インテル第12世代CPU搭載、メモリはLPDDR5-5200、ストレージはPCIe 4.0×4と現行最高性能を詰め込んだモデルで、ディスプレイの画面縦横比は16:10と縦に長いので、15型並みの表示領域があります。
もちろん、Evoプラットフォーム認証にvPro Essentials対応モデルで、全体的に高品質、欠点らしきところは見当たらない完成された機種です。
購入機種はCore i7-1260P、メモリ32GB、SSD 512GBで、当サイトの評価です。
コスパ | [usr 4.7] |
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スペック | [usr 4.9] |
総合評価 | [usr 4.8] |
ThinkPad X1 Carbon Gen 10のスペックレビュー
CPU | Core i5-1240P/1250P Core i7-1260P/1270P/1280P |
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メモリ | 最大32GB |
ストレージ | SSD 最大2TB |
グラフィックス | Iris Xe |
ディスプレイ(14型) | WUXGA(1920×1200)/2.2K/2.8K/4K UHD 光沢なし、タッチパネルあり |
OS | Windows 11 Home/Pro |
無線 | Wi-Fi 6E AX211、Bluetooth 5.2、LTE |
オーディオ | Dolby Atmos |
生体認証 | 指紋センサー、顔認証 |
カメラ | 1080P FHD |
セキュリティ | パワーオン パスワード、スーパーバイザー パスワード、システム マネジメント パスワード、ハードディスク パスワード(NVMe パスワード)、セキュリティ キーホール、HPDなど |
寸法(幅×奥行×高さ) | 315.6 × 222.5 × 15.36㎜ |
重さ | 1.12㎏~ |
バッテリー | 最大24.9時間(JEITA 2.0) |
保証 | プレミアムサポート+引き取り修理1年間 |
価格 | 19.6万円~ |
<性能評価>
上の性能表を見てわかる通り、ハイエンドPCです。グラフィックボード無しの機種としては、最高・最上位モデルですね。
パソコンの頭脳であるCPUは、Pコア(Performance Core)とEコア(Efficient Core)2つを搭載した最新のインテル第12世代で、2つのコアを搭載することによりパワフルなパフォーマンスを発揮しつつ、省電力性を高めています。
本機に搭載できる一番下のクラスであるCore i5-1240Pでも、Passmarkスコアが2万近くとモンスタークラスになっています。どのCPUを選んでも、サクサク快適に使えますね。
メモリも最新のLPDDR5-6400MHz(対応は5200MHz)で、現行最高の処理速度です。ここ2-3年前以内に購入したPC搭載のメモリであれば
- 4266MHz
- 3200MHz
- 2993MHz
- 2666MHz
になっていると思いますが、本機は最小でも約20%の処理速度アップ、最大で倍近くの処理速度アップになっています。大きなデータも扱いやすくなりますね。
ストレージは待望のPCIe 4.0×4で、2021年まで最高速度を誇ったPCIe 3.0×4の倍の速度になっています(理論値ベースの最大値)。下記にて詳しいシーケンシャル速度をも紹介していますが、PCIe 4.0は実測でも倍以上の速さを見せています。
ただし、256GBモデルはGen 3のようなので、ご注意を。
ディスプレイは画面の縦横比が通常の16:9じゃなく、縦に長い16:10となっており、15インチ並みの表示領域があります。
解像度はFHD相当のWUXGA(1920×1200)と2.2K、2.8K、そして4Kディスプレイの4種類になります。色域は全モデルで広く、WUXGAと2.2KはsRGB 100%、2.8Kと4KはDCI-P3 100%になります。
クリエイターにも使いやすい品質ですね。
その他の特徴として、無線LANはWi-Fi 6Eに対応、LTEモデルもあり、Thunderbolt 4が2つ、オーディオはDolby Atmosです。
Webカメラは高画質の1080pで、4つの360度収音マイクが搭載、周囲の騒音カットや自動的に音量を調整するDolby Voiceにも対応しており、複数人でのWeb会議もしやすくなっています。
Evoプラットフォーム認証
第12世代CPUのEvoプラットフォームは、Project Athenaから数えて第3世代のEvoになります。
12世代CPUを搭載していたらEvo認証を得るわけじゃなく、下記項目を満たす「ハイスペックなノートパソコン」のみがEvo認証を得ることが出来ます。
- Iris Xeグラフィックス搭載の第12世代CPU搭載機種
- アプリケーションを高速かつ高レスポンスで使える
- AI推論も高速で使える
- 電源を問わずにレスポンスが良い事
- 9時間以上のバッテリー駆動時間
- フルHD以上
- 1秒以内でスリープから復帰
- 30分の充電で4時間駆動
- Wi-Fi 6E実装
- Intel CPS(Connectivity Performance Suite)に対応
- フルHD以上のWebカメラを搭載
- 音声ノイズ抑制機能搭載
- Thunderbolt 4搭載
- ノートパソコンであること
- (必須じゃないが)Intel VSC(Visual Sensing Controller)搭載
12世代CPU搭載モデルは増えてきましたが、Evoプラットフォーム認証を受けた機種は数えるほどしかありません。 そのくらい特別な機種なんです。
旧モデルとの比較
<左/本機種・右/X1 Carbon Gen 9>
旧モデルのThinkPad X1 Carbon Gen 9との比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値。重量は最軽量モデル)
本機種/X1 Carbon Gen 10 | X1 Carbon Gen 9 | |
CPU | 12世代 | 11世代 |
メモリ | LPDDR5 32GB | LPDDR4 32GB |
ストレージ | SSD PCIe 4.0 | SSD PCIe 3.0 |
ディスプレイ | WUXGA、2.2K、4K | WUXGA、4K相当 |
無線 | WiFi6E、LTE | WiFi6、LTE |
バッテリー | 24.9時間 | 26時間 |
寸法 | 315.6 × 222.5 × 15.36㎜ | 314.5 × 221.6 × 14.9㎜ |
重量 | 1.12㎏ | 1.13㎏ |
価格 | 19.6万円~ | 18万円~ |
旧モデルと似た様な外観ですが、キーボードのキー下の吸気口デザインと、(2眼カメラ設置のため)上部のベゼル(画面の黒い枠)はノッチと言う上に飛び出したような作りに変更しており、ボディの縦横は約1㎜ほど大きくなっています。
また、どちらも14インチの画面比16:10で、テンキーはありません。
こちらは、プロセッサーの性能を表すPassmarkスコアの比較です。
Passmarkスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1280P | |
---|---|
Core i7-1270P | |
Core i5-1240P | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1250P | |
Core i7-1185G7 | |
Core i5-1145G7 | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 |
CPUだけじゃなくメモリもSSDも最新世代になっており、全体的な性能が上がっています。
ThinkPad X1 Carbon Gen 10の特徴
X1シリーズは高級感がある佇まいで、他のThinkPadと似て異なる外観です。
ベゼル(画面の黒い枠)も細くてかっこいいです。ボディはカーボンファイバーとマグネシウム合金でできており、一目で違いが分かります。
ベゼル幅は実測で、右5.8㎜、左6.0㎜、上部10㎜、下部約13.2㎜でした。
寸法は
・幅315.6㎜(≒1万円札2枚分/320㎜)
・奥行き222.5㎜(≒千円札1.5枚分/225㎜)
・厚さ15.36㎜(≒1円玉の直径の3分の2/15㎜)
とコンパクトで、重さは最軽量モデルが1.12㎏になります。片手で掴みやすいし、持ち運びしやすいサイズです。
厚さはたったの15.36㎜で、薄いですね。カバー付きスマホが11㎜前後なので、お持ちのスマホよりも4~5ミリ厚いくらいだと思います。
手でつかみやすいサイズだし、何よりも軽いので持ち運びがずっと楽です。
ディスプレイはほぼ180度開くことができるので、地べたに座って作業をすることがある人にも使いやすいです。
天板は通常の物とカーボン柄があり、WQUXGA(4K)を選ぶとカーボン柄も選べます。上の写真の筆者購入モデルは、通常の天板です。
天板も底面も質感はすごく良く、アルミニウムとは違う優しい触り心地です。他のThinkPadとは全然違う手触りで、指紋も付きにくいです。
<カーボン柄>
底面には吸気孔があり、結構小さめで、ヒンジ部分にある排気口も小さかったです。
Windows標準搭載のパフォーマンスモニターで、ベンチマーク前とベンチマーク時の発熱具合を計りました。
ベンチマーク前は40度ほどで推移していましたが、ベンチマークを始めた途端、最大95度まで上昇しました。
前々からCore i7-1260Pは発熱が高くベンチマークが伸びない(性能が発揮できない)と聞いていましたが、実際に計ったら本当にそうなりました。実際、購入時にCore i5-1240Pにするか迷っていたのですが、Core i5を選んでいてもよかったかもしれません。
また、排気口周辺は結構熱くなりますが、キーボード面は暖かい時もあるくらいだったので、排熱性能は悪くないです。
片手で開けることができる
ディスプレイを開ける時わかるのですが、すっごく軽いんです。指1本で開くことができます。
Tile内蔵
忘れ物防止のTileが内蔵しているので、持ち運びが多い人は設定していてもいいかもしれません。
筆者は初めて使ってみたのですが、PCを探して接続するとかなり大きな音楽が流れてきて焦りました(笑)。試しで接続するときは、日中にどうぞ。
ちなみにTileのアプリは入っていないので、スマホとPCにダウンロードする必要があります。
生体認証は顔認証と指紋センサー
指紋センサーは電源ボタンと統合されているので、電源を入れると同時にサインインもできます。写真はフィルム付きなので、外してから設定します。
また、IRカメラ(顔認証)も搭載可能で、カメラの質が良いので、反応も良く正確性も高いと思います。今までレビューをしたPCの中で、1,2を争うほど速くログインできます。
カメラ・スピーカー
<1080p+IRカメラ+MIPI>
Webカメラはかなり品質が高く、高画質FHD 1080Pで今よりもはっきりした映像が相手に映し出されます。今までは別途カメラを買う人も多かったと思いますが、そういった心配もありません。
本機のカメラはf値が2.0と低いので、より多くの光量が取り入れることができ、写真や画像が明るく、映りが良いです。
カメラは
・1080p(IRなし)
・1080p+IR
・1080p+IR+MIPI
の3種類があり、1080p+IR+MIPIは独立した2眼カメラになっています。1080p+IRはハイブリットカメラで、一眼のようです。
上の写真は他の機種の各Webカメラと、本機の比較です。どう見ても、本機のカメラが一番良い映りですね。
本機のFHD+IRハイブリットは試していないですが、基本的に2つの機能を1つのレンズで賄っているので、品質が下がる傾向にあります。他のLenovoの機種では、HDカメラ並みの品質でした。
天板上部には360°集音マイクが4つ搭載しており(写真の小さな丸)、「周囲の騒音のカットや複数人の会議参加時に自動的に音量を調整する」Dolby Voiceにも対応しています。
1人でも複数人でも、Web会議がしやすい仕様です。
スピーカーは2Wが2つ、0.8Wが2つの合計4つになり、キーボード横と底面にあります。一般的なノートパソコンにはスピーカーは2つなので、4つになると聞きやすさも上がります。また、オーディオはDolby Atmosなので、より臨場感のある音響です。
個人的に、今まで聞いた中でTOP3に入る音質で、ハイエンドタブレット並みだと思います。
他機種との比較です。
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
ThinkPad X1 Carbon Gen 10 1080p | |
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FHD 1080p平均 | |
HD 720p平均 |
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Yoga 770i | |
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Thinkbook 13s Gen 2 | |
ThinkPad X1 Carbon Gen 10 | |
ThinkPad E15 Gen 4 | |
ThinkPad E14 Gen 4 | |
IdeaPad Slim 370i 14 |
※マイクは声の音量で数値が変わるので、参考程度に見てください
MILスペック準拠
本機はMIL規格と言う12項目の米軍の物資調達規格に準拠しており、落下テストや気温・気圧の変化テスト、ディスプレイ部の耐久性など様々なテストもクリアしています。
安心して使える、高品質な機種です。
キーボード
キーボードはテンキー無しのフルサイズキーボードで、日本語キーか英語キーが選べます。
キーピッチは縦横19.2㎜と大きめで、キーストロークは約1.5㎜と、筐体が厚いThinkPadに比べると打鍵感が少し下がります。それでも、感触的にキーが他のThinkPadよりも湾曲しているので、タイピングはしやすいです。
タッチパッドは56㎜×110㎜になり、幅は大きめですが、縦はクリック部分があるために若干短いです。ただし、ガラス製なので操作性は高いです。
ThinkPadは「Ctrl」と「Fn」の位置が通常と逆ですが、Lenovo Vantageよりワンクリックで変更できます。
ハイエンドCPU搭載
Core i7-1280P | Core i7 1270P/1260P |
Core i5 1250P/1240P |
|
Pコア | 6 | 4 | 4 |
Eコア | 8 | ||
スレッド | 20 | 16 | 16 |
キャッシュ | 24MB | 18MB | 12MB |
Pコア最大周波数 | 4.8GHz | 4.8/4.7GHz | 4.4GHz |
Pコア基本周波数 | 1.8GHz | 2.2/2.1GHz | 1.7GHz |
GPU実行ユニット | 96 | 96 | 80 |
ベースパワー | 28W | ||
最大パワー | 64W |
CPUはPコア(Performance Core)とEコア(Efficient Core)の2つを搭載しており、高負荷な作業はPコアで処理を、低負荷な事はEコアで処理することによって、パワフルでも省電力性を兼ね揃えたCPUになっています。
こちらはCPUの性能を測るCPU Markのスコアで、Core i7-1260Pは18106になりました。Core i7-1260Pの世界平均並みの数値でしたが、先日Yoga 770iで計測したCore i5-1240P(スコア19861)の方が高い性能でした。
スコアの目安
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途で使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ハイエンドPCに搭載される
- 17000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-12700H | |
---|---|
Core i5-12500H | |
Core i7-1280P | |
Core i7-1270P | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1250P | |
Core i5-1240P | |
Core i7-1255U | |
Core i5-1235U | |
Core i3-1215U | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 |
11世代と比べると70~80%以上性能が上がっているので、安心して高負荷なことができますね、
こちらはCinebench R23のスコアで、CPUの3DCGレンダリング性能を測定します。一般的に、3Dレンダリングやエンコードはマルチコア、モデリングやCAD、編集中、ゲームはシングルコアを重視します。
マルチコアは6000ほどで高性能、8000以上でかなり高性能、シングルコアは1500以上でかなり高性能になります。
本機のスコア(Core i7-1260P)はマルチコア8107、シングルコア1591になりました。こちらも先日計測したYoga 770iの方が高い性能でした。
Cinebench R23 マルチコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1280P | |
---|---|
Core i7-1270P | |
Core i7-1260P/平均 | |
Core i5-1240P | |
Core i7-1260P・本機種 | |
Core i5-1235U | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 | |
Core i3-1215U |
Cinebench R23 シングルコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1280P | |
---|---|
Core i7-1270P | |
Core i7-1260P/平均 | |
Core i5-1240P | |
Core i5-12500H | |
Core i7-1260P・本機種 | |
Core i5-1235U | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 |
CunebenchもPassmarkスコアも同じですが、海外のサイトなどを見ていても、CPUが上位モデルになるほど発熱の影響で性能が下がることが多そうです。筆者のCore i7-1260Pも、別の機種で計ったCore i5-1240Pの方が性能が高かったので、Core i5を選ぶ人も多いかもしれません。(ただし、グラフィック性能はCore i7の方が高かったです)
PCMark10
こちらはPCMark10の計測結果で、Essentialは「通常用途(Web検索やビデオ会議、アプリの起動など)の性能」、Productivityは「Microsoft Office(事務系のアプリ)使用時の性能」、Digital Content Creationは「コンテンツ作成(画像・動画編集など)のしやすさ」を表しています。
総合性能の目安は以下になります。
・5000以上・・・超ハイスペック(グラボ搭載機種はこれ以上)
・4000以上・・・ハイスペック
・3000以上・・・中位モデル
・2000以下・・・エントリ―クラス
本機種のスコアです。
- 総合性能は5224
- Essentialは9766→通常用途やビデオ会議などかなり使いやすい
- Productivityは6187→高速に使える
- Digital content creationは6406→外付けGPU無しにしてはかなり高い性能
その他のCPUとの比較です。Core i7-1260P以外は、他の機種で計測しています。
Essential
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1260P | |
---|---|
Core i5-1240P | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 3 5425U | |
Core i5-1235U |
Productivity
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 3 5425U | |
---|---|
Ryzen 7 5700U | |
Core i7-1165G7 | |
Core i3-1215U | |
Core i5-1135G7 | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Core i5-1235U |
Digital Content Creation
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1260P | |
---|---|
Core i5-1240P | |
Ryzen 7 5700U | |
Core i7-1165G7 | |
Core i3-1215U | |
Core i5-1235U | |
Ryzen 5 5500U | |
Ryzen 3 5425U | |
Core i5-1135G7 |
グラフィック性能
グラフィック性能が高いと、Officeを使った作業や複数画面での作業などがしやすくなります。
3D Graphics Markでの計測結果は、3263と高めでした。
その他のCPUとの比較です
3D Graphics Mark
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
MX550 | |
---|---|
Core i7-1165G7 | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1135G7 | |
Ryzen 7 5800U | |
Ryzen 7 PRO 5850U | |
Core i5-1240P | |
Core i3-1215U | |
Ryzen 7 5700U | |
Core i5-1235U |
本機を使用し、Photoshopで約7分で、1.79GBのFHD動画(AI音声、画像、テロップを使用)を作成し、H.264 高画質でレンダリングしたら、約19分でした。グラボ無しでこれなので、悪くないですね。
ディスプレイ
<購入機種はWUXGA IPS sRGB 100% 400nit ブルーライト軽減パネル>
ディスプレイはかなり多くの種類があります。特別表記がなければ、光沢なしになります。
・WUXGA IPS sRGB 100% 400nit ブルーライト軽減パネル
・WUXGA IPS sRGB 100% 400nit ブルーライト軽減パネル タッチパネル
・WUXGA IPS sRGB 100% 500nit タッチパネル Think Privacy Guard
・2.2K IPS sRGB 100% 300nit
・2.8K OLED 反射汚れ防止 DCI-P3 100% 400nit
・WQUXGA IPS 光沢ありDCI-P3 100% 500nit ブルーライト軽減パネル
・WQUXGA IPS 反射汚れ防止 DCI-P3 100% 500nit タッチパネル
赤文字にしたものは、比較的一般的なディスプレイなのでおすすめです。バッテリー駆動時間は下がりますが、より高品質なものであれば2.8KやWQUXGAなどが良いですね。
WQUXGA | 解像度は3840×2400ドット |
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2.2K | 解像度は2240×1400ドット |
WUXGA | フル・ハイディフィニション相当で、1920×1200ドット |
光沢 | 光沢ありは発色が良い反面、自分や背景が映り込みしやすい。光沢無しは映り込みがしにくい |
nit | 明るさを表す単位。通常250nitが標準、350~400nitほどで、日中の日が当たる場所でも見やすい |
ディスプレイは画面比が16:10と縦に長いので、より多くの情報を表示でき、輝度は最低300ニトから500ニトと高めです。400ニト以上あれば、日光が当たる屋外でも見やすい明るさです。
解像度はFHD相当のWUXGAと2.2KがsRGB 100%、2.8Kと4K UHD相当のWQUXGAがDCI-P3 100%になります。
色域はAdobe RGB 100%のものはありませんが、デジタルシネマ規格で動画編集者が使うDCI-P3か、画像編集に合うsRGB 100%なので、どちらを選んでも高品質なディスプレイで、クリエイティブワークをする人に合います。
また、WUXGAは400ニト、WQUXGAは500ニトと輝度が高く、太陽光が当たる場所でも見やすい明るさですが、2.2Kのみ300ニトとなっています。
300ニトでも明るい室内でも使いやすく、直射日光が当たらなければ屋外でも使いやすいです。出先で使うことが多い人は、400ニトのディスプレイを選ぶと安心です。
2.8KディスプレイはOLED液晶なので、より深い色合いがあり、鮮やかです。
購入機種は、おそらく一番選ぶ人が多い「WUXGA IPS sRGB 100% 400nit ブルーライト軽減パネル」で、i1 Display Proで色域や輝度を計測しました。
しっかりと重なっているので分かりずらいですが、黄色の三角(紫の枠線)が本機の色域で、黒三角(黒の枠線)がsRGBの色域です。
結果は以下の様になり、色域は公称値通り広く、輝度は公称値よりも高く明るいディスプレイでした。
・sRGB カバー率は99.1%、sRGB比104.2%
・輝度436ニト
最新のLPDDR5のメモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
本機には最新のLPDDR5-6400MHzが搭載で、CPU対応速度が5200MHzなので5200MHzで動作します。今までの最高モデルはLPDDR4xで4266MHz、もしくはDDR4は3200MHzでしたが、約20%以上の速度アップになっています。
また、本機はオンボードメモリのみなので、増設はできません。
Memory Markでメモリ性能を計ると、かなり高めの3129でした。
当サイト計測の、その他のメモリとの比較です。(スコアは当サイト計測の平均です)
Memory Mark
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
本機種 | |
---|---|
DDR5-4800MHz平均 | |
LPDDR4-4266MHz平均 | |
LPDDR5平均 | |
DDR4-3200MHz平均 |
PCIe 4.0のストレージ
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
本機には最新のPCIe NVMe 4.0×4が搭載で、今まで最高だったPCIe NVMe 3.0×4よりも帯域幅が倍になり、最大データ転送速度も倍になっています。(256GBのみPCIe 3.0)
本機種SSD 512GBのシーケンシャル速度です。
リード(読み込み)は6806MB/秒、書き込みは4843MB/秒と超高速でした。通常、リードは2000~2500MB/秒、ライトは1500~2000MB/秒あれば、ビジネス用途でも使いやすいですが、本機搭載SSDは次元が違いますね。
こちらはシーケンシャル速度のおおよそのスコアとの比較です。
シーケンシャルリード
オレンジ色・・・リード 青・・・ライト
本機種 | |
---|---|
PCIe 4.0×4 | |
PCIe 3.0×4 | |
HDD |
セキュリティ
ThinkPadは、全方位から備えるサイバーセキュリティのThinkShieldによって守られており、堅牢性が高い機種になっています。(詳しくは、公式サイトをどうぞ。)
一般的なノートパソコンよりは強固ですが、追加のセキュリティをお考えの場合は、「Lenovoパソコンにおすすめのセキュリティソフト」も併せて読んでみてください。
Wi-Fi 6Eに対応
周波数 | 最大通信速度 | |
Intel Wi-Fi 6E AX211 | 2.4/5GHz/6GHz | 9.6Gbps |
次世代通信規格のWi-Fi6Eに対応しており、現在主流のWiFi5より約40%最大通信速度が上がっています。また、一般的なWi-Fi 6の周波数に加え6GHzにも対応しているので、より速い通信が可能です。
Wi-Fi 6Eは一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、カフェなどの混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。ただし、6GHzの国内利用はまだ始まっていません。
ルーターから直線距離で5m程/壁1枚隔てた自室で、本機種(Wi-Fi 6E)とThinkBook 13s Gen 2(Wi-Fi 6)で同時にWi-Fi速度を計測しました。
Wi-Fi 6Eの本機は130Mbps、Wi-Fi 6は81Mbpsとなりました。無線感度もかなりよさそうです。
LTE
WWANは標準で非搭載ですが、カスタマイズよりFibocom L860-GL CAT 16と5G Sub6のFibocom FM350-GLが搭載可能です。
L860-GLのダウンロードは最大1Gbps、アップロードは最大75Mbps、Fibocom FM350-GLのダウンロードは最大4.7Gbps、アップロードは最大1.25Gbpsと超高速です。
まぁ、L860-GLのダウンロードが1Gbpsもあればかなり速いので、専門的な用途でも使いやすそうですが、ARやVRなど重たいことを今後するなら5GのFM350-GLがいいかもしれないですね。
長いバッテリー駆動時間
バッテリーは57Whで、駆動時間はJEITA 2.0の測定で最大24.9時間となっています。駆動時間は使い方やスペックにもよりますが、ここまで持つことはありません。
バッテリー計測アプリじゃなく、実際に筆者が試したバッテリー駆動時間を紹介します。
バランス | 室内で計測。執筆、ペイントで写真編集、Chromeでタブ10個ほど常にオープン、輝度約220ニト | バッテリーは80%→30%で3時間43分+スリープ約30分 実務可能時間7.5時間(+スリープ1時間可能) |
---|---|---|
トップクラスの電力効率 | カフェで計測。執筆、Chromeでタブ6個ほど常にオープン、輝度300~350ニト | バッテリー100%→60%で5時間使用+スリープ約1時間 実務可能時間12.5時間(+スリープ2時間半可能) |
バランスモードだといろいろなアプリを起動してやっていたら、輝度を下げても最大8時間くらいになりました。
電力効率モードの時は、カフェや屋外で作業をしたので輝度が高めでしたが、最大約12.5時間ほど使用できそうです。輝度を下げればもうちょっと駆動時間は伸びますが、あんまり暗いと目が痛くなるので、仕事がしやすい輝度で計測しました。
ひさしぶりにカフェで作業
X1 carbon gen 10 が省電力モードでどのくらいもつか実験 pic.twitter.com/oYq2pErUQy— パソコンガイド (@pc_reviewer) August 23, 2022
また、急速充電にも対応しており、1時間で最大80%の充電が可能です。
ACアダプタ
<45W/65W/65WスリムACアダプター>
45Wと65Wアダプターどちらを使用しても、性能的にはそこまで変わりませんが、急速充電を使う場合は65Wが良いです。(45Wと65Wの性能差比較記事はこちら)
また、スリムアダプターはその名の通りスリムで軽量なので、出張などが多い人はスリムタイプがおすすめです。
インターフェイス
インターフェイスは豊富ではないですが、SDカードリーダーがない点を除けば、十分にあると思います。
右側面インターフェースにはマイク/ヘッドフォンジャック、nanoSIM(LTEモデルの場合)、USB-A 3.2 Gen 1、そしてセキュリティスロットがあります。
左側面インターフェースはUSB4(Thunderbolt 4)が2つ、USB-A 3.2 Gen 1、そしてHDMIになります。
USB-A 3.2 Gen 1はデータ転送速度が5Gbpsになりますが、このクラスのPCなので転送速度が10GbpsのUSB-A 3.2 Gen 2があったらなお良かったですね。
それでもUSB4(Thunderbolt 4)が2つもあるので、困る事は無いと思います。
Thunderbolt 4には、こういった機能・性能があります。
- Power delivery対応、DisplayPort出力機能付き、DC-in機能付き
- 最大データ転送速度40GB/秒が2mのケーブルでも出る(以前は0.8mまで)
- PCIeの転送速度は32GB、ストレージ転送速度は最大3000Mbps
- 4Kディスプレイ2台同時に出力可能
- 8K出力にも対応
- (規格上)最大100Wまでの給電が可能
本機から65WのノートPCへの給電が可能でしたが、「低速充電」マークが出ていました。遅いですが、USB Type-Cの電源コネクタを持つPCは充電が可能そうです。
自宅で使う時はThinkPad ユニバーサルThunderbolt 4 ドックがあればポートがかなり増えるので、より使いやすくなると思います。
サポート・保証
1年間翌営業日オンサイト修理保証と、プレミアサポートが付いており、最大5年間に延長可能です。
- 翌営業日オンサイト修理・・・通常、翌営業日にエンジニアが指定住所に来て修理
- プレミアサポート・・・専任エージェントが24時間365日対応。一般のコールセンターとは別のコールセンターで対応
また、アクシデントダメージプロテクションといった「通常保証ではカバーしない」水濡れや破損にも対応する保証があります。
ライバル機種
<本機種・Yoga 770i・ThinkPad T16 Gen 1>
本機種と似たような最新機種との比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値、重量は最軽量モデル。スマホの人は表を右にスクロールできます)
本機種 | Yoga 770i | T16 Gen 1 | |
スペック | 12世代CPU LPDDR5 32GB SSD PCIe 4.0 |
12世代CPU LPDDR5 16GB SSD PCIe 4.0 |
12世代CPU DDR4 48GB SSD PCIe 4.0 |
ディスプレイ | 14型 WUXGA,2.2,2.8,4K |
14型 2.2,2.8K |
16型 WUXGA,2.8K |
重量 バッテリー |
1.12㎏ 24.9時間 |
1.42㎏ 12時間 |
1.64㎏ 17.4時間 |
価格 | 19.6万円~ | 14.3万円~ | 15.1万円~ |
本機種は最高峰のノートパソコンですが、Yogaはおしゃれな筐体で、遊び心があるクリエイターに好まれる機種です。
ThinkPad T16 Gen 1は、あえて16インチモデルを選んだのですが、大画面で作業ができ、バッテリー駆動時間もそこそこ長いです。
筆者購入時の納期
6月14日に購入し目安納期(出荷予定)は6週間以上で、到着は8月15日と2カ月かかりました。執筆時現在(8月中旬)は、最短1~2営業日で届くモデルもあり、納期は格段に速くなっています。
まとめ
良い点
・総合的にビジネスノートPC最高峰の機種
・カーボンとマグネシウム合金素材で、見た目も手触りも最高クラス
・最新スペック満載で性能が高い
・最軽量モデルが1.12㎏と軽い
・指1本で開けることができる
・Webカメラが1080Pと高画質
・指紋センサーと顔認証が搭載可能
・4つの360°集音マイク搭載
・スピーカーが超高性能
残念な点
・USBが5Gbpsじゃなく、10Gbpsのものが搭載していたらなお良かった
・SDカードリーダーがあればよかった
・発熱のせいか、CPU性能が予想よりも低かった
総合評価
最新のインテル第12世代CPU搭載で、メモリも最新のLPDDR5、SSDはPCIe NVMe 4.0×4と最新のスペックを搭載で、ビジネスPC以上の性能を持ったビジネスPCです。
ただし、先述しましたが、発熱の影響が出ているので、あまり高性能なCPUは搭載しない方がよさそうです。
ディスプレイも縦が長い16:10で、FHD相当かUHD相当が選べ、色域も高めなので、クリエイターにも使いやすい機種となっています。
本機種は「サクサク使える」だけでなく、より便利な電源統合型指紋センサーや科認証にも対応しており、4つのマイクにFHD画質のWebカメラと妥協が無い機種かなと思います。
インターフェイスにはThunderbolt 4が2つあるので、1つをドックに使ってももう一つ使えるので、使い勝手も高いです。
14型で1.12㎏と軽く、持ち運びが多い人に特におすすめしたい機種です。