ローエンドモデルの、MediaTek MT8166のベンチマークを取りました。低価格タブレットに搭載されることが多いので、搭載機種はメモリが少なく動作が遅いです(対象機種によるが、ベンチマークを取った機種はメモリ2GB)。
ローエンドなプロセッサーなのでメモリもローエンドで、となるので仕方ない部分もありますが、控えめな性能です。
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MediaTek MT8166(ARM Cortex-A53)の特徴
<タブレットにはMediaTek MT8166と記載><CPU-Zで確認するとARM Cortex-A53と記載>
MediaTek MT8166(ARM Cortex-A53) | |
アーキテクチャ | Armv8-A |
コア | 4コア |
クロック数 | 最大2.0GHz |
内蔵GPU | IMG PowerVR GE8300 GPU |
メモリサポート | LPDDR4X |
ローエンドとは言え4コアもあるのである程度の作業はできますが、メモリ容量に大きく左右されます。また、MediaTek MT8166(ARM Cortex-A53)は2012年に発表されたSoCで、2022年現在、10年前のスペックなので高望みはできない性能です。
主に、Web閲覧や電子書籍を読むなどの低負荷な作業用ですが、ベンチマークを取ったら意外に面白いスペックでした。
計測機種
計測機種はLenovo Tab M7 3rd Gen(2021年発売)で、スペックは以下になります。
SoC | MediaTek MT8166 |
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メモリ | LPDDR4X 2GB |
ストレージ | eMMC 32GB |
OS | Android 11 Go Edition |
OSがロースペック向けに開発された「Android Go Edition」なので、スペックの割には軽快な動きになっています。通常のAndroid OSを搭載した機種は、本記事掲載のベンチマークよりもスコアが悪くなると思います。
プロセッサー性能
GeekBench 5
Geekbench 5はクロスプラットフォームのベンチマークで、パソコンの性能を測るCinebenchの様にシングルコア性能とマルチコア性能を測定できます。シングルコアは140、マルチコアは497と控えめになりました。
Geekbench5 マルチコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Snapdragon 870 Yoga Tab 13 |
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Snapdragon 730G Tab P11 Pro |
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MediaTek Helio G90T Yoga Tab 11 |
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Snapdragon 662 Tab P11 |
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MediaTek Helio P22T Tab M10 FHD Plus 2nd Gen |
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MediaTek Helio P60T IdeaPad Duet |
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Snapdragon 439 Yoga Smart Tab |
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Snapdragon 429 Tab B10 |
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MT8166 Tab 7 (3rd Gen) |
Geekbench5 シングルコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Snapdragon 870 Yoga Tab 13 |
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Snapdragon 730G Tab P11 Pro |
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MediaTek Helio G90T Yoga Tab 11 |
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Snapdragon 662 Tab P11 |
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MediaTek Helio P60T IdeaPad Duet |
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Snapdragon 439 Yoga Smart Tab |
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Snapdragon 429 Tab B10 |
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MediaTek Helio P22T Tab 10 FHD Plus 2nd Gen |
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MT8166 Tab 7 (3rd Gen) |
筆者所持のタブレットの中でも、一番控えめな性能です。
PCMark 10
・Work・・・4585
・Web Browsing・・・4966
・Video Editing・・・3669
・Writing・・・3996
総合(Work 3.0)
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Snapdragon 730G | |
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MediaTek MT8183 | |
MediaTek Helio P60T | |
Snapdragon 662 | |
MediaTek Helio P22T | |
MT8166 |
Webブラウジング
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Snapdragon 730G | |
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MediaTek MT8183 | |
Snapdragon 662 | |
MediaTek Helio P60T | |
MediaTek Helio P22T | |
MT8166 |
総合性能のWork 3.0が4585と意外に高く出ました。この数値は約8000以上あればほぼ何でも快適にできるほどで、6000あればそこそこサクサクに使えます。
4585と言う数値のみを見たらそこまで悪い数字じゃないのですが、計測機種がメモリ2GBのため大したことができません。まぁ、このSoCを搭載してメモリ4GBや6GBは無いと思うので、しょうがないです。
3Dグラフィック性能
3Dグラフィック性能を測る定番ベンチマーク3DMarkをダウンロードして計測しましたが、スペックが低すぎてか、OSが「Go Edition」だからか分かりませんが、Sling Shot以外のテストは実行できませんでした。
Sling Shotは1800くらいあれば原神などの重ためのゲームもできますが、本機のスコア523だとできるゲームも限られてきます。まぁ、ゲーム向けのSoCじゃないので、あまり期待しない方がいいですね。
ゲームはできる?
ゲームはできないだろうな~と思いながらも、試しにCall of Duty Mobileシーズン1をやってみました。
感想は、「あれ?なんで普通に動くの?スペック足りてないでしょ?」です。ホビーユーザーであれば気にならずに使える範囲で、カクツキも少なかったです。
息子がやっているマリオカートもやってみようと思いましたが、Play ストアにありませんでした(なぜ??Go Editionだからかもしれません)。あと、原神もやろうとしましたが、ストレージ容量が足りずにDLを断念。まぁ、SoC的には動くかもしれませんが、原神はさすがにメモリ2GBじゃカクつくだろうし、検証機種がストレージ32GBで10GBほどシステムで使っているので、原神(約16GB)をDLしたら残り6GBです。動くものも動かないですね。
Photoshopは使える?
AndroidアプリはPCのPhotoshopじゃなくPhotoshop Expressなので動作軽いんですね。
色々と編集してみましたが、普通に動くんです。SNS用の写真を加工したりできますね。
Microsoft Officeは?
ん?WordとExcelも普通に使えちゃいました。
なんだろ?このSoCはそこそこやりますね。まぁ、本格的な作業には向いてませんが、使えないことはないです。
MediaTek MT8166搭載モデル
注)アマゾンFireはMT8168ですが、同じArm Cortex-A53が搭載
まとめ
10年前のSoCなのでスペックが低いのはしょうがないですが、10年前のものにしては悪くないと思います。おそらく本SoCが搭載されているものは低価格モデルなので、大したことをしない場合にのみお勧めできると思います。
筆者は寝る前にニュースを見たり、電子書籍を読むくらいにしか使いませんが、それでもちょっと遅いと思うことがあります。WordやExcelが普通に使えたのは驚きで、Call of Dutyがカクツキも少なくプレイできたのは「なぜ?」と思いましたが、あまり高望みはしない方が良いと思います。
もうちょっと性能が高いものをお探しなら、「Qualcomm Snapdragon 662」がいいかもしれないですね。
今回ベンチマークを取った機種は、「Lenovo Tab M7 3rd Gen」です。興味がある方はこちらのレビューも併せてどうぞ。