最新のRyzen 5000シリーズで上位モデルの「Zen 3」アーキテクチャでより快適に使え、Proシリーズもあるのでセキュリティも高くなっています。
本機は量販店モデルで、執筆現在公式サイトでは販売されていないのでLenovo特有の「カスタマイズ」ができませんが、メモリ8GB・SSD 256GBと一番人気がある構成になっています。
最大3つの外付けモニターに接続できるので「ホームオフィス用」としても使いやすいし、小型13.3型なので持ち運びにも適しています。
Contents
ThinkPad L13 Yoga Gen 2 (AMD)のスペックレビュー
APU | Ryzen 3 5400U Ryzen 5 Pro 5650U |
---|---|
メモリ | 8GB |
ストレージ | SSD 256GB |
グラフィックス | Radeonグラフィックス |
ディスプレイ(13.3型) | FHD IPS 光沢あり タッチ |
無線 | WiFi6、Bluetooth v5.2 |
生体認証 | 指紋センサー、顔認証(Ryzen 5のみ) |
セキュリティ | TPM、パワーオン パスワード、ハードディスク パスワード、スーパーバイザー パスワード、システム マネジメント パスワード、セキュリティ キーホール |
寸法(幅x奥行きx高さ) | 311.5 x 219 x 17.6㎜ |
重さ | 1.44㎏ |
バッテリー | 最大約12.3時間 |
保証 | 1年間 |
付属 | ThinkPad Pen Pro |
価格 | 19.4万円~ |
パソコンの頭脳であるAPUは最新のRyzen 5000シリーズが搭載で、5000 Proシリーズも搭載可能です。現在販売されているモデルはRyzen 3とRyzen 5なので、メモリは8GBと標準的な容量になっています。メモリ16GBモデルもあればヘビーユーザーにも使いやすかったですが、メインストリーム向けですね。
ストレージは転送速度が速いM.2 SSDが搭載で、256GBになります。パソコンの起動も速いし、サクサク使えますね。
ディスプレイは高解像度のFHDディスプレイに、視野角も広くコントラスト比も高いIPS液晶が搭載です。タッチディスプレイなので、付属のペンや指で操作が可能です。
指紋センサーや顔認証(IRカメラ)も搭載(Ryzen 5モデルのみ)で、WiFi6にも対応しているので、出先でも使いやすいですね。また、バッテリー駆動時間は最大12.3時間と比較的長めで、2 in 1 PCで小さいので外出が多い人でも使いやすいと思います。
ただし、本機種は「量販店モデル」で、町の電気屋さんや楽天などで販売されており、公式サイトでは販売されていません。インテルモデルは公式サイトで取り扱いがあり、半額以下の価格になっています。
ライバル機種
<左から本機種・L13 Yoga Gen 2 Intel・ThinkPad X13 Yoga Gen 2>
本機種と似たような最新機種との比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値。スマホの人は表を右にスクロールできます)
本機種 | インテルモデル | ThinkPad X13 Yoga Gen 2 | |
CPU | Ryzen 3 5400U Ryzen 5 Pro 5650U |
Core i3-1115G4 Core i5-1135G7 Core i7-1165G7 |
Core i7-1185G7/1165G7 Core i5-1145G7/1135G7 |
メモリ | 8GB | 16GB | 32GB |
ストレージ | SSD 256GB | SSD 1TB | SSD 2TB |
グラフィックス | Radeon | Iris Xe | Iris Xe |
ディスプレイ | FHD 画面比16:9 |
FHD 画面比16:9 |
FHD相当、2.5K 画面比16:10 |
無線 | WiFI6 | WiFi5/6 | WiFi6、4G LTE |
バッテリー | 12.3時間 | 10.3時間 | 18.9時間 |
重さ | 1.44㎏ | 1.43㎏ | 1.2㎏ |
価格 | 19.4万円~ | 9.9万円~ | – |
各機種の特徴
- 本機種・・・一番性能が低いが他機種の倍近い価格。一般的なビジネス用途には十分な性能
- インテルモデル・・・同じ筐体を使用し、プロセッサー以外はすべて同じ。公式サイトで販売されているため低価格
- X13 Yoga Gen 2・・・上位モデルで全てにおいて高品質・高性能
Passmarkスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 5 Pro 5650U | |
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Ryzen 3 5400U | |
Core i7-1185G7 | |
Core i5-1145G7 | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 | |
Core i3-1115G4 |
プロセッサーの性能だけを見たら本機種のRyzenが高いですが、総合的な性能を見ると似通っていると思います。また、グラフィック性能はインテル製CPUが高いので、クリエイティブワークをする人はインテルモデルが良いと思います。
Video Card Benchmarks
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1165G7 | |
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Core i5-1135G7 | |
Ryzen 5 Pro 5650U | |
Core i3-1115G4 | |
Ryzen 3 5400U |
Windows 11
Microsoftが2021年6月にWindows 11を発表しました。今までのWindowsのアップデートと違い、全機種アップデートできるわけじゃなく、以下の要件を満たした機種のみになります。
- 1GHz以上で動作する複数コアを搭載した64bitCPU
- メモリ4GB以上
- ストレージ64GB以上
- DirectX 12サポート
- 9インチ以上720p以上の解像度
- Microsoftアカウント
- ネット接続
- UEFIによるセキュアブートをサポート
- TPM 2.0
本機種では心配ないですね。余裕で全項目クリアしています。
メリット・デメリット
良い点
・小型軽量で持ち運びがしやすい
・2 in 1 PCで使い勝手が高い
・最大4画面で作業可能
残念な点
・購入時にカスタマイズできない
・公式サイトで販売されていないので高い
ThinkPad L13 Yoga Gen 2(AMD)の特徴
Lenovoにしては若干ベゼル(画面の黒い枠)が太いかな?という感じですが、いつものThinkPadですね。かっこいいです。
寸法は
・幅311.5㎜(千円札2枚/300㎜)
・奥行き219㎜(千円札1.5枚/225㎜)
・厚さ17.6㎜(一円玉/直径20㎜)
で、コンパクトですね。重さは13型で1.44㎏と若干重たいですが、2 in 1 PCって若干重くなることが多いので妥当な範囲だと思います。
指紋センサーとIRカメラ(顔認証)は、Ryzen 5モデルのみに搭載しているようです。Ryzen 3モデルを購入する際は、確認したほうが良いです。
底面にはワイドな吸気口があり、筐体背面に排気口があります。エアフローは悪くないと思います。
2 in 1 PC
2 in 1 PCとはヒンジ(ディスプレイ)が360度回転でき、「モード」が変更できるパソコンになります。
<テントモード>
テントモードはソファやベッドの上に寝転がって使うとき、底面の吸気口をふさがないので筐体が厚くなりにくくなります。個人的に一番使うモードです。
<スタンドモード>
キーボードが邪魔な時は、スタンドモードにすると使いやすいです。
<タブレットモード>
タブレットのようにして使うことができ、13.3型なのでタブレットモードでも使いやすいですが、片手で持つには重たいです。
<デスクトップモード>
通常のデスクトップモードです。がっつり作業をするときは、このモードですね。
左端の赤い部分はペンを収納する箇所になっており、付属のThinkPad Pen Proを収納できます。4096段階の筆圧を感知しますが、傾き検知はないようです。
<ThinkPad Pen Pro>
素材
天板はアルミニウム素材で、底面カバーは樹脂(ガラス繊維強化プラスチック)になっています。ここ最近の樹脂素材は、チープな感じがしないものが増えましたね。
耐久性も高い素材です。
MILスペック
ThinkPadシリーズは12項目の「米軍の物資調達規格」に準拠しており、200以上の品質チェックをした耐久性・堅牢性の高いパソコンになっています。
有名な話ですが、ThinkPadの研究開発は横浜にある大和研究所で行われており、一部のモデルは日本にあるNECの工場で作られているので、安心の品質があります。
キーボード
本機種は執筆現在量販店モデルのみで、JISキーのみのようです。通常ThinkPadはUSキーかJISキーが選べますが、量販店モデルは公式サイトの様にカスタマイズができないので、USキーファンはインテルモデルが良いと思います。
キーボードはフルサイズ・88キーで、仕様書によるとバックライトキーはありません。量販店で販売モデルが違うと思うので、購入時に確認した方が良さそうです。
APU
Ryzen 3 5400U | Ryzen 5 Pro 5650U | |
アーキテクチャ | Zen 3 | Zen 3 |
---|---|---|
コア/スレッド | 4/8 | 6/12 |
キャッシュ | 8MB | 16MB |
GPUコア | 6 | 7 |
基本クロック(GHz) | 2.6 | 2.3 |
ブーストクロック(GHz) | 4.0 | 4.2 |
TDP | 15W | 15W |
CPUはRyzen 5000シリーズで最新アーキテクチャのZen 3になり、Zen 2からの大きな変更として以下があります。
- コアからアクセスできるL3キャッシュが倍増(パフォーマンス向上)
- IPCが19%向上し、電力当たりのパフォーマンスが最大24%UP
- シングルスレッドの性能が最大23%UP
- マルチスレッドの性能が最大108%UP
- バッテリー効率が上がった
また、多くのRyzen 4000シリーズは1コア当たり1スレッドでしたが、Ryzen 5000シリーズは全てが「マルチスレッディング」に対応したため、1コア当たり2スレッドになっています。このおかげで、より多くのデータを同時に処理できるようになりました。
Ryzen Proシリーズは通常版よりもセキュリティが強化され、メモリの暗号化などにも対応していますが、通常版と性能はほぼ同じです。
プロセッサーの性能を表すPassmarkスコアです。
スコアの目安
- 2000~・ネットサーフィンでもストレスを感じるほど
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
Passmarkスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 5 Pro 5650U | |
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Ryzen 3 5400U | |
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 | |
Ryzen 3 5300U | |
Core i3-1115G4 |
スコア7000くらいあればビジネス用途として快適に使えますが、本機はかなり高い性能ですね。
グラフィックス
グラフィック性能が高いとOfficeワークがしやすくなったり、複数画面作業がしやすくなったりと、ビジネス用途でも使いやすくなります。また、画像編集などのクリエイティブワークもしやすくなりますね。
Video Card Benchmarks
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
MX450 | |
---|---|
Core i7-1165G7 | |
Core i5-1135G7 | |
MX250 | |
Ryzen 5 Pro 5650U | |
Core i3-1115G4 | |
Iris Plus | |
Ryzen 3 5400U | |
UHD |
内臓グラフィックスとしてみると全然良い性能ですが、より快適にクリエイティブワークをするならインテル製CPUのほうが使いやすいです。
ディスプレイ
右にスライドできます↓
解像度 | 光沢 | 液晶 | 輝度 | コントラスト比 | 色域 | 視野角 |
FHD 1920×1080 |
なし | IPS | 300nit | 800:1 | NTSC 72% | 170° |
FHD | フル・ハイディフィニション、一般的な画質 |
---|---|
光沢 | 光沢ありは発色が良い反面、自分や背景が映り込みしやすい。光沢無しは映り込みがしにくい |
液晶 | IPS液晶はコントラスト比が高く、視野角も広いが、TN液晶はどちらも低い |
nit | 明るさを表す単位。通常250nitが標準 |
色域 | 色空間の規格 |
ディスプレイは標準的なFHD解像度で、コントラスト比が高く視野角も広いIPS液晶が搭載です。また、300nitと明るいので屋外でも使いやすいです。
色域はNTSC 72%になり、これはsRGB 100%相当の色域があります。色域が広いとより多くの色が描写できるので、現実に近い色合いが映し出されます。
これは左が一般的なディスプレイに使用されるNTSC 45%で、右がsRGB 100%(NTSC 72%)のディスプレイです。よく見ると色が全然違うし、特に画面左下のほうはNTSC 45%だと黒くなっていますが、右のディスプレイはちゃんと描写されていますね。
これは極端な例ですが、色域が広いと見やすいし、使いやすいです。ちなみに、NTSC 72%はWeb用画像編集をするようなクリエイター向けの色域です。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
メモリは8GBで、DDR4 3200MHzです。現行で最高の周波数があるので、処理速度が速いです。また、メモリが1つあるため、増設も可能です。
ストレージ
SSD(PCIe NVMe) | HDD | |
最大データ転送速度 | 最大16Gbps~32Gbps | 最大6Gbps(SATAの場合) |
平均起動時間 | 10秒~15秒 | 30秒~2分 |
温度 | 熱くなりにくい | 熱くなりやすい |
価格 | 高い | 安い |
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
搭載ストレージはM.2 SSD PCIe NVMeで、PCI Express 4.0が搭載の様です。PCIe 4.0は最新の規格でPCI Express 3.0×4の倍の帯域幅があるので超高速ですが、プロセッサーがPCIe 4.0に対応していないのでPCIe 3.0での動作になります。
どちらにしても最高峰の転送速度があるので、パソコンの起動もデータ移動もサクサクです。
セキュリティ
- Windows Defender・・・Windows 10に標準搭載されているウイルスから保護するセキュリティ機能
- TPM・・・独立して機能するセキュリティチップで、パスワードなどの情報を格納する
- ThinkShutter・・・前面カメラのカバー
- セキュリティキ―ホール・・・ワイヤーなどを繋げて持ち運びできないようにする
WiFi6
次世代通信規格のWiFi6に対応しており、現在主流のWiFi5より約40%最大通信速度が上がっています。今まで5GHzにしか対応していなかった周波数が、2.4GHzと5GHzと2バンドに対応しており、また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、カフェなどの混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
バッテリー
バッテリーは4セル・46Whで、Ryzen 3の最大バッテリー駆動時間は12.3時間、Ryzen 5は11.1時間になります。1.44㎏の2 in 1 PCとしては、悪くない長さだと思います。
インターフェイス
左側面インターフェースはUSB-C 3.2 Gen 2(最大データ転送速度10Gbps)、Gen 1(同5Gbps)、イーサネット拡張コネクター2、USB-A 3.2 Gen 1、マイク/ヘッドフォンジャックがあります。
右側面インターフェースはペンスロット、電源、microSDカードリーダー、USB-A 3.2 Gen 1、HDMI、そしてセキュリティーキーロックがあります。
USB-Cはどちらも映像出力機能付きなので外付けモニターに接続でき、HDMIを合わせると最大4画面で作業ができます。ドッキングステーションも使えるので、インターフェースは充実していますね。
サポート・保証
標準で1年間の「引き取り修理保証」と、電話・チャット・LINE・メールでのサポートがあり、最長5年まで延長できます。また、プレミアサポートと言うサポートにアップグレードができ、こちらは24時間365日専任のエージェントが電話対応します。(通常サポートは朝9時~夕方6時まで)
また、保証は引き取り修理とオンサイト修理、翌営業日オンサイト修理の3種類があります。
- 引き取り修理・・・家などの指定住所にLenovoの指定業者がPCを引き取りに来てリペアセンターに配送、修理後、郵送してくれる保証です。保証期間内は、基本的に修理費・郵送費など無料です。
- オンサイト修理・・・事務所や自宅にエンジニアが来て修理
- 翌営業日オンサイト修理・・・翌営業日(土日祝日以外)にエンジニアが来て修理
修理拠点は日本国内なので対応も速く、安心して任せることができます。
ただし、本機種は量販店で販売されているので、詳しい保証は購入時に店員にお問い合わせください。
まとめ
ペンが付属している2 in 1 PCで、比較的持ち運びもしやすく、WiFI6もあるので屋外でも使いやすい機種ですね。
個人的にすごく良いモデルだと思いますが、量販店で販売されているので価格が公式サイトの倍以上という点が残念です。
このスペック(もしくはこれ以上)のパソコンであれば、10万円前後から上位モデルのX13もあるし、本機種のインテルモデルも、個人向け機種ですがIdeaPad Flex 550 14型は6万円台からあるので、ほかの機種も検討してみていいかもしれないですね。
また、モバイルノートをお探しなら、「おすすめのLenovoモバイルノート」でおすすめモデルを紹介しているのでこちらもどうぞ。