HPビジネスPCのHP EliteBook 840 G11のレビューです。
コンパクトな14インチでバッテリー駆動時間もそこそこ長く、頻繁に社内移動をする人や持ち運びをする人に向いた機種です。
画面アスペクト比が16:10と縦に長く、14インチでも15インチ並みの情報を表示でき、生産性を落とすことなくどこででも作業ができます。
Evo Editonプラットフォーム認証を得た機種で、全体的に高めのスペックでした。
動画も作成したので、こちらもどうぞ。
レビュー機はメーカーからお借りしており、スペックはCore Ultra 5 125U、16GB DDR5-5600MHz、256GB PCIe 4.0になります。
HPビジネスPCは毎週金・土・日曜日に週末セールをやっているので、お見逃しなく!
Contents
パソコンガイド専用割引クーポン
HP様に当サイト向けの割引クーポンをご提供いただきました。下記リンクより本機を探して購入したら、割引が適用されます。ただし、ワークステーションなど一部の機種は非対象です。・個人向けモデル13.2万円(税込)以上の機種を購入で7%OFF
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HP EliteBook 840 G11のスペック
CPU | Core Ultra 5 125U Core Ultra 5 135U Core Ultra 7 155U Core Ultra 7 165U |
---|---|
メモリ | DDR5 16GB |
ストレージ | SSD 最大512GB |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス |
ディスプレイ(14型) | WUXGA 400ニト |
OS | Windows 11 Pro |
無線 | Wi-Fi 6E |
生体認証 | 顔認証、指紋センサー |
WEBカメラ | 5MP、IRカメラ |
オーディオ | Bang &Olfsen |
寸法(幅×奥行×高さ) | 315.6 × 224.35 × 19.2mm |
重さ | 1417g |
バッテリー(JEITA 3.0) | 最大約10.2時間 |
セキュリティ | HP Wolf Security for business |
標準保証 | 1年間 |
価格 | 18.3万円~ |
<性能評価>
パソコンの頭脳であるCPUはCore Ultraシリーズ1で、NPUを搭載しているのでAIの処理能力は高く、全体的なパフォーマンスが高くなっています。末尾がUの省電力モデルですが、ベンチマークの性能はすごく高かったです。
メモリは最新のDDR5-5600MHzでメモリスロット2つの16GB(8GB×2枚)、ストレージは速度を見る限りPCIe 3.0×4で、最大512GBになります。
ディスプレイは画面アスペクト比が16:10の14インチで、15インチ並みの情報が表示されます。より多くの情報を見て取れるので、作業効率も上がります。輝度は400ニトと高く、明るい場所でも見やすいです。
その他のスペックは、OSはWindows 11 ProでLANはWi-Fi 6Eに対応、イーサネットはなし、Webカメラは500万画素と高解像度で、顔認証と指紋センサーもあるのでサインインは一瞬です。
14インチで1417グラムと標準的な重さですが、筐体はコンパクトな方です。バッテリー駆動時間が10.2時間と長いので、社内移動が多い人や外出がある人に合いますね。
インターフェイスはUSB4が2つあり、USB-Aも2つ、そしてHDMIやセキュリティロックケーブルスロットにnanoSIMスロット(日本販売モデルは使用不可)と多いわけじゃないですが必要十分あります。
兄弟モデルとの比較
見た目全く同じなので区別がつきませんが、左が本機EliteBook 840 G11で、右は13.3インチのEliteBook 830 G11です(表のメモリ・SSD・バッテリーは最大値)
本機種 | 830 G11 | |
Evoプラットフォーム認証 | 〇 | 〇 |
CPU | Core Ultra 5 125U/135U Core Ultra 7 155U/165U |
Core Ultra 5 125U/135U Core Ultra 7 155U/165U |
メモリ | DDR5-5600 16GB | LPDDR5 16GB |
ストレージ | SSD 512GB | SSD 512GB |
ディスプレイ | 14インチWUXGA 400nit | 13.3インチWUXGA UWVA |
無線 | Wi-Fi 6E | |
バッテリー | 約10.2時間 | 約13.5時間 |
重量 | 1.42㎏ | 1.28㎏ |
スペックは全く同じで大きさが違うだけで、質感なども同じで、本当にサイズが違うだけと言う感じですが、本機はメモリとSSDの増設が可能です。
14インチでも持ち運びがしやすいですが、13.3インチはより軽く、そしてよりコンパクトなので、少しでも小さい方が良いという人は13.3インチを検討してもいいと思います。
Evo Editionプラットフォーム認証に準拠
本機は5世代めのEvoプラットフォーム認証に準拠している特別な機種です。
Evoは14世代CPUを搭載しているすべてのPCが準拠しているわけじゃなく、下記項目を満たす「ハイスペックなノートパソコン」のみがEvo認証を得ることが出来ます。
14世代CPU搭載のEvoプラットフォーム認証の主な要件は75を超え、Intel曰く「高性能、高速充電、長寿命バッテリー、即時起動、クラス最高の接続性、および最適なサイズと重量など、75 を超える項目について、妥協することない高い水準をクリアする必要がある」とのことです。
以下は要件の一部です。
- Core Ultra 5/7/9搭載
- アプリケーションを高速かつ高レスポンスで使える
- 電源を問わずにレスポンスが良い事
- フルHDで実利用10時間以上のバッテリー駆動時間
- フルHD以上
- 1.5秒以内でスリープから復帰
- 生体認証/近接デバイス認証対応
- 30分の充電で4時間以上駆動
- 15㎜以下(iGPU)もしくは20㎜以下(dGPU)の厚さ
- Wi-Fi 6E実装
- Intel CPS(Connectivity Performance Suite)に対応
- フルHD以上のWebカメラを搭載
- 音声ノイズ抑制や背景ぼかしなどの機能
- Windowsスタジオエフェクト対応
- Thunderbolt 4搭載
- EPEATR Silver以上などサステナブルであること
- Intel Unisonのサポート
代々Evoプラットフォーム認証を受けた機種は数えるほどしかなく、特別な機種になります。
HP Wolf Security for business搭載可能
セキュリティはHP Wolf Security for Businessが搭載可能で、包括的なセキュリティになっています。
- HP Sure Sense・・・ディープラーニングを活用したリアルタイム検知機能があり、悪意のあるファイルを検出し、マルウェア、ゼロディ攻撃、ランサムウェアなどからPCを守るセキュリティ機能
- HP BIOSphere Gen6・・・ウイルスやマルウェアによる不正なBIOSの書き換えや、破損からシステムを保護
- HP Sure Click・・・Web閲覧のセキュリティ強化で、タブを閉じるだけでマルウェアが消滅する
- HP Sure Start・・・自動復旧機能で攻撃を受けても自動でリカバリ
- HP Client Security Software・・・パスワード関係などのセキュリティ機能
- HP Secure Erase・・・BIOSの中のSecure Eraseを使って内蔵ドライブのデータを完全に削除することが出来る
- ナノセキュリティロックケーブルスロット・・・盗難や持ち運び防止用のセキュリティワイヤーを使うスロット
- TPM・・・独立して機能するチップで、パスワードなどの重要情報を格納できる
- Windows Defender・・・Windows搭載のセキュリティ機能で、マルウェアなどのウイルスからパソコンを守ってくれる
「世界で一番安全なビジネスPC」と言っているだけありセキュリティは万全で、次項で紹介する東京生産ということもあり、安心して使えます。
日本でのサポート
HP ElitebookのElite Premiumサポートは、電話・チャット、メール・LINEなどでやっており、対応時間は月-金9:00-21:00、土9:00-17:00になります。一番うれしいのは、電話した時に「その件でしたらこちらの部署におかけ直しください」と言う定番の文句が出てこないことですね。たらいまわしを回避し、1つの窓口で対応してくれます。また、サポートは国内になります。
保証は1年間引き取り修理が付いており、最長4年に延長ができます。また、オンサイト修理という保証にもアップグレードできます。
- 引き取り修理・・・指定業者がパソコンを引き取りに来て修理工場に配送、修理後配達される(期間内はパーツ代や配送代など無料)
- 出張修理/オンサイト修理・・・家や事務所に来てその場で修理。期間内は交換パーツ代など無料
- アクシデントサポート・・・標準保証ではカバーされない水濡れや落下破損、盗難などに対応
保守拠点は国内に420か所以上あるので、修理も速いです。
また、他にも有料サポートが多くあるので、公式サイトを確認してみてください。
高い堅牢性
本機は12万時間の品質テストをクリアし、米軍の物資調達企画であるMIL-STD 810Gの19項目に適合と堅牢性の高い機種です。
持ち運びやオフィスでの使用にも、安心して使えます。
メモリとSSDの増設ができる
赤枠はメモリスロットで、購入時は8GBメモリが2枚搭載しています。黄色枠はM.2スロットで、Type-2242が搭載できます。
NPU搭載CPU
Core Ultra 7 155U/165U | Core Ultra 5 125U/135U |
|
製造プロセス | Intel 4(7nm) | |
P/E/LPコア | 2/8/2 | 2/8/2 |
スレッド | 14 | 14 |
キャッシュ | 12MB | 12MB |
Pコア最大クロック | 4.8/4.9GHz | 4.3/4.4GHz |
Eコア最大クロック | 3.8GHz | 3.6GHz |
Xコア | 4 | 4 |
ベースパワー | 15W | |
マックスパワー | 57W |
CPUは今までのようにPコア(Performance Core)とEコア(Efficient Core)も搭載しており、高負荷な作業はPコアで処理を、低負荷な事はEコアで処理することによって、パワフルでも省電力性を兼ね揃えたCPUになっています。
また、14世代(Intel Core Ultraシリーズ1)からLP Eコアという低消費電力コアも搭載しており、よりバッテリーが長持ちしやすくなっています。それに加えて、末尾がUの省電力モデルなので、バッテリー駆動時間も10時間オーバーと長めです。
AI専用のプロセッサーであるNPUを搭載し、グラフィックスはIntel Graphicsになっています。AIコアに対応したアプリがどんどん増えてきているので、少しずつですがNPUがあると毎日の作業が楽になってきます。
Core Ultra 7 165UとCore Ultra 7 135UはvPro対応モデルで、企業で多くのPCを一括管理をする場合に便利です。
こちらはCPUの性能を測るCPU Markスコアで、Core Ultra 5 125Uのスコアは20403と予想よりも高いスコアでした。やはり筐体が大きいからか、兄弟モデルで13.3インチのElitebook 830 G11よりも高い性能です。
他のCPUとの比較です。平均と書かれた赤のバーは、PassMark社が公表している平均値です。
スコアの目安
- 7000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 10000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 15000~・ハイエンドPCに搭載される
- 18000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Core Ultra 9 185H | |
Ryzen AI 9 365 | |
Ryzen 7 8845H | |
Core Ultra 7 165H | |
Ryzen 7 8840HS | |
Core Ultra 5 135H | |
Core Ultra 7 155H | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Core Ultra 5 125U/本機種 | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 5 125U/Elitebook 830 G11 | |
Core Ultra 7 258V | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Core i5-1335U | |
Core Ultra 5 135U | |
Core Ultra 5 125U/平均 | |
Core 5 120U | |
Core 7 150U | |
Core Ultra 7 165U | |
Core Ultra 7 155U |
Geekbench AIのONNXでCPUのAI性能を測りました。ONNXはOpen Neural Network eXchangeで、ディープラーニングや機械学習モデルのようなAIモデルの性能を計測します。
Single Precision(単精度)は2431とかなり高く、Half Precision(半精度)も1028と良いスコア、Quantized(量子化スコア)は4097と良いスコアでした。
Single Precision Score/単精度スコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Uitra 5 125H | |
---|---|
Core Uitra 5 125U/別機種 | |
Core Uitra 5 125U/本機種 | |
Core i7-1260P | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 3 7335U |
Half Precision Score/半精度スコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 7 258V | |
---|---|
Core Uitra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Uitra 5 125U/別機種 | |
Core Uitra 5 125U/本機種 | |
Core i7-1260P | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 3 7335U |
Quantized Score/量子化スコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 7 258V | |
---|---|
Core Uitra 5 125H | |
Core Uitra 5 125U/本機種 | |
Core Uitra 5 125U’別機種 | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core i7-1260P | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 3 7335U |
Cinebench 2024のスコアで、Cinema 4DのデフォルトレンダリングエンジンであるRedshiftのパワーを利用して、CPUとGPUの能力を計測します。計測結果はマルチコア555、シングルコア94とマルチコアが予想以上に高性能でした。
他のCPUとの比較です。
マルチコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Ryzen 7 8845HS | |
Apple M1 Max | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 5 125U/本機 | |
Core Ultra 7 258V | |
Apple M1 | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125U/別機種 | |
Core i7-1280P |
シングルコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 7 258V | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Apple M1 Max | |
Apple M1 | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Ryzen 3 8300GE | |
Ryzen 7 8845HS | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 5 125U/本機 | |
Core Ultra 5 125U/別機種 | |
Core i7-1280P |
こちらはPCMark10の計測結果で、Essentialは「通常用途(Web検索やビデオ会議、アプリの起動など)の性能」、Productivityは「Microsoft Office(事務系のアプリ)使用時の性能」、Digital Content Creationは「コンテンツ作成(画像・動画編集など)のしやすさ」を表しています。
総合性能の目安は以下になります。
・9000以上・・・超ハイスペック(主にグラボ搭載機種)
・7500以上・・・ハイスペック
・5000以上・・・ミドルクラス
・2500以下・・・エントリ―クラス
本機種のスコアです。
- 総合性能は5927→ミドルクラス
- Essentialは9473→通常用途やビデオ会議などは快適にでできる
- Productivityは8315→快適に使える
- Digital content creationは7173→高めの性能
Essential
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 5 125U/別機種 | |
Core Ultra 5 125H | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Core Ultra 5 125U/本機 | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 3 5425U | |
Ryzen 3 7335U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Ryzen 5 5500U |
Productivity
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125U/本機 | |
Ryzen 3 5425U | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 5 125U/別機種 | |
Ryzen 3 7335U | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Core i5-1235U |
Digital Content Creation
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 5 125U/本機 | |
Ryzen 7 7735U | |
Core Ultra 5 125U/別機種 | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 3 7335U | |
Core i5-1235U | |
Ryzen 3 5425U |
5分の4K動画を撮影し、Davinci Resolveでレンダリングにかかった時間です。当然ですが、時間が短いほうが高性能です。3回計測し、平均は4分54秒でした。悪くない速度ですね。
4K動画レンダリング速度
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1260P | |
---|---|
Core Ultra 5 125U/本機 | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 5 125U/別機種 | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen AI 9 HX 370 |
500万画素WEBカメラ
<画像右はプライバシーシャッターを閉じた状態>
Webカメラは超高画質の500万画素で、内蔵Webカメラとしては最高峰の品質です。一般的なPCにはHD解像度(約92万画素)、ビジネスPCにはFHD解像度(約200万画素)が搭載していますが、本機は倍以上の500万画素です。
Web会議やビデオ通話はもちろん、オンラインレッスンの講師など仕事で使う人にも使えます。
ズームするとよりわかりやすいですが、500万画素はきれいに映りますね。Web会議などで自分の印象がアップすると思います。
また、カメラ拡張機能で、オートフレームやマルチカメラで2つの映像を表示など「あったらいいな」という機能が付いているので、より快適に使えます。
マイクはノイズキャンセリング機能付きのデュアルマイクで、スピーカーはデンマークの高級老舗オーディオメーカーのバング&オルフセンで、2つのスピーカーを搭載しています。
後ほど動画に上げますが音質はそこそこ良く、聞きやすいと思います。
また、HP Dynamic Voice Levelingは、PCの3m以内であれば自動的に声がクリアに聞こえるようマイクを調整 するので、歩きながら話す人も、複数人で会議をする場合でも、安心して通話ができます。しかも、PCをデスクに置いて、部屋を歩いていても、カメラが映る範囲であれば、常にフレームの中央に映されます。
顔認証に対応しておりサインインは一瞬、そしてカメラシャッターもあるので、カメラを使わないときは閉じておくと安心です。
NPUを搭載しているのでWindowsスタジオエフェクトが利用でき、Web会議の設定がちょっと楽になります。
その他の特徴
外観
直線的なデザインでちょっと角ばっており、ビジネスPCって感じが漂ってますね。
上のベゼル(画面の黒い枠)は12.5㎜と細くないですが、左右は約6㎜と細めで、太くなりがちな下ベゼルも細めです。
また、サステナビリティを意識した機種で、天板の90%はリサイクルされたマグネシウムを使用し、キートップの50%は廃棄されたDVDを、そして外箱とクッションは100%サステナブル素材を使用しています。
マグネシウムは剛性が高く、毎日の持ち運びも安心です。また、手触りもよく、高級感があります。
光の当たり具合で、ロゴの色が変わって見えますね。
寸法は幅315.6ミリ、奥行き224ミリと14インチではコンパクトな方です。
実測1432g(公称値1417g)で、14インチの平均は1.4キロほどなのでほぼ同じくらいですね。
厚さは19.2ミリと薄くないですが、ゴム足なしの厚さは前部が約9ミリ、後部が16.3ミリとスリムです。
ヒンジ部分にも「ELITEBOOK」ってロゴが入っています。上位モデルは、見えない部分にもこだわりを持って作られていますね。
ここ最近はラウンドエッジが多いですが、こういうシャープな筐体もかっこいいし、マグネシウム筐体で手触りも良いです。
ディスプレイは170度くらいでしょうか?ここまで開きます。
指一本で開くことができるので、片手に資料やドリンクを持っていても簡単にディスプレイを開けることができます。
ディスプレイ
ディスプレイは14インチのWUXGA(1920×1200ドット)と通常の画面アスペクト比の16:9よりも縦に長い16:10で、14インチでも15インチ並みの情報が表示されます。
真ん中が本機の16:10で、左の一般的な14インチ(画面比16:9)と比べると見える量が全然違いますね。また、一番右の15.6インチほどではないですが、それに近い表示量です。
これだけの表示量があれば、持ち運び時でも生産性を落とすことなく作業ができると思います。
左が本機で右はsRGB 100%のディスプレイですが、同じくらいの色彩ですがよりシャープな描写になっていますね。これだけ鮮やかで正確な色を描写できれば、動画や画像編集用にも十分使えますね。
あれ?25万円ほどのクリエイターPCのディスプレイ(右)と比較したのですが、本機は色彩もすごく良くコントラスト比も高いですね。本機は黒もしっかりと描写できています。
SNS用の画像を動画を作る担当者にも合いますね。
最後は視野角のチェックです。正面、横、上から見ても四隅が暗くなったりせずにしっかりと見えます。
キーボード
キーボードはバックライト付きで、キーピッチ(キーの中心から次のキーの中心までの距離)は18.7×18.7㎜で、ほぼフルサイズ。また、キーストローク(キーを押し込む距離)は1.5㎜と悪くないです。
主要キーは大きく使いやすいですがFキー列は小さめ、最下部のキーは細長くカーソルキーはすべて小さいです。
打鍵感はちょっと軽めですが、普通のキーボードで普通にタイピングできます。
キーボード下には指紋センサーがあり、顔認証もあるのでどちらでもサインインできます。2つあると、片方(顔認証)がうまく動作しないときに便利です。
標準的なグラフィックス性能
グラフィック性能が高いとOfficeを使った作業や複数画面での作業、そして画像・動画編集などがしやすくなります。3D Graphics Markのスコアは3443と悪くないですが、Core Ultra 5 125Uとしてはちょっと低いスコアでした。
3D Graphics Mark
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Ryzen 7 8845HS | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 7 7735U | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 5 125U/別機種 | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Core Ultra 5 125U/本機 | |
Core i7-1260P | |
Core i7-1355U | |
Core i5-1335U | |
Core i5-1340P | |
Ryzen 3 7335U |
次はゲームの3DMarkを使い、グラフィック性能を測ります。
Steel Nomad Lightは1457、Wild Lifeは10171、Fire Stikeは4833、そしてNight Raidは19730と、Core Ultra 5 125Uにしてはちょっと低い性能でした。
Steel Nomad Liteは、DirectX 12 Ultimateの性能をテストし、レイトレーシングを使用しない中量級ゲームを想定したベンチマークです。スマホなどの他のデバイスとスコアを比較できる、クロスプラットフォームです
Steel Nomad
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 3050 | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core Ultra 7 258V | |
GTX 1650 Max-Q | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 5 125U/別機種 | |
Core Ultra 5 125U/本機 | |
Ryzen 7 7735U | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
Wild Life
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 3050 Ti | |
---|---|
Core Ultra 7 258V | |
GTX 1650 Ti | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
GTX 1650 Max-Q | |
Ryzen 7 8845HS | |
Core Ultra 5 125U/別機種 | |
Ryzen 5 8640HS | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Core Ultra 5 125U/本機 |
Fire Strike
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 3050 | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core Ultra 7 258V | |
GTX 1650 | |
Core Ultra 5 125H | |
GTX 1650 Max-Q | |
Arc A350M | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 5 125U/本機 | |
Ryzen 7 7735U | |
Core Ultra 5 125U/別機種 | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
Night Raid
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 4050 | |
---|---|
RTX 3050 | |
RTX 3050 Ti | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core Ultra 7 258V | |
GTX 1650 Ti | |
Core Ultra 5 125H | |
GTX 1650 Max-Q | |
Core Ultra 5 125U/本機 | |
Core Ultra 5 125U/別機種 | |
Ryzen 7 7735U | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
次はゲームのベンチマークで、ドラゴンクエスト10は13949で「すごく快適」、FFXIV黄金のレガシーは4852で「普通」でした。2Dグラフィック性能はそこそこ高いです。
ドラクエX FHD画質
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 7 258V | |
---|---|
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core Ultra 5 125U/別機種 | |
Core Ultra 5 125U/本機 | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 3 5345U | |
Ryzen 7 7730U | |
Ryzen 5 7530U | |
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Ryzen 7 7735U | |
Core i7-1355U | |
Core i5-1335U |
FFXIV 標準品質
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 7 258V | |
---|---|
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 5 125U/別機種 | |
Ryzen 7 8845HS | |
Core Ultra 5 125U/本機 | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Ryzen 7 7735U | |
Ryzen 3 7335U |
排熱性能
通気口は小さいですが、下にて紹介しているCPU温度計測を見る限り、しっかりと排熱できているようです。
筐体内部にはファンが一つと、ヒートパイプが一つだけでした。最低限の排熱機構ですが、CPUが省電力モデルなので問題無いようです。
CPUの性能をフルで使うCinebench 2024と言うベンチマークを実行時の、CPUの温度推移図です。最初に363度(摂氏90度)まで上がり、その後353度(80度)近辺を安定して移動しています。
急にクロックが落ちたり温度が異常に上昇したりすることなく、安定しています。
この時のPC表面温度は32.2度でした。低い温度です。
同じく、この時の騒音値は平均28dBと静かです。図書館で高負荷な作業をしても、周りの人は気にならないと思います。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
搭載メモリは最新のDDR5-5600MHzで、メモリスロット2枚の16GB(8GB×2枚)になります。メモリ性能を測るMemory Markの結果は2321と、DDR5にしては遅かったです。
その他のメモリとの比較です。
Memory Mark
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
LPDDR5X平均 | |
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DDR5平均 | |
LPDDR5平均 | |
LPDDR4X-4266MHz平均 | |
本機DDR5 | |
DDR4-3200MHz平均 |
ストレージ
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
搭載ストレージはSSD 256GBで、シーケンシャル速度を計測したら、リード(読み込み速度)は3061MB/秒、ライト(書き込み速度)は1994MB/秒と普段使い用PC並みの速度でした。サクサク使える速度ですが、ビジネスPCにしては速くないです。
起動時間を計測しました。めちゃくちゃ速いわけじゃなかったですが、普通に速いです。
1回目 | 15秒 |
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2回目 | 15秒 |
3回目 | 16秒 |
4回目 | 15秒 |
5回目 | 15秒 |
平均 | 15.2秒 |
Wi-Fi 6Eに対応
対応周波数 | 速度 | |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
インテルWireless-AC 9560 2×2(Wi-Fi 5) | 2.4/5GHz | 1.7Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
次世代通信規格のWi-Fi 6Eに対応しており、現在主流のWi-Fi5より約40%最大通信速度が上がっています。また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
Wi-Fi 6EはWi-Fi 6のExtended(エクステンディット)版で、6GHz帯(高速通信)での通信ができるのですが、執筆時現在の日本では6GHz帯はまだないので使えません。最大で5GHz帯になります。
バッテリー駆動時間
バッテリーは3セル・56Whrと大きく、JEITA 3.0測定で約10.2時間の動画再生時間になります。結構長めの駆動時間なので、外出が多い人に合います。
また、急速充電に対応しており、30分で最大50%の充電が可能です。
インターフェイス
インテ―フェイスは、USB-Aが2つ、Thunderbolt 4が2つあり、HDMIなどもあるので、必要十分だと思います。屋内で使うときはThunderbolt 4対応ドック(アマゾンで1.4万円くらいからあります)を使うと便利です。
右側面はnanoSIMスロット、 ナノセキュリティロックケーブル用スロット、USB 3.2 Gen 1(データ転送速度5Gbps)、オーディオ/マイクコンボジャックです。
左側面はHDMIにUSB 3.2 Gen 1とThunderbolt 4が2つ、そしてThunderbolt 4にはこういった機能・性能があります。
- Power delivery対応、DisplayPort出力機能付き、DC-in機能付き
- 最大データ転送速度40GB/秒が2mのケーブルでも出る(以前は0.8mまで)
- PCIeの転送速度は32GB、ストレージ転送速度は最大3000Mbps
- 4Kディスプレイ2台同時に出力可能
- 8K出力にも対応
ライバル機種
ThinkPad X1 Carbon Gen 12
14インチで、1.09㎏と超計量モデルです。Intel Core Ultraシリーズ1搭載で、メモリやストレージなども最新スペック満載です。キーボードには感圧クリックパッドを選べたり、コミュニケーションバーが搭載したりと、中も外も大きな変化があります。必要な機能は何でもあるんじゃ?というくらい最先端で快適に使えるPCです。また、Evo Editionプラットフォーム認証にも準拠しています。
CPU | Core Ultra 5 125U/135U Core Ultra 7 155U/165U Core Ultra 5 125H Core Ultra 7 155H |
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メモリ | LPDDR5X 最大64GB |
ストレージ | SSD 最大2TB |
グラフィックス | Intel Graphics Intel Arc Graphics |
ディスプレイ(14型) | WUXGA IPS タッチパネルあり 2.8K OLED |
OS | Windows 11 Home/Pro |
無線 | Wi-Fi 6E、LTE/5Gあり |
生体認証 | 顔認証、指紋センサー |
WEBカメラ | 1080p FHD 4K(8MP)+MIPI |
重さ | 1.09㎏~ |
バッテリー(JEITA 3.0) | 最大約12.8時間 |
標準保証 | 1年間 |
価格 | 22.1万円~ |
ThinkBook 13x Gen 4
第14世代搭載のクリエイターPCで、最大でCore Ultra 9+メモリ32GBとハイスペックです。2.8K解像度にsRGB 100%の高色域、顔認証や指紋センサーと快適に使えるスペックです。エッジ トゥ エッジデザインでキーボードが筐体の端から端まで広がっているので、コンパクトな筐体ですが十分なキーピッチがありタイピングがしやすいです。1.17㎏と軽く、バッテリー駆動時間は最大約12.1時間と丸一日使えます
CPU | Core Ultra 5 125H Core Ultra 9 185H |
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メモリ | LPDDR5X 最大32GB |
ストレージ | SSD 最大1TB |
ディスプレイ(13.5型) | 2.8K(2880×1920) IPS液晶 タッチあり |
無線 | Wi-Fi 6E |
その他 | FHD+IRカメラ、指紋センサー、顔認証、Dolby Atmos |
寸法(幅×奥行×高さ) | 292.9 × 205 × 12.9㎜ |
重さ | 1.17㎏ |
バッテリー(JEITA 3.0) | 最大約12.1時間 |
価格 | 15.9万円~ |
まとめ
良い点
・Evo Editionプラットフォーム認証
・マグネシウム合金ボディで、耐久性も高く高級感あり
・NPU搭載CPUでAI処理が速くなる
・画面比が16:10で、14インチでも15インチ並みの情報が表示される
・増設できる
・排熱性能が高い
・メモリが最新のDDR5
・WEBカメラが500万画素と高性能高機能
・生体認証が2つある
・HP Wolf Security搭載可能
・Evo Edition プラットフォーム認証に準拠
残念な点
・体感で気になることはないが、メモリの性能があまり高くない
・14インチなのでイーサネットコネクタがあればなおよかった
総合評価
全体的に性能が高く、一通りのことはビジネス用途でもサクサク快適にできる性能があります。また、マグネシウム合金を使った筐体や、500万画素のWEBカメラやWindowsスタジオエフェクト、生体認証が2つ搭載しているなどワンランク上の性能や機能を持った機種です。
14インチで約1.42キロと標準的な重さで、「軽い!」と言うわけじゃないですが持ち運びも普通にできます。
また、何といっても、HPビジネスの最大の特徴はHP Wolf Securityだと思います。スペック以前の話で、ビジネスPCで一番必要なものはしっかりとPCを保護できるセキュリティなので、本機は、と言うかHPビジネスPCはPC購入時に検討候補の最上位に入ると思います。
Author
・パソコンガイドメインライターの本田。PCやタブレット、その他ガジェットが好きで、年間2~30台ほどのPCとモニターや周辺機器を購入するマニア
・元ミュージシャン
・暖かいところが好きで、よくタイに旅行に行く
・既婚(妻と子供2人)
・最近の趣味はオーディブルを聞きながらぼけ~っとすること
・はまってることは、裸足で1日10分歩く健康法
・若く見られがちだが40代