HPのビジネスノートのハイエンドモデルであるEliteBook x360は、ディスプレイの輝度が高く、LTEにWiFi6が搭載、バッテリー駆動時間が長いという特徴があります。
セキュリティも豊富で、MILスペックのテストもクリアーしているほどの堅牢性を兼ね揃えた機種です。
移動が多く、屋外でパソコンを使う機会が多いというビジネスパーソンに特におすすめの機種です!
公式ページでは、本機種の販売が終了しました。CPUが第10世代にグレードアップしたEliteBook x360 1040 G7が販売されているので、こちらをどうぞ。
Contents
HP EliteBook x360 1040 G6のレビュー
CPU | Intel core i5-8265U Intel core i7-8565U Intel core i7-8665U(vPro対応) |
---|---|
メモリ | 最大32GB |
ストレージ | SSD 最大512GB(Optaneメモリあり) |
ディスプレイ(14型) | FHD IPS 光沢なし 1000nit |
無線 | WiFi6、Bluetooth 5.0 |
WWAN(LTE) | 一部機種を除き搭載(CAT.9) |
OS | Windows 10 Pro |
セキュリティ | TPM、HP Sure sense、HP BIOSphere Gen 5、HP Sure Click、プライバシーシャッターなど |
有線LANポート | なし |
生体認証 | 指紋センサー、顔認証(IRカメラ)、NFC認証 |
オーディオ | ノイズキャンセル機能、360方位マイク |
Microsoft Office | 搭載モデルあり |
ペン | オプションで追加可能 |
寸法 | 321.4x215x16.9mm |
重さ | 1.42kg |
バッテリー | 最大17.4時間(急速充電対応) |
価格 | ― |
最大の特徴はディスプレイの輝度が1000nitとかなり高く、太陽の下でもディスプレイが見やすいというところです。
通常のノートパソコンの輝度は250〜300nitで、4Kディスプレイだと400〜600nitくらいなので、1000nitはかなり明るいです。
メモリも最大32GBと大きく、大きなデータを扱う人や、1秒でも速く快適に作業をしたい人にも合います。
また、ストレージはSSD PCIe 3.0×4なのでデータ転送速度はかなり速く、Optaneメモリ搭載ストレージもあるので、よく使うページやアプリなどの高速表示も可能です。
画面が360度回転する2 in 1 PCなので、移動中の車内でも、新幹線の中でも、ソファの上でも使いやすい形状で使うことができます。
LTE搭載なので移動が多い人でも常時インターネットに接続できるので、わざわざインターネットを求めてカフェに行く必要もありません。
しかもWiFi6も搭載なので、混み合った回線でもスムーズに使えます。
さすがHPのビジネスモデルなのでセキュリティは豊富だし、米軍の物資調達規格であるMILスペックをクリアしているので堅牢性も高いです。
サポート窓口も日本で行われており、安心感は高いです。(ビジネスモデル以外は主に中国のコールセンターでサポート)
また、バッテリー駆動時間は最大24時間とかなり長く、一日フルに使う人でも充電アダプターの持ち運びは必要なさそうですね。(注)バッテリー駆動時間は統一測定規格のJEITA2.0では最大17.4時間になっています)
プロセッサーは第8世代のものが使用されていますが、Core i5かCore i7を選ぶ限り、第10世代とそこまで変わらないので気にならないと思います。
HP EliteBook x360 1040 G6の特徴
寸法は幅321.4mm、奥行き215mm、厚さ16.9mmとなっていて、14型としては普通のサイズですが、2 in 1 PCなので悪くないサイズです。
大学ノートA4サイズ(297mmx210mm)と比べると、幅+2.4cm、奥行き+0.5cmとほぼ変わりないので、かばんに入れて持ち運びもしやすいです。
重さはたったの1.42kgなので、問題ない軽さです。
2 in 1 PCとはコンバーチブルなパソコンで、360度開くことができます。
<タブレットモード> | <メディアモード> |
移動中の車内ではタブレットモードで使い、映画などを見るときはキーボードが見えないようにメディアモードにしたりと、場所や状況に合わせて形を変えることができます。
<テントモード>
パソコンを置くテーブルが小さい新幹線などではテントモードにして、オプション購入できるアクティブペン(税抜1万円)を使って作業もしやすいです。
ベゼル(画面の黒い枠)はほどほどに細く、作業をしていても視界に入りにくいです。
HP Sure Viewという「覗き見防止機能」が搭載しており、カフェや電車内など周りに人がいるときには機能をONにすると視野角が狭くなるので、横から覗き見できない仕組みになっています。
ただし、視野角だけでなく輝度も落ちるので、明るさ設定が低いと正面からでも見にくくなります。
ONにすると横からだと見えなくなりますが、正面からでも若干暗いです。
筐体はCNC加工のアルミニウムで、アルミニウムの塊から作っているので外観もよく、堅牢性も高いです。
実際には見えませんが、ディスプレイパネルの裏側にもマイクがあり、合計3つのマイクで360度音を拾うことができます。
ビジネスミーティングや、複数人でスカイプやZoomをするときでも、周りにいる人の声もしっかりと伝わります。
とは言っても、一人で使っているときに他の雑音が入らないように、ノイズキャンセリング機能もあるので、雑音は拾いません。
キーピッチは18.7mmとタイピングしやすい幅で、キーストロークは1.5mm〜1.7mmと比較的深いです。
ここ最近は薄型PCが多く、キーストロークも1.2mm、1.3mmなど多いので、打感が軽いですよね。その点本機種は、サクサクタイピングがしやすいです。
では、同じ2 in 1 PCとの比較をしてみます。
本機種 | Yoga 750i | ThinkPad X1 Yoga | |
幅 奥行き 厚さ 重さ |
321.4mm 215mm 16.9mm 1.42kg |
320.4mm 214.6mm 15.7mm 1.43kg |
323mm 218mm 15.5mm 1.36kg |
CPU | 第8世代 | 第11世代 | 第10世代 |
LTE | あり | なし | あり |
2 in 1 | ○ | ○ | ○ |
バッテリー | 17.4時間 | 14.7時間 | 19.3時間 |
価格 | 15.5万円 | 8.7万円 | 22.7万円 |
2 in 1でLTE、手厚いサポートということを考えたら、なかなか良い選択だと思います。
MIL規格
MIL規格とは「米軍の物資調達規格」で、簡単に言うと米軍が紛争地に持って行っても使える品質があるということですね。
落下テストなんかも行っているので、安心です。ただし、これは本機種が「壊れない」ことを保証するものではありません。
セキュリティ
セキュリティはかなり豊富で、HP独自のものが多いので堅牢です。
- HP Sure Sense・・・ディープラーニングを活用したリアルタイム検知機能があり、悪意のあるファイルを検出し、マルウェア、ゼロディ攻撃、ランサムウェアなどからPCを守るセキュリティ機能
- HP BIOSphere Gen5・・・ウイルスやマルウェアによる不正なBIOSの書き換えや、破損からシステムを保護
- HP Sure Click・・・Web閲覧のセキュリティ強化で、タブを閉じるだけでマルウェアが消滅する
- HP Sure Run・・・OSの重要な機能や設定を構成時の状態に維持し、万が一設定が無効になった場合は再起動し、安全な状態に戻す
- HP Sure Recover・・・OSがウイルス感染しても自動的にリカバリーする
- HP Sure Start・・・自動復旧機能で攻撃を受けても自動でリカバリーする
- HP Client Security Software・・・パスワード関係などのセキュリティ機能
- HP Secure Erase・・・BIOSの中のSecure Eraseを使って内蔵ドライブのデータを完全に削除することが出来る
- ナノセキュリティロックケーブルスロット・・・盗難や持ち運び防止用のセキュリティワイヤーを使うスロット
- TPM・・・独立して機能するチップで、パスワードなどの重要情報を格納できる
- Windows Defender・・・Windows搭載のセキュリティ機能で、マルウェアなどのウイルスからパソコンを守ってくれる
CPU
本機種では第8世代のCPUを搭載ですが、法人でパソコンを一元管理しやすいvProに対応したCore i7-8665Uもあるので、法人で購入する場合は使い勝手は良いと思います。
個人であれば、Pavilionの方が断然高性能で価格も安いです。
下のグラフはCPUの性能を表すPassmarkスコアで、赤が本機種搭載CPUです。
スコアの目安
- 2000~・ネットサーフィンでもストレスを感じるほど
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
↓グラフをタップすると数値が表示されます↓
[visualizer id=”13443″ lazy=”no” class=””]Core i5は第10世代のCore i5とほとんど変わりがないのですが、i7は10%ほど違いますね。
メモリ
メモリはDDR4で、8GB、16GB、そして32GBが選べます。ここ最近の流れで、メモリは最低8GBを選ぶのが主流になっており、より快適さを求めるなら16GBを選ぶ人が多いです。
32GBはオーバースペックですが、vPro対応のCore i7-8665Uを選ぶと32GBのみになっています。
また、メモリはオンボードでスロットなしなので増設はできません。
ストレージ
ストレージはビジネスモデルとしては小さめの最大512GBで、いくつか種類があります。
Core i5 | SSD 256GB PCIe NVMe PCIe 3.0×4 |
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Core i7-8565U | SSD 512GB PCIe NVMe PCIe 3.0×4 |
Core i7-8665U | SSD 512GB PCIe NVMe+Optaneメモリ32GB |
PCIe 3.0×4は最大データ転送速度の理論値は32GB/秒になり、かなり速いです(実際のシーケンシャル速度はリードで3200MBくらい、ライトで1600MBくらいです)
Optaneメモリとは、よく使うデータをすぐに表示できるようにキャッシュ(記憶)し、頻繁に使うアプリやソフト、ページなどを素早く表示できます。
ディスプレイ
FHD IPS 光沢なし 1000nitとなっています。
FHD | フル・ハイディフィニション、解像度1920x1080 |
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IPS液晶 | 視野角が広くコントラストも高い |
光沢なし | 背景や自分が画面に映り込みしにくい |
nit | 輝度(明るさ)を表す単位で、通常250前後が標準 |
最大輝度は1000ニットとかなり高いですが、Sure Viewという内蔵プライバシースクリーン機能があるので、1000ニットと思うくらいの輝度はありません。
先程も少し説明したように、Sure View機能は視野角を狭くするのですが同時に輝度をかなり下げるので、正面にいる自分も見にくいです。
Lenovoのビジネスノート・ThinkPadに搭載されているPrivacy Guard(同じく視野角を狭くして覗き見を防止する機能)と比べると、質は劣ります。
また、前面カメラにプライバシーシャッターという物理カバーがあるので、使用していないときは閉じることができます。
LTE
LTEは、格安SIMなどを入れて常時インターネット接続ができる機能です。接続はCAT.9で、4G回線です。
今は主流が5G回線のCAT.16なので比べると遅さを感じますが、CAT9でも下り最大450MB(CAT.16は1GB)なので悪く無いと思います。
サポート
本機種にはHP Elite Premiumサポートがついており、何かあったときのサポートが充実しています。
電話対応の時間も一般のサポートより長く、「この件はこちらの部署に、その件はこちらのサポートに」などとたらい回しされることもなく、修理期間も短いです。
しかもサポートは日本国内に420拠点以上あるところで行われるので、スムーズに事が運びやすいです。
ちなみにパソコンは1年間保証が付いているので、万が一の時も安心ですね。
インターフェイス
- 音量ボタン
- USB Type-Cポート(Thunderbolt 3) x2
- HDMI
- USB3.1
- USB3.1ポート
- コンボステレオヘッドフォン/マイクジャック
- 電源ボタン
- ナノセキュリティロック ケーブル用スロット
- SIMカードスロット
インターフェイスは標準並みですが、Thunderbolt 3が2つあるので使い勝手が高くなっています。
SDカードリーダーがないので、必要な場合は外付けのカードリーダーが必要になります。(アマゾンで1000円くらいからあります)
最後に
本体のスペック的には若干価格が高めの機種ですが、サポートやセキュリティを考えると妥当な価格だと思います。
HPはサポートが手厚いし、評判もいいので、この点が重要であれば満足行く機種だと思います。