HP Spectre x360には13型と15型があるのですが、性能的な違いはグラフィックボードがあるかないかになります。
13型はCPU内蔵グラフィックスで、本機種15型はNVIDIA GeForce GTX 1650 Ti Max-Q搭載なので、動画編集もするクリエイター向けです。
グラフィックボードが必要ないビデオエディターやPowerDirector、AviUtlしか使わない場合は13型(12万円~)でも良いかもしれません。
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Contents
HP Spectre x360 15のレビュー
CPU | Intel core i7-10750H |
---|---|
メモリ | 16GB |
ストレージ | SSD 最大1TB(Optaneメモリー32GB) |
グラフィックス | NVIDIA GeForce GTX 1650 Ti Max-Q |
ディスプレイ(15.6型) | 4K UHD IPS タッチディスプレイ 4K UHD OLED タッチディスプレイ |
OS | Windows 10 Pro |
セキュリティ | パワーオンパスワード、TPM、Windows Defenderなど |
バッテリー | IPS)15時間 OLED)8.5時間 |
カラー | アッシュブラック |
生体認証 | 顔認証、指紋センサー |
WiFi6 | 対応 |
重さ | 1.92㎏~ |
寸法 | 359x226x19㎜ |
サポート | 1年間電話サポート・LINEやツイッターでのサポート |
保証 | 1年間 |
付属 | HP MPP デジタルペン |
価格 | 税込)16万2800円~ |
CPUはゲーミングPCなど特殊なタスクをこなす時に使われることが多い、IntelのH(ハイパフォーマンス)シリーズになっています。これ、すっごく性能がいいんですよね。
一般的に「そこそこハイスペックモデル」であるCore i5-10210Uと比べても、倍くらいの性能があります。
メモリも大容量の16GBなので、重いデータやソフトでも使いやすいですね。ストレージも大容量の1TBまで搭載できるので、外付けHDDの持ち運びも少ないと思います。
3Dグラフィックスの処理をするグラフィックボードはNVIDIA GeForce GTX 1650Ti Max-Qで、動画編集も出来るパワフルなものですが、消費電力が低く発熱が少ないMax-Qデザインなので、安心して使えますね。
また、ディスプレイはUHD(4K画質)なので色域も広く、コントラストも高く、HDR400なので実際に自分の目で見た色に近い色が描写されます。
画面サイズは15.6型と大きいので、作業もしやすいですね。
画像編集・動画編集をする人向けのパソコンになります。ちなみに3DゲームやDTMなどにもおすすめです。(この機種買う人はゲームしないと思いますが、そのくらい性能が高いと言う意味です(笑)
HP Spectre x360 15の特徴
本機種・Spectre x360 15は2 in 1 PCで、画面を360度開くことが出来ます。このメリットは、どこでも使えるという事なんですね。
例えば、ベッドに寝転がって使う時はテントモード、車内などの移動中に使うならタブレットモード、がっつりデスクに向かって仕事をするならデスクトップモードと、状況によってベストな形で使うことが出来ます。
HP MPP デジタルペンという高性能のペンが付属しているので、絵を描いたりも出来ます。
画像を見て気付かれるかもしれませんが、ベゼル(画面の黒い枠)がかなり狭いんですね。上部のベゼルは3.4㎜、下部のベゼルは10.87㎜となっており、画面比率が90%なんです!
13型くらいだったら画面比率90%のものもいくつかあるのですが、15.6型と大きめのサイズで90%と言うのはほとんど見ません。(私は数百台のパソコンをレビューしていますが、初めて見ました)
また本体もコンパクトになっており、幅359㎜、奥行き226㎜、そして厚さは19㎜となっています。大学ノートA4サイズ(297×210㎜)と比較しても、幅+6.2㎝、奥行き+1.6㎝と小さいです。
厚さ19㎜は1円玉(直径20㎜)と同じくらいのサイズなので、カバンに入れてもかさばらないですね。
バッテリーはIPS液晶を選んだ場合は15時間、OLEDを選んだ場合は8.5時間になります。充電アダプターの持ち運びも、あまりいらないんじゃないかと思います。
本体の角部分にThunderbolt3対応のUSB Type-Cがあり、Display Portに接続できます。配線が視界に入って来ないし、自然な角度で接続できるので配線も壊れにくいですね。
ちなみに電源は左側面の奥の角にあるので、最初は探してしまうかもしれません。
付属のデジタルペン
付属のデジタルペンはHP MPP デジタルペンで、Microsoft Pen プロトコル2.0になります。
4096段階の筆圧対応、傾き検知機能有りなので、メモ取りはもちろん、ある程度本格的に絵を描く事も出来ます。
バッテリーは長く、使い方にもよりますが一度充電すれば30日ほど持ちます。充電ケーブル付きなので、万が一バッテリーが切れそうなときは充電しながら使う事も出来ます。
CPU
CPUはパソコンの頭脳で、一番重要なパーツの一つになります。今回搭載のCPUはIntel最新10世代のHシリーズという「ハイパフォーマンス」モデルなので、かなり高性能になっています。
スコアの目安
- 2000~・ネットサーフィンでもストレスを感じるほど
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
他のCore i7シリーズと比べても、飛び抜けて性能が高いんですね。普通はスコア6000オーバーであれば困ることが無いくらいの性能ですが、本機種搭載のCPUは倍の12903となっています。
また、並行作業のやりやすさの目安であるコアとスレッドは、6コア12スレッドのモンスタークラスです。編集時のプレビューも快適に使えるし、エンコードも速くなるし、単純に編集ソフトが使いやすいです。
こちらはCinebench R20 マルチコア、R15 マルチコア、x264エンコーディングのスコアです。
[visualizer id=”11843″ lazy=”no” class=””]他の一般的なCPUと比べても、全てにおいて性能が高いですね。
グラフィックス
グラフィックスは、NVIDIA GeForce GTX 1650Ti Max-Q GDDR6が搭載です。
[visualizer id=”11850″ lazy=”no” class=””]デスクトップで使われるグラフィックボードよりも性能は劣りますが、十分に動画編集が出来るレベルののスコアですね。
また、Max-Qデザインというのは省電力で発熱を抑えたモデルになるので、システム温度が上昇して急にクロック数が激落ちするという事もないと思います。
パソコンで一番重要な、「発熱をいかに抑えるか」を考えられた機種ですね。
動画編集/画像編集
多くのプロ・アマが使う、アドビのソフトで見てみましょう。(横にスクロールできます)
Adobe Premiere Pro | Adobe Premiere Elements2020 | Photoshop | Lightroom Classic | |
CPU | Intel第6世代以降 | 2GHz以上のプロセッサー 4Kの場合はCore i7-7700以上 |
2GHz以上 | Intel/AMDのCPUで2GHz以上 |
RAM | 8GB以上(4Kメディアは32GB) | 4kの場合は16GB | 2GB以上/8GB以上推奨 | 4GB以上/12GB以上推奨 |
OS | Windows 10(64bit) | Windows 10(64bit) | Windows 7SP Windows10 |
Windows 7SP Windows10 |
GPU | Geforce GTX970以上 | ー | NVIDIA Geforce GTX1050以上 | 1GB以上のVRAM |
ストレージ | SSD推奨 | 6.8GB以上の空き | 記載なし | 2GB以上の空き |
解像度 | 1920x1080 | ー | 1280x800以上 | 1024x768以上 |
Adobe Premiere Proを使うにはGPU(グラフィックス)性能が若干足りないので動きが悪いですが、まぁ、使えることは使えます。(GTX 970のスコア11954、本機種GPUは8053)
もう一つのElementsはばっちり使えるし、PhotoshopやLightroomも全然問題なく使えるので、その他のソフトも全般的に使えると思います。
ゲームのベンチマークスコア
Spectre x360 15をゲームの為に買うと思いませんが、ゲームをする人もいると思うし、性能の目安になるのでご紹介します。
グラフの単位はfps(1秒間に何コマ画面が更新されるか)で、60以上が快適にできる目安です。(グラフをタップすると数値が表示されます)
[visualizer id=”11854″ lazy=”no” class=””]フォートナイトやエーぺックスなどの比較的軽いものはプレイできますが、重たいゲームは低画質でのプレイになります。
ディスプレイ
ディスプレイはさすがにクリエイターモデルなので、4K UHDのタッチパネルになります。
- UHD IPS タッチディスプレイ 400nit アンチリフレクト HDR400
- UHD OLED タッチディスプレイ 400nit アンチリフレクト HDR400
IPS液晶とOLED液晶の2種類あるのですが、違いをざっくりと言うとこの様になります。
IPS液晶 | OLED液晶 | |
応答速度 | 遅い | 速い |
視野角 | 広い | 広い |
色彩 | 高い | かなり高い |
コントラスト比 | 高い | かなり高い |
バッテリー時間 | 長い | 短い |
本機種のバッテリー | 最大15時間 | 最大8.5時間 |
本機種の価格 | 22万7800円 | 24万9800円 |
400nitとは輝度(明るさ)を表す数値で、さすが4Kなので高めになっています。通常300nit前後あれば、晴れた日の屋外でも使えるくらい明るいです。
本機種で言えば価格差は2.2万円なので許容範囲ですが、バッテリー時間がかなり変わるので外出が多い人は要注意です。
OLEDを選んだ場合は、動画編集のDCI P3とsRGB色域のカバー率は100%になります。また、編集内容によってsRGB(ウェブ)、Adobe RGB(画像編集)、DCI-P3(動画)とモードを変えることが出来るので、編集もやりやすいですね。
また本機種のディスプレイはアンチリフレクトで、ARコーティングがしてあります。これは、光沢ディスプレイと非光沢ディスプレイの中間のようなものです。
光沢あり | 光沢なし |
メモリ
メモリはオンボードで、16GB、DDR4 2933MHzと性能が高いものが使用されています。
2400MHzや2666MHzが多い中、2933MHzは表示速度も速いですね。
ストレージ
ストレージはSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)で、512GB、1TBになります。
本機種搭載のSSDは、HDD(ハードディスクドライブ)よりもデータ転送速度の理論値が数十倍速いので、パソコンの起動も速く、高速表示も可能です。
ちなみにOptaneメモリー 32GB搭載なので、頻繁に使うデータ(アプリやソフト、ウェブサイトなど)は瞬即で表示されます。(ちょっと言いすぎかも(笑)
というのも、オプタンメモリーとは「頻繁に使うデータをキャッシュ(記憶)する」ので、毎回新しいデータを探して読み込むという作業が無くなるんですね。
通常パソコンは、例えばPhotoshopを使う時にアイコンをクリックすると、クリック→ストレージに行く→探す→見つける→表示するという作業をするのですが、オプタンメモリーにキャッシュされたものは、クリック→表示という流れになります。(簡素化してますよ)
人間も同じで、覚えている(記憶している)事は何も調べずに話すことが出来ますが、記憶していないと調べないといけないですよね?コレと同じ仕組みです。
セキュリティ
- Windows Defender・・・Windows搭載のセキュリティでウイルス対策機能がある
- TPM・・・独立して機能するチップで、パスワードなどの重要情報を格納
- パワーオンパスワード・・・電源を入れた時に入れるログインパスワード
- アドミニストレーターパスワード・・・管理者以外はソフトウェアなどをダウンロードする時に、管理者の認証・パスワードが必要にできる。子供が有害なものをダウンロードしないように等の時に使います
- マカフィーリブセーフ・・・30日試用版が搭載、購入ページで延長可能
インターフェイス
- MicroSDカードスロット
- SuperSpeed USB 10Gbps (USB電源オフチャージ機能対応) ×1
- Thunderbolt™ 3 (40Gbps) with SuperSpeed USB Type-C® 10Gbps ×2 (PowerDelivery、DisplayPort™ 1.4、電源オフUSBチャージ機能)
- 電源コネクタ
- HDMI 2.0出力
- ヘッドフォン出力/マイク入力コンボポート
SDカードスロットが無いので、デジカメのデータを取り込むときはSDカードリーダーが必要になりますね。USB Type-A接続とType-C、もしくは両方付いたものが1000円くらいから有ります。
また、Display Port対応のUSB Type-Cが2つ、HDMIが1つあるので、モニターに繋いで作業をする時もケーブル1本で接続できますね。
まとめ
クリエイター向けのモデルなので、性能がかなり高いですよね。動画編集に画像編集、もちろんDTMやDAW、そしてゲームも出来るほどの性能です。
また、HPはサポートも手厚く、初期設定や使い方が分からない時には「使い方サポート」もあるし、電話、LINE、Twitterでサポートもしてくれます。
保証も1年間あるので、安心ですね。