ASUS Vivobook S 14 OLED (M5406)のレビューです。
先日レビューをしたVivobook S 16 OLEDとほぼ同じスペックですが、ベンチマークの結果は本機の方が高いことが多く、コンパクトな14インチで1.3㎏と軽いので、持ち運びもしやすくがっつり作業に向いた機種です。
16インチ同様に極上のディスプレイを搭載しており、色彩豊かでしっかりと本来の色を描写できるスペックです。
動画も作ったので、こちらもどうぞ。
レビュー機はメーカーからお借りしており、スペックはRyzen AI 9 HX 370、メモリ32GB、SSD 1TBになります。
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Contents
ASUS Vivobook S 14 OLEDのスペック
CPU | Ryzen AI 9 HX 370 |
---|---|
メモリ | LPDDR5X-7500MHz 32GB |
ストレージ | SSD 1TB |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス |
ディスプレイ(14型) | 2.8K(2880×1800ドット)OLED HDR 120Hz 600ニト グレア |
OS | Windows 11 Home |
無線 | Wi-Fi 6E |
生体認証 | 顔認証 |
WEBカメラ | FHD |
オーディオ | Dolby Atmos、ハーマンカードン |
寸法(幅×奥行×高さ) | 310.5 × 221.9 × 13.9~15.9mm |
重さ | 約1.3㎏ |
バッテリー(JEITA 3.0) | 最大約8.9時間 |
標準保証 | 1年間 |
価格 | 20.9万円~ |
<性能評価>
パソコンの頭脳であるCPUは、最大50 TOPSのNPU性能を持つRyzen AI 9 HX 370を搭載です。Zen 5とZen 5cのアーキテクチャで4nmプロセス、最大TDPは54Wと高く、高い性能でした。
内蔵グラフィックスのRadeon M890が搭載で、GTX 1650並みの性能で、動画作成もできるし4K動画の書き出しも速かったです。
メモリはLPDDR5X-7500MHzのオンボード32GB、ストレージはSSD PCIe 4.0で1TBになります。
ディスプレイは高品質で、14インチ2.8K(2880×1800ドット) ASUS Lumina OLEDディスプレイを採用です。10 bit 10.7億色の色深度に、ΔE<1の色精度、広色域のDCI-P3 100%にHDRにも対応、ピーク輝度は600ニトとかなり明るく、アダプティブリフレッシュレートは120Hz とぬるぬるです。
また、画面アスペクト比が16:10と縦に長いので、14インチでも15インチ並みの情報が表示されます。
OSはWindows Home 11でFHD Webカメラに顔認証対応、ドルビーアトモスのオーディオにハーマンカードン製1Wスピーカーが2基搭載、無線はWi-Fi 6Eになります。
インターフェイスは必要十分にあり、USB Type-AとType-C(うち1つはUSB4)が2つずつで、HDMIにmicroSDカードリーダー、コンボジャックもあります。本機には16インチモデルのVivobook 16 S OLEDがありますが、それと同じインターフェイスです。
14インチで約1.3㎏と軽く、バッテリー駆動時間は平均的な約8.9時間となっています。ACアダプタは大きめの90Wで(一般的なPCは65W)、最大消費電力も90Wになります。
上のリンクから移動できない場合は、こちらをクリック。
兄弟モデルとの比較
<本機種・同じ筐体を使用>
CPU違いのモデルでM5406WA(Ryzen AI 9 365/16.9万円)、M5406UA(Ryzen 7 8845HS/14.9万円)とM5406NA(Ryzen 5 7535HS/13.4万円)と言うモデルもあります。CPUやメモリのクロック数の違いがあり、M5406NAのみUSB4はありませんが、基本的に同じ機種です。
本機種 | CPU違いのモデル | |
CPU | Ryzen AI 9 HX 370 | Ryzen 5 7535HS Ryzen 7 8845HS Ryzen AI 9 365 |
メモリ | LPDDR5X-7500MHz 32GB | LPDDR5X 16/24GB |
ストレージ | SSD PCIe 4.0 | |
ディスプレイ | 3.2K OLED HDR 120Hz | WUXGA OLED |
無線 | Wi-Fi 6E | |
バッテリー | 8.9時間 | – |
重量 | 1.3㎏ | 1.3㎏ |
本機搭載のRyzen AI 9 HX 370は50 TOPSの性能を持つNPUが搭載し、Ryzen 7 8845HSは16TOPSのNPU、そしてRyzen 5 7535HSはNPUなしです。
また、Copilot+PCは本機だけで、他のモデルは違います。
Copilot+PCとは?
Copilot+PC(コパイロットプラスピーシー)と言うのは、Microsoftが「Microsoft Build 2024」で発表した新しいカテゴリのPCで、AI技術を活用するための機種と位置付けられています。
主な特徴です。
・NPU搭載
・16GB以上のDDR5/LPDDR5メモリ
・256GB以上のストレージ
・40+TOPS(1秒当たり40兆回の演算)
・終日のバッテリー寿命
・最先端のAIモデルへのアクセス
・RecallでPCで見たものを簡単に検索
・CocreatorでほぼリアルタイムにAI画像の生成及び調整
・Live Captionで40以上の言語の音声を英語に翻訳
・薄型軽量、美しいデバイス
すごく簡単に言うと、AIがいろいろなサポートをしてくれて作業効率が上がる(便利になる)、と考えていたら問題ないです。
こちらにCopilot+PCでできることを紹介しているので、あわせてどうぞ。
ただし、IntelとAMD搭載機種は11月のOSアップデート後にこれらの機能が使えるようになります。
最大50 TOPSのNPU性能を持つRyzen AI 300シリーズ搭載
AMD Ryzen AI 9 HX 370 | |
製造プロセス | 4nm |
アーキテクチャ | 4x Zen 5 , 8x Zen 5c |
コア | 12コア |
スレッド | 24スレッド |
L3キャッシュ | 24MB |
最大ブーストクロック | 5.1GHz |
Zen 5ベースクロック | 2GHz |
Zen 5cベースクロック | 2GHz |
グラフィックス | AMD Radeon 890M 16コア |
NPU | 50 TOPS |
TDP | 28W |
マックスパワー | 54W |
SoCは4nmで、Intelっぽく言えばZen 5(Pコア)とZen 5c(Eコア)になり、最大50 TOPS(1秒間に50兆回の演算処理)性能を持ちます。
先述しましたが、AMDではCopilot+の機能がまだ使えませんが、NPU対応のアプリ(筆者の用途で言えばPhotoshopやDavinci Resolveなどのクリエイターアプリ)で作業が少ししやすくなります。
グラフィックスはRadeon 890Mで、内蔵グラフィックスとはいえかなり高い性能でした。
こちらはCPUの性能を測るCPU Markスコアで、35370と高いスコアでした。兄弟モデルに16インチのVivobook S 16 OLEDが同じスペックでありますが、16インチの方が筐体が大きく排熱性能に優れているため、本機はそれよりも若干低いスコアになりました。
スコアの目安
- 7000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 10000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 15000~・ハイエンドPCに搭載される
- 18000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370/Vivobook S 16 OLED | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core Ultra 9 185H | |
Ryzen AI 9 365 | |
Ryzen 7 8845H | |
Core Ultra 7 165H | |
Ryzen 7 8840HS | |
Core Ultra 5 135H | |
Core Ultra 7 155H | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125H | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Core i5-1335U | |
Core Ultra 5 135U | |
Core Ultra 5 125U | |
Core 5 120U | |
Core 7 150U | |
Core Ultra 7 165U | |
Core Ultra 7 155U | |
Core i7-1355U | |
Core i3-1315U | |
Core i3-N305 |
Cinebench 2024のスコアで、Cinema 4DのデフォルトレンダリングエンジンであるRedshiftのパワーを利用して、CPUとGPUの能力を計測します。計測結果はマルチコア1062、シングルコア115と、どちらもすごく良いスコアでした。
他のCPUとの比較です。
マルチコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370/Vivobook S 16 | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Ryzen 7 8845HS | |
Apple M1 Max | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 7 258V | |
Apple M1 | |
Core i7-1280P |
シングルコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 7 258V | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Ryzen AI 9 HX 370/Vivobook S 16 | |
Apple M1 Max | |
Apple M1 | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Ryzen 3 8300GE | |
Ryzen 7 8845HS | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core i7-1280P |
こちらはPCMark10の計測結果で、Essentialは「通常用途(Web検索やビデオ会議、アプリの起動など)の性能」、Productivityは「Microsoft Office(事務系のアプリ)使用時の性能」、Digital Content Creationは「コンテンツ作成(画像・動画編集など)のしやすさ」を表しています。
総合性能の目安は以下になります。
・9000以上・・・超ハイスペック
・7500以上・・・ハイスペック
・5000以上・・・ミドルクラス
・2500以下・・・エントリ―クラス
本機種のスコアです。
- 総合性能は7881→ミドルハイクラス
- Essentialは10915→通常用途やビデオ会議などは余裕でできる
- Productivityは10550→超高速に使える
- Digital content creationは11536→かなり高い性能で動画編集などにも向いている
Essential
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen AI 9 HX 370/Vivobook S 16 | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 5 125H | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 3 5425U | |
Ryzen 3 7335U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Ryzen 5 5500U | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
Productivity
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370/Vivobook S 16 | |
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 3 5425U | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 3 7335U | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Core i5-1235U |
Digital Content Creation
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370/Vivobook S 16 | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 7 7735U | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 3 7335U | |
Core i5-1235U | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Ryzen 3 5425U |
5分の4K動画を撮影し、Davinci Resolveでレンダリングにかかった時間です。当然ですが、時間が短いほうが高性能です。3回計測し、平均は2分26秒でした。速いですね。
4K動画レンダリング速度
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1260P | |
---|---|
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Ryzen AI 9 HX 370/Vivobook S 16 |
グラボ並みのグラフィックス性能
グラフィック性能が高いとOfficeを使った作業や複数画面での作業、そして画像・動画編集などがしやすくなります。3D Graphics Markのスコアは9117と過去最高スコアでした。
3D Graphics Mark
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Ryzen 7 8845HS | |
Ryzen AI 9 HX 370/Vivobook S 16 | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 7 7735U | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Core i7-1260P | |
Core i7-1355U | |
Core i5-1335U | |
Core i5-1340P | |
Ryzen 7 PRO 5850U | |
Core i5-1240P | |
Core i5-1235U | |
Ryzen 3 7335U |
次はゲームのベンチマークを使い、グラフィック性能を測ります。
Steel Nomad Lightは3507、Wild Lifeは22702、Fire Stikeは9118、そしてNight Raidは33378と、すべてのベンチマークで兄弟モデルの16インチよりも高いスコアでした。一般的に筐体が大きい方が排熱性能も高くなるので良いスコアが出るのですが、不思議と14インチが勝っていますね。
Steel Nomad Liteは、DirectX 12 Ultimateの性能をテストし、レイトレーシングを使用しない中量級ゲームを想定したベンチマークです。スマホなどの他のデバイスとスコアを比較できる、クロスプラットフォームです
Steel Nomad
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 3050 | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | |
GTX 1650 Max-Q | |
Ryzen AI 9 HX 370/Vivobook S 16 | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 7 7735U | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
Wild Life
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 3050 Ti | |
---|---|
Core Ultra 7 258V | |
GTX 1650 Ti | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Ryzen AI 9 HX 370/Vivobook S 16 | |
GTX 1650 Max-Q | |
Ryzen 7 8845HS | |
Ryzen 5 8640HS | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
Fire Strike
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 3050 | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | |
GTX 1650 | |
Ryzen AI 9 HX 370/Vivobook S 16 | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 7 258V | |
GTX 1650 Max-Q | |
Arc A350M | |
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 7 7735U | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
Night Raid
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 4050 | |
---|---|
RTX 3050 | |
RTX 3050 Ti | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen AI 9 HX 370/Vivobook S 16 | |
GTX 1650 Ti | |
Core Ultra 5 125H | |
GTX 1650 Max-Q | |
Ryzen 7 7735U | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
次はゲームのベンチマークで、ドラゴンクエスト10は17266で「すごく快適」、FFXIV黄金のレガシーは7187で「やや快適」でした。2Dゲームは快適にできるほどの性能です。
ドラクエX FHD画質
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 7 258V | |
---|---|
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Ryzen AI 9 HX 370/Vivobook S 16 | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 3 5345U | |
Ryzen 7 7730U | |
Ryzen 5 7530U | |
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Ryzen 7 7735U | |
Core i7-1260P | |
Core i7-1355U | |
Core i5-1240P | |
Core i5-1335U | |
Ryzen 3 7335U |
FFXIV 標準品質
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 7 258V | |
---|---|
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Ryzen AI 9 HX 370/Vivobook S 16 | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 7 8845HS | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Ryzen 7 7735U | |
Ryzen 3 7335U |
高品質ディスプレイ搭載
本機のディスプレイは特徴が多いので、羅列します。
・2.8K(2880×1800ドット)解像度
・ASUS Lumina OLED
・1,000,000:1のコントラスト比
・DCI-P3 100%
・10 bit 10.7億色の色深度
・ΔE<1の色精度
・最大輝度600ニト
・HDR True Black 600
・最大120Hzのリフレッシュレート・0.2msのディスプレイ応答時間
・省電力(ASUS OLED Care)
・ASUS Splendid
・約70%のブルーライト軽減
これ、すごいディスプレイですね。いろんな最高峰スペックがてんこ盛りです。
2.8Kと高精細で細かな部分もしっかりと描写され、ASUS Lumina OLEDは本物の黒(0.0005ニト)を描写できるし、コントラスト比は百万対1ですっきりとくっきりな描写ができます。
左は本機で、右は標準よりもちょっと良いディスプレイで、IPS液晶にsRGB 100%の色域があります。本機の方が断然色彩豊かですね。
また、本機は1,000,000:1のコントラスト比なので、ASUSの方がよりシャープな描写ですね。
ΔE<1(Delta E測定で1以下)なので、現実のものと色差は肉眼ではわからないくらいになり、現実にあるものと本機のディスプレイに映し出されたものは、ほぼ同じ色彩であるということです。
これらに加え、10 bitの色深度で10.7億色の発色なので(一般的なディスプレイは8 bitの1670万色)、より正確な色が描写されます。
この画像は黒をどれだけ描写できるかのテストに使っているのですが、ASUSを使って初めて煙の量がここまで多いことに気づきました。今ままでは、ASUSのLumina OLED以外では真っ黒だったので黒と思って使っていたんです。
右の機種だと煙は下(画像右端)のみですが、本機で倍くらいの煙が出ています。また、筆者のメインモニターは4K IPS Adobe RGBで約9万円なのですが、それでもここまで煙は出ていませんでした。
また、最大輝度が600ニトと高いので、それも影響していると思います(右のディスプレイは最大500ニト)。
最後に視野角のチェックです。どこから見ても薄暗くなる部分もなく見やすいです。
RGBライティング付きキーボード
本機はASUS ErgoSenseキーボードを採用し、打鍵感も良く使いやすいキーボードです。もちろんCopilotキーもあります。大きなキーなので、特にタイプミスがしにくいです。
キーピッチ(キーの中心部から隣のキーの中心までの距離)はフルサイズ19.05㎜と十分な距離があり、手が大きな人にも使いやすいです。
キーストロークは1.7㎜と深く、ラバードームを採用しており打鍵感も良く、キートップは湾曲しており、ちょっとくらいタイピングがずれてもしっかりと中心を打てます。また、キーキャップは0.2㎜と極薄で、一般的に薄い方がキースイッチそのものの音が出るので良いとされています。
ASUS ErgoSenseキーボードはシザーキー機構を採用し、ノイズと共振を最小限に抑えているので、静かだし疲れにくいです。
キーボードのバックライトはRGBライティングで、好きな色に変更ができます。Windowsの設定→個人用設定→動的ライティングで設定します。
カラーは単色、Breathing(ゆっくり点滅)、Rainbow(色が変わっていく)の設定があります。
タッチパッドで調整ができる
このタッチパッドはスワイプして、輝度の調整、音量調節、ビデオの再生巻き戻し、ScreenXpert Control Center コントロールセンターへアクセスができます。
これ便利なんですね~。わざわざカーソル動かさなくてもここで調節できるので楽ですね。
タッチパッドは静穏ドームスイッチシートを使用してノイズを軽減し、0.23㎜のクリックの深さがあります。
その他の特徴
外観
上下左右のベゼル(画面の黒い枠)が細く、コンパクトに見えます。画面アスペクト比が16:10と縦に長いディスプレイを搭載していますが、寸法は幅310.5㎜、奥行き221.9㎜と実際にコンパクトで、最薄部は13.9㎜の厚さになっています。
写真じゃ薄さが伝わりびくいですが、薄いです。
背面排気口もおしゃれですね。見えないとこまでこだわって作られています。また、ボディは1つのパーツから作られたユニボディで、堅牢性も高く洗練された外観です。
メタル素材なので、手触りも良いです。よく見ると指紋もついているので、時々拭いてあげたほうが良いと思います。
CNN彫刻のロゴがあり、シンプルなデザインですがワンポイント入っています。ビジネスPCみたいな雰囲気もありますね。
軍用規格のMIL-STD-810Hに準拠しており、満員電車で圧迫が掛かることが多い人も安心して使えると思います。
180°開くことができるディスプレイで、画面共有や床に置いて作業をすることがある人にも使いやすいです。
排熱性能
底面の通気口は幅広いですね。
ASUS IceCool サーマルテクノロジーを採用し、高負荷タスクにおいてもパフォーマンスを低下させることなく、スムーズに処理できます。
防塵フィルタ付き97枚のアイスブレードがあるファンが2つ、ヒートパイプも2つあり、上位モデルの排熱仕様です。標準モードだと38dB以下の騒音値で、静かですね。
CPUの性能をフルで使うCinebench 2024と言うベンチマークを実行時の、CPUの温度推移図です。最大でも343°(摂氏70°)ほどで、安定してこの辺を推移しています。
これは急にクロックが落ちたりせずに、安定してCPUが動作している証拠ですね。
ちなみに、この時のPCの温度は42.6度となりました。表面はほんのり温かいくらいで、不快感はないです。
この時の騒音値は39dBでした。ファンの音は聞こえますが、不快感はありません。
Webカメラ&オーディオ/スピーカー
Webカメラは高画質のFHD解像度で、プライバシーシャッターに顔認証にも対応しています。
左の画像は本機で撮影、右は他のWEBカメラで撮影したFHD解像度の写真で、本機の方が若干質が良いと思います。
また、2024年11月以降のOSアップデート後はWindowsスタジオエフェクトも使えるようになるので、よりWeb会議がしやすくなると思います。AI搭載のカメラなので、自動画面調光機能だったり、離席すると画面ロックや帰ってくるとロック解除などを自動でやってくれます。
オーディオはDolby Atmosで一般的なオーディオの様な平面的じゃなく、立体的な音を体感できます。
1Wスピーカーが2つとこの価格のPCにしては小さいですが、ハーマンカードン製のスピーカーで、Smart AmplifierとASUS Audio Booster技術により、音声の音量を最大5.25倍までブーストできるので、悪くない音質・音量です。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
搭載メモリはLPDDR5X-7500MHzで32GBで、Memory Markで性能を計測したら2712とそこそこ良いスコアでしたが、LPDDR5X-7500MHzのオンボードとしては低いスコアでした。
その他のメモリとの比較です。
Memory Mark
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
LPDDR5X平均 | |
---|---|
DDR5平均 | |
本機種 | |
LPDDR5平均 | |
LPDDR4X-4266MHz平均 | |
DDR4-3200MHz平均 |
ストレージ
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
搭載ストレージはSSD PCIe 4.0 1TBで、シーケンシャル速度を計測したら、リード(読み込み速度)は5033MB/秒、ライト(書き込み速度)は3622MB/秒と速いですが、もうちょっと速いかと思っていました。
こちらはシーケンシャル速度の、おおよその速度です。
シーケンシャル速度
オレンジ色・・・リード 青・・・ライト
本機種 | |
---|---|
PCIe 4.0×4 | |
PCIe 3.0×4 | |
HDD |
起動時間を計測しました。めちゃくちゃ速いわけじゃなかったですが、普通に速いです。
1回目 | 16秒 |
---|---|
2回目 | 15秒 |
3回目 | 14秒 |
4回目 | 15秒 |
5回目 | 15秒 |
平均 | 15.0秒 |
バッテリー駆動時間
バッテリーは大きめの4セル75Whですが、動画再生時は最大約8.9時間と悪くない長さです。本機は最大消費電力が90Wと高いので、バッテリー駆動時間が短くなっていると思います。
充電時間は約1.8時間で満充電になります。
Wi-Fi 6Eに対応
対応周波数 | 速度 | |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
無線はWi-Fi 6Eに対応しており、Wi-Fi 5より約40%最大通信速度が上がっています。また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
Wi-Fi 6EはWi-Fi 6のExtended(エクステンディット)版で、6GHz帯(高速通信)での通信ができます。
インターフェイス
インターフェイスは十分な数がありますが、USB4以外はデータ転送速度が5Gbpsとなっており、USB4を別のことに使用していたらデータ移動時にちょっと不便です。
右側面にはUSB 3.2 Gen 1(データ転送速度5Gbps)が2つです。
左側面はHDMI、USB 3.2 Gen 1 Type-C(データ転送速度5Gbps/Power delivery対応、DisplayPort出力機能付き)、USB4(データ転送速度40Gbps/Power delivery対応、DisplayPort出力機能付き)、microSDカードリーダー、そしてオーディオコンボジャックになります。
ライバル機種
同じくAI PCからいくつかライバル機種をピックアップしました。
Yoga Slim 7i Aura Edition Gen 9
Copilot+PC
最先端のAIソフトを詰め込んだ様な機種で、NPUは最大47TOPSとかなりハイスペックです。画面比が16:10の15.3インチで1.53㎏と軽く、バッテリー駆動時間は最大13.7時間と長時間作業ができます。筐体もコンパクトで薄い、そしてパワフルの機種です。ディスプレイはIPS液晶ですがPureSight Proディスプレイを採用しており、OLEDディスプレイとあまりそん色ないほど高品質です
CPU | Core Ultra 7 258V |
---|---|
メモリ | LPDDR5X 32GB |
ストレージ | SSD 最大1TB |
ディスプレイ(15.3型) | 2.8K IPS |
OS | Windows 11 Home |
無線 | Wi-Fi 7 |
生体認証 | 顔認証 |
WEBカメラ | FHD |
重さ | 約1.53㎏ |
バッテリー | 最大約13.7時間 |
価格 | 24.9万円~ |
OmniBook Ultra 14-fd
今話題のAI PCで、Arm版のSnapdragonじゃなくAMD Ryzenが搭載になります。これ、待ってる人多かったんじゃないでしょうか?仕事で使うのにOSがArm版だと使いにくいですしね。メモリは最大32GBと大容量で、なんと900万画素のWebカメラです!!4K解像度が約829万画素なので、900万画素って4K以上ですね。また、最新のWi-Fi 7にも対応しています
CPU | Ryzen AI 9 365 Ryzen AI 9 HX 375 |
---|---|
メモリ | LPDDR5x 32GB |
ストレージ | SSD 1TB |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス |
ディスプレイ(14型) | 2.2K IPS タッチ |
無線 | Wi-Fi 7 |
カメラ | 900万画素+IRカメラ |
生体認証 | 顔認証 |
寸法(幅×奥行×高さ) | 315 × 227 × 16.4㎜ |
重さ | 1.57㎏ |
バッテリー | 21時間 |
価格 | 18.9万円~ |
ThinkPad T14s Gen 6 Strix Point(AMD)
最大50TOPSのNPU性能があるRyzen AI 7 PRO 360を搭載し、メモリが最大64GBと大容量機種です。筆者は数年前からメモリ32GBを使っていますがヘビーなことをやっているとメモリ不足に陥ることがあるので、こういった使い方をする人にも便利です。また、1.3㎏と軽いので持ち運びに向いています
CPU | Ryzen AI 7 PRO 360 |
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メモリ | LPDDR5X-7500 32GB/64GB |
ストレージ | SSD PCIe 4.0 最大1TB |
ディスプレイ(14型) | WUXGA IPS、タッチあり |
無線 | Wi-Fi 7、5G Sub6あり |
生体認証 | 顔認証、指紋センサー(搭載可能) |
WEBカメラ | 500万画素、IRカメラ |
重さ | 1.3㎏~ |
バッテリー | 最大約15.5時間 |
価格 | 23.2万円~ |
まとめ
良い点
・軽量極薄で持ち運びがしやすい
・メタルのユニボディでおしゃれ・傷もつきにくい
・CPUとGPU性能がめちゃくちゃ高い
・画面比が16:10で、14インチでも一般的な15インチ並みの情報が表示される
・ディスプレイが超高品質
・排熱性能が高い
・キーボードの打鍵感が良く、タッチパッドでいろいろな操作ができる
・Webカメラの品質がちょっと良かった
残念な点
・USB4以外のポートが低速度
・Wi-Fi 7に非対応
・バッテリー駆動時間がもうちょっと長ければよかった
総合評価
CPU性能がすごく高く、グラフィック性能が必要なことも今まで以上に使いやすい機種です。私が一番驚いたのは、ディスプレイの品質です。今のメインPCとメインモニターも極上で最高峰なのですが、本機の方がより詳細な描写ができることにちょっとショックを受けました。
画像編集や動画編集をするクリエイターに向いたスペックで、持ち運びもしやすいし堅牢性も高いので、安心して外出できます。
持ち運びがしやすいとはいえ、バッテリー駆動時間が最大8.9時間とそんなに長いわけじゃないので、長時間外出する場合はACアダプタやモバイルバッテリーを一緒に持っていくと助かります。
クリエイターだけじゃなく、ビジネスユースで使うのに向いていますね。USB4以外のUSBのデータ転送速度が5Gbpsとちょっと遅いですが、モニターにつなぐときはUSB 3.2 Gen 1 Type-Cを使えばUSB4を占領せずにデータ転送時に使えます。
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Author
・パソコンガイドメインライターの本田。PCやタブレット、その他ガジェットが好きで、年間2~30台ほどのPCとモニターや周辺機器を購入するマニア
・元ミュージシャン
・暖かいところが好きで、よくタイに旅行に行く
・既婚(妻と子供2人)
・最近の趣味はオーディブルを聞きながらぼけ~っとすること
・はまってることは、裸足で1日10分歩く健康法
・若く見られがちだが40代