ASUS Zenbook S 14(UX5406)の実機レビュー 14インチで1.2㎏で長時間バッテリーのモバイルPC

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先日レビューをしたVivobook S 14 OLEDの上位モデルで、ASUS Zenbook S 14(UX5406)のレビューです。

全体的に高い性能でビジネス用途やクリエイティブワークにも使いやすいですが、 CPUが8コア8スレッドなので作業内容やアプリによってはそこまで速度が出ません。

それでも一般的なビジネス用途であれば困ることはほとんどないくらいのスペックになっており、耐久性も高く洗練された筐体です。 14インチで1174gと超軽量で、最大約13.1時間とバッテリー駆動時間も長いので、持ち運び向きのPCになります。

レビュー機はメーカーからお借りしており、スペックはCore Ultra 7 258V、メモリLPDDR5X-8533MHz 32GB、SSD PCIe 4.0 1TBになります。

動画も作成したのでどうぞ。

 

ASUS Zenbook S 14スペック

CPU Core Ultra 5 226V
Core Ultra 7 258V
メモリ LPDDR5X-8533MHz 最大32GB
ストレージ SSD 1TB
グラフィックス 内蔵グラフィックス
ディスプレイ(14型) 2.8K(2880×1800ドット)OLED HDR 120Hz 500ニト グレア タッチあり
OS Windows 11 Home
無線 Wi-Fi 7
生体認証 顔認証
WEBカメラ FHD
オーディオ Dolby Atmos、ハーマンカードン
寸法(幅×奥行×高さ) 310.3 × 214.7 × 11.9~12.9mm
重さ 約1.2㎏
バッテリー(JEITA 3.0) 最大約13.1時間
標準保証 1年間
価格 20.9万円~

<性能評価>

 

パソコンの頭脳であるCPUは、最大47 TOPSのNPU性能を持つCore Ultra 7 258Vが搭載です。グラフィック性能はすごく高く、動画編集や画像編集もサクサクできるほどです。

メモリはLPDDR5X-8533MHzのオンボード32GB、ストレージはSSD PCIe 4.0で1TBになります。

ディスプレイは高品質で、14インチ2.8K(2880×1800ドット) ASUS Lumina OLEDディスプレイを採用です。10 bit 10.7億色の色深度に、ΔE<1の色精度、広色域のDCI-P3 100%にHDRにも対応、ピーク輝度は500ニトと明るく、アダプティブリフレッシュレートは120Hz とぬるぬるです。

また、画面アスペクト比が16:10と縦に長いので、14インチでも15インチ並みの情報が表示されます。

OSはWindows Home 11でFHD Webカメラに顔認証対応、ドルビーアトモスのオーディオにハーマンカードン製スピーカーが4基搭載、そして無線は最新のWi-Fi 7になります。

インターフェイスは多くないですが、Thunderbolt 4が2つにUSB-Aも1つ、HDMIにコンボジャックもあります。

14インチで約1.2㎏と軽く、バッテリー駆動時間は約13.1時間と長いです。丸一日外出するような人に合います。

 

 

公式サイト

上のリンクから移動できない場合は、こちらをクリック。

 

 

Copilot+PCとは?

Copilot+PC

Copilot+PC(コパイロットプラスピーシー)と言うのは、Microsoftが「Microsoft Build 2024」で発表した新しいカテゴリのPCで、AI技術を活用するための機種と位置付けられています。

主な特徴です。

・NPU搭載
・16GB以上のDDR5/LPDDR5メモリ
・256GB以上のストレージ
・40+TOPS(1秒当たり40兆回の演算)
・終日のバッテリー寿命
・最先端のAIモデルへのアクセス
・RecallでPCで見たものを簡単に検索
・CocreatorでほぼリアルタイムにAI画像の生成及び調整
・Live Captionで40以上の言語の音声を英語に翻訳
・薄型軽量、美しいデバイス

すごく簡単に言うと、AIがいろいろなサポートをしてくれて作業効率が上がる(便利になる)、と考えていたら問題ないです。

 

こちらにCopilot+PCでできることを紹介しているので、あわせてどうぞ。

ただし、IntelとAMD搭載機種は11月のOSアップデート後にこれらの機能が使えるようになります。

 

 

最大47 TOPSのNPU性能を持つIntel Core Ultraシリーズ2搭載

ASUS Zenbook S 14(UX5406) CPU-Z

あれ?これはバグでしょうか?Technologyが3nmになっていますね。これ、7nmなんですが・・・。

Core Ultra 7 258V
製造プロセス TSMC N3B
Pコア 4コア
Eコア 4コア
スレッド 8スレッド
キャッシュ 12MB
ターボブースト 4.8GHz
Pコア最大周波数 4.8GHz
Pコア基本周波数 2.2GHz
Eコア最大周波数 3.7GHz
Xコア 8コア
NPU 47 TOPS
ベースパワー 17W
マックスパワー 37W

CPUはPコア(Performance Core)とEコア(Efficient Core)の2つを搭載しており、高負荷な作業はPコアで処理を、低負荷な事はEコアで処理することによって、パワフルでも省電力性を兼ね揃えたCPUになっています。

8コア8スレッドとスレッドが少ないのでマルチコア性能は若干低め、シングルスレッド性能は高いです。

また、Intel Thread Directorというハードコアが、命令をより効率よくPコアとEコアに割り当てて実行できるので、性能が上がり、消費電力も下がります。

もともと最大TDPが17Wと低いので、バッテリー駆動時間は長いですね。また、この低いTDPでも性能は比較的高く、今までのIntel CPU(TDP上げてゴリ押しで性能アップ)とは全然違うコンセプトになっています。

グラフィックはIntel Arcグラフィックス140Vで、Xコアは8個になります。

 

ASUS Zenbook S 14(UX5406) CPU Mark計測結果

こちらはCPUの性能を測るCPU Markスコアで、17983とCore Ultra 7 258Vにしてはかなり低い性能でした。低消費電力に加え、本機は11.9㎜とめちゃくちゃ薄いので排熱が追い付かずこうなったのかなと思います。

 

スコアの目安

  • 7000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
  • 10000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
  • 15000~・ハイエンドPCに搭載される
  • 18000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い

CPU Markスコア

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Ryzen AI 9 HX 370  35370
Core Ultra 9 185H  33266
Ryzen AI 9 365  31399
Ryzen 7 8845H  30037
Core Ultra 7 165H  28719
Ryzen 7 8840HS  25148
Core Ultra 5 135H  24091
Core Ultra 7 155H  24271
Snapdragon X Elite X1E-78-100  22886
Core Ultra 7 258V/別機種  21237
Core Ultra 5 125H  20071
Snapdragon X Plus X1P-42-100  19377
Core i5-1335U  18931
Core Ultra 5 135U  18742
Core Ultra 7 258V  17983
Core Ultra 5 125U  17921
Core 5 120U  17292
Core 7 150U  16900
Core Ultra 7 165U  16756
Core Ultra 7 155U  16140
Core i7-1355U  15878
Core i3-1315U  12654
Core i3-N305  10090

 

ASUS Zenbook S 14(UX5406) Cinebench 2024結果

Cinebench 2024のスコアで、Cinema 4DのデフォルトレンダリングエンジンであるRedshiftのパワーを利用して、CPUとGPUの能力を計測します。計測結果はマルチコア479と低く、シングルコア121とかなり高い性能でした。

コア数が8個と多くないのでマルチスレッディング性能は低いですね。

他のCPUとの比較です。

マルチコアシングルコア

マルチコア性能

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較 

Ryzen AI 9 HX 370  1062
Snapdragon X Elite X1E-78-100  924
Ryzen 7 8845HS  867
Apple M1 Max  791
Snapdragon X Plus X1P-42-100  702
Core Ultra 5 125H  631
Ryzen 5 8640HS  557
Core Ultra 7 258V/別機種  556
Apple M1  509
Core Ultra 7 258V  479
Core i7-1280P  433

シングルコア性能

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Core Ultra 7 258V  121
Core Ultra 7 258V/別機種  119
Ryzen AI 9 HX 370  115
Apple M1 Max  113
Apple M1  112
Snapdragon X Elite X1E-78-100 107
Snapdragon X Plus X1P-42-100  107
Ryzen 3 8300GE  101
Ryzen 7 8845HS  100
Core Ultra 5 125H  100
Ryzen 5 8640HS  95
Core i7-1280P  74

 

ASUS Zenbook S 14(UX5406) PCMark10結果

こちらはPCMark10の計測結果で、Essentialは「通常用途(Web検索やビデオ会議、アプリの起動など)の性能」、Productivityは「Microsoft Office(事務系のアプリ)使用時の性能」、Digital Content Creationは「コンテンツ作成(画像・動画編集など)のしやすさ」を表しています。

総合性能の目安は以下になります。
・9000以上・・・超ハイスペック
・7500以上・・・ハイスペック
・5000以上・・・ミドルクラス
・2500以下・・・エントリ―クラス

本機種のスコアです。

  • 総合性能は6515→ぎりぎりミドルハイクラス
  • Essentialは9442→通常用途やビデオ会議などは快適にでできる
  • Productivityは8499→高速に使える
  • Digital content creationは9352→かなり高い性能で動画編集などにも向いている
EssentialProductivityDigital Contents

Essential

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Ryzen AI 9 HX 370  10915
Ryzen 5 8640HS  10622
Ryzen 5 7535U  10196
Core Ultra 5 125H  9781
Core i7-1260P  9744
Core i5-1240P  9728
Ryzen 5 7535U  9465
Core Ultra 7 258V  9442
Core Ultra 7 258V/別機種  9421
Ryzen 5 5625U  9036
Ryzen 7 5700U  8951
Ryzen 3 5425U  8743
Ryzen 3 7335U  8318
Ryzen 5 PRO 6650U  8130
Ryzen 5 5500U  7907
Snapdragon X Plus X1P-42-100  7615

Productivity

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Ryzen AI 9 HX 370  10550
Ryzen 5 8640HS  9349
Ryzen 5 5625U  9223
Ryzen 5 7535U  8996
Core Ultra 7 258V  8499
Core Ultra 7 258V/別機種  8287
Ryzen 3 5425U  8193
Ryzen 5 7535U  8176
Ryzen 7 5700U  8065
Ryzen 5 PRO 6650U  8026
Core Ultra 5 125H  7892
Ryzen 3 7335U  7499
Core i7-1260P  6187
Core i5-1240P  6167
Core i5-1235U  5542

Digital Content Creation

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Ryzen AI 9 HX 370  11536
Core Ultra 7 258V/別機種  9578
Core Ultra 7 258V  9352
Core Ultra 5 125H  8250
Ryzen 5 8640HS  7777
Ryzen 7 7735U  7159
Core i7-1260P  6406
Core i5-1240P  5875
Ryzen 5 7535U  5851
Ryzen 5 PRO 6650U  5636
Ryzen 5 5625U  5372
Ryzen 7 5700U  5282
Ryzen 3 7335U  4872
Core i5-1235U  4716
Snapdragon X Plus X1P-42-100  4251
Ryzen 3 5425U  4240

 

Asus Zenbook S 14 レンダリング時間測定結果

5分の4K動画を撮影し、Davinci Resolveでレンダリングにかかった時間です。当然ですが、時間が短いほうが高性能です。3回計測し、平均は4分12秒でした。同じCPU搭載の別機種で計測したものよりも2分ほど速かったですが、Core Ultra 5 125H並みなので、このCPUであればもっと速いかと思いました。

4K動画レンダリング速度

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Core i7-1260P  15分20秒
Core Ultra 7 258V/別機種  6分2秒
Ryzen 5 7535U  4分47秒
Core Ultra 5 125H  4分14秒
Core Ultra 7 258V  4分12秒
Ryzen 5 8640HS  4分5秒
Ryzen AI 9 HX 370  2分26秒
Ryzen AI 9 HX 370/Vivobook S 16  2分9秒

 

 

グラボ並みのグラフィックス性能

ASUS Zenbook S 14(UX5406) 3D Graphics Mark計測結果

グラフィック性能が高いとOfficeを使った作業や複数画面での作業、そして画像・動画編集などがしやすくなります。3D Graphics Markのスコアは5430とそこそこ高いスコアでした。

3D Graphics Mark

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Ryzen AI 9 HX 370  9117
Ryzen 7 8845HS  9055
Ryzen 5 8640HS  6065
Core Ultra 5 125H  5507
Core Ultra 7 258V  5430
Ryzen 7 7735U  5098
Core Ultra 7 258V/別機種  5067
Ryzen 5 7535U  4127
Ryzen 5 PRO 6650U  3526
Core i7-1260P  3263
Core i7-1355U  2981
Core i5-1335U  2686
Core i5-1340P  2542
Ryzen 7 PRO 5850U  2328
Core i5-1240P  2326
Core i5-1235U  2319
Ryzen 3 7335U  2609

 

 

次はゲームの3DMarkを使い、グラフィック性能を測ります。

ASUS Zenbook S 14(UX5406) Steel Nomad Light計測結果 ASUS Zenbook S 14(UX5406) Wild Life計測結果ASUS Zenbook S 14(UX5406) Fire Strike計測結果ASUS Zenbook S 14(UX5406) Night Raid計測結果

Steel Nomad Lightは3253、Wild Lifeは24841、Fire Stikeは7429、そしてNight Raidは28829と、GTX 1650 Max-Q並みかそれ以上のスコアでした。グラボなしでこんなに高い性能が出るのはすごいですね。

Steel Noamd LightWild LifeFire StrikeNight Raid

Steel Nomad Liteは、DirectX 12 Ultimateの性能をテストし、レイトレーシングを使用しない中量級ゲームを想定したベンチマークです。スマホなどの他のデバイスとスコアを比較できる、クロスプラットフォームです

Steel Nomad

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

RTX 3050  4902
Ryzen AI 9 HX 370  3507
Core Ultra 7 258V  3253
GTX 1650 Max-Q  2819
Core Ultra 7 258V/別機種  2734
Core Ultra 5 125H  2472
Ryzen 7 7735U  1437
Snapdragon X Plus X1P-42-100  1139
Wild Lifeはクロスプラットフォームのベンチマークで、レイトレーシングを使用しない軽めのゲームを想定したベンチマークで、PCやタブレット、スマホなどとスコアの比較ができます。

Wild Life

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

RTX 3050 Ti  29016
Core Ultra 7 258V/別機種  25716
Core Ultra 7 258V  24841
GTX 1650 Ti  23752
Core Ultra 5 125H  23037
Ryzen AI 9 HX 370  22702
GTX 1650 Max-Q  16974
Ryzen 7 8845HS  16368
Ryzen 5 8640HS  13987
Snapdragon X Plus X1P-42-100  11404
DirectX 11で動作するFire Strikeのスコアです。

Fire Strike

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

RTX 3050  10718
Ryzen AI 9 HX 370  9118
GTX 1650  8033
Core Ultra 5 125H  7904
Core Ultra 7 258V/別機種  7839
Core Ultra 7 258V  7429
GTX 1650 Max-Q  6861
Arc A350M  6770
Ryzen 5 8640HS  6614
Ryzen 7 7735U  4645
Snapdragon X Plus X1P-42-100  3599
Night RaidはDirectX 12のベンチマークで、グラフィックボードがない機種の性能を測ります。

Night Raid

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

RTX 4050  43397
RTX 3050  39341
RTX 3050 Ti  34440
Ryzen AI 9 HX 370  33378
Core Ultra 7 258V/別機種  31139
Core Ultra 7 258V  28829
GTX 1650 Ti  27333
Core Ultra 5 125H  26261
GTX 1650 Max-Q  20322
Ryzen 7 7735U  17539
Snapdragon X Plus X1P-42-100  16232

 

次はゲームのベンチマークで、ドラゴンクエスト10は15486で「すごく快適」、FFXIV黄金のレガシーは7573で「やや快適」でした。2Dゲームは快適にできるほどの性能です。

ドラクエXFFXIV

ドラクエX FHD画質

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Core Ultra 7 258V/別機種  18362
Core Ultra 5 125H  17314
Ryzen AI 9 HX 370  17266
Core Ultra 7 258V  15486
Ryzen 5 5625U  10747
Ryzen 7 5700U  10370
Ryzen 3 5345U  9348
Ryzen 7 7730U  9033
Ryzen 5 7530U  8994
Ryzen 5 8640HS  8954
Ryzen 5 PRO 6650U  7949
Ryzen 7 7735U  7291
Core i7-1355U  6213
Core i5-1335U  5150

FFXIV 標準品質

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

Core Ultra 7 258V/別機種  9490
Core Ultra 7 258V  7573
Core Ultra 5 125H  7547
Ryzen AI 9 HX 370  7187
Snapdragon X Elite X1E-78-100  6556
Ryzen 5 8640HS  5470
Ryzen 7 8845HS  5345
Snapdragon X Plus X1P-42-100  4794
Ryzen 7 7735U  4398
Ryzen 3 7335U  2051

 

高品質ディスプレイ搭載

ASUS Zenbook S 14(UX5406) 正面

本機のディスプレイは特徴が多いので、羅列します。

・2.8K(2880×1800ドット)解像度
・ASUS Lumina OLED
・1,000,000:1のコントラスト比
・DCI-P3 100%
・10 bit 10.7億色の色深度
・ΔE<1の色精度
・PANTONE認証
・最大輝度500ニト
・HDR True Black 500
・最大120Hzのリフレッシュレート
・0.2msのディスプレイ応答時間
・省電力(ASUS OLED Care)
・ASUS Splendid
・約70%のブルーライト軽減
・Corning Gorilla Glass NBTのタッチパネルあり

ASUSのディスプレイは最高峰スペックがてんこ盛りですね。

2.8Kと高精細で細かな部分もしっかりと描写され、ASUS Lumina OLEDは本物の黒を描写できるし、コントラスト比は百万対1ですっきりとくっきりな描写ができます。

 

左は本機で、右は標準よりもちょっと良いディスプレイで、IPS液晶にsRGB 100%の色域があります。本機は色域も広く、10bit 10.7億色の発色が可能なのですごくきれいですね。

また、本機は1,000,000:1のコントラスト比なので、ASUSの方がよりシャープな描写です。

ΔE

ΔE<1(Delta E測定で1以下)なので、現実のものと色差は肉眼ではわからないくらいになり、現実にあるものと本機のディスプレイに映し出されたものは、ほぼ同じ色彩であるということです。

 

右の機種は筆者のメインPC(2.8K IPS ΔE<1 DCI-P3 100%)で比較してみますが、本機の方が色彩が豊かで、右端の煙の量が全然違いますね。

すごく良いディスプレイだと思います。

 

画面アスペクト比が16:10と縦に長いので、一般的な16:9の14インチよりも大きの情報が一目で見て取れます。

 

最後に視野角のチェックです。どこから見ても薄暗くなる部分もなく見やすいです。

 

 

多機能タッチパッド付きキーボード

ASUS Zenbook S 14(UX5406) キーボード

ASUS ErgoSenseを採用したキーボードはバックライト付きの84キーで、Copilotキーもあります。主要キーは大きいのでミスもしにくいですが、Fキーとカーソルキーはすごく小さいので、慣れるまでミスをしやすいかもしれません。

キーピッチ(キーの中心部から隣のキーの中心までの距離)はフルサイズ19.05㎜と十分な距離があり、手が大きな人にも使いやすいです。

 

CNC 加工された冷却ベントを含む斬新な幾何学的グリル デザイン

キーボード面はCNC加工された冷却ベントを含む斬新な幾何学的グリルデザインにより、冷却効率が向上しているそうです。肉眼じゃ見えないですが、こんな風に凸凹を作って穴をあけて冷却性能を上げているんですね。すごいな。

 

ASUS Zenbook S 14(UX5406) キーボード バックライトON<バックライトONの状態>

キーストロークは1.1㎜と浅く、打鍵感は低いです。軽めのタイピングで流れるように動く人には合うと思います。公式サイトによるとキーキャップは0.1㎜とかなり薄く、キートップが若干湾曲しているのでタイピングがしやすいように作られています。

ASUS ErgoSenseキーボードはシザーキー機構を採用し、ノイズと共振を最小限に抑えているので、静かだし疲れにくいです。

 

ASUS Zenbook S 14(UX5406) タッチパッド

このタッチパッドはスワイプして、輝度の調整、音量調節、ビデオの再生巻き戻し、ScreenXpert Control Center コントロールセンターへアクセスができます。

これ便利なんですね~。わざわざカーソル動かさなくてもここで調節できるので楽ですね。タッチパッドは静音ドームスイッチシートを使用してノイズを軽減し、0.23㎜のクリックの深さがあります。

また、79.5㎜×127.5㎜のと大きなタッチパッドなので、操作がしやすいです。

 

Wi-Fi 7対応

超高速無線・Wi-Fi 7に対応

対応周波数 速度
IEEE802.11ac
(Wi-Fi 5)
5GHz 6.9Gbps
IEEE802.11ax
(Wi-Fi 6)
2.4/5GHz 9.6Gbps
IEEE802.11ax
(Wi-Fi 6E)
2.4/5/6GHz 9.6Gbps
IEEE802.11be
(Wi-Fi 7)
2.4/5/6GHz 46Gbps

次世代通信規格のWi-Fi 7に対応しており、現在主流のWi-Fi 6の約5倍、低価格モデルのPCに採用されるWi-Fi 5の約13倍の最大通信速度があります。また、理論上16本のストリームになり、今まで以上に多くのデバイス(理論上2倍)を接続して快適に使えます。

6GHzで最大320MHzのチャンネル幅があり、Wi-Fi 6E(最大160MHz)の2倍の帯域幅になります。

ただし、ルーターもWi-Fi 7に対応していないといけないし、契約回線も速くないとその恩恵はあまり受けられません。

 

 

その他の特徴

 

外観

ASUS Zenbook S 14(UX5406) 右斜め前から

上7.5㎜、左右4㎜とベゼル(画面の黒い枠)がすごく細く、幅310.3㎜、奥行き214.7㎜と、コンパクトです。

 

ASUS Zenbook S 14(UX5406) 11ミリと薄い筐体

最薄部11ミリとかなり薄い筐体です。

 

ASUS Zenbook S 14(UX5406) タブレットと厚さ比較

タブレットと厚さを比べても、一番薄い部分はそんなに変わりません。

 

ASUS Zenbook S 14(UX5406) 実測1174gの軽いPC

14インチで実測1174gと軽量で、持ち運びがすごく楽です。

 

ASUS Zenbook S 14(UX5406) 後ろから<スマイアグレー(スカンジナビアンホワイトもあり)>

セラルミナムと言うセラミック素材をアルミニウム素材にくっつけた不思議な素材で、なんとASUSは4年かけてこの素材を作り出したみたいです。高強度で耐摩擦、高耐久性で、暖かみのある手触りです。

もちろんMIL-STD-810Hにも準拠しているので、安心してどこにでも連れていくことができます。

 

ASUS Zenbook S 14(UX5406) 横から

ディスプレイはここまで開きます。

 

ASUS Zenbook S 14(UX5406) 筐体のエッジ

エッジが効いたような筐体ですが、丸みもあります。

 

 

排熱性能

ASUS Zenbook S 14(UX5406) 底面カバー

TDPも低いので、底面の通気口は幅広いですが大きくないです。また、メッシュ状になっており、ごみも入りにくいと思います。

 

ASUS Zenbook S 14(UX5406) 筐体内部

大きさが違うファンが2つあり、2層グラファイトシートが2つ、ベイパーチャンバーもあり排熱性能は良さそうです。また、メモリはチップ統合型なので、基盤が小さいですね。バッテリーがすごく大きく見えます。

 

ASUS Zenbook S 14(UX5406) ファンとヒートパイプ

こんな薄い筐体に、よくこんなに詰め込めましたね。

 

ASUS Zenbook S 14(UX5406) CPU温度推移図

CPUの性能をフルで使うCinebench 2024と言うベンチマークを実行時の、CPUの温度推移図です。Cinebenchをスタートしたらすぐに363度(摂氏90度)ほどに上がり、その後は343度(70度)近辺を安定して推移しています。

Cinebench 2024のマルチコア性能が結構低かったのですが、サーマルスロットリングを起こしていたのかもしれません。それにしても、その後は70度程と比較的高い温度で推移しているので不思議ですね。

 

この時のPC表面温度は41.3度とほんのり温かいくらいで、騒音値は平均で30dBで静かでした。これだと、図書館などの静かなところでも、気兼ねなく高負荷な作業ができます。

 

 

Webカメラ&オーディオ/スピーカー

ASUS Zenbook S 14(UX5406) Webカメラ

Webカメラは高画質のFHD解像度で顔認証に対応、ただし、めずらしくプライバシーシャッターはありません。

 

左の画像は本機で撮影、右は他のWEBカメラで撮影したFHD解像度の写真です。品質は普通だと思います。

また、2024年11月以降のOSアップデート後はWindowsスタジオエフェクトも使えるようになるので、よりWeb会議がしやすくなると思います。AI搭載のカメラなので、自動画面調光機能だったり、離席すると画面ロックや帰ってくるとロック解除などを自動でやってくれます。

オーディオはDolby Atmosで一般的なオーディオの様な平面的じゃなく、立体的な音を体感できます。

1Wと0.8Wスピーカーが2つずつ搭載しており、音質は悪くないですが特別良いものでもありません。普通よりちょっと上です。

ただし、スピーカーを4つ搭載して1.2㎏に抑えたのはすごいと思います。

 

 

メモリ

ASUS Zenbook S 14(UX5406) Memory Mark計測結果

メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。

搭載メモリはLPDDR5X-8533MHzの32GBで、先述したようにメモリはチップに統合されているので速度は速いです。Memory Markで性能を計測したら3383と良いスコアでした。

その他のメモリとの比較です。

Memory Mark

オレンジ色・・・本機種 青・・・比較

本機種  3383
LPDDR5X平均  3288
DDR5平均  2769
LPDDR5平均  2759
LPDDR4X-4266MHz平均  2502
DDR4-3200MHz平均  2165

 

 

ストレージ

ASUS Zenbook S 14(UX5406) Memory Mark計測結果

ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。

搭載ストレージはSSD PCIe 4.0 1TBで、シーケンシャル速度を計測したら、リード(読み込み速度)は5015MB/秒、ライト(書き込み速度)は3498MB/秒と速いですが、もうちょっと速いかと思っていました。

こちらはシーケンシャル速度の、おおよその速度です。

シーケンシャル速度

オレンジ色・・・リード 青・・・ライト

本機種  5015MB/秒
 3498MB/秒
PCIe 4.0×4  ~約7000MB/秒
 ~約5000MB/秒
PCIe 3.0×4  ~約3000MB/秒
 ~約2000MB/秒
HDD  600MB/秒
 200MB/秒

 

起動時間を計測しました。めちゃくちゃ速いわけじゃなかったですが、普通に速いです。

1回目 13秒
2回目 12秒
3回目 11秒
4回目 11秒
5回目 12秒
平均 11.8秒

 

 

バッテリー駆動時間

バッテリーは大きな78Whで、動画再生時は最大約13.1時間とロングランです。また、急速充電に対応しており、約49分で60%の充電ができます。

 

 

インターフェイス

インターフェイス少ないですが、Thunderbolt 4が2つもあるので、屋内で使う人はドックがあると便利です。

 

ASUS Zenbook S 14(UX5406) 右側面インターフェイス

右側面にはUSB 3.2 Gen 2(データ転送速度10Gbps)が1つです。

 

ASUS Zenbook S 14(UX5406) 左側面インターフェイス

左側面はHDMI、Thunderbolt 4(データ転送速度40Gbps/Power delivery対応、DisplayPort出力機能付き)が2つ、そしてオーディオコンボジャックになります。

 

 

ライバル機種

同じくAI PCからいくつかライバル機種をピックアップしました。

 

Yoga Slim 7i Aura Edition Gen 9

Lenovo Yoga Slim 7i Aura Edition Gen 9Copilot+PC
最先端のAIソフトを詰め込んだ様な機種で、NPUは最大47TOPSとかなりハイスペックです。画面比が16:10の15.3インチで1.53㎏と軽く、バッテリー駆動時間は最大13.7時間と長時間作業ができます。筐体もコンパクトで薄い、そしてパワフルの機種です。ディスプレイはIPS液晶ですがPureSight Proディスプレイを採用しており、OLEDディスプレイとあまりそん色ないほど高品質です

CPU Core Ultra 7 258V
メモリ LPDDR5X 32GB
ストレージ SSD 最大1TB
ディスプレイ(15.3型) 2.8K IPS
OS Windows 11 Home
無線 Wi-Fi 7
生体認証 顔認証
WEBカメラ FHD
重さ 約1.53㎏
バッテリー 最大約13.7時間
価格 24.9万円~

レビュー

 

 OmniBook Ultra 14-fd

OmniBook X 14-fe 正面今話題のAI PCで、Arm版のSnapdragonじゃなくAMD Ryzenが搭載になります。これ、待ってる人多かったんじゃないでしょうか?仕事で使うのにOSがArm版だと使いにくいですしね。メモリは最大32GBと大容量で、なんと900万画素のWebカメラです!!4K解像度が約829万画素なので、900万画素って4K以上ですね。また、最新のWi-Fi 7にも対応しています

CPU Ryzen AI 9 365
Ryzen AI 9 HX 375
メモリ LPDDR5x 32GB
ストレージ SSD 1TB
グラフィックス 内蔵グラフィックス
ディスプレイ(14型) 2.2K IPS タッチ
無線 Wi-Fi 7
カメラ 900万画素+IRカメラ
生体認証 顔認証
寸法(幅×奥行×高さ) 315 × 227 × 16.4㎜
重さ 1.57㎏
バッテリー 21時間
価格 18.9万円~

公式サイト

 

ASUS Vivobook S 14 OLED

ASUS Vivobook S 14 OLED(M5406WA)超高性能CPUが搭載でスペックはかなり高め、そしてZenbookよりも低価格です。Wi-Fi 6Eで重さが1.3キロ、そしてバッテリー駆動時間が若干短くなっていますが、あまり持ち運びしないという人はこちらも検討候補に入ります(とは言っても14インチで1.3キロは軽い方です)。

CPU Ryzen AI 9 HX 370
メモリ LPDDR5X-7500MHz 32GB
ストレージ SSD 1TB
ディスプレイ(14型) 2.8K(2880×1800ドット)OLED HDR 120Hz 600ニト グレア
無線 Wi-Fi 6E
重さ 約1.3㎏
バッテリー(JEITA 3.0) 最大約8.9時間
価格 20.9万円~

レビュー

 

 

まとめ

良い点

・超軽量極薄で持ち運びがしやすい
・セラルミナム素材で高級感や耐久性が高い
・iGPU性能がめちゃくちゃ高い
・シングルコア性能が高い
・画面比が16:10で、14インチでも一般的な15インチ並みの情報が表示される
・ディスプレイが超高品質
・Webカメラの品質がちょっと良かった
・Wi-Fi 7対応
・高機能タッチパッド
・メモリが高速
・バッテリー駆動時間が長い
・Thunderbolt 4が2つ

 

残念な点

・CPUのコア数が少ないので、アプリや作業内容によっては価格並みの性能が出ない(例えば今回のレビューで紹介した動画の書き出し時間はCore Ultra 5 125HやRyzen 5 8640HS並み)

 

総合評価

14インチで1.2㎏と軽量で、バッテリー駆動時間が最大約13.1時間と長いので持ち運びに向いていますね。また、開発に4年かかったセラルミナム素材を採用し、MIL-STD-810Hに準拠した機種で、満員電車などでの圧迫や移動が多くてPCバッグをぶつけてしまうことが多いような人にも使いやすいと思います。

総合的な性能自体は高めですが、8コア8スレッドのCPUなので作業によっては価格並みの速度が期待できません。

それでも動画編集や画像編集はサクサクできるので、一般的なビジネス用途には十分以上な性能かと思います。またディスプレイが超高品質なので、クリエイティブワークもしやすいです。

重量の関係上スピーカーを大きくできなかったと思いますが、ハーマンカードン製スピーカーが4つも搭載して1.2㎏の筐体を実現できたのはすごいですね。そこまで厚みのある音じゃないですが、音質は良いので音楽も聴きやすいです。

 

 

公式サイト

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