HP ProBook 460 G11のレビューです。
16インチと大きな筐体で画面アスペクト比が16:10と縦に長いので、表示される情報量が多く作業がしやすい機種です。
ファンの音が気になりましたが、全体的に特に悪い部分も良い部分もなく、普通に使えるPCと言った感じです。
レビュー機はメーカーからお借りしており、スペックはCore Ultra 7 155U、16GB DDR5-5600MHz、SSD 512GBになります。
Contents
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ProBook 460 G11のスペック
CPU | Core Ultra 5 125U Core Ultra 7 155U |
---|---|
メモリ | DDR5 最大32GB |
ストレージ | SSD 最大1TB |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス |
ディスプレイ(16型) | WUXGA 300ニト |
OS | Windows 11 Home/Pro |
無線 | Wi-Fi 6E |
生体認証 | 指紋センサー |
WEBカメラ | フルHD |
オーディオ | Poly Studio内蔵デュアルスピーカー |
寸法(幅×奥行×高さ) | 359.4 × 251 × 10.9-17mm |
重さ | 1.84kg |
バッテリー(JEITA 3.0) | 最大約8.9時間 |
セキュリティ | HP Wolf Security for business |
標準保証 | 1年間 |
価格 | 13.0万円~ |
<性能評価>
パソコンの頭脳であるCPUはCore Ultraシリーズ1で、NPUを搭載しているのでAIの処理能力は高く、全体的なパフォーマンスが高くなっています。末尾がUの省電力モデルですが、そこそこ高い性能です。
メモリは最新のDDR5-5600MHzでメモリスロット2つで最大32GB(16GB×2枚)、ストレージは速度を見る限りPCIe 4.0かなと思いますが、最大1TBになります。
メモリは増設できますが、ストレージは増設できません。こんなに大きな筐体で筐体内部も空っぽなので、増設できたらうれしかったですね。
ディスプレイは画面アスペクト比が16:10の16インチで、17インチ並みの情報が表示されます。より多くの情報を見て取れるので、作業効率も上がります。輝度は300ニトで、屋内であればほぼ見にくいことはありません。
その他のスペックは、OSはWindows 11 ProかHomeがあり、LANはWi-Fi 6Eに対応しギガビットイーサネットもあり、WebカメラはフルHDと高解像度で、指紋センサーもあるのでサインインは一瞬です。
16インチで1.84Kgグラムと重たくごつく、重厚感がありしっかりとした造りです。バッテリー駆動時間がJEITA 3.0の動画視聴で最大約8.9時間あり、社内移動やちょっとした外出がある人に合いますね。でも、重たいので基本的に据え置き用に使う人が多いと思います。
インターフェイスはUSB Type-C(20Gbps)が2つあり、USB-A(5Gbps)も2つ、そしてHDMIやセキュリティロックケーブルスロット、RJ45に3.5ミリジャックもあり、まぁまぁ十分じゃないかなと思います。
HP Wolf Security for business搭載可能
セキュリティはHP Wolf Security for Businessが搭載可能で、包括的なセキュリティになっています。
- HP Sure Sense・・・ディープラーニングを活用したリアルタイム検知機能があり、悪意のあるファイルを検出し、マルウェア、ゼロディ攻撃、ランサムウェアなどからPCを守るセキュリティ機能
- HP BIOSphere Gen6・・・ウイルスやマルウェアによる不正なBIOSの書き換えや、破損からシステムを保護
- HP Sure Click・・・Web閲覧のセキュリティ強化で、タブを閉じるだけでマルウェアが消滅する
- HP Sure Start・・・自動復旧機能で攻撃を受けても自動でリカバリ
- HP Client Security Software・・・パスワード関係などのセキュリティ機能
- HP Secure Erase・・・BIOSの中のSecure Eraseを使って内蔵ドライブのデータを完全に削除することが出来る
- ナノセキュリティロックケーブルスロット・・・盗難や持ち運び防止用のセキュリティワイヤーを使うスロット
- TPM・・・独立して機能するチップで、パスワードなどの重要情報を格納できる
- Windows Defender・・・Windows搭載のセキュリティ機能で、マルウェアなどのウイルスからパソコンを守ってくれる
「世界で一番安全なビジネスPC」と言っているだけありセキュリティは万全で、次項で紹介する東京生産ということもあり、安心して使えます。
東京生産
ここ最近東京生産モデルが減ってきたと思っていたのですが、本機には安心のMade in Tokyoモデルがあるようです(執筆時はありませんでした)。製造管理発送を日本でやっているので、安心ですね。
日本でのサポート
HP ElitebookのElite Premiumサポートは、電話・チャット、メール・LINEなどでやっており、対応時間は月-金9:00-21:00、土9:00-17:00になります。一番うれしいのは、電話した時に「その件でしたらこちらの部署におかけ直しください」と言う定番の文句が出てこないことですね。たらいまわしを回避し、1つの窓口で対応してくれます。また、サポートは国内になります。
保証は1年間引き取り修理が付いており、最長4年に延長ができます。また、オンサイト修理という保証にもアップグレードできます。
- 引き取り修理・・・指定業者がパソコンを引き取りに来て修理工場に配送、修理後配達される(期間内はパーツ代や配送代など無料)
- 出張修理/オンサイト修理・・・家や事務所に来てその場で修理。期間内は交換パーツ代など無料
- アクシデントサポート・・・標準保証ではカバーされない水濡れや落下破損、盗難などに対応
保守拠点は国内に420か所以上あるので、修理も速いです。
また、他にも有料サポートが多くあるので、公式サイトを確認してみてください。
高い堅牢性
本機は2万時間の品質テストをクリアし、米軍の物資調達企画であるMIL-STD 810Gの19項目に適合と堅牢性の高い機種です。
持ち運びやオフィスでの使用にも、安心して使えます。
メモリの増設ができる
赤枠はメモリスロットでレビュー機は16GBメモリ1枚でしたが、8GB(8GB×1枚)、16GB(8GB×2枚)と32GB(16GB×2枚)モデルもあります。
もし、シングルチャンネルメモリ(メモリ1枚)を購入したら、増設しないと特にグラフィック性能がガタ落ちです。
ストレージの増設ができたらよかったですが、空きスロットはありませんでした。
NPU搭載CPU
Core Ultra 7 155U | Core Ultra 5 125U | |
製造プロセス | Intel 4(7nm) | |
P/E/LPコア | 2/8/2 | 2/8/2 |
スレッド | 14 | 14 |
キャッシュ | 12MB | 12MB |
Pコア最大クロック | 4.8GHz | 4.3GHz |
Eコア最大クロック | 3.8GHz | 3.6GHz |
Xコア | 4 | 4 |
ベースパワー | 15W | |
マックスパワー | 57W |
CPUは今までのようにPコア(Performance Core)とEコア(Efficient Core)も搭載しており、高負荷な作業はPコアで処理を、低負荷な事はEコアで処理することによって、パワフルでも省電力性を兼ね揃えたCPUになっています。
また、14世代(Intel Core Ultraシリーズ1)からLP Eコアという低消費電力コアも搭載しており、よりバッテリーが長持ちしやすくなっています。
AI専用のプロセッサーであるNPUを搭載し、グラフィックスはIntel Graphicsになっています。AIコアに対応したアプリがどんどん増えてきているので、少しずつですがNPUがあると毎日の作業が楽になってきます。
以下にてベンチマークをご紹介します。デフォルトのスペックはCore Ultra 7 155U、メモリは16GB(16GB×1枚)でしたが、デュアルチャンネルメモリで計測するために手持ちのDDR5-4800(8GB×2枚)で計測しています。
こちらはCPUの性能を測るCPU Markスコアで、計測結果は18927と高い性能ですが、先日計測したEliteBookのCore Ultra 5 125Uよりも低い性能でした。
他のCPUとの比較です。
スコアの目安
- 7000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 10000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 15000~・ハイエンドPCに搭載される
- 18000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Core Ultra 9 185H | |
Ryzen AI 9 365 | |
Ryzen 7 8845H | |
Core Ultra 7 165H | |
Ryzen 7 8840HS | |
Core Ultra 5 135H | |
Core Ultra 7 155H | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Core Ultra 5 125U | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 7 258V | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Core Ultra 7 155U | |
Core Ultra 5 135U | |
Core Ultra 5 125U | |
Core 5 120U | |
Core 7 150U | |
Core Ultra 7 165U | |
Core Ultra 7 155U |
Geekbench AIのONNXでCPUのAI性能を測りました。ONNXはOpen Neural Network eXchangeで、ディープラーニングや機械学習モデルのようなAIモデルの性能を計測します。
Single Precision(単精度)は2331と高く、Half Precision(半精度)も991と良いスコア、Quantized(量子化スコア)は4598すごくと良いスコアでした。
Single Precision Score/単精度スコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 5 125H | |
---|---|
Core Ultra 5 125U | |
Core i7-1260P | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 7 155U | |
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 3 7335U |
Half Precision Score/半精度スコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 7 258V | |
---|---|
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 5 125U | |
Core Ultra 7 155U | |
Core i7-1260P | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 3 7335U |
Quantized Score/量子化スコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 7 258V | |
---|---|
Core Ultra 7 155U | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 5 125U | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core i7-1260P | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 3 7335U |
Cinebench 2024のスコアで、Cinema 4DのデフォルトレンダリングエンジンであるRedshiftのパワーを利用して、CPUとGPUの能力を計測します。計測結果はマルチコア523、シングルコア97と悪くないスコアでした。
他のCPUとの比較です。
マルチコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Ryzen 7 8845HS | |
Apple M1 Max | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 5 125U | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 7 155U | |
Apple M1 | |
Core Ultra 7 258V | |
Core i7-1280P |
シングルコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 7 258V | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Apple M1 Max | |
Apple M1 | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Ryzen 3 8300GE | |
Ryzen 7 8845HS | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 7 155U | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 5 125U | |
Core i7-1280P |
こちらはPCMark10の計測結果で、Essentialは「通常用途(Web検索やビデオ会議、アプリの起動など)の性能」、Productivityは「Microsoft Office(事務系のアプリ)使用時の性能」、Digital Content Creationは「コンテンツ作成(画像・動画編集など)のしやすさ」を表しています。
総合性能の目安は以下になります。
・9000以上・・・超ハイスペック(主にグラボ搭載機種)
・7500以上・・・ハイスペック
・5000以上・・・ミドルクラス
・2500以下・・・エントリ―クラス
本機種のスコアです。
- 総合性能は6166→ミドルクラス
- Essentialは9682→通常用途やビデオ会議などは快適にでできる
- Productivityは9282→快適に使える
- Digital content creationは7079→高めの性能
Essential
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 5 125U | |
Core Ultra 5 125H | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Core Ultra 7 155U | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 3 5425U | |
Ryzen 3 7335U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Ryzen 5 5500U |
Productivity
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 7 155U | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125U | |
Ryzen 3 5425U | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 3 7335U | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Core i5-1235U |
Digital Content Creation
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
---|---|
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 5 125U | |
Ryzen 7 7735U | |
Core Ultra 7 155U | |
Core i7-1260P | |
Core i5-1240P | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 3 7335U | |
Core i5-1235U | |
Ryzen 3 5425U |
5分の4K動画を撮影し、Davinci Resolveでレンダリングにかかった時間です。当然ですが、時間が短いほうが高性能です。3回計測し平均は5分4秒と予想以上に時間がかかりました。
4K動画レンダリング速度
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1260P | |
---|---|
Core Ultra 7 155U | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 5 125U | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen AI 9 HX 370 |
その他の特徴
外観
16インチと大きく、重厚感があります。写真じゃ伝わりにくいですが、ごついです。
上のベゼル(画面の黒い枠)は11.6ミリで、左右は約5.6㎜と細めで、太くなりがちな下ベゼルもはかなり細いです。ベゼルが細いとスリムに見えますね。
また、サステナビリティを意識した機種で、キートップとスピーカーの50%は廃棄されたDVDや海洋プラスチックを含むリサイクル素材を使用し、そして外箱とクッションは100%サステナブル素材を使用しています。
筐体はメタル素材で剛性が高く、毎日の持ち運びも安心です。
寸法は幅359.4ミリ、奥行き251ミリと大きいですが、16インチとしては普通かちょっとコンパクトな方です。
先端の厚さは10.9ミリ、後部は17ミリと薄いです。16インチなので持ち運びをする人は少ないかもしれませんが、カバンに入れてもかさばりにくい薄さです。
実測1792gで公称値は1.84㎏なので、50グラムほど公称値より軽かったです。16インチは1.7㎏~1.9㎏くらいになるので、本機は軽い方じゃないですが普通です。
ヒンジ部分にも「PROBOOK」ってロゴが入っています。上位モデルは、見えない部分にもこだわりを持って作られていますね。
HPは個人向けモデルがラウンドエッジ、ビジネスPCはこういったエッジの効いた筐体が多いです。角が丸くないとかっこいい感じになりますね。
ディスプレイは180度開くので、床に座って作業をすることがある人にも使いやすいです。また、ディスプレイは片手では開けませんでした。
画面比が16:10で大きな16インチディスプレイ
ディスプレイは16インチのWUXGA(1920×1200ドット)と通常の画面アスペクト比の16:9よりも縦に長い16:10で、17インチ並みの情報が表示されます。
表示量が多いので今まで見えなかった部分もしっかりと見え、スクロールアップ/ダウンの回数が減るし、持ち運び時でも生産性を落とすことなく作業ができると思います。
右は低価格PCに搭載されるNTSC 45%と言う色域で、真ん中が本機、右はsRGB 100%のディスプレイですが、本機はNTSC 45%以上sRGB 100%以下と言った感じですね。
本機は青がちょっと強く、赤が薄いです。
この画像は黒の描写の比較で、右の写真に比べると本機の黒は薄いですね。でも、価格なりのスペックだと思います。
次は視野角のチェックです。どこから見ても四隅が暗くなったりせずにしっかりと見えます。
輝度は300ニトで、こちらは輝度の目安です。16インチで室内で使うことが多いと思うので、輝度は問題ないと思います。
220ニト | 室内ならなんとか使える。明るい室内では暗く見える |
---|---|
250ニト | 室内向け。屋外では日陰ならギリギリ使える |
300ニト | 屋外の日陰でも見える(見やすいわけじゃない) |
400ニト | 屋外でも使いやすいが、直射日光が当たるとちょっとくらい |
500ニト | 屋外向け |
600ニト | 画面に直射日光が当たっても比較的見える |
フルHD WEBカメラ
<画像右はプライバシーシャッターを閉じた状態>
WebカメラはフルHDで、一般的なPCに搭載されるHD解像度(約92万画素)よりも高画質です。カメラシャッターもあるので、カメラを使わないときは閉じておくと安心です。
ズームするとよりわかりやすいですが、一般的なPCに搭載されるHD画質よりも良い画質ですね。
また、HP Keystone Correction9(自動でトリミングやフラット化)やWith HP Be Right Back(離席中と表示)、With HP Background Adjustment(背景一括変更)などがあるので、Web会議がよりしやすいです。
NPUを搭載しているのでWindowsスタジオエフェクトが利用でき、Web会議の設定がちょっと楽になります。
スピーカーはPoly Studioのデュアルスピーカーで、音量がちょっと小さく音質は音楽向きじゃないですが、ローが小さくハイが大きいので電話には向いています。
キーボード
キーボードは防滴機能付きで、キーピッチ(キーの中心から次のキーの中心までの距離)は17.9×18.4㎜で、フルサイズに近く、キーストローク(キーを押し込む距離)は1.5㎜と悪くないです。
主要キーは大きく使いやすいですがFキー列は小さめ、最下部のキーは若干細長くカーソルキーはすべて小さいです。慣れが必要かもしれません。
テンキーは若干細長いですが使いにくいことはありません。また、テンキーの一番右上に電源ボタンがありますが、長押ししないと反応しないので、押し間違いをして電源が切れることはありません。
打鍵感はちょっと軽めですが、普通にタイピングできます。
キーボード下には指紋センサーがあり、サインインも一瞬です。
標準的なグラフィックス性能
グラフィック性能が高いとOfficeを使った作業や複数画面での作業、そして画像・動画編集などがしやすくなります。3D Graphics Markのスコアは3646と悪くないですが、もうちょっと行くかと思ってました。
3D Graphics Mark
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen AI 9 HX 370 | |
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Ryzen 7 8845HS | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 7 7735U | |
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 5 125U | |
Core Ultra 7 155U | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Core i7-1260P | |
Core i7-1355U | |
Core i5-1335U | |
Ryzen 3 7335U | |
Core i5-1340P |
次はゲームの3DMarkを使い、グラフィック性能を測ります。
Steel Nomad Lightは1600、Wild Lifeは12391、Fire Stikeは4652、そしてNight Raidは17622と、Core Ultra 7 155Uにしては低い性能でした。
Steel Nomad Liteは、DirectX 12 Ultimateの性能をテストし、レイトレーシングを使用しない中量級ゲームを想定したベンチマークです。スマホなどの他のデバイスとスコアを比較できる、クロスプラットフォームです
Steel Nomad
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 3050 | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core Ultra 7 258V | |
GTX 1650 Max-Q | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 5 125U | |
Core Ultra 7 155U | |
Ryzen 7 7735U | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
Wild Life
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 3050 Ti | |
---|---|
Core Ultra 7 258V | |
GTX 1650 Ti | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
GTX 1650 Max-Q | |
Ryzen 7 8845HS | |
Core Ultra 5 125U | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 7 155U | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
Fire Strike
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 3050 | |
---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core Ultra 7 258V | |
GTX 1650 | |
Core Ultra 5 125H | |
GTX 1650 Max-Q | |
Arc A350M | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 5 125U | |
Core Ultra 7 155U | |
Ryzen 7 7735U | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
Night Raid
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
RTX 4050 | |
---|---|
RTX 3050 | |
RTX 3050 Ti | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core Ultra 7 258V | |
GTX 1650 Ti | |
Core Ultra 5 125H | |
GTX 1650 Max-Q | |
Core Ultra 5 125U | |
Core Ultra 7 155U | |
Ryzen 7 7735U | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
次はゲームのベンチマークで、ドラゴンクエスト10は11044で「すごく快適」、FFXIV黄金のレガシーは4073で「普通」でした。
ドラクエX FHD画質
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 7 258V | |
---|---|
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core Ultra 5 125U | |
Core Ultra 7 155U | |
Ryzen 5 5625U | |
Ryzen 7 5700U | |
Ryzen 3 5345U | |
Ryzen 7 7730U | |
Ryzen 5 7530U | |
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 5 PRO 6650U | |
Ryzen 7 7735U | |
Core i7-1355U | |
Core i5-1335U |
FFXIV 標準品質
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 7 258V | |
---|---|
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 5 125U | |
Ryzen 7 8845HS | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Ryzen 7 7735U | |
Core Ultra 7 155U | |
Ryzen 3 7335U |
排熱性能
通気口は幅広く、がっつりとフレッシュエアーを吸ってくれそうです。
筐体内部にはファンが一つと、ヒートパイプが一つだけでした。最低限の排熱機構ですが、CPUが省電力モデルなので問題無いようです。
CPUの性能をフルで使うCinebench 2024と言うベンチマークを実行時の、CPUの温度推移図です。最初に363度近辺(摂氏90度)まで上がり、その後353度(80度)近辺を安定して移動しています。
急にクロックが落ちたり温度が異常に上昇したりすることなく、安定していますね。
この時のPC表面温度は33.6度と低い温度です。
同じく、この時の騒音値は平均51dBとうるさいです。ゲーミングPCみたいに音が出てました。音は大きい分排熱性能が高いようです。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
搭載メモリは最新のDDR5-5600MHzで、デフォルトは16GB(DDR5-5600 16GB×1枚)になります。メモリ性能を測るMemory Markの結果はメモリ1枚時が2531で、メモリ2枚にしたら周波数が低かったためか2254と遅くなりました。
その他のメモリとの比較です。
Memory Mark
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
LPDDR5X平均 | |
---|---|
DDR5平均 | |
LPDDR5平均 | |
本機DDR5 | |
LPDDR4X-4266MHz平均 | |
DDR4-3200MHz平均 |
ストレージ
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
搭載ストレージはSSD 512GBで、シーケンシャル速度を計測したら、リード(読み込み速度)は5017MB/秒、ライト(書き込み速度)は4625MB/秒とどちらも速く、特に書き込み速度は激速でした。
起動時間を計測したら、5回の平均で15秒と速い方です。
1回目 | 15秒 |
---|---|
2回目 | 15秒 |
3回目 | 15秒 |
4回目 | 15秒 |
5回目 | 15秒 |
平均 | 15秒 |
Wi-Fi 6Eに対応
対応周波数 | 速度 | |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
インテルWireless-AC 9560 2×2(Wi-Fi 5) | 2.4/5GHz | 1.7Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
次世代通信規格のWi-Fi 6Eに対応しており、現在主流のWi-Fi5より約40%最大通信速度が上がっています。また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
Wi-Fi 6EはWi-Fi 6のExtended(エクステンディット)版で、6GHz帯(高速通信)での通信ができるのですが、執筆時現在の日本では6GHz帯はまだないので使えません。最大で5GHz帯になります。
バッテリー駆動時間
バッテリーは3セル・56Whrで、JEITA 3.0測定で約8.9時間の動画再生時間になります。長い方ではないですが、持ち運び向けじゃない16インチなのでこんなものかなと思います。
また、急速充電に対応しており、30分で最大50%の充電が可能です。
インターフェイス
インターフェイスはUSB-Aが2つ、USB Type-C 3.2 Gen 2×2が2つあり、RJ45やHDMIなどもあるので、必要十分だと思います。
右側面はナノセキュリティロックケーブル用スロット、RJ45、USB 3.2 Gen 1(データ転送速度5Gbps)です。
左側面はHDMIにUSB 3.2 Gen 1とUSB Type-C 3.2 Gen 2×2(データ転送速度20Gbps)が2つ、そしてオーディオ/マイクコンボジャックになります。
ライバル機種
ThinkPad E16 Gen 2インテル
似たようなスペックですが、メモリ最大64GB、SSDは2枚搭載できるので、もうちょっと自分でスペックを上げたいというカスタマイザーはこっちが使いやすいかもしれません。ディスプレイは最高で2.5K sRGB 100%とよりよい品質です。Thunderbolt 4対応USB4が1つ搭載しており、据え置き用としても使いやすい機種です。
CPU | Core Ultra 5 125H/125U Core Ultra 7 155H/155U |
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メモリ | DDR5-5600 最大32GB(最大容量64GB) |
ストレージ | SSD×2 |
ディスプレイ(16型) | WUXGA/WQXGA IPS タッチあり |
通信 | Wi-Fi 6/6E、1ギガビットイーサネット |
生体認証 | 指紋センサー/顔認証(オプション) |
重さ | 1.78㎏~ |
バッテリー(JEITA 3.0) | 最大約8.5時間 |
価格 | 12.0万円~ |
EliteBook 860 G11
本機の上位モデルで、CPUは末尾がHのハイパフォーマンスモデルになります。より高い性能をお考えなら、こちらも検討候補に入ります
CPU | Core Ultra 5 125H Core Ultra 7 155H |
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メモリ | DDR5 16GB(メモリスロット2つ) |
ストレージ | SSD 最大512GB |
Evo | 〇 |
ディスプレイ(16型) | WUXGA |
OS | Windows 11 Pro |
無線 | Wi-Fi 6E |
生体認証 | 顔認証、指紋センサー |
WEBカメラ | 5MP、IRカメラ |
オーディオ | Poly Studio |
重さ | 1.827㎏ |
バッテリー(JEITA 3.0) | 最大約16時間44分 |
標準保証 | 1年間 |
価格 | 18.3万円~ |
まとめ
良い点
・NPU搭載CPUでAI処理が速くなる
・画面比が16:10で、16インチでも17インチ並みの情報が表示される
・増設できる
・排熱性能が高い
・指紋センサー付き
・HP Wolf Security搭載可能
残念な点
・スピーカーは音楽には向いていない。音も小さめ
・高負荷な作業時ファンがうるさい
総合評価
HPビジネスPCの一番の特徴は、HP Wolf Securityですね。このセキュリティがあるので、人気が高いと思います。まぁ、セキュリティは最重要項目なので、ここまで手厚いセキュリティがあればビジネスパーソンとしては助かります。
総合的に見た性能は普通で、特にすごく秀でた部分もなく、ファン以外は特にすごく悪い部分もなく普通に使える普通のPCといった印象でした。
Author
・パソコンガイドメインライターの本田。PCやタブレット、その他ガジェットが好きで、年間2~30台ほどのPCとモニターや周辺機器を購入するマニア
・元ミュージシャン
・暖かいところが好きで、よくタイに旅行に行く
・既婚(妻と子供2人)
・最近の趣味はオーディブルを聞きながらぼけ~っとすること
・はまってることは、裸足で1日10分歩く健康法
・若く見られがちだが40代