先日レビューをしたVivobook S 14 OLEDの上位モデルで、ASUS Zenbook S 14(UX5406)のレビューです。
全体的に高い性能でビジネス用途やクリエイティブワークにも使いやすいですが、 CPUが8コア8スレッドなので作業内容やアプリによってはそこまで速度が出ません。
それでも一般的なビジネス用途であれば困ることはほとんどないくらいのスペックになっており、耐久性も高く洗練された筐体です。 14インチで1174gと超軽量で、最大約13.1時間とバッテリー駆動時間も長いので、持ち運び向きのPCになります。
レビュー機はメーカーからお借りしており、スペックはCore Ultra 7 258V、メモリLPDDR5X-8533MHz 32GB、SSD PCIe 4.0 1TBになります。
動画も作成したのでどうぞ。
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Contents
ASUS Zenbook S 14スペック
CPU | Core Ultra 5 226V Core Ultra 7 258V |
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メモリ | LPDDR5X-8533MHz 最大32GB |
ストレージ | SSD 1TB |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス |
ディスプレイ(14型) | 2.8K(2880×1800ドット)OLED HDR 120Hz 500ニト グレア タッチあり |
OS | Windows 11 Home |
無線 | Wi-Fi 7 |
生体認証 | 顔認証 |
WEBカメラ | FHD |
オーディオ | Dolby Atmos、ハーマンカードン |
寸法(幅×奥行×高さ) | 310.3 × 214.7 × 11.9~12.9mm |
重さ | 約1.2㎏ |
バッテリー(JEITA 3.0) | 最大約13.1時間 |
標準保証 | 1年間 |
価格 | 20.9万円~ |
<性能評価>
パソコンの頭脳であるCPUは、最大47 TOPSのNPU性能を持つCore Ultra 7 258Vが搭載です。グラフィック性能はすごく高く、動画編集や画像編集もサクサクできるほどです。
メモリはLPDDR5X-8533MHzのオンボード32GB、ストレージはSSD PCIe 4.0で1TBになります。
ディスプレイは高品質で、14インチ2.8K(2880×1800ドット) ASUS Lumina OLEDディスプレイを採用です。10 bit 10.7億色の色深度に、ΔE<1の色精度、広色域のDCI-P3 100%にHDRにも対応、ピーク輝度は500ニトと明るく、アダプティブリフレッシュレートは120Hz とぬるぬるです。
また、画面アスペクト比が16:10と縦に長いので、14インチでも15インチ並みの情報が表示されます。
OSはWindows Home 11でFHD Webカメラに顔認証対応、ドルビーアトモスのオーディオにハーマンカードン製スピーカーが4基搭載、そして無線は最新のWi-Fi 7になります。
インターフェイスは多くないですが、Thunderbolt 4が2つにUSB-Aも1つ、HDMIにコンボジャックもあります。
14インチで約1.2㎏と軽く、バッテリー駆動時間は約13.1時間と長いです。丸一日外出するような人に合います。
上のリンクから移動できない場合は、こちらをクリック。
Copilot+PCとは?
Copilot+PC(コパイロットプラスピーシー)と言うのは、Microsoftが「Microsoft Build 2024」で発表した新しいカテゴリのPCで、AI技術を活用するための機種と位置付けられています。
主な特徴です。
・NPU搭載
・16GB以上のDDR5/LPDDR5メモリ
・256GB以上のストレージ
・40+TOPS(1秒当たり40兆回の演算)
・終日のバッテリー寿命
・最先端のAIモデルへのアクセス
・RecallでPCで見たものを簡単に検索
・CocreatorでほぼリアルタイムにAI画像の生成及び調整
・Live Captionで40以上の言語の音声を英語に翻訳
・薄型軽量、美しいデバイス
すごく簡単に言うと、AIがいろいろなサポートをしてくれて作業効率が上がる(便利になる)、と考えていたら問題ないです。
こちらにCopilot+PCでできることを紹介しているので、あわせてどうぞ。
ただし、IntelとAMD搭載機種は11月のOSアップデート後にこれらの機能が使えるようになります。
最大47 TOPSのNPU性能を持つIntel Core Ultraシリーズ2搭載
Core Ultra 7 258V | |
製造プロセス | TSMC N3B |
Pコア | 4コア |
Eコア | 4コア |
スレッド | 8スレッド |
キャッシュ | 12MB |
ターボブースト | 4.8GHz |
Pコア最大周波数 | 4.8GHz |
Pコア基本周波数 | 2.2GHz |
Eコア最大周波数 | 3.7GHz |
Xコア | 8コア |
NPU | 47 TOPS |
ベースパワー | 17W |
マックスパワー | 37W |
CPUはPコア(Performance Core)とEコア(Efficient Core)の2つを搭載しており、高負荷な作業はPコアで処理を、低負荷な事はEコアで処理することによって、パワフルでも省電力性を兼ね揃えたCPUになっています。
8コア8スレッドとスレッドが少ないのでマルチコア性能は若干低め、シングルスレッド性能は高いです。
また、Intel Thread Directorというハードコアが、命令をより効率よくPコアとEコアに割り当てて実行できるので、性能が上がり、消費電力も下がります。
もともと最大TDPが17Wと低いので、バッテリー駆動時間は長いですね。また、この低いTDPでも性能は比較的高く、今までのIntel CPU(TDP上げてゴリ押しで性能アップ)とは全然違うコンセプトになっています。
グラフィックはIntel Arcグラフィックス140Vで、Xコアは8個になります。
こちらはCPUの性能を測るCPU Markスコアで、17983とCore Ultra 7 258Vにしてはかなり低い性能でした。低消費電力に加え、本機は11.9㎜とめちゃくちゃ薄いので排熱が追い付かずこうなったのかなと思います。
スコアの目安
- 7000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 10000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 15000~・ハイエンドPCに搭載される
- 18000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Core Ultra 9 185H | |
Ryzen AI 9 365 | |
Ryzen 7 8845H | |
Core Ultra 7 165H | |
Ryzen 7 8840HS | |
Core Ultra 5 135H | |
Core Ultra 7 155H | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Core Ultra 7 258V/別機種 | |
Core Ultra 5 125H | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Core i5-1335U | |
Core Ultra 5 135U | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125U | |
Core 5 120U | |
Core 7 150U | |
Core Ultra 7 165U | |
Core Ultra 7 155U | |
Core i7-1355U | |
Core i3-1315U | |
Core i3-N305 |
Cinebench 2024のスコアで、Cinema 4DのデフォルトレンダリングエンジンであるRedshiftのパワーを利用して、CPUとGPUの能力を計測します。計測結果はマルチコア479と低く、シングルコア121とかなり高い性能でした。
コア数が8個と多くないのでマルチスレッディング性能は低いですね。
他のCPUとの比較です。
マルチコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Ryzen 7 8845HS | |
Apple M1 Max | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 7 258V/別機種 | |
Apple M1 | |
Core Ultra 7 258V | |
Core i7-1280P |
シングルコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 7 258V | |
---|---|
Core Ultra 7 258V/別機種 | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Apple M1 Max | |
Apple M1 | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Ryzen 3 8300GE | |
Ryzen 7 8845HS | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core i7-1280P |
こちらはPCMark10の計測結果で、Essentialは「通常用途(Web検索やビデオ会議、アプリの起動など)の性能」、Productivityは「Microsoft Office(事務系のアプリ)使用時の性能」、Digital Content Creationは「コンテンツ作成(画像・動画編集など)のしやすさ」を表しています。
総合性能の目安は以下になります。
・9000以上・・・超ハイスペック
・7500以上・・・ハイスペック
・5000以上・・・ミドルクラス
・2500以下・・・エントリ―クラス
本機種のスコアです。
- 総合性能は6515→ぎりぎりミドルハイクラス
- Essentialは9442→通常用途やビデオ会議などは快適にでできる
- Productivityは8499→高速に使える
- Digital content creationは9352→かなり高い性能で動画編集などにも向いている
Essential
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 5 125H | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 7 258V/別機種 | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 3 5425U | |
Ryzen 3 7335U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Ryzen 5 5500U | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
Productivity
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 7 258V/別機種 | |
Ryzen 3 5425U | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 3 7335U | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Core i5-1235U |
Digital Content Creation
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Core Ultra 7 258V/別機種 | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 7 7735U | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 3 7335U | |
Core i5-1235U | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Ryzen 3 5425U |
5分の4K動画を撮影し、Davinci Resolveでレンダリングにかかった時間です。当然ですが、時間が短いほうが高性能です。3回計測し、平均は4分12秒でした。同じCPU搭載の別機種で計測したものよりも2分ほど速かったですが、Core Ultra 5 125H並みなので、このCPUであればもっと速いかと思いました。
4K動画レンダリング速度
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1260P | |
---|---|
Core Ultra 7 258V/別機種 | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Ryzen AI 9 HX 370/Vivobook S 16 |
グラボ並みのグラフィックス性能
グラフィック性能が高いとOfficeを使った作業や複数画面での作業、そして画像・動画編集などがしやすくなります。3D Graphics Markのスコアは5430とそこそこ高いスコアでした。
3D Graphics Mark
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Ryzen 7 8845HS | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 7 7735U | |
Core Ultra 7 258V/別機種 | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Core i7-1260P | |
Core i7-1355U | |
Core i5-1335U | |
Core i5-1340P | |
Ryzen 7 PRO 5850U | |
Core i5-1240P | |
Core i5-1235U | |
Ryzen 3 7335U |
次はゲームの3DMarkを使い、グラフィック性能を測ります。
Steel Nomad Lightは3253、Wild Lifeは24841、Fire Stikeは7429、そしてNight Raidは28829と、GTX 1650 Max-Q並みかそれ以上のスコアでした。グラボなしでこんなに高い性能が出るのはすごいですね。
Steel Nomad Liteは、DirectX 12 Ultimateの性能をテストし、レイトレーシングを使用しない中量級ゲームを想定したベンチマークです。スマホなどの他のデバイスとスコアを比較できる、クロスプラットフォームです
Steel Nomad
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 3050 | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core Ultra 7 258V | |
GTX 1650 Max-Q | |
Core Ultra 7 258V/別機種 | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 7 7735U | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
Wild Life
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 3050 Ti | |
---|---|
Core Ultra 7 258V/別機種 | |
Core Ultra 7 258V | |
GTX 1650 Ti | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
GTX 1650 Max-Q | |
Ryzen 7 8845HS | |
Ryzen 5 8640HS | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
Fire Strike
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 3050 | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | |
GTX 1650 | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 7 258V/別機種 | |
Core Ultra 7 258V | |
GTX 1650 Max-Q | |
Arc A350M | |
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 7 7735U | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
Night Raid
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 4050 | |
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RTX 3050 | |
RTX 3050 Ti | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core Ultra 7 258V/別機種 | |
Core Ultra 7 258V | |
GTX 1650 Ti | |
Core Ultra 5 125H | |
GTX 1650 Max-Q | |
Ryzen 7 7735U | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
次はゲームのベンチマークで、ドラゴンクエスト10は15486で「すごく快適」、FFXIV黄金のレガシーは7573で「やや快適」でした。2Dゲームは快適にできるほどの性能です。
ドラクエX FHD画質
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 7 258V/別機種 | |
---|---|
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 3 5345U | |
Ryzen 7 7730U | |
Ryzen 5 7530U | |
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Ryzen 7 7735U | |
Core i7-1355U | |
Core i5-1335U |
FFXIV 標準品質
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 7 258V/別機種 | |
---|---|
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 7 8845HS | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Ryzen 7 7735U | |
Ryzen 3 7335U |
高品質ディスプレイ搭載
本機のディスプレイは特徴が多いので、羅列します。
・2.8K(2880×1800ドット)解像度
・ASUS Lumina OLED
・1,000,000:1のコントラスト比
・DCI-P3 100%
・10 bit 10.7億色の色深度
・ΔE<1の色精度
・PANTONE認証
・最大輝度500ニト
・HDR True Black 500
・最大120Hzのリフレッシュレート
・0.2msのディスプレイ応答時間
・省電力(ASUS OLED Care)
・ASUS Splendid
・約70%のブルーライト軽減
・Corning Gorilla Glass NBTのタッチパネルあり
ASUSのディスプレイは最高峰スペックがてんこ盛りですね。
2.8Kと高精細で細かな部分もしっかりと描写され、ASUS Lumina OLEDは本物の黒を描写できるし、コントラスト比は百万対1ですっきりとくっきりな描写ができます。
左は本機で、右は標準よりもちょっと良いディスプレイで、IPS液晶にsRGB 100%の色域があります。本機は色域も広く、10bit 10.7億色の発色が可能なのですごくきれいですね。
また、本機は1,000,000:1のコントラスト比なので、ASUSの方がよりシャープな描写です。
ΔE<1(Delta E測定で1以下)なので、現実のものと色差は肉眼ではわからないくらいになり、現実にあるものと本機のディスプレイに映し出されたものは、ほぼ同じ色彩であるということです。
右の機種は筆者のメインPC(2.8K IPS ΔE<1 DCI-P3 100%)で比較してみますが、本機の方が色彩が豊かで、右端の煙の量が全然違いますね。
すごく良いディスプレイだと思います。
画面アスペクト比が16:10と縦に長いので、一般的な16:9の14インチよりも大きの情報が一目で見て取れます。
最後に視野角のチェックです。どこから見ても薄暗くなる部分もなく見やすいです。
多機能タッチパッド付きキーボード
ASUS ErgoSenseを採用したキーボードはバックライト付きの84キーで、Copilotキーもあります。主要キーは大きいのでミスもしにくいですが、Fキーとカーソルキーはすごく小さいので、慣れるまでミスをしやすいかもしれません。
キーピッチ(キーの中心部から隣のキーの中心までの距離)はフルサイズ19.05㎜と十分な距離があり、手が大きな人にも使いやすいです。
キーボード面はCNC加工された冷却ベントを含む斬新な幾何学的グリルデザインにより、冷却効率が向上しているそうです。肉眼じゃ見えないですが、こんな風に凸凹を作って穴をあけて冷却性能を上げているんですね。すごいな。
<バックライトONの状態>
キーストロークは1.1㎜と浅く、打鍵感は低いです。軽めのタイピングで流れるように動く人には合うと思います。公式サイトによるとキーキャップは0.1㎜とかなり薄く、キートップが若干湾曲しているのでタイピングがしやすいように作られています。
ASUS ErgoSenseキーボードはシザーキー機構を採用し、ノイズと共振を最小限に抑えているので、静かだし疲れにくいです。
このタッチパッドはスワイプして、輝度の調整、音量調節、ビデオの再生巻き戻し、ScreenXpert Control Center コントロールセンターへアクセスができます。
これ便利なんですね~。わざわざカーソル動かさなくてもここで調節できるので楽ですね。タッチパッドは静音ドームスイッチシートを使用してノイズを軽減し、0.23㎜のクリックの深さがあります。
また、79.5㎜×127.5㎜のと大きなタッチパッドなので、操作がしやすいです。
Wi-Fi 7対応
対応周波数 | 速度 | |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11be (Wi-Fi 7) |
2.4/5/6GHz | 46Gbps |
次世代通信規格のWi-Fi 7に対応しており、現在主流のWi-Fi 6の約5倍、低価格モデルのPCに採用されるWi-Fi 5の約13倍の最大通信速度があります。また、理論上16本のストリームになり、今まで以上に多くのデバイス(理論上2倍)を接続して快適に使えます。
6GHzで最大320MHzのチャンネル幅があり、Wi-Fi 6E(最大160MHz)の2倍の帯域幅になります。
ただし、ルーターもWi-Fi 7に対応していないといけないし、契約回線も速くないとその恩恵はあまり受けられません。
その他の特徴
外観
上7.5㎜、左右4㎜とベゼル(画面の黒い枠)がすごく細く、幅310.3㎜、奥行き214.7㎜と、コンパクトです。
最薄部11ミリとかなり薄い筐体です。
タブレットと厚さを比べても、一番薄い部分はそんなに変わりません。
14インチで実測1174gと軽量で、持ち運びがすごく楽です。
<スマイアグレー(スカンジナビアンホワイトもあり)>
セラルミナムと言うセラミック素材をアルミニウム素材にくっつけた不思議な素材で、なんとASUSは4年かけてこの素材を作り出したみたいです。高強度で耐摩擦、高耐久性で、暖かみのある手触りです。
もちろんMIL-STD-810Hにも準拠しているので、安心してどこにでも連れていくことができます。
ディスプレイはここまで開きます。
エッジが効いたような筐体ですが、丸みもあります。
排熱性能
TDPも低いので、底面の通気口は幅広いですが大きくないです。また、メッシュ状になっており、ごみも入りにくいと思います。
大きさが違うファンが2つあり、2層グラファイトシートが2つ、ベイパーチャンバーもあり排熱性能は良さそうです。また、メモリはチップ統合型なので、基盤が小さいですね。バッテリーがすごく大きく見えます。
こんな薄い筐体に、よくこんなに詰め込めましたね。
CPUの性能をフルで使うCinebench 2024と言うベンチマークを実行時の、CPUの温度推移図です。Cinebenchをスタートしたらすぐに363度(摂氏90度)ほどに上がり、その後は343度(70度)近辺を安定して推移しています。
Cinebench 2024のマルチコア性能が結構低かったのですが、サーマルスロットリングを起こしていたのかもしれません。それにしても、その後は70度程と比較的高い温度で推移しているので不思議ですね。
この時のPC表面温度は41.3度とほんのり温かいくらいで、騒音値は平均で30dBで静かでした。これだと、図書館などの静かなところでも、気兼ねなく高負荷な作業ができます。
Webカメラ&オーディオ/スピーカー
Webカメラは高画質のFHD解像度で顔認証に対応、ただし、めずらしくプライバシーシャッターはありません。
左の画像は本機で撮影、右は他のWEBカメラで撮影したFHD解像度の写真です。品質は普通だと思います。
また、2024年11月以降のOSアップデート後はWindowsスタジオエフェクトも使えるようになるので、よりWeb会議がしやすくなると思います。AI搭載のカメラなので、自動画面調光機能だったり、離席すると画面ロックや帰ってくるとロック解除などを自動でやってくれます。
オーディオはDolby Atmosで一般的なオーディオの様な平面的じゃなく、立体的な音を体感できます。
1Wと0.8Wスピーカーが2つずつ搭載しており、音質は悪くないですが特別良いものでもありません。普通よりちょっと上です。
ただし、スピーカーを4つ搭載して1.2㎏に抑えたのはすごいと思います。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
搭載メモリはLPDDR5X-8533MHzの32GBで、先述したようにメモリはチップに統合されているので速度は速いです。Memory Markで性能を計測したら3383と良いスコアでした。
その他のメモリとの比較です。
Memory Mark
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
本機種 | |
---|---|
LPDDR5X平均 | |
DDR5平均 | |
LPDDR5平均 | |
LPDDR4X-4266MHz平均 | |
DDR4-3200MHz平均 |
ストレージ
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
搭載ストレージはSSD PCIe 4.0 1TBで、シーケンシャル速度を計測したら、リード(読み込み速度)は5015MB/秒、ライト(書き込み速度)は3498MB/秒と速いですが、もうちょっと速いかと思っていました。
こちらはシーケンシャル速度の、おおよその速度です。
シーケンシャル速度
オレンジ色・・・リード 青・・・ライト
本機種 | |
---|---|
PCIe 4.0×4 | |
PCIe 3.0×4 | |
HDD |
起動時間を計測しました。めちゃくちゃ速いわけじゃなかったですが、普通に速いです。
1回目 | 13秒 |
---|---|
2回目 | 12秒 |
3回目 | 11秒 |
4回目 | 11秒 |
5回目 | 12秒 |
平均 | 11.8秒 |
バッテリー駆動時間
バッテリーは大きな78Whで、動画再生時は最大約13.1時間とロングランです。また、急速充電に対応しており、約49分で60%の充電ができます。
インターフェイス
インターフェイス少ないですが、Thunderbolt 4が2つもあるので、屋内で使う人はドックがあると便利です。
右側面にはUSB 3.2 Gen 2(データ転送速度10Gbps)が1つです。
左側面はHDMI、Thunderbolt 4(データ転送速度40Gbps/Power delivery対応、DisplayPort出力機能付き)が2つ、そしてオーディオコンボジャックになります。
ライバル機種
同じくAI PCからいくつかライバル機種をピックアップしました。
Yoga Slim 7i Aura Edition Gen 9
Copilot+PC
最先端のAIソフトを詰め込んだ様な機種で、NPUは最大47TOPSとかなりハイスペックです。画面比が16:10の15.3インチで1.53㎏と軽く、バッテリー駆動時間は最大13.7時間と長時間作業ができます。筐体もコンパクトで薄い、そしてパワフルの機種です。ディスプレイはIPS液晶ですがPureSight Proディスプレイを採用しており、OLEDディスプレイとあまりそん色ないほど高品質です
CPU | Core Ultra 7 258V |
---|---|
メモリ | LPDDR5X 32GB |
ストレージ | SSD 最大1TB |
ディスプレイ(15.3型) | 2.8K IPS |
OS | Windows 11 Home |
無線 | Wi-Fi 7 |
生体認証 | 顔認証 |
WEBカメラ | FHD |
重さ | 約1.53㎏ |
バッテリー | 最大約13.7時間 |
価格 | 24.9万円~ |
OmniBook Ultra 14-fd
今話題のAI PCで、Arm版のSnapdragonじゃなくAMD Ryzenが搭載になります。これ、待ってる人多かったんじゃないでしょうか?仕事で使うのにOSがArm版だと使いにくいですしね。メモリは最大32GBと大容量で、なんと900万画素のWebカメラです!!4K解像度が約829万画素なので、900万画素って4K以上ですね。また、最新のWi-Fi 7にも対応しています
CPU | Ryzen AI 9 365 Ryzen AI 9 HX 375 |
---|---|
メモリ | LPDDR5x 32GB |
ストレージ | SSD 1TB |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス |
ディスプレイ(14型) | 2.2K IPS タッチ |
無線 | Wi-Fi 7 |
カメラ | 900万画素+IRカメラ |
生体認証 | 顔認証 |
寸法(幅×奥行×高さ) | 315 × 227 × 16.4㎜ |
重さ | 1.57㎏ |
バッテリー | 21時間 |
価格 | 18.9万円~ |
ASUS Vivobook S 14 OLED
超高性能CPUが搭載でスペックはかなり高め、そしてZenbookよりも低価格です。Wi-Fi 6Eで重さが1.3キロ、そしてバッテリー駆動時間が若干短くなっていますが、あまり持ち運びしないという人はこちらも検討候補に入ります(とは言っても14インチで1.3キロは軽い方です)。
CPU | Ryzen AI 9 HX 370 |
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メモリ | LPDDR5X-7500MHz 32GB |
ストレージ | SSD 1TB |
ディスプレイ(14型) | 2.8K(2880×1800ドット)OLED HDR 120Hz 600ニト グレア |
無線 | Wi-Fi 6E |
重さ | 約1.3㎏ |
バッテリー(JEITA 3.0) | 最大約8.9時間 |
価格 | 20.9万円~ |
まとめ
良い点
・超軽量極薄で持ち運びがしやすい
・セラルミナム素材で高級感や耐久性が高い
・iGPU性能がめちゃくちゃ高い
・シングルコア性能が高い
・画面比が16:10で、14インチでも一般的な15インチ並みの情報が表示される
・ディスプレイが超高品質
・Webカメラの品質がちょっと良かった
・Wi-Fi 7対応
・高機能タッチパッド
・メモリが高速
・バッテリー駆動時間が長い
・Thunderbolt 4が2つ
残念な点
・CPUのコア数が少ないので、アプリや作業内容によっては価格並みの性能が出ない(例えば今回のレビューで紹介した動画の書き出し時間はCore Ultra 5 125HやRyzen 5 8640HS並み)
総合評価
14インチで1.2㎏と軽量で、バッテリー駆動時間が最大約13.1時間と長いので持ち運びに向いていますね。また、開発に4年かかったセラルミナム素材を採用し、MIL-STD-810Hに準拠した機種で、満員電車などでの圧迫や移動が多くてPCバッグをぶつけてしまうことが多いような人にも使いやすいと思います。
総合的な性能自体は高めですが、8コア8スレッドのCPUなので作業によっては価格並みの速度が期待できません。
それでも動画編集や画像編集はサクサクできるので、一般的なビジネス用途には十分以上な性能かと思います。またディスプレイが超高品質なので、クリエイティブワークもしやすいです。
重量の関係上スピーカーを大きくできなかったと思いますが、ハーマンカードン製スピーカーが4つも搭載して1.2㎏の筐体を実現できたのはすごいですね。そこまで厚みのある音じゃないですが、音質は良いので音楽も聴きやすいです。
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Author
・パソコンガイドメインライターの本田。PCやタブレット、その他ガジェットが好きで、年間2~30台ほどのPCとモニターや周辺機器を購入するマニア
・元ミュージシャン
・暖かいところが好きで、よくタイに旅行に行く
・既婚(妻と子供2人)
・最近の趣味はオーディブルを聞きながらぼけ~っとすること
・はまってることは、裸足で1日10分歩く健康法
・若く見られがちだが40代