待望のインテル第11世代CPU搭載の機種で、クリエイター向けのスペックになっています。Yogaは元々クリエイターに人気が高いのですが、本機種ではグラフィックス性能が格段に上がったので、より快適に画像編集・動画編集などのクリエイティブワークが出来るようになりました。
ThinkBookなどの他のモデルにも第11世代CPUが使われている機種もあるのですが、本機種は「Intel Evo Platform」の認証を取得しています。
Evoについては後述していますが、簡単に言うとCPUなどのスペックだけじゃなく全てにおいて高性能・高速・長時間駆動と言う意味です。
わくわくするような機種です。
Contents
Lenovo Yoga 750iのレビュー
CPU | Intel core i5-1135G7 Intel core i7-1165G7 |
---|---|
メモリ | 最大16GB(オンボード) |
ストレージ | SSD 最大512GB |
グラフィックス | Iris Xe |
OS | Windows 10 Home |
ディスプレイ | FHD IPS 光沢あり Dolby Vision sRGB 100%マルチタッチ |
無線 | WiFi6、Bluetooth v5.0 |
オーディオ | Dolby Atmos |
Microsoft Office | 搭載可能 |
バッテリー | 15型)最大15時間 14型)最大14.7時間 |
寸法(幅x奥行x高さ) | 15型)356.5×235.7×18㎜ 14型)320.4×214.6×15.7㎜ |
その他 | 指紋センサー、アクティブペン付属、Thunderbolt 4 |
重さ | 15型)1.83㎏ 14型)1.43㎏ |
価格 | 8.7万円〜 |
最新第11世代のCPUは格段に性能が上がり、特にグラフィックス性能がやばいことになっています。
グラフィックスにIris Xeという内蔵グラフィックスが搭載されていて、NVIDIA GeForce GTX 660クラスの性能があります!画像編集や動画編集もしやすくなっています。
メモリは大容量16GBまで、ストレージはSSD 最大512GBなので保存するデータが多い人でも心配無用なサイズです。
ディスプレイはフルHDとクリエイター向けにしては普通の画質ですが、Dolby Vision対応、sRGB100%なので、そこはやっぱりクリエイター向きのスペックになっています。
色域が高く、大きなコントラスト比に滑らかなグラデーションの描写が可能であるDolby Vision対応なので、一般的に販売されているFHDよりも全然質が高くなっています。
WiFi6にも対応しているので高速無線回線でのインターネットも使えるし、オーディオは映画館やNetflixで採用が進んでいる高品質Dolby Atmosなので、気分良く作業が出来ます。
前モデルと比較
旧モデルのYoga C740との比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値)
本機種 | Yoga C740 | |
CPU | Core i5-1135G7 Core i7-1165G7 |
Core i5-10210U Core i7-10510U |
メモリ | 16GB(3200MHz) | 16GB(2666MHz) |
ストレージ | SSD 512GB | SSD 512GB |
ディスプレイ | FHD | FHD |
無線 | WiFi6 | WiFi6 |
バッテリー | 14.7時間(14型) 15時間(15型) |
18.6時間(14型) 17,8時間(15型) |
重量 | 1.43㎏(14型) 1.83㎏(15型) |
1.4㎏(14型) 1.9㎏(15型) |
価格 | 8.7万円~ | 8.5万円~ |
CPUが第10世代から11世代に変わり、メモリも動作周波数が3200MHzと上がり、Thunderbolt 4が2つも搭載しています。消費電力が増えた分、バッテリー駆動時間が若干減りましたが、それでも約15時間なので問題ないと思います。
ライバル機種
本機種と似たような最新機種との比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値。スマホの方は表を右にスクロールできます)
本機種 | Yoga Slim 750i 14型 | Yoga Slim 750i 15型 | |
CPU | Core i5-1135G7 Core i7-1165G7 |
Core i5-1135G7 Core i7-1165G7 |
Core i5-1135G7 Core i7-1165G7 |
メモリ | 16GB | 16GB | 16GB |
ストレージ | SSD 512GB | SSD 512GB | SSD 512GB |
グラフィックス | Iris Xe | Iris Xe | Iris Xe |
ディスプレイ | FHD | FHD | FHD |
無線 | WiFi6 | WiFi6 | WiFi6 |
バッテリー | 14.7時間(14型) 15時間(15型) |
23.7時間 | 16時間 |
重量 | 1.43㎏(14型) 1.83㎏(15型) |
1.36㎏ | 1.68㎏ |
Evo認証 | 〇 | X | X |
価格 | 8.7万円~ | 8.1万円~ | 8.3万円~ |
本機種はYoga 750iで、比較機種はYoga Slim 750iになります。Yoga Slimはその名の通りスリム(小型)で軽量ですが、Evo認証は無く、2 in 1 PCでもありません。普通のノートパソコンです。もし、2 in 1 PCでなくても良いのであれば、Slimシリーズの方が若干安く、軽い、そしてバッテリー駆動時間も長いです。
本機種はEvo認証で2 in 1 PCなので、より使い勝手が高いです。
メリット・デメリット
メリット
・2 in 1 PCで使いやすい
・Evo認証で高性能
・WiFi6あり
・Thunderbolt 4が2つ搭載
・バッテリー駆動時間が約15時間と長い
・おしゃれ
デメリット
・2 in 1 PCなので若干重い
Yoga 750i(第11世代CPU)の特徴
<インテルEvoプラットフォーム認証>
最大の特徴はインテルEvoプラットフォームですね。本機種はインテルとの共同開発された機種で、簡単に言うと新時代のパソコンです。
第11世代CPUを使っていたらEVO認証があるかと言えばそうでなく、一定のスペックを上回っていないとこの認証は取れないんですね。
「Intel Evo Platform」の認証を取得するには、主に以下の要件があります。
- Iris Xeグラフィックス搭載の第11世代CPU搭載機種
- アプリケーションを高速かつ高レスポンスで使える
- AI推論も高速で使える
- 電源を問わずにレスポンスが良い事
- 9時間以上のバッテリー駆動時間
- フルHD以上
- 1秒以内でスリープから復帰
- 30分の充電で4時間駆動
- WiFi6対応
- Thunderbolt 4搭載
- ノートパソコンであること
ちなみにLenovoで言えばThinkBookにも11世代CPU搭載モデルはありますが、Evoではありません。
<第11世代Core i7のスペック例・AMD Ryzen 4800Uとの比較 >
こちらはライバルであるRyzen 7 4800U(Ryzen7最高モデル)との性能比較ですが、多くの性能は完全に上回っています。エクセルやワードは約1.3倍速く、フォトショップは1.4倍、動画編集ソフトのPremiere Pro CCは2.7倍速く動くとの事です。
多くの人が使っているGoogleクロームも1.15倍と、速くなっていますね。
凄いです。
次に注目したい特徴は、2 in 1 PCですね。ヒンジが360度開くので、状況によらず快適に使えます。
<テントモード> | <タブレットモード> |
例えばベッドやソファに寝転がって使う時は、底面の吸気口を塞がないようにテントモードで使ったり、移動中の車内や電車の中や待ち時間にはタブレットモードで。アクティブペンも付属なので、買ったその日からイラストを書いたり、メモ取りをしたりできます。
<スタンドモード> | <デスクトップモード> |
動画を見る時はスタンドモード、がっつり使う時はデスクトップモードと色々形態を変えて使えます。
また、ベゼル(画面の黒い枠)も上下左右4辺とも狭いので、画面が大きく見えますね。
寸法はそれぞれこの様になります。
幅 | 奥行き | 厚さ | 重さ | |
15型 | 356.5㎜ | 235.7㎜ | 18.0㎜ | 1.83㎏ |
14型 | 320.4㎜ | 214.6㎜ | 15.7㎜ | 1.43㎏ |
14型、15型どちらも奥行きが結構狭いですね。幅も若干狭いです。ここ数年小型薄型化に拍車がかかり、どんどん小さくなっていますね。
また、丸みを帯びたエッジでおしゃれですね。筐体にはアルマイトメタルが使用されているので、耐久性も高く、高級感のある外観になっています。
<15型のキーボード> | <14型のキーボード> |
15型はテンキー(右側部分の数字のキー)付きで、14型はテンキーなしです。数字入力が多い人は15型が使いやすいです。
また、14型はキーボードの両サイドにスピーカーが、15型はキーボード上部にスピーカーがあり、どちらともDolby Atmosになります。
Dolby Atmosは最大9.1.6chのサラウンディングで、今までの主流なサラウンディング・5.1chよりも音の出る方向が多くなっているので、臨場感が増します。
NetflixなんかがDolby Atmos対応の映画を作っていますね。
ちなみに14型と15型の違いは、サイズや重さの他に、USBの数が違うだけです。下記項目「インターフェイス」で詳細を解説しています。
CPU
製造プロセス | コア/スレッド キャッシュ |
グラフィックス | ベースクロック シングルコアターボ時 |
|
Core i7-1165G7 | 10nm SuperFin |
4/8 12MB |
Iris Xe | 2.8GHz 4.7GHz |
Core i5-1135G7 | 10nm SuperFin |
4/8 8MB |
Iris Xe | 2.4GHz 4.2GHz |
スコアの目安
- 2000~・ネットサーフィンでもストレスを感じるほど
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ゲーミングPCなど専門的な機種に搭載されることが多い
↓グラフをタップすると数値が表示されます↓
[visualizer id=”14694″ lazy=”no” class=””]Core i7-1165G7は1万2000オーバーのスコアで、そりゃ画像編集も動画編集も快適にできるだろうといったスペックですね。高いスコアです。
Core i5もスコア8357と、ビジネス用途でがっつり使っても「動きが遅い」なんて思うことは無いと思います。
こちらはCinebench R20のスコアで、レンダリングの性能を測るテストです。上2つが本機種搭載CPUです。
[visualizer id=”14700″ lazy=”no” class=””]今までのCPUは比べ物にならないくらい高い数値ですね。
グラフィックス
まずは3Dグラフィックスの性能を計る、Fire Strike Graphicsの性能です。3Dゲームや動画編集をする場合の目安です。
(グラフをタップすると数値が表示されます)
[visualizer id=”14715″ lazy=”no” class=””]Core i7-1165G7は5000オーバーになっていますね。NVIDIA GeForce GTX 660と近い性能になっています。
動画編集や画像編集も今までにないくらい快適にできますね。
下の画像は2019年に発表されたIris Plusとの比較で、当然ですが全てのゲームでより高いfpsを出しており、「ゲームが快適にできる目安の60fps」に近いものが多くあります。
<ゲームのベンチマークスコア>
一番右のCS:GO(Counter-Strike:Global Offensive)は、fps100を超えていますね。GTAV(Grand Theft AutoV)も60超え、虹6は60近いfpsです。
3Dゲームが出来る=3Dグラフィックスの能力が高いと言う意味で紹介しましたが、本格的にゲームをするならグラフィックボード搭載機種がおすすめです。
メモリ
メモリはパソコンの作業台で、一時的にデータを保管する場所です。メモリが大きいとより多くの、より大きなデータが扱いやすくなります。
メモリはDDR4 3200MHzと市販されているPC搭載のメモリでは最速クラスのものです。
この動作周波数(MHz)が高いと、データの処理速度が速くなります。ちなみに3200MHzが使われ始めたのはここ最近で、これより上の周波数のメモリは見たことがありません。
ストレージ
ストレージはSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)で、最大512GB搭載できます。
SSDの種類はM.2 PCle-NVMeで、データ転送速度がかなり速い機種になります。HDDと比べると数十倍速く、PCの起動も高速です。
ディスプレイ
ディスプレイはフルHDですが、高色域のものになっています。
右にスクロールできます↓
光沢 | 液晶 | 輝度 | 色域 | マルチタッチ | |
FHD Dolby Vision |
あり | IPS | 500nit | sRGB100% | 対応 |
FHD | フル・ハイディフィニション、解像度1920x1080 |
---|---|
IPS | 視野角が広く、コントラスト比も比較的高く、自然な色合いが描写できる |
光沢あり | 背景などが画面に反射しやすい反面、より鮮やかな色が描写できる。スマホやタブレットと同じく、タッチディスプレイでは光沢ありが普通。 |
nit | 輝度(明るさ)を表す単位で、通常250前後が標準 |
Dolby Vision | ドルビー社のHDR規格。最大輝度を高め、より大きなコントラストに滑らかなグラデーション、そして高い色域を表現できる |
sRGB | 色空間規格で、Web用画像編集に向いているほどの高色域 |
フルHDの色域も高く、何と言ってもDolby Vision対応なので鮮やかな色が描写されます。Web用画像編集も快適にできるほどの色域です。
圧縮・リサイズしているので変色していますが、左が一般的なノートパソコンに搭載されるディスプレイ(NTSC 45%)で、右がsRGB 100%(NTSC 72%相当)です。右の方が色鮮やかなのが分かりますね。
また、ディスプレイ上部のカメラにはプライバシーシャッターが搭載されているので、プライバシーも守られます。
WiFi6
次世代通信規格のWiFi6に対応です。5Gと共に注目されている通信規格で、最大9.6Gbpsもの通信速度になります。
最近はドコモ光が10Gbpsの通信速度を提供していて、提供エリアもどんどん広がっているので、今後高速通信が可能になりますね。
オーディオ
オーディオは映画館やNetflixなどの動画配信会社でも導入が進んでいるDolby Atmosです。当然同じ規格ではないですが、家庭用の規格で、最大9.1.6chまで可能です。
三次元空間をパンできる位置情報が含まれているので、音がよりリアルにいろんな方向から聞こえるので、臨場感が増しますね。
インターフェイス
インターフェイスは14型と15型で若干違います。まずは14型です。
- 電源ボタン
- USB 3.0 (Powered USB)
- マイクロホン/ヘッドホン・コンボ・ジャック
- Thunderbolt 4 ポート
Thunderbolt 4は、Powerdelivery対応、DisplayPort出力機能付き、DC-in機能付きになります。
次は15型です。
- 電源ボタン
- USB 3.0(Powered USB)
- USB 3.0(14型にはこれが無し)
- マイクロホン/ヘッドホン・コンボ・ジャック
- USB Type-C Thunderbolt4(DC-in, Power Delivery, DisplayPort)
インターフェイスは豊富とは言えないですが、Thunderbolt 4があるので困る事は無いと思います。ここ最近多くのものがUSB Type-Cになっていますしね。
とは言ってもUSB Type-Aもあるので、今使っている外付けHDDなども使えます。
ちなみにThunderbolt 4は最新の技術で、すごいんですね。
Thunderbolt 4は最大データ転送速度が40Gbpsで、今までは0.8mまでが限界だったのですが2mのケーブルでも40Gbpsが出るようになりました。
また、PCIeの転送速度は16GBから32Gbpsになり、ストレージ転送速度は最大3.000MB/秒です!データ移動がかなり楽になります。
今までは4Kディスプレイに出力できるのが1台でしたが、2台までになり、8K出力にも対応しています。
来年出でると噂のUSB4.0規格に準拠しているので、Thunderbolt 4(Type-C端子)で使うことが出来ます。
最後に
CPU、グラフィックス、メモリ、ストレージのスペックが高く、ディスプレイの質も良いクリエイターに向いている機種ですね。
特にグラフィックスの性能は、外部グラフィックボードのNVIDIA GeForce GTX 660並みなのでものすごいと思います。また、Evo認証を取得した機種なので、性能はお墨付きですね。
15型か14型で迷われている場合は、大画面で使いたいか、持ち運びが多いかを基準に考えたらいいと思いますよ。スペック的にUSBが1つ多いか少ないかだけの差なので。