される
・ディスプレイが高品質で、最高で4K Adobe RGB 100%
・CPUやメモリ、SSDが最新スペック
・Wi-Fi 6Eに5Gも搭載可能
・WEBカメラは高画質FHD
・指紋センサーと顔認証が搭載可能
・NVIDIA GeForce も搭載可能
残念な点
・RJ45がない
・コンパクト筐体のためGPUのTGPが下げられている
総合評価
全体的に最新スペックを搭載し、高性能高品質で、本格的な作業もしやすい機種です。16インチで1.81㎏からとかなり軽量なので、持ち運びが多い人に向いていますね。
持ち運びが少ない人は、「ライバル機種」で紹介した大型モデルが良いですが、毎日現場にPCをもって行き来する人や、クライアントとのミーティングが多い人などは、本機の方が軽くて機動性が高いので使いやすいです。
コンパクトで軽量な分、GPUの発熱が低くなるように設定されていますが、それでも比較的高負荷な作業ができるスペックなので、安心して使えると思います。
バッテリー駆動時間も長いので、ちょっとした外出だったり、社内の別の場所で使うときにも、ACアダプターの持ち運びは必要ないことが多いと思います。