HP Elite x2 G4はタブレットのようなパソコンで、キーボードを装脱着できる2 in 1 PCです。
本機種が特徴的な理由は、他社のようにパソコンのようなタブレットじゃなくて、タブレットのようなパソコンなんです。
パソコンの様なタブレットとは
- タブレット用の低性能のCPU
- インターフェイスが少ない
- ストレージがeMMC(SSDより遅い)
- 取外し可能なキーボード
で、基本的にパソコンより低性能です。
タブレットのようなパソコンとは
- CPUはパソコンと同じ
- SSD
- インターフェイスが豊富
- 取り外しができるキーボード
- タブレットとしても使える
と言った特徴があります。
Contents
HP Elite x2 G4のレビュー
CPU | Intel core i5-8265U Intel core i5-8365U(vPro対応) Intel core i7-8565U Intel core i7-8665U(vPro対応) |
---|---|
メモリ | 最大16GB |
ストレージ | SSD 最大512GB |
ディスプレイ(13型) | WUXGA+ IPS マルチタッチ 1000nit 3K2Kディスプレイ IPS マルチタッチ 450nit |
無線 | WiFi6、Bluetooth 5.0 |
WWAN(LTE) | 搭載(4G) |
OS | Windows 10 Pro |
セキュリティ | TPM、HP Sure sense、HP BIOSphere Gen 5、HP Sure Click、プライバシーシャッターなど |
有線LANポート | なし |
生体認証 | 指紋センサー、顔認証(IRカメラ) |
Microsoft Office | 搭載可能 |
ペン | オプションで追加可能 |
寸法 | 本体 289.3×215.8×8.8mm キーボード装着時 289.3×221.9×14,2mm |
重さ | 本体840g キーボード装着時1198g |
バッテリー | 最大10.2時間(急速充電対応) |
保証 | 3年間 |
価格 | 税込)14万2780円〜 |
重さがたったの840gで、キーボードを装着しても1.2kg以下とかなり軽いですね。しかも小型です。
USB-Cも3つあり、2つはThunderbolt 3に対応しているので、データ移動なども速いしDisplay Portに出力もできます。ただし、USB Type-Aがないので、外付けHDDなどのお持ちの機器がType Aの場合は変換ポートが必要です。
CPUはIntel core i5かi7で、パソコンを一括管理しやすくパソコンをリモート操作などできるvProにも対応している物があるので、法人には特に使いやすいと思います。
ただし、8世代のCPUなので型落ち感は否めないです。
しかも、メモリもLPDDR3という今では殆ど見かけない古い型のメモリが使用されているので、ちょっと首をかしげてしまいますね。
とは言っても、全体的なスペックは中の上くらいなので、悪いわけではありません。
他にも顔認証や指紋センサーがあるのでログインも一瞬だし、WiFi6にLTEもあるのでインターネット環境は抜群です。
スペックだけを見たらコスパが悪いですが、なぜ約13万円からという価格になっているかと言うと、HP独自のセキュリティとHP Elite Premiumサポートがあるからだと思います。
至れり尽くせりのサポートが必要な法人や個人、企業秘密などの大事なデータを扱う人であれば、本機種を購入するメリットは高いと思います。
逆に個人や、サポートは普通でいいからセキュリティがしっかりしたパソコンを探している人・法人であれば、ThinkPadシリーズのほうが性能も高くより快適です。
HP Elite x2 G4の特徴
まずなんと言っても、この軽さ・薄さはパソコンの持ち運びが多い人には抜群のサイスです。
本体は幅289.3mm、奥行き215.8mm、厚さ8.8mmと一般的なタブレットサイズです。タブレットとしては重めの840gですが、先述したようにタブレットのようなパソコンなので悪くないと思います。
キーボード装着時は幅289.3mm(同じ)、奥行き221.9(+6.1mm)、厚さ14,2mm(+5.4mm)と、若干小さめの13型ノートパソコンと言った寸法です。
ベゼル(画面の黒い枠)も前モデルのElite x2 1013 G3に比べて大幅に小さくなっており、特に両側面は51%も小さくなっています。HPはベゼルが太いものが多いのですが、本機種に限ってはLenovoの様に細いベセルですね。
バッテリー駆動時間は最大10.2時間(JEITA 2.0測定)で、このサイズのパソコンとしては長いほうだと思います。急速充電に対応しているので、約30分で50%の充電が可能です。
筐体はアルミニウムの塊から作っており、CNC精密加工されているのでひと目で分かる高級感に、堅牢性の高いボディになっています。おしゃれです。
キーピッチは18.4×18.4mmとこのサイズにしては大きいので打ち間違いもしにくく、キーストロークは1.3mmと標準的です。
Fキー列にビデオ電話用の受信・終了ボタンがあるので、カーソルを動かしてクリックしなくてもボタン一つで応答や終了ができます。ビデオ電話が多い人には、使いやすい仕様になっています。
天板にもマイクが搭載しており、360度全方位マイクになっています。これは複数人で行うビデオ会議のときに、どの場所に座っていても声がクリアに相手に伝わります。
また、ノイズキャンセリング機能もあるので、騒がしい場所でのビデオ電話でも通話がしやすくなっています。
ライバル機種
<左から本機種・Surface Pro 7・Lenovo thinkpad X12 Detachable>
本機種と似たような機種との比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値。スマホの人は表を右にスクロールできます)
本機種 | Surface Pro 7 | X12 Detachable | |
CPU | Core i5-8265U Core i7-8565U |
Core i3-1005G1 Core i5-1035G4 Core i7-1065G7 |
Core i3-1110G4 Core i5-1130G7 Core i7-1160G7 |
メモリ | 16GB | 16GB | 16GB |
ストレージ | SSD 512GB | SSD 1TB | SSD 1TB |
グラフィックス | UHD | Iris Plus | Iris Xe |
ディスプレイ | 13型)FHD相当、3K タッチ | 12.7型)2.7K タッチ | 12.3型)FHD |
無線 | WiFi6、4G LTE | WiFi6 | WiFi6 |
バッテリー | 14.5時間 | 10.5時間 | 15.2時間 |
重量 | 1.2㎏ | 1085g~ | 1.1㎏~ |
価格 | 14.2万円~ | 10.9万円~ | 15.4万円~ |
似たような機種を選んだので販売時期が異なるのですが、本機種は8世代CPU、Surfaceは10世代CPU、そしてThinkPadは最新11世代CPUになります。
Passmarkスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1160G7 | |
---|---|
Core i5-1130G7 | |
Core i7-1065G7 | |
Core i5-1035G1 | |
Core i7-8565U | |
Core i5-8265U | |
Core i3-1005G1 |
本機種は執筆しなおしている現在(2021年8月)、後継機種が出ていないので古いスペックになっています。とは言え、そこそこの性能もあるしLTEがあるので「欲しい」と思う人も多いと思います。
各機種の特徴です。
- 本機種・・・スペックが古いが、高解像度でLTEもあるので外出が多い人に合う
- Surface・・・本機種より性能も高く低価格だが、バッテリー駆動時間が短い
- ThinkPad・・・最新スペックでバッテリーも長いが若干高め
セキュリティ
セキュリティは非常に多いのですが、全部理解しようかと思うとちょっと大変かもしれませんので、まずは簡単に特徴をご紹介します。
簡単に言うと、サイバー攻撃を受けても、PCが「正常な状態の時」と比較して自己回復をします。(簡素化しすぎですね(笑))
なので、BIOSに改ざんがあったなどなにか重大なトラブルが起こっても「自動修復」するので、安心安全というわけなんです。
詳しくは、こちら↓をどうぞ。
サポート
HPのサポートは元々手厚いと有名ですが、本機種購入(Eliteシリーズ)購入の場合は、更にひとつ上のElite Premiumサポートが受けられます。
- サポート受付時間が長い(平日朝8時〜21時・土曜朝8時〜17時30分まで)
- 1つの窓口で対応(たらい回しなし)
- サポートセンターは日本で、熟練エージェントが対応(普通は中国などのコールセンター)
- 60分で解決しない場合は、マネージャーへ報告し対応
- 修理→発送手配を3営業日で実施
企業で使うパソコンとしては、万が一のときに迅速に対応してくれるは助かります。
保証も3年間もあるので長いです!
MIL規格
HPのビジネスノートは、米軍の物資調達企画のMIL-STD 810Gをクリアした品質になっています。単純に言うと、米軍が紛争地に持っていける品質があるということですね。
また、HP独自の12万時間のテストをした機種なので、耐久性や堅牢性は高いです。
CPU
本機種搭載のCPUは、第8世代のIntell coreシリーズになります。vPro対応モデルもあるので、企業としてパソコンの管理がしやすいですが、個人としてはメリット0に近いです。
下のグラフはCPUの性能を表すPassmarkスコアで、赤が本機種搭載CPUです。
スコアの目安
- 2000~・ネットサーフィンでもストレスを感じるほど
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
↓グラフをタップすると数値が表示されます↓
[visualizer id=”13513″ lazy=”no” class=””]Core i5もCore i7もビジネス用途で使える十分な性能はありますが、なぜ昔のCPUを搭載したんでしょうね?
メモリ
メモリはオンボードで、最大16GBまで搭載できます。16GBあればまず困ることはないです。
ただし本機種搭載のメモリはLPDDR3という昔のモデルで、2017年頃にはもうあまり見かけなくなったメモリです。(今はDDR4/LPDDR4Xです)
はい、めちゃくちゃ古いんです。
CPUは第8世代でもあまり影響はないですが、DDR3は処理速度も遅いしあまり誇れるメモリじゃないですね。
ストレージ
ストレージだけは高性能のM.2 PCIe 3.0×4が搭載です。最大データ転送速度は32GB/秒とかなり速く、パソコンの起動もデータ移動も比較的快適にできます。
また、Core i7-8665U(vPro対応)は自己暗号化機能付きなので、データを暗号化することができます。
ディスプレイ
ディスプレイは2種類あり、3k2kディスプレイも選択できます。
- WUXGA+ IPS マルチタッチ 1000nit
- 3K2Kディスプレイ IPS マルチタッチ 450nit
WUXGA | 一般的なハイ・ディフィニション(1920x1080)と似たような解像度で1920×1280。画面比率が通常の16:9でなく3:4のためにこの解像度になっています。 |
---|---|
IPS | 視野角が広く、コントラスト比も比較的高く、自然な色合いが描写できる |
nit | 輝度(明るさ)を表す単位で、通常300nitあれば明るいほう |
3K2K | 解像度は3000x2000 |
輝度がかなり高いディスプレイで、屋外で使うときも見やすいです。3K2Kディスプレイは、2K以上4K未満の画質と言った方が分かりやすいかもしれません。高解像度です。
通常高画質のディスプレイの方が輝度が高いのですが、本機種はFHDの方が数字だけ見ると高くなっています。
<Sure Viewオンの状態>
本機種にはSure viewという「覗き見防止機能」が搭載しており、カフェや電車内など周りに人がいるときに機能をONにすると視野角が狭くなり、横から覗き見できない仕組みになっています。
ただし、この機能を使うと視野角が狭くなるだけじゃなく「輝度」もかなり下がるので、正面からでもちょっと見にくいです。
オーディオ
オーディオはデンマークの老舗・高級オーディオブランドのBang & Olufsenで、HPとコラボして作ったスピーカーが搭載です。
3つのマイクからなる全方位マイクや、ノイズキャンセリング機能があります。
LTE
LTEはIntel XMM 7360 LTE-Advanceで多くのBandに対応していますが、5Gじゃなく4G回線での接続です。
高速LTE回線は、LenovoがCAT.16に対応したモデルを販売しています。
と言っても、4Gでも下り最大で450MBなので、遅いわけではありません。(数値は理論値なのでここまで出ません)
インターフェイス
- 1 USB 3.1 Type-C™(本体充電に対応、DisplayPort機能付き)
- 2 USB 3.1 Type-C™ (Thunderbolt™ 対応)×2
- 3 ナノセキュリティロック ケーブル用スロット
- 4 音量ボタン
- 5 コンボステレオヘッドフォン/マイクジャック
- 6 アウトカメラ:8メガピクセルWEBカメラ(静止画:800万画素、動画1080p)
- 7 プライバシーシャッター(スライド動作でイン/アウトカメラ両方とも隠れます)
- 8 指紋認証リーダー
- 9 電源ボタン
USB Type-Cが3つもあるのでほぼ賄えると思いますが、USB Type-Aがないので変換ポートが必要な人もいると思います。
また、指紋センサーと電源が見慣れない位置にあるので、通常のパソコンとして使うことが多い場合はちょっと面倒ですね。
まとめ
HPのビジネスモデルは、基本的に個人向けで販売されているノートパソコンよりも低性能ですが、セキュリティとサポートが魅力的な機種になっています。
万が一があっては困る法人向けで、サポートは普通でいい(1年間電話サポート、ツイッター、LINEでのサポートあり)、LTEもなくていいという場合は、法人でも「個人向け」のモデルがおすすめです。