15.6型の大画面ノートパソコンで、最大でCore i7にグラフィックボード搭載モデルもあり、オフィス用途での使用なら快適にサクサク動きます。
WiFi6搭載で、LTE対応モデルもあるので、外出先での無線環境は抜群ですね。
最大の特徴は、セキュリティ、サポート、そしてオンライン会議がよりしやすいように3つのマイクが内蔵された点です。360度全方位から音を拾うことができるので、一人で使っても、複数人で使っても話している人の場所を認識し、クリアに音声を使えることができます。
重さも1.7㎏とそこまで重たくないので、持ち運びもしにくくないです。
Contents
EliteBook 850 G7のスペックレビュー
CPU | Intel core i5-10210U Intel core i7-10510U/10710U |
---|---|
メモリ | 最大64GB |
ストレージ | SSD 最大 1TB |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス NVIDIA GeForce MX250 |
ディスプレイ | フルHD IPS液晶 非光沢 1000nit |
OS | Windows 10 Pro |
無線 | WiFi6、Bluetooth 5、LTE対応モデルあり |
オーディオ | Bang &Olufsen、内蔵ステレオスピーカー、内蔵トリプルマイク |
生体認証 | 指紋センサー、IRカメラ |
Microsoft Office | Office Home &Business 2019搭載可能 |
セキュリティ | HP BIOSphere, Sure Start, Sure Runなど |
寸法 | 359.7×233.8×19.2㎜ |
重さ | 1.7㎏~1.78㎏ |
バッテリー | 最大17.4時間・3セル56Whr |
保証 | 1年間引き取り修理 |
価格 | 税込)12万780円~ |
パソコンの頭脳であるCPUは10世代CPUが搭載ですが、性能が高い6コア12スレッドのCore i7-10710Uもあります。なぜ11世代じゃないか分かりませんが、性能自体は高いので問題ないと思います。
メモリは最大64GBも搭載できますが、販売されているのは32GBまでです。まぁ、32GBでもかなり大きいので、困ることは無いと思います。
ストレージは、高速モデルのM.2 PCIe NVMeです。パソコンの起動もデータ移動もサクサク快適にできますね。
ディスプレイはHP Sure Viewというのぞき見防止機能付きで、高画質のフルHD IPS液晶、最大輝度は1000nitと高いです。日中の日が当たる場所でも、見やすいディスプレイです。
個人的に一番良いなと思うのは、内蔵マイクが3つ搭載されており、360度方位マイクとして使えることです。チームで1つのパソコンを使ってビデオ会議をする場合でも、皆の声を拾いやすく、相手にクリアに伝わります。
無線通信も充実しており、WiFi6搭載。LTE対応モデルもあり、外出や社内で移動が多い人も安定した高速回線での通信が可能です。指紋センサーに顔認証もあるので、ログインも一瞬ですね。
バッテリー駆動時間やディスプレイの輝度、そして無線通信を見ても、外出先でも大画面で作業をしたい人向けの機種になっていることが分かりますね。
旧モデルとの比較
<左・本機種/右850 G6>
旧モデルのElitebook 850 G6との比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値)
本機種 | Elitebook 850 G6 | |
CPU | Core i5-10210U Core i7-10510U/10710U |
Core i5-8265U/8365U Core i7-8565U/8665U |
メモリ | 64GB(2666MHz) | 32GB(2400MHz) |
ストレージ | SSD 1TB | SSD 1TB |
GPU | 内蔵グラフィックス MX250 |
内蔵グラフィックス Radeon 550X |
ディスプレイ | FHD | FHD、UHD |
無線 | WiFi6、4G LTE | WiFi6、4G LTE |
バッテリー | 17.4時間 | 16時間 |
重量 | 1.7㎏~ | 1.89㎏~ |
価格 | 12万円~ | 販売終了 |
CPUが第8世代から10世代に変わり、最大搭載メモリは倍の64GB、動作周波数も10%ほど上がっています。グラボはRadeon 550xもMX250も似たような性能です。
旧モデルは4K UHDディスプレイがありましたが、本機種はフルHDのみになっています。おそらく、需要が少なかったからUHDディスプレイを廃止したと思います。バッテリー駆動時間も若干上がり、約200g軽量化していますね。
筐体も小さくなり、特にベゼル(画面の黒い枠)がかなり細くなっています。おしゃれになって、全体的にレベルアップもしています。
[visualizer id=”18114″ lazy=”no” class=””]ライバル機種
<左から本機種・E15 Gen 2・T15 Gen 2>
本機種と似たような最新機種との比較です。(メモリ・SSD・バッテリーは最大値。スマホの人は表を右にスクロールできます)
本機種 | ThinkPad E15 Gen 2 | ThinkPad T15 Gen 2 | |
CPU | Core i5-10210U Core i7-10510U/10710U |
Core i3-1115G4 Core i5-1135G7 Core i7-1165G7 |
Core i5-1135G7/1145G7 Core i7-1165G7/1185G7 |
メモリ | 64GB | 32GB | 48GB |
ストレージ | SSD 1TB | SSD 1.5TB | SSD 2TB |
グラフィックス | Iris Xe GeForce MX250 |
Iris Xe | Iris Xe GeForce MX450 |
ディスプレイ | FHD | FHD | FHD、UHD |
無線 | WiFi6、4G LTE | WiFi6 | WiFi6、4G LTE |
バッテリー | 17.4時間 | 12.1時間 | 16.8時間 |
重量 | 1.7㎏ | 1.7㎏ | 1.75㎏ |
その他 | Thunderbolt 4あり | ||
価格 | 12万円~ | 6.2万円~ | 12万円~ |
本機種以外は全て11世代CPU搭載で、より性能が高くなっています。HPビジネスモデルは1年に1度か2年に一度モデルが更新されるので、個人向け機種や他社に比べ中身が旧型な事があります。
本機種は「大きなメモリ」、「長時間バッテリー駆動」そして、セキュリティが特徴になります。HPビジネスノートには「HP独自のセキュリティ」が多く搭載しており、企業としても安心して使えます。
Lenovo ThinkPad E15 Gen 2はエントリークラスのビジネスノートですが、本機種よりも高い性能になっています。ただし、唯一LTEが無いので、なくても良い人であればE15が合うかもしれません。
Lenovo ThinkPad T15 Gen 2も11世代CPUで、グラフィックボードにはより性能が高いMX450が搭載可能、LTEにも対応で、価格も本機種とほぼ同じです。セキュリティはHPほどじゃないですが、普通のビジネスモデル並みのセキュリティになっています。
HPは「企業が購入する」場合はセキュリティを考えると合うと思いますが、個人で利用する場合であればLenovoの方がコスパも性能も高いことが多いです。
メリット・デメリット
良い点
・おしゃれな筐体
・Thunderbolt 4あり
・LTEモデルあり
・大容量メモリ搭載可能
・長時間バッテリー駆動
デメリット
・SDカードリーダー無し
EliteBook 850 G7の特徴
2020年後半以降にリリースされたビジネスモデルは、筐体もコンパクトになり、ベゼル(画面の黒い枠)が細くなっていますね。今までは、個人向け=コンパクトでおしゃれ、ビジネスモデル=大きい・重い・ずんぐりむっくりだったのですが、ようやくHPも本腰を入れてビジネスモデルをおしゃれに設計しています。
画面占有率は旧モデルが77%(ベゼルが23%)だったのに対し、本機種は86%(ベゼルが14%)と大幅にアップしています。
寸法は幅359.7㎜、奥行き233.8㎜、高さ19.2㎜(Core i7モデルは20㎜)で、大学ノートA4サイズ(297㎜x210㎜)と比べると、幅+約6.3㎝、奥行き+約2.4㎝となります。15.6型にしては悪くないサイズですね。
高さ(厚さ)は19.2㎜~20㎜で、一円玉(直径20㎜)と同じサイズです。若干分厚い分、エアフローが良いはずです。
ディスプレイ開閉部分が「くの字」になっているので、開けやすいんですね。こういったちょっとした気遣いができるのは、すごいです。
内蔵マイクを3つ搭載しており、360度全方位マイクとして使えるのはポイントが高いと思います。ビデオ会議が増えた昨今、相手にクリアに声が伝わる内蔵マイクと言うのは需要が高いと思います。
素材・耐久性
本機種はアルミニウムの塊から削り出して加工されており、たわみに強く、剛性もある堅牢なボディになっています。見た目も、高級感があります。
アルミニウムは強度も高いし、何といっても軽く、放熱性にも優れているので、ハイエンドモデルに使われる素材ですね。
本機種は環境にも配慮した作りで、一部のパーツにはリサイクル素材を使用しています。
耐久性が高いアルミニウムを使用し、12万時間の耐久性テスト、そして米軍の物資調達規格のMILスペックの19項目のテストもやっているほどで、信頼性も高い機種ですね。
キーボード
キーピッチ(キーの中心から次のキーの中心までの距離)は縦横18㎜x18㎜と、手が大きい人は若干小さいと感じるかもしれませんが、標準並みの距離があります。
キーストローク(キーを押したときに押し込める距離)は1.5㎜と若干標準よりも深く、テンキーも付いているので、全体的なスペックは悪くないです。
ポインティングスティック(トラックポイント)というボタンがキーボード中央にあり、カーソルを動かしたりできるので、慣れると手がホームポジションから離れずにタイピングできます。
また、キーボードは防滴機能付きなので、ちょっとした水滴なら落ちても大丈夫なようです。(が、水濡れは標準保証対象外)
CPU
CPUは11世代Tiger Lakeではなく、10世代のComet Lakeになります。
Core i7-10710U | Core i7-10510U | Core i5-10210U | |
開発コード | Comet Lake | Comet Lake | Comet Lake |
コア/スレッド | 6/12 | 4/8 | 4/8 |
キャッシュ | 12MB | 8MB | 6MB |
グラフィックス | UHDグラフィックス | UHDグラフィックス | UHDグラフィックス |
基本クロック | 1.1GHz | 1.8GHz | 1.6GHz |
ブーストクロック | 4.7GHz | 4.9GHz | 4.2GHz |
TDP | 15W | 15W | 15W |
スコアの目安
- 2000~・ネットサーフィンでもストレスを感じるほど
- 5000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 7000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 10000~・ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
↓グラフをタップすると数値が表示されます↓
[visualizer id=”16875″ lazy=”no” class=””]Core i5のスコアは約6500となっていますが、4コア8スレッドなので比較的快適に使えるスペックですね。Core i7 10510Uは約7500で、ビジネス用途でがっつり使ってもサクサク使える性能があります。
上位モデルのCore i7-10710Uに至っては、11世代のCore i7と同じくらいのスコアになっています。しかも6コア12スレッドなので、並行作業がしやすくなっています。
コアとスレッドが多いと同時により多くのデータを処理できるので、Zoomをしながらエクセルを使って、資料を表示するなどのヘビーな使い方にも対応できます。
グラフィックス
グラフィックスは内臓グラフィックス・インテルUHDグラフィックスと、Core i7-10710UにはNVIDIA GeForce MX250が搭載です。(UHDグラフィックスの性能はCPUにより変わるので、平均的なものを記載しています。)
[visualizer id=”16882″ lazy=”no” class=””]Core i7-10710U搭載のMX250はGDDR5でVRAM(ビデオメモリ)が2GBになります。性能的にエントリークラスですが、オフィス用途であれば問題ない性能ですね。複数のディスプレイを使ったり、ちょっとした画像編集やビデオ編集もやりやすくなります。
ディスプレイ
<左・光沢あり/右・本機種 光沢なし>
解像度 | 光沢 | 液晶 | 輝度 |
FHD 1920×1080 |
なし | IPS | 1000nit |
HD | ハイディフィニション、低解像度で安い機種に使用される | ||
FHD | フル・ハイディフィニション、一般的な画質 | ||
光沢 | 光沢ありは発色が良い反面、自分や背景が映り込みしやすい。光沢無しは映り込みがしにくい | ||
IPS液晶 | コントラスト比が高く、視野角も広い | ||
nit | 明るさを表す単位。通常250nitが標準 | ||
Sure View | のぞき見を防止できる機能 |
高画質のフルHDディスプレイで、視野角が広くコントラスト比も高いIPS液晶が搭載です。輝度が1000nitとかなり高く設定されていますが、Sure View搭載なので、実際には1000nitと思うほどの輝度はありません。
Sure Viewとは視野角と輝度を下げ、横からのぞき見ができないようにする機能で、カフェなどで使用するときに使えば、情報漏洩のリスクも減ります。
また、自動的に明るさを調整する環境光センサーも搭載しているので、自分がいる場所が明るくなっても暗くなっても、自動で輝度を調整してくれます。ただし、個人的にこの機能は使いにくいと思っています。スクショを取るときやプライベートブラウジングなどを使うと、画面が明るくなったり暗くなったり目が痛いですね。(OFFにできます)
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する場所で、パソコンの作業台になります。メモリが大きいと、より多くのデータをより速く処理できるので、8GBあれば比較的快適に使えます。大きなデータを扱う人や、多くのデータを同時に扱う人は16GBがいいですね。
メモリの種類は、CPUが対応している最高周波数のDDR4-2666MHzで、メモリスロットは2つになります。
ストレージ
ストレージはパソコンのデータを保存する場所で、パソコンの起動にも関わる重要なパーツです。本機種のストレージは、最速モデルのSSD M.2 PCIe NVMeになります。
SSD(PCIe) | SSD(SATA) | HDD(本機種非搭載) | |
最大データ転送速度 | 最大16Gbps~32Gbps | 最大6Gbps | 最大6Gbps(SATAの場合) |
平均起動時間 | 10秒~15秒 | 15秒前後 | 30秒~2分(新品の場合) |
温度 | 熱くなりにくい | 熱くなりにくい | 熱くなりやすい |
価格 | 高い | 中価格 | 安い |
バッテリー駆動時間
バッテリーは3セル・56Whrで、より正確な測定方法のJEITA測定で最大17.4時間と長時間バッテリー駆動が可能です。(MobileMark 2014だと最大24時間のバッテリー駆動)
社内で移動が多い人や、外出先でも大画面で作業をする必要がある人にはぴったりの機種です。
WiFi6
次世代通信規格のWiFi6は、現行主流のWiFi5よりも多くのデバイスに同時に電波を飛ばすことができ、最大通信速度の理論値が9.6GbpsとWiFi5(最大6.9Gbps)より40%ほど速くなっています。
混雑した社内WiFiやカフェなどのWiFiでも、安定した高速通信が可能になっています。
LTE
LTEはnanoSIMを使った無線通信で、4G回線のIntel XMM7360 LTE – Advancedが搭載可能で、各キャリアの重要なバンドに対応しています。
携帯各社の重要なバンド
- docomo・・・1,3,19,21
- au・・・1,18
- softbank・・・1,3,8
回線速度は、下り最大450Mbps、上り50Mbpsになります。
セキュリティ
HPのビジネスPCは「世界で最も安全なビジネスPC」と宣伝しているのですが、それもそのはず。以下に紹介するようなHP独自のセキュリティが満載です。
- HP Sure Sense・・・ディープラーニングを活用したリアルタイム検知機能があり、悪意のあるファイルを検出し、マルウェア、ゼロディ攻撃、ランサムウェアなどからPCを守るセキュリティ機能
- HP BIOSphere Gen5・・・ウイルスやマルウェアによる不正なBIOSの書き換えや、破損からシステムを保護
- HP Sure Click・・・Web閲覧のセキュリティ強化で、タブを閉じるだけでマルウェアが消滅する
- HP Sure Start Gen6・・・自動復旧機能で攻撃を受けても自動でリカバリ
- HP Sure Run Gen 3・・・ウイルス対策ソフトやOSのセキュリティ機能をOFFにさせない
- HP Sure Recover Gen3・・・OSがウイルスに感染した場合でも、正常な状態に自動リカバー
- HP Client Security・・・パスワード関係などのセキュリティ機能
- HP Secure Erase・・・BIOSの中のSecure Eraseを使って内蔵ドライブのデータを完全に削除することが出来る
- セキュリティナノロックケーブル用スロット・・・盗難や持ち運び防止用のセキュリティワイヤーを使うスロット
- TPM・・・独立して機能するチップで、パスワードなどの重要情報を格納できる
- Windows Defender・・・Windows搭載のセキュリティ機能で、マルウェアなどのウイルスからパソコンを守ってくれる
インターフェイス
左側面インターフェイスはセキュリティロックケーブル用スロット、USB-A 3.1 Gen1(最大転送速度5Gbps・充電対応)、ヘッドフォン/マイクジャックになります。
右側インターフェイスにはnano SIMスロット、USB-C(Thunderbolt)が2つ、HDMI、USB-A 3.1 Gen1、電源コネクタになります。
SDカードリーダーが無い以外は十分なポートがあるので、困ることは無いと思います。Thunderboltが2つも搭載しているなんて、すごいですね。
サポート・保証
Eliteシリーズは「Elite Premium Support」という一つ上の手厚いサポート対応で、受付時間は平日朝8時~夜9時、土曜日は朝8時から夕方5時半までで、1つの窓口で解決してくれます。日本国内でのサポートだし、たらいまわしがないワンストップ対応なのでスピーディーに問題を解決できます。
修理保証は1年間取り修理で、HP指定業者が自宅や会社にPCを引き取りに来てリペアセンターに配送、修理後、郵送してくれます。最長5年まで延長でき、保証期間内はパーツ代や輸送費は無料です。
オンサイト修理という「エンジニアが指定住所に来て修理」をする保証にアップグレードでき、こちらも最長5年まで延長できます。
まとめ
総合的に見て、すごくまとまりがある構成で、ビジネス用途の作業をする上でも十分なスペックがあります。大画面だと作業がしやすいし、バッテリー駆動時間も長いので、社内・社外移動でも充電アダプターなどの持ち運びは必要ないと思います。
また、セキュリティも堅牢で、WiFi6にLTE、そしてThunderboltが2つもあるので、ハイスタンダードなビジネスノートだと思います。