最強ゲーミングPCのROG Strix G16 (2025) G614のレビューです。
3D Vキャッシュ搭載の最強CPU搭載に、最新のRTX 5070 Ti、そして2.5K DCI-P3 100%でリフレッシュレートは最大240Hzとぬるぬるです。
レビュー機はメーカーからお借りしており、スペックはRyzen 9 9955HX3D、メモリDDR5-5600 32GB、SSD PCIe 4.0 1TB、そしてRTX 5070 Tiになります。
本機の良い点と残念な点です。
良い点 | 残念な点 |
最強CPU搭載 | キーボードが独特で慣れが必要 |
最高峰のグラボが搭載 | WEBカメラが普通 |
すごくかっこいい | Wi-Fi 7じゃない |
ディスプレイの品質が高い | タッチパッドにテンキーを表示できるが、場所が場所なので使いやすいわけじゃない |
リフレッシュレートが最大240Hzでぬるぬる | |
メモリとストレージの増設ができる |
Contents
ROG Strix G16 (2025) G614のスペック
CPU | Ryzen 9 8940HX Ryzen 9 9955HX3D |
---|---|
メモリ | DDR5-5600 32GB(最大64GB) |
ストレージ | SSD×2 |
グラフィックス | RTX 5070 Ti |
ディスプレイ(16型) | 2.5K(2560×1600) TFTカラー液晶 ノングレア 240Hz WUXGA(1920×1200) TFTカラー液晶 ノングレア 165Hz |
OS | Windows 11 Home |
LAN | Wi-Fi 6E、ギガビットイーサネット |
生体認証 | ‐ |
WEBカメラ | 207万画素 |
オーディオ | Dolby Atmos |
寸法(幅×奥行×高さ) | 354 × 264 × 22.6~30.4mm |
重さ | 約2.5㎏ |
消費電力 | 最大約280W |
バッテリー(JEITA 3.0) | 計測中 |
標準保証 | 1年間 |
価格 | 37.9万円~ |
<性能評価>
パソコンの頭脳であるCPUは最高でRyzen HX3Dで、第2世代3D Vキャッシュ搭載の最強CPUです。現行世界最高のモバイルプロセッサーじゃないでしょうか?
もう1つはRyzen 9 8940HXで、こちらはZen 4アーキテクチャですが同じく16コア32スレッドのモンスターCPUです。
CPUにAIエンジンはありませんが、搭載グラフィックボードのRTX 5070 Tiは最大992 TOPSの性能があり、完全にプロ向けの性能です。
最近はやりのCopilot+PCは40 TOPS以上の性能を求めていますが、992 TOPSと聞くとCopilot+PCがおもちゃに見えますね。。。
そのCPUとGPUはターボモードで最大215W(CPU 75W/GPU 140W)まで引き上げることができます。
メモリはDDR5-5600MHzの16GBか32GBが搭載で、最大64GBにできます。M.2スロットは2つあり、1つはPCIe 4.0、もう一つはPCIe 5.0です。レビュー機にはPCIe 4.0が入っていたので、SSDを増設する場合はPCIe 5.0を購入したらいいです。
ディスプレイは16インチの大画面で、画面アスペクト比が16:10と縦に長く、一般的な17インチ並みの情報を表示できます。
2.5K(2560×1600ドット)かWUXGA(1920×1200ドット)解像度でTFTカラー液晶を採用し、広色域のDCI-P3 100%で画像編集や動画編集にも合います。リフレッシュレートは最大240Hzと超ぬるぬるです。
その他のスペックはWindows 11 Homeで、Wi-Fi 6Eに対応しギガビットイーサネットを搭載、カメラは意外に普通な207万画素(FHD)で、ドルビーアトモス対応のスピーカーが4つ搭載です。
16インチで実測2340g(公称2.5㎏)とヘビー級で、90Whの大容量バッテリーが搭載しています。最大消費電力は280Wで、電源アダプタも280Wと大きく30分で50%まで充電できます。
インターフェースは高品質で、USB4が2つにUSB-A(10Gbps)も2つ、そしてHDMIに3.5ミリジャックになります。USB-Aが左に1つあったら、ここを使ってもマウスが当たらないのでより良かったかなと思います。
ゲーマー心をくすぐる外観
これ、めちゃくちゃかっこいいですよね。ASUSのゲーミングPCは、他社とは一味も二味も違います。しかもベゼルもめちゃくちゃ細いです。
ベゼル幅は上も左右も5ミリと、こんなに細いベゼルは初めてだと思います。ベゼルが細いと全体的に引き締まって見え、スリムでコンパクトに見えます。
横から見たらこんな感じです。
ヒンジが特徴的ですね。ちょっと上に持ち上がっている感じで、ディスプレイ下にあるのは通気口だと思います。
背面です。左から下に向かっている線には「FOR THOSE WHO DARE(意訳:勇敢にもチャレンジする者たちへ)」と書かれているんです。そんなこと言われたら、ポチってしまいますよね(笑)。
排気口も通気口も多いですね。公式サイトの画像が見やすいのでそちらでご紹介します。
左右側面と背面、そして底面からがっつり吸気と排気をしています。
ROGもTUFも斬新なデザインで、どこから見てもかっこいいしすぐにASUSってわかりますね。
寸法は幅354ミリ、奥行き264ミリで横幅は15.6インチ並みにコンパクトです。
厚さは22.6ミリ~30.4ミリと分厚いです。
ASUSは筐体へのこだわりが凄いですよね。ユニークだし、考え抜かれて設計されている感じがします。
インターフェイスは高品質で、左から電源ジャック、RJ45、HDMI、USB4が2つ、マイク/ヘッドフォンジャックになります。
右側面はUSB 3.2 Gen 2が2つのみです。
ゲームの時はいいですが、クリエイティブワークなどをしているときはUSB-Aポートにケーブルを挿すこともあり、こうなると右利きの私はマウスがケーブルに当たって使いにくいんですよね。左にも1つUSB-Aがあれば個人的にうれしかったです。
ディスプレイが開く最大角度です。
がっつり光る筐体
ROG Strix G16 (2025) G614
やばいかっこいい・・・ pic.twitter.com/fKf4znpdXE
— パソコンガイド (@pc_reviewer) May 14, 2025
これ、めっちゃ光ります。デスクトップかと思うほど光ります(これは言い過ぎたw)。
ライティングの設定はArmoury Crateからできます。
タッチパッドにテンキーを表示できるキーボード
16インチでテンキーがないので、ゆとりをもって設計されたキーボードですね。主要キーはすべて同じ大きさなのでタイプミスもしにくいです。キースイッチは2000万回以上押すことができ、Nキーロールオーバー対応なので複数キーを押してもしっかりと反応します。
キーボード上部には音量やマイクミュート操作、操作モード、Armoury Crateに素早くアクセスできるホットキーがあります。
ただし、キーボード一番右には再生や停止などのキーが配置されているため、一番よく使うエンターキーが1列中に入っているので、慣れるまでミスをしやすいかもしれません。
もう1つ付け加えると、DELETEキーが一番右上にありますね。普通はBackSpace(Entreキー上の左矢印)の真上にあるのですが、これも場所が違うので最初は間違えると思います。
ちなみにホットキーはカスタマイズ可能なので、アプリを設定したりファンクションキーとして使うこともできます。
また、4つのカーソルキーすべてが同じ大きさで打ちやすいのは打ちやすいのですが、通常↑上カーソルの上にはShiftキーがあるんですよね。それが左にずれてすごく小さくなっています。ゲームの時に使うことは少ないですが、ここも慣れが必要です。
キーピッチ(キーの中心から次のキーの中心までの距離)は18.9×18.7mmと、フルサイズなので手が大きな人でも使いやすいです。
キーストローク(キーを押し込む距離)は1.9ミリと深く、すごく打鍵感がありタイピングしていて気持ち良いです。これはROG独自のオーバーストロークテクノロジーで、より早く、より正確に、そしてより楽にタイピングできるようになったとのことです。
ガラスコーティングのタッチパッドは約130.2×84.8ミリと大きく、ここにテンキーを表示することができます。ちなみに、キーボードもRGBライティング付きで、好きな色に設定できます。
個人的なことを言うと、キーボードの下にあるので、結構腕を曲げて使わないといけないので使いやすいわけじゃなかったです。あと、自然な状態の手の形は、タッチパッド付近に来るとまっすぐじゃなく斜めを向いているので、まっすぐのテンキーがここにあっても押しずらいです。
もちろんCopilotキーもあり、私は主にメールの返信やCSS、HTMLを使うときに作ってもらったりしていますが、ファイル内容の要約などいろいろな場面で役に立ちます。
キーボードはいろいろな点が一般的な配列と違うので、慣れてしまうしかないですね。仕事用や普段使い用と2台持ちする人は、結構大変です。
Armoury Crate
Armoury Crateでは、CPUやGPUなどの設定からライティングにゲームの管理など様々な設定ができます。先述しました「手動モード」でCPU75W+GPU140Wにするのも個々からできます。
一か所で管理できるので、すっごく楽です。
最強CPU Ryzen HX3D搭載
本機最大の特徴は、コレですよね。アーキテクチャがZen 5で3D-Vキャッシュ搭載のRyzen 9 9955HX3Dが搭載できることです。
Ryzen 9 9955HX3D | Ryzen 9 8940HX |
|
製造プロセス | 4nm | |
アーキテクチャ | Zen 5 | Zen 4 |
コア | 16 | 16 |
スレッド | 32 | 32 |
L3キャッシュ | 128MB | 64MB |
ブーストクロック | 5.4GHz | 5.3GHz |
ベースクロック | 2.5GHz | 2.4GHz |
デフォルト/最大TDP | 55W/75W |
どちらも16コア32スレッドのモンスターCPUで、これだけでも欲しくなりますよね。Ryzen 9 9955HX3Dには第2世代3D V-Cache技術を搭載しており、ゲームのデータをCPU内の大容量キャッシュに保存できるため、メインメモリへのアクセスが減りフレームレートが向上するようです。
レビュー機にはRyzen 9 9955HX3Dが搭載しているので、じっくり性能を見ていきましょう。
CPU Markスコアは63357とモバイルCPUでは見たことがないくらい高い性能でした。
その他のCPUとの比較で、一番上のRyzen 9 9950Xはデスクトップ版の超ハイエンドですが、Ryzen 9 9955HX3Dは同じくらいのスコアですね。
スコアの目安
- 7000~・web閲覧・動画視聴・Office資料作成があまりストレスなくできる
- 10000~・ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い
- 15000~・ハイエンドPCに搭載される
- 18000~ゲーミングPCや編集など専門的な機種に搭載されることが多い
CPU Markスコア
オレンジ/本機 青/その他 赤/別機種
Ryzen 9 9950X(デスクトップ向け) | |
---|---|
Ryzen 9 9955HX3D | |
Ryzen AI MAX+ 395 | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Ryzen AI 9 HX 375 | |
Core Ultra 9 185H | |
Ryzen AI 9 365 | |
Ryzen 7 8845H | |
Core Ultra 7 165H | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Ryzen 7 8840HS | |
Core Ultra 5 135H | |
Core Ultra 7 155H | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125H |
Cinebench 2024のスコアで、Cinema 4DのデフォルトレンダリングエンジンであるRedshiftのパワーを利用して、CPUとGPUの能力を計測します。計測結果はマルチコア1932、シングルコア129とぶっちぎりでした。
他のCPUとの比較です。
マルチコア性能
オレンジ/本機 青/その他
Ryzen 9 9955HX3D | |
---|---|
Ryzen AI MAX+ 395 | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Ryzen AI 9 HX 375 | |
Ryzen AI 9 365 | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Ryzen 7 8845HS | |
Apple M1 Max | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 7 258V | |
Apple M1 | |
Core i7-1280P |
シングルコア性能
オレンジ/本機 青/その他 赤/別機種
Ryzen 9 9955HX3D | |
---|---|
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Ryzen AI MAX+ 395 | |
Ryzen AI 9 HX 375 | |
Ryzen AI 9 365 | |
Apple M1 Max | |
Apple M1 | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | |
Ryzen 3 8300GE | |
Ryzen 7 8845HS | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core i7-1280P |
Geekbench AIのONNXでCPUのAI性能を測りました。ONNXはOpen Neural Network eXchangeで、ディープラーニングや機械学習モデルのようなAIモデルの性能を計測します。
Single Precision(単精度)は6406、Half Precision(半精度)は2487、Quantized(量子化スコア)は11026とありえないくらい高いスコアでした。
Single Precision Score/単精度スコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 9 9955HX3D | |
---|---|
Ryzen AI MAX+ 395 | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Ryzen AI 9 HX 375 | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 5 125U | |
Core i7-1260P | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 5 8640HS | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 3 7335U |
Half Precision Score/半精度スコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
---|---|
Ryzen 9 9955HX3D | |
Ryzen AI MAX+ 395 | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Ryzen AI 9 HX 375 | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125H | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core Ultra 5 125U | |
Core i7-1260P | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 3 7335U |
Quantized Score/量子化スコア
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Ryzen 9 9955HX3D | |
---|---|
Ryzen AI MAX+ 395 | |
Snapdragon X Elite X1E-78-100 | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Ryzen AI 9 HX 375 | |
Core Ultra 7 258V | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 5 125U | |
Ryzen 5 8640HS | |
Core i7-1260P | |
Ryzen 5 7535U | |
Ryzen 3 7335U |
5分の4K動画を撮影し、Davinci Resolveでレンダリングにかかった時間です。当然ですが、時間が短いほうが高性能です。
3回計測し平均は1分24秒とめっちゃ速いです。1回目と2回目は1分10秒台を出しましたが、連続でやったためか3回目は1分40秒と極端に時間がかかりました。
4K動画レンダリング速度
オレンジ色・・・本機種 青・・・比較
Core i7-1260P | |
---|---|
Ryzen 5 7535U | |
Core Ultra 5 125H | |
Core Ultra 7 258V | |
Ryzen 5 8640HS | |
Ryzen 5 8500G+RTX 4060 Ti | |
Ryzen AI 9 HX 370 | |
Core i7-14700+RTX 4060 | |
Core Ultra 7 265K+RTX 4070 Ti Super | |
Ryzen 9 9955HX3D+RTX 5070 Ti |
めちゃくちゃ高いグラフィックス性能
本機にはRTX 5070 Tiが搭載し、Armoury CrateからTurboモードや手動からさらにCPUの20W追加できたりします。
まずがゲームの3DMarkを使い、グラフィック性能を測ります。
Steel Nomad Lightは17821、Wild Lifeは93066、Fire Stikeは37343とめちゃくちゃ高い性能ですが、軽めのゲームのベンチマークであるWild LifeのみRTX 5070 Tiの平均を下回りました。
ちなみにFire Strike Extremeは18966のスコアで、RTX 5070 Tiの平均が21863で平均を下回りました。
Steel Nomad Liteは、DirectX 12 Ultimateの性能をテストし、レイトレーシングを使用しない中量級ゲームを想定したベンチマークです。スマホなどの他のデバイスとスコアを比較できる、クロスプラットフォームです
Steel Nomad Light
オレンジ/本機種 赤/RTX 5070Ti平均
RTX 4090平均 | |
---|---|
RTX 4080平均 | |
Ryzen 9 9955HX3D+RTX 5070 Ti | |
RTX 5070 Ti平均 | |
RTX 4070平均 | |
RTX 4060 | |
Ryzen AI MAX+ 395 | |
RTX 4050 | |
RTX 3050 |
Wild Life
オレンジ/本機種 赤/RTX 5070Ti平均
RTX 4090平均 | |
---|---|
RTX 4080平均 | |
RTX 5070 Ti平均 | |
Ryzen 9 9955HX3D+RTX 5070 Ti | |
RTX 4070平均 | |
RTX 4060 | |
Ryzen AI MAX+ 395 | |
RTX 4050 | |
RTX 3050 |
Fire Strike
オレンジ/本機種 赤/RTX 5070Ti平均
Ryzen 9 9955HX3D+RTX 5070 Ti | |
---|---|
RTX 5070 Ti平均 | |
RTX 4090平均 | |
RTX 4080平均 | |
RTX 4070平均 | |
RTX 4060平均 | |
Ryzen AI MAX+ 395 | |
RTX 4050平均 | |
RTX 3050平均 |
次は2Dゲームのベンチマークで、重ためのFFXIV黄金のレガシーは標準品質で33623と「非常に快適」、最高品質では25488で「非常に快適」でした。
ゼンレスゾーンゼロを以下の設定でプレイしたら、ルミナスクエア散策シーンでは100fps前後まで出ましたが、戦闘シーンでは30fpsくらいまで落ち、最高でも60fps前後でした。QHDでも十分プレイできましたが、もっとfpsが欲しい場合は画質設定をしたらい良いです。
設定: 最高設定、垂直同期無効、フレームレート制限なし+2560×1600フルスクリーン
排熱性能
底面カバーです。いろんな場所に通気口があり、デザイン性も高いですね。
これ凄いですね。
7本のヒートパイプに、CPUとGPUにはTHERMAL GRIZZLY社の液体金属グリスがあります。また、通常デュアルファンが多いですが、本機にはGPUとVRAMを冷却する第3のファンが搭載しており、銅製フィンを採用したファンで冷却します。
公式サイトによると、CPUとGPUの温度を最大6°低下できるそうです。
CPUの性能をフルで使うCinebench 2024を実行中に、PC表面温度と騒音値を計測しました。
温度は41.1度ちょっと温かく、騒音値は平均58dBとちょっとうるさめでした。ゲームをしているときもファンががっつり回っているので、ちょっとうるさいです。
メモリとSSDの増設可能
カバーがあるのですぐには見えませんが、メモリスロットが2つで最大64GBにでき、M.2スロットは左右に1つずつあります。
レビュー機にはDDR5-5600 32GB(16GB×2枚)が搭載しています。
右側にあるSSDで、最初から搭載しているものです。こちらはPCIe 4.0になります。
もう1つはWi-Fiカードのそばにあります。
Wi-Fiカードの上に設置する感じになり、こちらはPCIe 5.0になります。
2.5K高精細ディスプレイ
ディスプレイは16インチで2.5K(2560×1600ドット)かWUXGA(1920×1200ドット)があり、レビュー機は2.5Kになります。
特徴が多いので、箇条書きで紹介します。
・高精細2.5K解像度
・画面比16:10
・ACRフィルム
・広色域DCI-P3 100%
・Dolby Vision(ハイダイナミックレンジ)
・TUF Rheinland認証(ブルーライト軽減・フリッカーフリー)
・NVIDIA G-Sync(カクツキを防ぐ)
・最大240Hzのリフレッシュレート(WUXGAは165Hz)
2.5Kと高精細で細かい部分もきれいに見え、画面比が16:10と縦に長いので、16インチでも17インチ並みの表示量があります。より多くの情報を一目で見ることができるので、今まで見えなかった敵も見えるかもしれません。
2層のACRフィルムが搭載しており反射を55%低減、そしてコントラスト比を4.5倍向上させたそうです。これに加え、ハイダイナミックレンジであるDolby Visionにも対応しており、暗い部分はより暗く、明るい部分はより明るく描写でき、くっきりと見えやすいです。
また、TUF Rheinlandの認証を受けており、目の疲れを防止します。
左は低価格モデルに搭載される色域で、真ん中は画像編集やYoutubeなどの動画向け、そしてROGはDCI-P3 100%とプロ向けのデジタルシネマ規格で映像編集向きです。しっかりと色を描写できるしスペックも高いので、プロの映像編集者も使えます。
左が本機で右オリジナル画像で、黒の描写がどれだけできるかの確認です。ズームするとわかりやすいですが、本機はOLEDDCI-P3 100%じゃないのに黒の描写がしっかりとできています。
次は視野角のチェックです。視野角は広く、どこからみてもしっかりと見えます。
輝度は500ニトで、こちらは輝度の目安です。
220ニト | 室内ならなんとか使える。明るい室内では暗く見える |
---|---|
250ニト | 室内向け。 |
300ニト | 屋外の日陰でも見える(見やすいわけじゃない) |
400ニト | 屋外でも使いやすいが、直射日光が当たるとちょっと暗い |
500ニト | 屋外向け |
600ニト | 画面に直射日光が当たっても比較的見える |
その他の特徴
FHD WEBカメラ搭載
Webカメラは意外にも普通で、FHD画質になります。
左が本機で、右は8万円くらいの普段使い用PCで撮影した同じ解像度の写真ですが、ズームして細かいところを見るとROGは毛並みも見える部分が多く、より良い映りかなと思います。Web会議やビデオ通話はもちろん、オンラインレッスンなどにも使えます。
Dolby Atmos搭載スピーカーが4つ(ツイーター2つと下向きのウーファーが2つ)あり、音量も大きく良い音だと思います。
Wi-Fi 6E+1Gbe搭載
対応周波数 | 速度 | |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) |
5GHz | 6.9Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) |
2.4/5GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6E) |
2.4/5/6GHz | 9.6Gbps |
IEEE802.11be (Wi-Fi 7) |
2.4/5/6GHz | 46Gbps |
これだけハイエンドなPCですが、Wi-Fi 7じゃなくWi-Fi 6Eになっています。理論値ですがWi-Fi 6Eは最大9.6Gbpsで、Wi-Fi 7は46Gbpsと大きな性能差があるので、Wi-Fi 7だと嬉しかったですね。
ただし1ギガビットイーサネットも搭載しているので、高速安定通信ができます。
メモリ性能
メモリはデータを一時的に保存する部分で、メモリが大きいと多くの(大きな)データを処理しやすくなります。
最新のDDR5-5600MHz搭載で、最大64GBになります。レビュー機は32GB(16GB×2)でMemory Markで計測したら3207と良いスコアでした。
その他のメモリとの比較です。
Memory Mark
オレンジ色・・・本機種 赤・・・同等メモリ
LPDDR5X平均 | |
---|---|
本機種 | |
DDR5平均 | |
LPDDR5平均 | |
LPDDR4X-4266MHz平均 | |
DDR4-3200MHz平均 |
ストレージ
ストレージはデータを保存するだけの場所じゃなく、パソコンの起動やWebサイトの表示速度にも影響があります。
搭載ストレージはSSD PCIe 4.0の1TBで、シーケンシャル速度を計測したらリード(読み込み速度)は7304MB/秒、ライト(書き込み速度)は6135MB/秒とすごく速いです。
こちらはシーケンシャル速度の、おおよその速度です。
シーケンシャル速度
オレンジ色・・・リード 青・・・ライト
PCIe 4.0×4 | |
---|---|
PCIe 3.0×4 | |
HDD |
起動時間を5回計測した平均は約18.4秒でした。普通です。
1回目 | 19秒 |
---|---|
2回目 | 18秒 |
3回目 | 19秒 |
4回目 | 18秒 |
5回目 | 18秒 |
平均 | 18.4秒 |
サポート・保証
ASUSの保証やサポートはかなり手厚いことで有名で、製品購入後30日以内に登録するだけで、破損・自損問わずに1年間保証、負担は部品代の20%のみです。
例えば、ほとんどないですが、「メモリを増設したら壊れた」などが起こっても、元のメモリを入れなおして修理に出せばOKです。
ライバル機種
現在RTX 5000シリーズを搭載している機種が少ないのですが、ライバルとしてこちらをピックアップしました。
Lenovo Legion Pro 7i Gen 10(16型 Intel)
最高でRTX 5090搭載可能!!現行最高性能で、価格からも分かるようにプロゲーマー向けのハイエンドゲーミングPCです。リフレッシュレートは240Hzと超ぬるぬるで、高画質でできないゲームはほとんどないんじゃないでしょうか?ただし、高い!!
CPU | Core Ultra 9 275HX |
---|---|
メモリ | 最大64GB |
ストレージ | SSD×2(PCIe 5.0/4.0) |
グラフィックス | RTX 5070 Ti RTX 5080 RTX 5090 |
ディスプレイ(16型) | WQXGA OLED 240Hz DCI-P3 100% |
OS | Windows 11 Home/Pro |
LAN | Wi-Fi 7 |
WEBカメラ | FHD |
オーディオ | Nahimicオーディオ |
重さ | 約2.72㎏ |
バッテリー 電源 |
最大約5.2時間(JEITA 3.0) 400W |
標準保証 | 1年間 |
価格 | 48.5万円~ |
まとめ
良い点
・超高性能CPU&GPU
・かっこいい
・DCI-P3 100%と広色域
・ディスプレイが2.5Kと高精細
・画面比が16:10で情報量が多い
・メモリとストレージの増設が可能
残念な点
・キーボードが独特で慣れが必要
総合評価
ゲーミングPCとしての性能はすごく高く、CPUもGPUも最高峰なのでがっつり重たいゲームもできますね。ただし、ゲームによってはQHDじゃ重たいかもしれないので、画質調整や解像度を下げたりと言う工夫も必要になります。
また、ディスプレイも高品質で、プロ向けの品質があるので出張などで遠出をすることがあるクリエイターにも使えると思います。
ただし、キーボードがちょっと独特なので、ビジネスPC兼用としても使う場合は慣れが必要です。
純粋に高解像度でゲームを楽しみたい人には、第一候補に入ると思います。
Author
・パソコンガイドメインライターの本田。PCやタブレット、その他ガジェットが好きで、年間2~30台ほどのPCとモニターや周辺機器を購入するマニア
・元ミュージシャン
・暖かいところが好きで、よくタイに旅行に行く
・既婚(妻と子供2人)
・最近の趣味はオーディブルを聞きながらぼけ~っとすること
・はまってることは、裸足で1日10分歩く健康法
・若く見られがちだが40代