HP EliteBook Ultra G1q AI PCのレビューです。
最大45 TOPSのNPU性能を持ち、高級感がある筐体で2.2K解像度のディスプレイに、タイピングがしやすいキーボードを搭載し、軽量コンパクトで持ち運びがしやすい機種です。
全体的に高い性能でしたが、Snapdragonを搭載しているのでWindowsはArm版になります。使えないアプリやエミュレーターで動くものがあるかもしれないので、確認してから購入するのが吉です。
レビュー機はメーカーからお借りしており、スペックはSnapdragon X Elite X1E-78-100、メモリLPDDR5X 16GB、SSD 512GBになります。
Contents
パソコンガイド専用割引クーポン
・個人向けモデル13.2万円(税込)以上の機種を購入で7%OFF
・法人向けモデル7.7万円(税込)以上の機種を購入で4%OFF
[広告]【提供:株式会社日本HP】
EliteBook Ultra G1q AI PCのスペック
SoC | Snapdragon X Elite X1E-78-100 |
---|---|
メモリ | LPDDR5X 16GB |
ストレージ | SSD 512GB |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス |
ディスプレイ(14型) | 2.2K(2240×1400ドット)UWVA 300ニット 光沢 |
OS | Windows 11 Pro Arm |
無線 | Wi-Fi 7 |
生体認証 | 顔認証 |
WEBカメラ | 500万画素 |
オーディオ | Poly Studioデュアルスピーカー |
寸法(幅×奥行×高さ) | 312.9 × 223.5 × 14.4mm |
重さ | 1349g |
バッテリー(MobileMark 25) | 最大約26時間59分 |
標準保証 | 1年間 |
価格 | 25.2万円~ |
<性能評価>
※ベンチマークがエミュレーターで動くため、正確なGPU性能は測れませんでした
パソコンの頭脳であるCPUは、最大45 TOPS(1秒間に45兆回の演算処理が可能)のNPU性能を持つSnapdragon X Elite X1E-78-100が搭載で、CPU性能はなかなか高くCPU Markスコアは27835でした。
メモリはLPDDR5Xとしか記載されていないですが、メモリはチップ統合で、他機種を見るとこのSoCには8448MHzがほとんどなので同じなのかなと思います。オンボード16GBで、メモリマークのスコアは高めでした。
ストレージはSSDで512GBと大容量で、なかなか速いデータ転送速度でPCの起動時間は約16秒と悪くない速さでした。
ディスプレイは2.2K(2240×1400ドット)と高精細で、UWVA(ウルトラ・ワイド・ビューイング・アングル)を採用し、その名の通り視野角も広く見やすいディスプレイです。また、画面アスペクト比が16:10と縦に長いので、14インチでも15インチ並みの情報が表示されます。
OSはArm版のWindows Home 11で、超高画質500万画素Webカメラで顔認証に対応、オーディオはPoly Studioでスピーカーが2基搭載、そして無線は最新のWi-Fi 7になります。
インターフェイスは高品質ですがミニマムで、USB4、USB Type-C 3.2 Gen 2、そしてUSB 3.2 Gen 2に3.5ミリジャックになります。
14インチで1349グラムと軽く、バッテリー駆動時間は約26時間59分(MobileMark 25計測)と長く、丸一日外出するような人に合います。Snapdragonは低消費電力で有名で、丸一日外出する人でも十分使えると思います(最大輝度で使ったら無理ですが)。
ただし、OSがArm版なのでエミュレーターで動いて本来の性能を発揮できないものがあったり、使えないアプリや対応していないドライバもあります。互換性の問題があるので、購入前に調べたほうが良いと思います。
Copilot+PCとは?
Copilot+PC(コパイロットプラスピーシー)と言うのは、Microsoftが「Microsoft Build 2024」で発表した新しいカテゴリのPCで、AI技術を活用するための機種と位置付けられています。
主な特徴です。
・NPU搭載
・16GB以上のDDR5/LPDDR5メモリ
・256GB以上のストレージ
・40+TOPS(1秒当たり40兆回の演算)
・終日のバッテリー寿命
・最先端のAIモデルへのアクセス
・RecallでPCで見たものを簡単に検索
・CocreatorでほぼリアルタイムにAI画像の生成及び調整
・Live Captionで40以上の言語の音声を英語に翻訳
・薄型軽量、美しいデバイス
すごく簡単に言うと、AIがいろいろなサポートをしてくれて作業効率が上がる(便利になる)、と考えていたら問題ないです。
こちらにCopilot+PCでできることを紹介しているので、あわせてどうぞ。
Arm版Windows 11でできること、できないこと
Arm版のOSって、通常のWindowsと違いできないこともあります。
いろんなアプリとかドライバってIntelとかAMDに合わせて作られているので、タブレットやスマホに搭載されるSnapdragon(Qualcomm社)じゃ使えないものがあります。もしくは、使えてもエミュレーションされてて本来の性能が発揮できないものが多くあります。
以前ARM版Windows 10で使えないものとして、Google日本語入力やプリンター用ドライバーが有名でしたが、Windows 11では対応ソフトが増えました。
今回はいくつか一般的なソフトやデバイスと筆者が頻繁に使うソフトを検証しました。
Microsoft Office | 〇 |
---|---|
Google日本語入力 | 〇 |
Canon製プリンターのドライバー | × |
Bambu Studio (3Dプリンタソフト) | 〇 |
Bluetoothアクセサリ (キーボード、マウス、イヤホン) |
〇 |
Xbox | △ 一部対応 |
Photoshop | 〇 |
Lightroom | 〇 |
VirtualBox | × |
Blender | 動作が重たい |
Parsec | 動作が重たい |
2024年12月6日・BlenderとParsecの使用感を追加しました
依然としてプリンターなどのドライバーには非対応なようで、Canonのプリンターは使えませんでしたが、メーカーがARM版ドライバーを出していれば使うことができます。
ソフト全般についてはARM版Windows 11からx64エミュレーションをサポートしているため、ARMにネイティブで対応しているソフトよりは効率が落ちますが動作可能です。
Xboxについては、クラウドゲーミングのみ表示され、他のデバイスで購入済みのゲームなどは表示されませんでした。ただし、MinecraftなどMicrosoft Storeからダウンロードできる一部のゲームはARM上でもプレイ可能です。
HP Wolf Security for business搭載可能
セキュリティはHP Wolf Security for Businessが搭載可能で、包括的なセキュリティになっています。
- HP Sure Sense・・・ディープラーニングを活用したリアルタイム検知機能があり、悪意のあるファイルを検出し、マルウェア、ゼロディ攻撃、ランサムウェアなどからPCを守るセキュリティ機能
- HP BIOSphere Gen6・・・ウイルスやマルウェアによる不正なBIOSの書き換えや、破損からシステムを保護
- HP Sure Click・・・Web閲覧のセキュリティ強化で、タブを閉じるだけでマルウェアが消滅する
- HP Sure Start・・・自動復旧機能で攻撃を受けても自動でリカバリ
- HP Client Security Software・・・パスワード関係などのセキュリティ機能
- HP Secure Erase・・・BIOSの中のSecure Eraseを使って内蔵ドライブのデータを完全に削除することが出来る
- ナノセキュリティロックケーブルスロット・・・盗難や持ち運び防止用のセキュリティワイヤーを使うスロット
- TPM・・・独立して機能するチップで、パスワードなどの重要情報を格納できる
- Windows Defender・・・Windows搭載のセキュリティ機能で、マルウェアなどのウイルスからパソコンを守ってくれる
「世界で一番安全なビジネスPC」と言っているだけありセキュリティは万全で、次項で紹介する東京生産ということもあり、安心して使えます。
日本でのサポート
HP ElitebookのElite Premiumサポートは、電話・チャット、メール・LINEなどでやっており、対応時間は月-金9:00-21:00、土9:00-17:00になります。一番うれしいのは、電話した時に「その件でしたらこちらの部署におかけ直しください」と言う定番の文句が出てこないことですね。たらいまわしを回避し、1つの窓口で対応してくれます。また、サポートは国内になります。
保証は1年間引き取り修理が付いており、最長4年に延長ができます。また、オンサイト修理という保証にもアップグレードできます。
- 引き取り修理・・・指定業者がパソコンを引き取りに来て修理工場に配送、修理後配達される(期間内はパーツ代や配送代など無料)
- 出張修理/オンサイト修理・・・家や事務所に来てその場で修理。期間内は交換パーツ代など無料
- アクシデントサポート・・・標準保証ではカバーされない水濡れや落下破損、盗難などに対応
保守拠点は国内に420か所以上あるので、修理も速いです。
また、他にも有料サポートが多くあるので、公式サイトを確認してみてください。
HP Product Quality
本機は12万時間の品質テストをクリアし、米軍の物資調達規格であるMIL-STD 810Gの19項目に適合と堅牢性の高い機種です。
持ち運びやオフィスでの使用にも、安心して使えます。
高級感のある外観
本機は濃いアトモスフィアブルーを採用し、汚れが付きにくいPVD(物理蒸着)コーティングで仕上げており、手触りも良く見た目もすごく高級感があります。
画面占有率は87.81%と広く、ベゼルは左右約5.2ミリ、上約10.2ミリと極細です。
リサイクルアルミニウムを90%使用したオールメタルボディで、環境にも配慮した素材を使用しています。汚れが目立ちにくく、スムーズな表面で手触りも良いです。
もちろんMIL-STD-810Hにも準拠しているので、安心してどこにでも連れていくことができます。
14インチで実測1328グラム(公称値1349g)と軽く、持ち運びに便利な機種です。14インチの平均質量は1.4㎏ほどなので。70グラムも違うと体感で全然違います。
幅312.9ミリ、奥行き223.5ミリ、そして高さ14.4ミリとなっており、カバー付きiPhone 14と同じくらいの高さですね。
ラウンドエッジの筐体で、高級感があふれてます。
ディスプレイが開く最大角度は、135°くらいです。指一本で開けれるかなと思いましたが、無理でした。これができていたら、もっと評価が高かったですね。
最大45 TOPSのNPU性能を持つSnapdragonが搭載
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
コア/スレッド | 12/12 |
トータルキャッシュ | 42MB |
TFLOPS(GPU) | 最大4.6 TFLOPS |
TOPS(NPU) | 最大45 TOPS |
SoCの最大の特徴は、AI専用のNPUコアですね。最大45TOPS(1秒間に45兆回の演算を実行可能)と高いNPU性能です。
また、多くのアプリからArm版Windows向けネイティブアプリケーションが提供されており、今まで以上に使えるアプリが多くなっています。
今回ベンチマークをとったのはCPU MarkとCinebench 2024、そしてGeekbench AIのみです。というのも、ほとんどのベンチマークがエミュレーターで動くので、本来の性能を測れないためです。
Snapdragon X Elite X1E-78-100のCPU Markの計測結果は27835と、別機種で計測したスコアとほぼ同じでした。本機はメモリが16GBで越機種は32GBでしたが、そんなに差はありませんでした。HP EliteBook Ultra G1q AI CPU-Z
その他のCPUとの比較です。
スコアの目安
- 7000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 10000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 15000~・ハイエンドPCに搭載される
- 18000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
CPU Markスコア
オレンジ/本機 青/その他 赤/同じCPU別機種
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core Ultra 9 185H | |
Ryzen AI 9 365 | |
Ryzen 7 8845H | |
Core Ultra 7 165H | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100/別機種 | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100/別機種 | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100/本機 | |
Ryzen 7 8840HS | |
Core Ultra 5 135H | |
Core Ultra 7 155H | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100/別機種 | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125H | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Core i5-1335U | |
Core Ultra 5 135U | |
Core Ultra 5 125U | |
Core Ultra 7 165U | |
Core Ultra 7 155U |
Cinebench 2024のスコアで、Cinema 4DのデフォルトレンダリングエンジンであるRedshiftのパワーを利用して、CPUとGPUの能力を計測します。計測結果はマルチコア781、シングルコア106と良いスコアでした。
他のCPUとの比較です。
マルチコア性能
オレンジ/本機 青/その他 赤/同じCPU別機種
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Snapdragon X Elite X1E-78-100/別機種 | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100/別機種 | |
Ryzen 7 8845HS | |
Apple M1 Max | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100/本機 | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 7 258V | |
Apple M1 | |
Core i7-1280P |
シングルコア性能
オレンジ/本機 青/その他 赤/同じCPU別機種
Core Ultra 7 258V | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Apple M1 Max | |
Apple M1 | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100/別機種 | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100/本機 | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100/別機種 | |
Ryzen 3 8300GE | |
Ryzen 7 8845HS | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core i7-1280P |
Geekbench AIのONNXでCPUのAI性能を測りました。ONNXはOpen Neural Network eXchangeで、ディープラーニングや機械学習モデルのようなAIモデルの性能を計測します。
Single Precision(単精度)は2096、Half Precision(半精度)は2621、Quantized(量子化スコア)は6714と全体的に良い性能です。
Single Precision Score/単精度スコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 5 125U | |
Core i7-1260P | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 5 8640HS | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100/本機 | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100/別機種 | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 3 7335U |
Half Precision Score/半精度スコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Snapdragon X Elite X1E-78-100/別機種 | |
---|---|
Snapdragon X Elite X1E-78-100/本機 | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 5 125U | |
Core i7-1260P | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 3 7335U |
Quantized Score/量子化スコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Snapdragon X Elite X1E-78-100/別機種 | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100/本機 | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 5 125U | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core i7-1260P | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 3 7335U |
5分の4K動画を撮影し、Davinci Resolveでレンダリングにかかった時間です。当然ですが、時間が短いほうが高性能です。3回計測し、平均は3分28秒でした。別の機種で計測したときと全く同じ時間でした。
4K動画レンダリング速度
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1260P | |
---|---|
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100/別機種 | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100/本機 | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core i7-14700+RTX 4060 | |
Ryzen AI 9 HX 370+RTX 4060 |
グラフィックス性能
グラフィック性能が高いとOfficeを使った作業や複数画面での作業、そして画像・動画編集などがしやすくなります。
3DMarkを使いグラフィック性能を測りましたが、エミュレーターで動いているので正確な性能を測れませんでした。
参考までにどうぞ。
Steel Nomad Lightは2066、Wild Lifeは16859、Fire Stikeは6025、そしてNight Raidは26933と、いくつかのベンチマークはGTX 1650 Max-Q並みのスコアが出ていました。エミュレーションされてるのにすごいですね。
Steel Nomad Liteは、DirectX 12 Ultimateの性能をテストし、レイトレーシングを使用しない中量級ゲームを想定したベンチマークです。スマホなどの他のデバイスとスコアを比較できる、クロスプラットフォームです
Steel Nomad
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 3050 | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core Ultra 7 258V | |
GTX 1650 Max-Q | |
Core Ultra 5 125H | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Ryzen 7 7735U | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
Wild Life
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 3050 Ti | |
---|---|
Core Ultra 7 258V | |
GTX 1650 Ti | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
GTX 1650 Max-Q | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Ryzen 7 8845HS | |
Ryzen 5 8640HS | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
Fire Strike
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 3050 | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | |
GTX 1650 | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 7 258V | |
GTX 1650 Max-Q | |
Arc A350M | |
Ryzen 5 8640HS | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Ryzen 7 7735U | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
Night Raid
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 4050 | |
---|---|
RTX 3050 | |
RTX 3050 Ti | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core Ultra 7 258V | |
GTX 1650 Ti | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Core Ultra 5 125H | |
GTX 1650 Max-Q | |
Ryzen 7 7735U | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
次は2Dゲームのベンチマークでドラゴンクエスト10は5867で「快適」、FFXIV黄金のレガシーは6471で「やや快適」でした。
2.2Kディスプレイ
本機は2.2KのUWVA(ウルトラワイドビューイングアングル)で、タッチパネル・輝度300ニット、低ブルーライトで、色域も広いです。
画面アスペクト比が16:10と縦に長く、一般的な14インチ(画像左)よりも多くの情報が表示でき、さすがに右の15.6インチには劣りますが、それに近い表示量があります。
左の低価格モデルに搭載されるNTSC 45%の色域よりも広く、右のsRGB 100%並みに鮮やかです。
これは黒をどれだけ描写できるかのテストで、右のオリジナルと比べると全然明るいですね(黒が真っ黒じゃない)。色域自体は広いので、プロ向けとは言いませんが普通に画像編集用にも使えると思います。
視野角のチェックです。視野角は上から見ても、真横に近いところから見ても暗く見える部分はありませんでした。
輝度は300ニトで、こちらは輝度の目安です。
220ニト | 室内ならなんとか使える。明るい室内では暗く見える |
---|---|
250ニト | 室内向け。 |
300ニト | 屋外の日陰でも見える(見やすいわけじゃない) |
400ニト | 屋外でも使いやすいが、直射日光が当たるとちょっと暗い |
500ニト | 屋外向け |
600ニト | 画面に直射日光が当たっても比較的見える |
USキーで打ちやすいキーボード
キーボードは英語配列で防滴機能・バックライト付き、そしてCopilotキーもあります。珍しいですね、USキーのみと言うのも。個人的にUSキーは好きなので問題ないですが、JISキーに慣れている人は、最初はミスタイプしやすいです。
私がなぜUSキーが好きかと言うと、アルファベットしかないので見た目が良いですよね。また、本機は主要キーも一番下のキーも大きさが同じなので見た目も良いし、ミスタイプしにくいんです。同じ感覚で指を動かせるので。
ただし、Fキー列と一番右上の電源ボタンは色が違いますね。。。筐体がブルーなのでそこまで違和感は強くないですが、この美しいキーボードを一気に台無しにしている感があります。
個人差あると思いますが、私は「なんで色違うの?」ってずっと思っています。
見た目はアレですがすごくタイピングしやすくて、キーピッチ(キーの中心部から隣のキーの中心までの距離)は実測18.9×18.3ミリと十分な距離があり、手が大きな人にも使いやすいです。
キーストロークは実測1.2㎜と浅いのですが、押し心地も良く、キーの大きさも同じでUSキーと言うこともあってすごくタイピングしやすかったです。
タッチパッドは80.5㎜×125.5㎜と大きいので、操作がしやすいです。
Wi-Fi 7対応
対応周波数 | 速度 | |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11be (Wi-Fi 7) |
2.4/5/6GHz | 46Gbps |
次世代通信規格のWi-Fi 7に対応しており、現在主流のWi-Fi 6の約5倍、低価格モデルのPCに採用されるWi-Fi 5の約13倍の最大通信速度があります。また、理論上16本のストリームになり、今まで以上に多くのデバイス(理論上2倍)を接続して快適に使えます。
6GHzで最大320MHzのチャンネル幅があり、Wi-Fi 6E(最大160MHz)の2倍の帯域幅になります。
ただし、ルーターもWi-Fi 7に対応していないといけないし、契約回線も速くないとその恩恵はあまり受けられません。
超高画質500万画素Webカメラ搭載
Webカメラは超高画質500万画素で、プライバシーシャッターもあります。一般的なPCにはHD解像度(約92万画素)、ビジネスPCにはFHD解像度(約200万画素)が搭載していますが、本機は倍以上の500万画素です。
顔認証にも対応しているので、サインインは一瞬です。
左の画像は本機で撮影、右は他のFHD WEBカメラで撮影したものですが、全然クオリティが違いますね。Web会議などで自分の映りが良くなります。
また、Windowsスタジオエフェクトも使え、よりWeb会議がしやすくなると思います。自動フレーミングやアイコンタクトなどすごく便利だし、背景のぼかしなどもできます。
オーディオはPoly Studioでスピーカーが2つ搭載しており、通話に合う音質です。
その他の特徴
排熱性能
底面には幅広い通気口があります。
内部を確認すると、ファンは1つでヒートパイプが2本ありました。メモリやストレージの増設はできません。
CPUの性能をフルで使うCinebench 2024と言うベンチマークを実行時に、CPU温度とPCの表面温度、そして騒音を計測しました。
ベンチマークをスタートしてすぐ368度(摂氏95°)ほどに上がり、その後は上下しながら343度(摂氏70°)近辺を移動しています。SnapdragonってどのSoCもこのような感じで上下にぶれながら移動するのですが、急激にクロックが落ちたりしていないので排熱はある程度できているようです。
騒音値は平均38.4dBと悪くなく、PC表面温度は41.1度とこちらはちょっと高めでした。高負荷なことをしても問題ない程度に排熱できています。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
搭載メモリはLPDDR5Xの16GBで、Memory Markで性能を計測したら3932とすごく良いスコアでした。
その他のメモリとの比較です。
Memory Mark
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
本機種 | |
---|---|
LPDDR5X平均 | |
DDR5平均 | |
LPDDR5平均 | |
LPDDR4X-4266MHz平均 | |
DDR4-3200MHz平均 |
ストレージ
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
搭載ストレージはSSD 512GBで、シーケンシャル速度を計測したら、リード(読み込み速度)は5082MB/秒、ライト(書き込み速度)は3988MB/秒と速かった。
こちらはシーケンシャル速度の、おおよその速度です。
シーケンシャル速度
オレンジ色・・・リード 青・・・ライト
本機種 | |
---|---|
PCIe 4.0×4 | |
PCIe 3.0×4 | |
HDD |
起動時間を5回計測した平均は16.5秒でした。めちゃくちゃ速いわけじゃないですが、速い方です。
1回目 | 18秒 |
---|---|
2回目 | 16秒 |
3回目 | 16秒 |
4回目 | 16秒 |
5回目 | 16秒 |
平均 | 16.5秒 |
インターフェイス
インターフェイスは高品質ですがミニマムで、USB4、USB Type-C 3.2 Gen 2、そしてUSB 3.2 Gen 2に3.5ミリジャックになります。
右側面にはUSB 3.2 Gen 2(データ転送速度10Gbps)と3.5ミリジャックです。
左側面はUSB4(データ転送速度40Gbps/Power delivery対応、DisplayPort出力機能付き)と、USB Type-C 3.2 Gen 2(データ転送速度10Gbps/Power delivery対応、DisplayPort出力機能付き)になります。
USB Type-Cの1つは充電に使うので、実質USB-AとCが1つずつとすごく少ないです。
ドックを使う前提ですね。
バッテリー駆動時間が長い!
バッテリーは59.16Whrで、MobileMark 25測定で26時間59分とかなり長くなっています。MobileMarkは実環境に沿ったベンチマークですが、なかなかすごい数値が出ていますね。
ライバル機種
同じくAI PCからいくつかライバル機種をピックアップしましたが、SnapdragonじゃなくIntelとAMDです。
ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Edition
ThinkPad初でLenovoで二機目のAura Editionです。CPUにはCore Ultraシリーズ2を採用し、グラフィック性能がかなり高くバッテリーも長持ちです。また、本機はX1 Carbon初の1㎏以下の機種で、14インチで986gと超軽量です
CPU | Intel Core Ultra 7 258V |
---|---|
メモリ | LPDDR5X-8533MHz 32GB |
ストレージ | SSD 1TB |
ディスプレイ(14型) | 2.8K OLED |
無線 | Wi-Fi 7 BE201 |
生体認証 | 指紋センサー、顔認証 |
重さ | 986g |
バッテリー(JEITA 3.0) | 最大約11.6時間 |
価格 | 28.6万円~ |
FMV WU1-K1
世界最軽量のCopilo+PCで、14インチで868g!筐体も小さく、それでいてUSB4が2つにUSB-Aが1つ、RJ45もあります。総合的に見てもASUS Zenbook SORAと似たようなスペックで、大きな違いはCPUにIntel Core Ultraシリーズ2を採用している点です。
CPU | Intel Core Ultra 7 256V Intel Core Ultra 7 258V |
---|---|
メモリ | LPDDR5x 最大32GB |
ストレージ | SSD 最大2TB |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス |
ディスプレイ(14型) | WUXGA |
無線 | Wi-Fi 7、イーサネット |
カメラ | FHD+IRカメラ |
生体認証 | 顔認証、指紋センサー |
寸法(幅×奥行×高さ) | 308.8 × 209 × 15.8-17.3㎜ |
重さ | 868g |
バッテリー | 15.5時間 |
価格 | 21.4万円~ |
ASUS Vivobook S 14 OLED
超高性能CPUが搭載でスペックはかなり高め、そしてZenbookよりも低価格です。Wi-Fi 6Eで重さが1.3キロ、そしてバッテリー駆動時間が若干短くなっていますが、あまり持ち運びしないという人はこちらも検討候補に入ります(とは言っても14インチで1.3キロは軽い方です)。
CPU | Ryzen AI 9 HX 370 |
---|---|
メモリ | LPDDR5X-7500MHz 32GB |
ストレージ | SSD 1TB |
ディスプレイ(14型) | 2.8K(2880×1800ドット)OLED HDR 120Hz 600ニト グレア |
無線 | Wi-Fi 6E |
重さ | 約1.3㎏ |
バッテリー(JEITA 3.0) | 最大約8.9時間 |
価格 | 20.9万円~ |
まとめ
良い点
・軽量コンパクトで持ち運びがしやすい
・高級感のある筐体
・最大45 TOPSのNPU搭載
・Copilot+PCで楽しめる
・2.2K解像度で高精細
・画面比が16:10で、14インチでも一般的な15インチ並みの情報が表示される
・Wi-Fi 7対応
・セキュリティが堅牢
・(個人的に)好きなキーボードで、タイピングしやすい
・超高画質500万画素Webカメラ
・バッテリー駆動時間が長い
残念な点
・残念と言うか元々わかりきっていたことですが、Arm版OSなので使えないアプリやドライバがある
・キーボードがUSキー
・Fキー列の色が違う
総合評価
高級感のある筐体で全体的なスペックは高く、高品質なビジネスPCです。
ディスプレイも見やすいしキーボードも打ちやすい、そしてWi-Fi 7に対応しているので通信速度が速い。
性能的に気になる点はないですが、何度も言っているようにArm版Windowsなので使えないアプリなどがあるかもしれないし、エミュレーターで動くかもしれないので購入をお考えの人は確認が必要です。
Author
・パソコンガイドメインライターの本田。PCやタブレット、その他ガジェットが好きで、年間2~30台ほどのPCとモニターや周辺機器を購入するマニア
・元ミュージシャン
・暖かいところが好きで、よくタイに旅行に行く
・既婚(妻と子供2人)
・最近の趣味はオーディブルを聞きながらぼけ~っとすること
・はまってることは、裸足で1日10分歩く健康法
・若く見られがちだが40代