皆さん知っていました?ThinkPadはIBMから販売されたブランドで、LenovoがIBMを買収した時にそのまま引き継いだのですが、今も昔も「ThinkPad」は横浜にある大和研究所で研究開発されているってことを?
本機種ThinkPad X1 Foldも同じく、横浜で生まれた機種になります。以前Yoga bookという似た機種がありましたが、本機種はディスプレイ全部が折り曲げられるOLEDディスプレイを使用し、13.3型なのに1㎏以下の重量になっています。(キーボード抜きで)
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Lenovo ThinkPad X1 Foldのレビュー
CPU | Intel core i5-L16G7 |
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メモリ | 8GB LPDDR4X |
ストレージ | SSD 最大1TB |
ディスプレイ | 13.3型 QXGA OLED マルチタッチ |
グラフィックス | Intel UHDグラフィックス |
OS | Windows 10 Pro、Windows 10 Home |
キーボード | 73キー |
WWAN(LTE) | 搭載可能(5G) |
生体認証 | 顔認証 |
無線LAN | WiFi6、Bluetooth v5.0 |
オーディオ | Dolby Atmos |
セキュリティ | パワーオン パスワード、ハードディスク パスワード、スーパーバイザー パスワード、システム マネジメント パスワード、TPM |
寸法(幅・奥行・高さ) | 158.2x236x27.8㎜(折り畳み時) 299×236×11.5㎜(開いたとき) |
重さ | 本体 973g~ キーボード 178g |
バッテリー | 最大 約11.7時間 |
価格 | 32.7万円~ |
ディスプレイが折り曲げられるって言うのが、すごいですよね。
13.3型のパソコンを半分に折り曲げれるので、畳んだ時の寸法は6.7インチサイズになりますね。持ち運びはすごく楽です。
パソコンの頭脳であるCPUは5コアなので、マルチタスクも快適にサクサク動きますね。メモリは8GBと、ビジネス用途でも困らないほどの大きさです。
何と言っても、このサイズのパソコンにストレージが最大1TBも搭載できるので、外付けHDDなど必要なくなりますね。
ディスプレイはQXGA OLED液晶で解像度2048x1536と画質も高く、DCI-P3カバー率は95%になります。ディスプレイ的には、動画編集を本格的にやる場合でも対応できるレベルのものですね。
顔認証搭載なのでパソコンを開いてからのログイン・起動も速く、どこでもすぐに使い始めることが出来ます。WiFi6にも対応しており、LTEモデルを選べばnanoSIMを使って常時インターネットに繋がる事が出来ます。
外出が多い人は、外でも高速回線でインターネットが出来るのでより快適に仕事が出来ると思います。
ThinkPad X1 Foldの特徴
不思議なパソコンですよね。イメージ的には半分に畳めるタブレットって感じですが、性能的にはパソコンですよね。USB Type-C3.1 Gen 2があるので、Display Portでモニターに繋げるし、HDDなども接続できます。
キーボードはスクリーンキーボードか、Bluetooth接続できるキーボードが使えます。それか、ペンで書くかですね。
13.3型なので、外出用としては快適に作業が出来るサイズです。これで本体が1㎏未満なので、すごく持ち運びがしやすいですね。
寸法は
- 幅158.2㎜は1万円札の長辺(160㎜)とほぼ同じ
- 奥行き236㎜は、500mlペットボトル(212㎜)とほぼ同じ
- 厚さ27.8㎜は、500円玉(26.5㎜)よりちょっと大きいサイズ
折りたたむと結構厚くなりますが、サイズ的にカバンに入れやすいですね。
タッチパネルなのでタブレットの様にも使えるし、2画面表示が出来るので調べものもしやすいし、Bluetoothのキーボードを使って普通のパソコンの様にも使えます。
すごく使いやすいと思いますよ。
OSはWindows 10 HomeとWindows 10 Proから選ぶことが出来ます。通常、Homeは個人用、Proはビジネス向けとなっています。
革製のカバーが付いているので、折りたたむと本や手帳の様に手軽に持ち運びしやすく、高級感があります。
折り畳み出来るヒンジ部分の耐久性や、落下テスト、OLEDディスプレイの耐久性評価テストなども実施しており、その他のThinkPad同様に品質、耐久性など優れています。
というのも、LenovoのThinkPadシリーズは、日本の大和研究所で研究開発がされており、米沢生産という日本で組み立てられるモデルもあります。
やっぱりMade in Japanは安心して使えますよね。
ディスプレイ
ディスプレイは、13.3型 QXGA OLED マルチタッチ 300nitです。
QXGA | クアッドXGAで、解像度は2048x1536 |
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OLED | 有機ELディスプレイ。完全な黒を描写可能で、引き締まった色が再現でき、視野角も広い |
コントラスト比 | 5000:1 |
DCI-P3 | 95% |
視野角 | 170度 |
nit | 輝度(明るさ)を表す単位で、250nit以上が標準的 |
一般的なノートパソコンに使われるディスプレイはFHD(フル・ハイディフィニション)で、解像度は1920x1080(207万3600)です。2Kと呼ばれるWQHDは2560x1440(368万6400)なので、QXGA(314万5728)はFHD以上2K以下の解像度になります。
また、汚れ防止のコーティングもされているので、指紋が付きにくくなっています。
ちなみにDCI-P3とは、動画編集をする時に指標とする色域になります。
基本的に、高価なディスプレイやクリエイター向けのノートパソコンは、sRGBやDCI-P3、そしてAdobe RGBのカバー率が高いものが多いです。
本機種ではDCI-P3カバー率が95%と、クリエイター向けディスプレイ並みの性能です。
CPU
パソコンの頭脳であるCPUは、Intel core i5-L16G7が搭載です。2020年6月にリリースされた最新11世代のプロセッサーで、このCPUのおかげで折り畳みPCや小型のパソコンでもある程度の性能を持たせることが出来るようになりました。
コード名 | Lakefield |
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開発プロセス | 10nm |
コア/スレッド | 5/5 |
ベース周波数 | 1.4GHz |
ターボブースト時 | 3.0GHz |
キャッシュ | 4MB |
SDP | 7W |
性能を表すPassmarkスコアは3164となり、以前のモバイルPCに使われていたCore i5-7Y54(スコア・2769)と比べても10%ほど性能が高くなっています。
5コアなのでマルチタスクも比較的快適やりやすく、ビジネスモデルとしての体裁を保っていますね。
<アプリの数は例です>
この様にコア数が多いと同時に処理できるデータ量が多くなるので、より快適に使うことが出来ます。
とは言っても本機種搭載のCPUはモバイルPC用なので、通常のパソコンに搭載されるCPUと比べると大分見劣りします。
[visualizer id=”13543″ lazy=”no” class=””]モバイルのCPUとしては優秀ですが、通常のPCに搭載されるエントリークラスのCore i3-10110Uと比べても30%以上差があるし、がっつり使う人向けではないです。
2台目として外出用に使うか、メールチェックやウェブ検索、Officeを使うなどの軽い用途であれば問題ないと思います。
メモリ
メモリはパソコンの作業台で、より大きなメモリはより大きなデータ、多くのデータが同時に扱いやすくなります。
搭載メモリは8GBで、オンボードになります。
メモリの種類はLPDDR4X 4267MHzとかなり高性能のものです。LPDDR4xはより低電圧で動作するメモリなので、バッテリー駆動時間が延びるという特徴があります。本機種も11.7時間と、OLEDのモバイルPCにしては長いと思います。
4267MHzという動作周波数は、大きければ大きい程高速でデータ処理が出来ます。一般的に2400MHz、2666MHzが多いのですが、本機種は4267MHzとかなり性能が高いものが搭載されており、理論値ベースで行くと2400MHzより80%高速処理が可能です。
ちなみに今まで各社のパソコンを何百台とレビューしてきましたが、ここ最近で一番早い処理速度を持つメモリはDDR4-3200MHzでしたが、これよりも30%以上高速処理が可能です。
ストレージ
ストレージはSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)で、M.2 PCle-NVMe 2242になり、最大データ転送速度は16Gbpsになります。
色々と横文字が出てきましたが、簡単に言うと、昔の規格であるHDDより数十倍転送速度が速く、もう一つのSSD規格SATAよりも倍以上速度が速いです。(理論値ベースです)
パソコンの起動も速いし、基本的に何をやっても速いですね。
WWAN
WWANからLTE搭載モデルを選ぶことが出来(5Gモデルは販売時期未定です)、nanoSIMを使って常時インターネット接続が出来ます。
格安SIMで接続することが多いですが、ここ最近は楽天UN-Limitが安くて話題になってますよね。無制限で3000円くらいであるので安いです。
WiFi6
次世代通信規格のWiFi6に対応です。5Gと共に注目されている高速通信規格で、提供エリアもどんどん広がっていますね。
今までの通信だと最大で6.9Gbps(6.9GB/秒)でしたが、WiFi6は9.6Gbpsになります。まぁ、コレは理論値なのでここまで出ないですが、通信速度はかなり上がりますね。
オーディオ
オーディオは、Netflixや映画館で導入が進んでいるDolby Atmosです。今までは5.1chサラウンディングでしたが、アトモスは9.6chなので、音が飛び交うようにリアルに聞こえます。
セキュリティ
- Windows Defender・・・Windows搭載のセキュリティ機能で、マルウェアなどのウイルスからパソコンを守ってくれます。
- TPM・・・独立して機能するチップで、パスワードなどの重要情報を格納できる
- ハードディスクパスワード・・・ハードウェアレベルでパスワードを設定できるので、パソコン内部のデータが盗み見られる可能性がかなり減ります
インターフェイス
- USB Type-C 3.1 Gen 2
- SIM カードスロット
SIMカードスロットはWWAN(LTE)対応モデルのみ使用できます。USB Type-Cでは、充電やDisplay Portへの出力などができます。
インターフェイスは豊富とは言えないですが、USB Type-Cでほぼ賄えるので問題は無いかと思います。
まとめ
13.3型のモバイルPCで、1㎏以下と言うのは本当に軽いですね。仕事で持ち運びが多い人には合うと思います。
総合的な性能としては、タブレット以上PC未満といった感じなので、パソコンをがっつり使う人はメインのパソコンと言うよりもサブ機として使ったほうがいいかもしれません。
ディスプレイの質はいいので、外出先で映画を見たり、メールチェック、Web検索などの軽い使い方であれば満足いく性能だと思います。