2024年登場の最新モデルですが、旧スペックが主体の低価格PCになります。
低価格とはいえスペックはしっかりとしており、筆者はAMDモデルを購入しましたが、5万円のPCがこんなにも良いものなのかと驚きました。
本機はCPU以外同じで、ユニボディの筐体に指紋センサー、そしてWi-Fi 6など安さを感じさせないスペックと外観になっています。
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HP 15-fdのスペック
CPU | Intel N100 Intel Core N305 Intel Core i5-1335U/1334U Intel Core i7-1355U |
---|---|
メモリ | DDR4 最大16GB |
ストレージ | SSD 最大512GB |
グラフィックス | 内蔵グラフィックス |
ディスプレイ(15.6型) | FHD IPS |
OS | Windows Sモード Windows 11 Home |
無線 | Wi-Fi 6 |
生体認証 | 指紋センサー |
WEBカメラ | HD |
寸法(幅×奥行×高さ) | 358 × 236 × 19.5㎜ |
重さ | 1.64㎏ |
バッテリー | 最大約7.5時間 |
標準保証 | 1年間 |
価格 | 5.8万円~ |
<性能評価>
全体的に旧スペックが主体ですが、低価格の普段使い用PCとしては困ることはないんじゃないかなと思うほど、十分なスペックになっています。
パソコンの頭脳であるCPUはIntel N100という中華系の安いPCやChromebookに搭載されることが多いものから、最高でCore i7-1355Uまで5つの選択肢があります。
メモリはDDR4で、4GBから16GBまでのラインアップになっています。スロットが2つあるモデルもあるので増設もできそうですね。ストレージはデータ転送速度が速いSSDを採用し、最大512GBと容量も大きいです。
ディスプレイは15.6インチと大きく、標準的なスペックのFHD解像度、IPS液晶になります。
その他のスペックはOSにはWindows 11 Homeが搭載で、無線はWi-Fi 6、そして15.6インチと大きいですが普段使いPCなのでイーサネットはありません。注意点として、一部のN100モデルはOSがSモードと言って、Microsoft Store以外からダウンロードができません。と言うことは、Google ChromeやYahooなどが使えません。Sモードを解除しても使い心地は悪くならなかったので、解除したい人は「Sモードの解除方法」をどうぞ。
WEBカメラはHD解像度で、指紋センサー搭載、15.6インチで1.64㎏と若干軽く、バッテリー駆動時間は最大7,5時間と短いので、持ち運び用じゃなく据え置き用として合います。
5万円台のPCでここまでしっかりとしたスペックなのは、すごいと思います。
2024年のトレンドと比較
2024年のノートパソコンのトレンドをまとめたので、本機がどのくらい満たしているか比較してみます。(〇/標準搭載、△/モデルによってはあり、×/なし)
14世代CPU | NPU | Copilotボタン | DDR5 |
× | × | × | × |
SSD PCIe 4.0 | アスペクト比16:10 | sRGB 100%以上 | Wi-Fi 6E |
× | × | ー | × |
輝度300nit以上 | 1080P Webカメラ | 生体認証 | バッテリー14時間以上 |
ー | × | 〇 | × |
低価格モデルなのでほとんど×ですね。言い換えると、Core i5やi7モデルは10万円以上(割引前価格)するので、この価格を払うならPavilion 16-afなどの上位モデルがおすすめです。
兄弟モデルとの比較
本機はHP 15-fdで、兄弟モデルでAMD搭載のHP 15-fcがあります。
実は筆者は15-fcを購入しており、5万円のPCなのにここまでしっかりしているのかと驚きました。本機はCPU以外のスペックはほぼ同じで、筐体の寸法や重量、インターフェイスも同じなので、同じ筐体を使用していると思います。
CPUが5つから選べる
Intel N100 | i3-N305 | |
コア | 4 | 8 |
スレッド | 4 | 8 |
キャッシュ | 6MB | 6MB |
グラフィックス演算ユニット | 24 | 32 |
TDP | 6W | 15W |
i7-1355U | i5-1335U/1334U | ||
コア(P/Eコア) | 10(2/8) | ||
スレッド | 8 | ||
Pコアクロック | 1.8GHz | 1.3GHz | |
Pコア最大クロック | 5.2GHz | 4.6GHz | |
Eコアクロック | 1.3GHz | 0.9GHz | |
Eコア最大クロック | 3.9GHz | 3.4GHz | |
L3キャッシュ | 12MB | ||
グラフィックス演算ユニット | 96EU | 80EU | |
ベース/マックスパワー | 15/55W |
Intel N100は小型PCや低価格中華PC、Chromebookに搭載されることが多いですが、価格の割にしっかりとした性能です。Core i3-N305はもうちょっとましなCPUで、こちらも低価格PCによく搭載されます。
代わってCore i5-1335Uや1334U、そしてCore i7-1355Uは一般的なPCに搭載されるCPUで、高い性能です。
こちらはCPUの性能を測るCPU Markスコアで、スコアは当サイトで計測したものや公開されているものになります。
CPU Markスコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 7 155H | |
---|---|
Core Ultra 5 125H | |
Core i5-1335U | |
Core Ultra 5 125U | |
Core 5 120U | |
Core 7 150U | |
Core Ultra 7 155U | |
Core i7-1355U | |
Core i5-1334U | |
Core i3-1315U | |
Core i5-1135G7 | |
Core i3-N305 | |
Intel N100 | |
Core i3-1005G1 | |
Intel N200 |
こちらはGeekbench 6のスコアで、CPUの3DCGレンダリング性能を測定します。一般的に、3Dレンダリングやエンコードはマルチコア、モデリングやCAD、編集中、ゲームはシングルコアを重視します。
マルチコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core Ultra 5 125H | |
---|---|
Core Ultra 7 155U | |
Core Ultra 5 135U | |
Core i7-1355U | |
Core i5-1335U | |
Core i3-N305 | |
Core N100 |
シングルコア性能
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-14700HX | |
---|---|
Core i7-1355U | |
Core Ultra 7 165H | |
Core Ultra 7 155U | |
Core Ultra 7 155H | |
Core i5-1335U | |
Core Ultra 5 125H | |
Core i3-N305 | |
Core N100 |
その他の特徴
外観
カラーはナチュラルシルバーとウォームゴールドの二種類があります。カラーを選べるのは良いですね。
先述したようにAMDモデルと同じ筐体なので、参考にAMDモデルの筐体でご紹介します。ナローベゼルを採用し、ディスプレイの画面占有率は85%となっています。
ベゼル幅は、上11.2㎜、下17.9㎜、左右約7㎜と、低価格モデルにしては細い方だと思います。
筐体も大きくなく、5万円台のPCとは思えないほどしっかりしています。もう一点低価格モデルとは思えないところが、ユニボディを採用しているところです。ユニボディとはボディを1つのパーツで構成し、つなぎ目などがないもので、おしゃれで堅牢性も上がります。
ラウンドエッジで高級感があり、AMDモデルを購入して初めて手に取った時、「あれ、何か高いPC買ったっけ?」と思いました。そのくらい、デザイン性も高くおしゃれです。
ディスプレイが開く最大角度で、135°くらいです。
筐体内部にはファンが1つあり、最安値モデルはメモリが1枚だったため、メモリスロットはありませんでした。おそらくですが、上位モデルのみメモリスロットが2つになっているかもしれません。
Webカメラ周り
WEBカメラはHD 720pで、カメラシャッターも搭載しているので、使わないときは閉じておくと安心です。
左がAMDモデルのカメラで撮影したものと、別の機種で撮影した同じ解像度の写真と比較ですが、同じくらいの映りだと思います。普段使いPCにはほとんどHD解像度のカメラで、一般的な画質と言えます。
オーディオはデュアルスピーカーにデュアルマイクと、普通です。
キーボード
キーピッチは縦横18.7㎜×18.4㎜とほぼフルサイズですが、キーが15.4㎜×15.1㎜と小さいので、手が大きな人はちょっと窮屈だと感じる人もいるかもしれません。テンキー付きのキーボードは総じてキーが小さいですが、テンキーがあるのでExcelなどで数字を使うことが多い人は使いやすいです。
電源ボタンはdeleteキーの横にあるので、ちょっと嫌な場所ですね。電源は長押ししないと反応しないので間違って消すことはないと思いますが、まぁ、うれしい場所ではないです。
キーストローク(キーを押し込む距離)は1.3㎜と浅く、軽めの流れるようなタイピングをする人に合います。
指紋センサーはキーボード右下にあり、サインインは一瞬でできます。
ディスプレイ
ディスプレイは一般的な低価格モデルに採用されるスペックで、FHD IPS液晶になります。IPS液晶を採用しているので視野角も広く、悪くないと思います。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
搭載メモリはDDR4-3200MHzで、4GB(メモリ1枚)、8GB(メモリ8GB 1枚もしくは8GB(4GB×2枚))16GB(8GB×2枚)になります。
戦術しましたが、AMDモデルのメモリ4GBモデルはメモリスロットがなかったので、メモリの増設/換装をお考えの人は、Core i5以上のモデルがおすすめです。
その他のメモリとの性能比較です。
Memory Mark
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
DDR5-4800MHz平均 | |
---|---|
LPDDR4-4266MHz平均 | |
LPDDR5平均 | |
DDR4-3200MHz平均 |
ストレージ
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
本機は128GB(N100、core i3-N305)、256GB(N305、Core i5)、そして512GB(i5、i7)と別れており、増設はできません。
搭載ストレージはM.2 SSDなのでそこそこ速く、普段使いPCとしてはストレスを感じることもないと思います。
Wi-Fi 6に対応
対応周波数 | 速度 | |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
本機はWi-Fi 6に対応しており、現在主流のWi-Fi5より約40%最大通信速度が上がっています。また、一度に多くのデバイスに電波を飛ばせるようになったので、混雑した回線でも安定した通信が可能になっています。
バッテリー駆動時間
バッテリー駆動時間は最大約7.5時間と短いですが、据え置き用として使う人が多いと思うのでそこまで影響はないかもしれません。
ただし、急速充電に対応しており、45分で50%充電できます。
インターフェイス
インターフェイスは本当に最低限のものが搭載しており、USBのデータ転送速度はすべて5Gbpsになります。
左側面にはUSB-A、HDMI、USB Type-C、そしてヘッドフォン/マイクジャックです。USB Type-CはDisplay Port映像出力機能はありません。
右側面はUSB Type-Aと、電源ジャックのみです。
サポート・保証
HPでは「1年間の使い方サポート」と「1年間の引き取り修理保証」が標準でついています。
パソコンに同梱される「パソコン入門書」を見ながら設定や使い方を見ることが出来、分からない場合は電話でサポートを受けることが出来るので、安心して購入できます。
保証は最長3年まで延長でき、引き取り修理じゃなく出張修理もあります。
- 引き取り修理・・・指定業者がパソコンを引き取りに来て修理工場に配送、修理後配達される(期間内はパーツ代や配送代など無料)
- 出張修理・・・家や事務所に来て現場で修理。期間内は交換パーツ代など無料
ライバル機種
IdeaPad Slim 5i Gen 9 15.3型
15.3インチと変わったサイズですが、画面アスペクト比が16:10と縦に長いので16インチ並みの情報が表示されます。省電力モデルのインテル14世代Uシリーズを搭載し、全体的に最新スペックを搭載していますが、7万円台からとコスパが高い機種です
CPU | Core 5 120U Core 7 150U |
---|---|
メモリ | LPDDR5X 最大16GB |
ストレージ | SSD 最大1TB |
ディスプレイ(15.3型) | WUXGA IPS 光沢なし |
OS | Windows 11 Home/Pro |
無線 | Wi-Fi 6/6E |
生体認証 | 指紋センサー、顔認証 |
WEBカメラ | FHD、IRカメラあり |
重さ | 約1.793㎏ |
バッテリー | 最大約9.8時間 |
価格 | 7.7万円~ |
IdeaPad Slim 3i Gen 9 16
6万円台からと低価格ですが、16インチの大画面でアスペクト比が16:10と縦に長く、17インチ並みの情報が表示されます。指紋センサーやWi-Fi 6、そしてFHD Webカメラが搭載と、6万円台のPCとは思えないスペックです
CPU | Core 3 100U Core 5 120U Core 7 150U |
---|---|
メモリ | DDR5-5200 最大16GB |
ストレージ | SSD 最大1GB |
ディスプレイ(16型) | WUXGA IPS液晶 光沢なし |
LAN | Wi-Fi 6 |
生体認証 | 指紋センサー |
WEBカメラ | 1080p FHD |
重さ | 約1.74㎏ |
バッテリー(JEITA 3.0) JEITA 2.0 |
最大約7.7時間(動画再生時) 最大約13.9時間 |
価格 | 6.6万円~ |
Pavilion 15-eh
上位モデルを買うなら、こちらが良いかも。Ryzen 7000シリーズ搭載で、CPU性能が高いです。全体的に見ると標準的ななスペックですが、コスパが高く、15.6インチの大画面なので作業もしやすいです
CPU | Ryzen 5 5625U Ryzen 7 5825U Ryzen 5 7530U Ryzen 7 7730U |
---|---|
メモリ | 最大16GB |
ストレージ | SSD 最大1TB |
ディスプレイ | 15.6型 フルHD IPS 光沢あり |
無線 | Wi-Fi 6 |
生体認証 | 指紋センサー |
重さ | 1.71㎏ |
バッテリー | 8.5時間 |
価格 | 7.9万円~ |
まとめ
良い点
・安いがぼちぼちの性能
・Wi-Fi 6対応
・指紋センサー付き
・意外にユニボディでしっかりとしたつくり
残念な点
・Core i5やi7などの上位モデルは価格も高く、この価格なら違う機種のほうが高性能
総合評価
低価格モデルを購入するならコスパも高く、価格に対してしっかりとしたスペックです。そこまでサクサクというわけじゃありませんが、時々PCを使うような人や、短時間しか使わない人であれば十分だと思います。
上位モデルは価格に対してちょっとスペックが低い気もしますが、執筆時現在発売されたばかりで割引になっていないので、割引具合によっては「アリ」かもしれません。