後継機種のZBook FireFly 15 G8が販売開始しました!
小型軽量ワークステーションで、2D・3DCADや動画編集などを行うクリエイター向けの機種です。
グラフィックスにはゲーミングPCで使用されるGeForce(3Dゲーム/DirectXに最適化)ではなく、より専門的なNVIDIA Quadro(CADなどの専門的な高度な技術計算/OpenGLに最適化)が搭載です。
15.6型のワークステーションとしてはかなり軽く、小型になります。今まではワークステーションと言えば「大きい・重い」が当たり前でしたが、ここ最近の機種は小型軽量になってきていますね。
というのも、本機種はスペック的には「2DCADメインで簡単な3DCAD」、「持ち運び用」、「学生などの勉強中の人」向けの機種で、メインに使うには力不足なので、そこまで大きくないし軽いんです。
こちらの割引クーポンもどうぞ。[広告]【提供:株式会社日本HP】 ・12/9まで最大50%オフのBlack Friday第2弾はこちらをどうぞ ・金土日月開催の週末セールはこちらをどうぞ。
Contents
HP ZBook Firefly 15 G7のレビュー
CPU | Intel core i7-10510U Intel core i7-10610U/10810U(vPro対応) |
---|---|
メモリ | 最大64GB |
ストレージ | SSD 最大2TB |
グラフィックス | Quadro P520 |
ディスプレイ(15型) | FHD IPS 非光沢 400nit sRGB 100% FHD IPS 非光沢 250nit タッチディスプレイ UHD IPS 非光沢 400nit sRGB 100% |
セキュリティ | TPM、HP Endpoint security Controller、HP Sure sense、HP BIOSphere、HP Sure Clickなど |
生体認証 | 指紋センサー、顔認証 |
WiFi6 | 対応 |
LTE | 搭載モデルあり |
NFC | あり |
重さ | 1.76㎏ |
寸法 | 359.5×233.6×19.2㎜ |
バッテリー | 最大14時間(MobileMark14で計測) |
保証 | 3年間(オンサイト) |
価格 | 税込)20万6800円~ |
スペックのわりにかなり高いですね。正直言ってワークステーションとしてのスペックはローエンドで、主に外出用を念頭に置いた構成になっています。
外出先で軽く作業をする人や、学生であればそこまで複雑な3DCADを使わないと思うので、問題なく使える機種です。
ローエンドモデルと言いましたが、価格はそれなりになっています。というのも、セキュリティが豊富で、米軍の物資調達規格に準拠した堅牢性があり、標準保証で3年間オンサイト保証(出張修理してくれる)、HP独自のZCentral Remote Boostがあるからだと思います。
ワークステーションは基本的にセキュリティも一般のPCに比べ堅牢ですが、本機種のセキュリティはかなりすごいですよ。
セキュリティとサポートに重点を置いた持ち運び用機種をお探しなら、本機種は合うと思います。
ZCentral Remote Boost
ZCentral Remote BoostとはHPのワークステーションをセンダー(Sender)として設定でき、例えば自宅にある性能が低いPCからでもセンダーに接続でき、パワフルなワークステーション(センダー)で作業をすることが出来ます。
また、本性能はデータなどを転送するわけじゃなく、画面のピクセルを転送しているので、例えば今作業しているCADの設計データなどはセンダーであるワークステーションにあるままで、リモート操作しているパソコンにはデータがないので、情報漏洩の心配もありません。
当然複数人でアクセスできるので、共同作業も可能です。
詳細は公式ページをどうぞ。
HP ZBook Firefly 15 G7の特徴
外観からはワークステーションとは思えないほど、おしゃれで普段使い用のパソコンに見えますね。
寸法も幅359.5㎜、奥行き233.6㎜、厚さ19.2㎜となっており、幅と奥行きは標準的な15型パソコンのサイズです。
厚さ19.2㎜は若干大きいですが、ワークステーションとしてみると小さい方かなと思います。1円玉の直径が20㎜なので、同じくらいのサイズになります。
重さは1.76㎏と15型にしては若干軽い方です。
天板の「Zマーク」がちょっとゲーミングPCみたいですが、全体的におしゃれで、男女問わず合うと思います。
本機種はMIL規格(米軍の物資調達規格)に準拠しており、落下テストや衝撃、振動、粉塵テストなど14項目にクリアした品質があり、堅牢性が高い機種です。
また、本機種はアルミの塊から削り出したアルミ一体形成なので、各パーツをネジ留めしたわけじゃなく一体型なので耐久性も高くなっています。
バッテリー駆動時間はMobileMark14では14時間となっていますが、通常業界ではJEITAの定める基準を使うことが推奨されているので、多くのメーカー(HPもJEITA測定している機種あり)はJEITA測定の結果を記載しています。
Mobilemark14はJEITAに比べ50%ほど割り増しされる傾向が強いので、バッテリー駆動時間は、10時間以下とみていた方がいいです。
保証・サポート
サポートは受付時間が長めの朝8時~夜の9時までで、土日祝日を含む毎日になります。サポート時間がここまで長いのは、すごいですね。
サポートも、ワークステーション専任のエンジニアによるサポートなので、スムーズです。
また、何かあったときは、休日修理付きで翌日訪問修理に対応です!さすがワークステーションですね。わざわざHPにパソコンを送らなくても修理に来てくれるなんて、嬉しいですね。しかも、故障部品は無償で交換してくれます。
標準で3年間保証ですが、5年まで延長することが出来ます。
CPU
Intel core i7-10510U | Intel core i7-10610U | Intel core i7-10810U | |
開発コード | Comet Lake | Comet Lake | Comet Lake |
製造プロセス | 14nm | 14nm | 14nm |
コア/スレッド | 4/8 | 4/8 | 6/12 |
ベースクロック | 1.8GHz | 1.8GHz | 1.1GHz |
ターボブースト時 | 4.9GHz | 4.9GHz | 4.9GHz |
キャッシュ | 8MB | 8MB | 12MB |
TDP | 15W | 15W | 15W |
スコアの目安
- 2000~・ネットサーフィンでもストレスを感じるほど
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ゲーミングPCなど専門的な機種に搭載されることが多い
↓グラフをタップすると数値が表示されます↓
[visualizer id=”13751″ lazy=”no” class=””]CPUはモデリングやレンダリング時に必要な性能で、かなり重要な部分です。本機種搭載のCPUはワークステーションとしてみると、ローエンドです。
Core i7-10810Uであれば6コア12スレッドなので比較的良い性能ですが、性能を表すスコアは9000ちょっとと、大きなデータを扱うには不安ですね。
こちらは、レンダリングを行ってスコアを出すCinebench R20です。上3つが本機種搭載CPUです。
[visualizer id=”13753″ lazy=”no” class=””]比較的まともな性能なのは、Core i7-10810Uだけですね。
2DCADであれば、どのCPUでもそこまでストレスもなく作業できます。最初にも言ったように、持ち運び用と割り切って考えたら問題ない性能です。
グラフィックス
NVIDIA Quadro P520(Mobile) | |
CUDAコア | 384 |
ベースクロック | 1303MHz |
ブーストクロック | 1493MHz |
メモリ帯域 | 48Gbps |
メモリタイプ | GDDR5 |
メモリ容量 | 4GB |
TGP | 18W |
API | Shader Model 5.1、OpenGL 4.5、DirectX 12.1、Open CL 1.2、Vulkan |
ローエンドモデルのグラフィックスですが、メモリが4GBなのである程度の3DCADも使え、 ISV(独立系ソフトウェアベンダー)認証も得ているので、ソフトウェアとの互換性もあります。
大きなデータ・複雑な設計じゃなければそこそこ使えますが、CPUもGPUもローエンドモデルなので軽い作業がメインになりますが、当然SketchUpやRevit、SolidworksにAutodeskと、主要なソフトは問題なく使えます。
ディスプレイ
ディスプレイは3種類あります。
光沢 | 液晶 | 輝度 | 色域 | HDR | |
FHD | 無し | IPS | 400nit | sRGB 100% | ー |
LTEモデル | |||||
FHD | 無し | IPS | 250nit | NTSC 45% | ー |
UHD | 無し | IPS | 400nit | sRGB 100% | ー |
FHD | フル・ハイディフィニション、解像度1920x1080 |
---|---|
UHD | ウルトラ・ハイディフィニション、解像度3840x2160 |
IPS | 視野角が広く、コントラスト比も比較的高く、自然な色合いが描写できる |
光沢なし | 映り込みが軽減された液晶 |
nit | 輝度(明るさ)を表す単位で、通常250前後が標準 |
HDR | ハイ・ダイナミック・レンジの略で、黒つぶれ、白飛びなどが無く、より本来の色を表現できる |
NTSC | 色域の国際規格。NTSC 45%は低い色域だが一般的なノートパソコンはこれが主流 |
sRGB | Web用画像編集にも向いている色域 |
FHDディスプレイは2種類あり、LTEモデルは輝度が250nitと室内で使うにはいいですが、日中の外で使うと暗くて見にくいと思うことがあると思います。400nitは結構明るいので、困ることはないと思います。
UHDディスプレイは高解像度の4K画質でsRGB 100%なので、作成図などをプリントアウトをしない限り問題なく使えます。
本機種でで見ている色と、資料としてプリントアウトした時の色、もしくは通常のワークステーションに搭載されるAdobe RGB 100%のディスプレイで見ると、色が全然違いますよ。
印刷用ならAdobe RGB、動画編集ならDCI-P3、Web用編集ならsRGBと用途に分かれていて、一般的にUHDディスプレイだとAdobe RGB 100%かDCI-P3が主流なんです。
色々なサイトを見て回りましたが、どこもこの色域について触れていないですね。まぁ、正直言うと誰も買わないから言わないんだと思いますが・・・。
例えば、似たようなスペックで価格が安いThinkPad P15sも、UHDディスプレイではAdobe RGB 100%だし、似たような価格で性能が全然上のThinkPad P15は、sRGB 100%, Adobe RGB 100%, DCI-P3 100%と3種類のディスプレイが用意されています。
個人的に練習用、もしくは学校用で使うなら問題がない品質です。
前面カメラには物理カバーがあるので、使用していないときはカメラを隠すことが出来ます。ここ最近はセキュリティを考えても、標準装備になってきていますね。
キーボード
本機種はポイントスティック(トラックポイント)付きのキーボードで、タイピングがしやすいモデルになっています。
キービッチは広めの18.7㎜、キーストロークは若干深めの1.5㎜~1.7㎜になっています。一般的なキーボードはキーストロークが浅いので、カチャカチャと音がして軽いのですが、本機種は程よく深いキーストロークなので打感が良いです。
また、このポイントスティックはカーソルを動かすことが出来るので、手がホームポジションから離れにくいです。
メモリ
メモリはスロット2つ・最大64GBで、DDR4-2666MHzです。最高のメモリではないですが(現在は3200MHzが市販されるパソコンに搭載される最高クラス)、64GBも搭載できるので快適に重たい作業もできます。
メモリスロットは2つあるので増設も可能ですが、保証の兼ね合いもあるのでご注意を。
ストレージ
ストレージはSSDで、M.2 PCIe NVMeと性能が高いです。HDDじゃないので、基本的にすべての動きがサクサクです。
最大2TBまで搭載できるので、PCに多くのデータを保存できます。
LTE
LTEとは、nanoSIMカードを入れて、いわゆるパケット通信でインターネットに接続する機能です。最近は楽天モバイルが安いようですね。
LTEはインテル XMM 7360 LTEAdvanced (GPS機能付き)で、4G回線での接続です。こんなに高い機種なので、5Gが欲しかったですね・・・。
まぁ、4Gでも下り最大450MB/秒と速度が速いので、そこまで影響はないです。
WiFi6
次世代通信規格のWiFi6に対応なので、安定した高速回線での通信が可能です。
最大通信速度は9.6Gbpsとかなり速く、前規格のいわゆるWiFi5(6.9GB/秒)と比べて40%ほど早くなっています。
WiFi6は一度に複数台のデバイスに同時に電波を飛ばせるので、込み合った回線でも安定して使えるんですね。
NFC
NFCは近距離無線通信規格の一つで、NFC機能があるデバイス同士を近づけるとデータ移動などが出来ます。
例えば、スマホで見ているページをパソコンで見たいときに、スマホをパソコンに近づけると、パソコンでも同じページが表示される仕組みです。
セキュリティ
HPのワークステーションはこれだけの独自セキュリティがあるので価格も高いですが、安心・安全度も高いです。
- HP Endpoint Security Controller・・・BIOSに改ざんがないかどうか知らべる機能
- HP Sure Sense・・・ディープラーニングを活用したリアルタイム検知機能があり、悪意のあるファイルを検出し、マルウェア、ゼロディ攻撃、ランサムウェアなどからPCを守るセキュリティ機能
- HP BIOSphere・・・ウイルスやマルウェアによる不正なBIOSの書き換えや、破損からシステムを保護
- HP Sure Click・・・Web閲覧のセキュリティ強化で、タブを閉じるだけでマルウェアが消滅する
- HP Sure Run・・・OSの重要な機能や設定を構成時の状態に維持し、万が一設定が無効になった場合は再起動し、安全な状態に戻す
- HP Sure Recover・・・OSがウイルス感染しても自動的にリカバリーする
- HP Sure Start・・・自動復旧機能で攻撃を受けても自動でリカバリーする
- HP Secure Erase・・・BIOSの中のSecure Eraseを使って内蔵ドライブのデータを完全に削除することが出来る
- ナノセキュリティロックケーブルスロット・・・盗難や持ち運び防止用のセキュリティワイヤーを使うスロット
- TPM・・・独立して機能するチップで、パスワードなどの重要情報を格納できる
- Windows Defender・・・Windows搭載のセキュリティ機能で、マルウェアなどのウイルスからパソコンを守ってくれる
インターフェイス
- ナノセキュリティスロット
- USB 3.1 Type-A
- マイク入力/ヘッドフォン出力コンボポート
- スマートカードリーダー
- nanoSIMスロット(LTE搭載モデルのみ)
- USB-C (Thunderbolt)× 2
- HDMI
- USB 3.1 Type-A
- 電源ポート
インターフェイスはUSB Type-AとCが2つづつ、HDMIにThunderboltにも対応しているので、十分なポートがあります。RJ45(有線LAN接続ポート)がないので、LANケーブルを使う場合は、Thunderbolt対応のドッキングステーションなどを使って接続します。
まとめ
何度か前述しましたが、基本的に2DCADをメイン、学生の練習用、持ち運びをするための2台目、客先で図面を見せる用という位置づけでの購入になると思います。
メインの機種にするには力不足、印刷するための編集だと色域が若干足りないので、思い通りの色にすることが難しいです。
ただし、セキュリティやサポートは高品質なので、企業として購入する場合はポイントが高いと思います。